2002年4月

2日(火)
 先月末日の話になるが、オーストラリアに留学する高校時代の友人の送別会で、六本木の〈Casita〉というお店へ行ってきた。アマンドの交差店を軽く曲がり、芋洗坂を下ったところにあるお店でしたが、なにせ東京出て来て8年を過ぎるのに、六本木に足を踏み入れるのは4回目、飲むのは2回目という不慣れな場所でして、道はあっているのかなぁと不安げに向かいましたが、それなりに分かりやすい場所に在りました。

 少し早めに着いたので、カウンターで軽くカンパリソーダでもいただきながら待っていましたが、フロアスタッフに可愛い子がいてけっこう景色良かったです☆って、そんな話はどうでも良いのですが、この店かなり感じ良い店で、サービスはとっても行き届いて、とても楽しませてくれました。幹事の奴が上手く手筈してくれたのでしょうが、旅立つ友達への何気ない心配り、スタッフさん達のセンスの良い会話、久々にとても良い店でした。

 料理の味の方は、前菜がとても美味しかったです。シーザーサラダはちょっと絶品。今まで持っていた、シーザーサラダのコンセプトを変えさせられた、そんな一品です。パスタはウニを使っていたのですが、トマトやらが強すぎて、ちょっと味殺しちゃってたかもしれません。折角ペペロンチーノ風につくったのだから、トマトのせなきゃ良かったのに。。。

 主菜は豚と鶏が2種類出たのですが、どちらもそれなりに美味しかったです。鶏のソースはエスニックな感じが入っていたのですが、かなりいけていましたよ。メインの付け合わせの、白アスパラもなかなか見かけないですが、そろそろ旬らしく良い味出していました。ただ、デザートがあまりいただけませんでした。チョコレートムースに、ラズベリーやブルーベリーなどを散らして在りましたが、余り味のバランスは良くなく、再考の余地ありっていう感じでした。

 でも、なんだかんだ言って、ワインまで飲んで一人7000円くらいなものですから、けっこうお手軽な店であるのは確かです。何せ場所は少し外れるとはいえ、六本木ですからねぇ。兎に角お店のサービスと雰囲気の良さは一流並です。良かったらどうぞ。デートにも使える店ですよ。

※先月の記述を少し訂正。ロッテはオリオンズからマリーンズに名前変えましたね。そう言えば。

3日(水)
 毎月第一水曜日は映画の日でして、どれでも1000円で見られるのでお得です。そんな訳で今日は、〈WXV機動警察パトレイバー3〉を見てきた。パトレイバーシリーズのパート3でして、パート1のサイバーテロ、パート2のテロに続き、パート3は遺伝子組み替え生物が題材です。

 それにしてもやはりこのシリーズ、背景がメチャクチャ素晴らしい。キャラは人気アニメの原作があるので、それほど手を加える事は出来ないのですが、その分背景はすごい技術です。海の水の動き、雲の流れ、街並みの細部まで、現実よりも現実に近いと思わせる映像です。

 多分人間の認識って、現実に目に入ってくる映像を、一度イメージとして記憶するのでしょうから、写真よりもアニメの方が、現実感に溢れている錯覚を持ってしまうのかもしれません。ホントにこれは、ジャパニメーションの技術水準の高さを表しています。ただ、最後のテロップをボケボケ見ていたら、かなりの部分を韓国で製作しているようですから、そのうち韓国製の素晴らしいアニメが輸入されてくるかもしれません。

 ところで、あまりアニメって映画館で見ないのですが、その客層の異様さに圧倒されてしまいました。取り敢えず、400人くらいの定員の映画館に8割近く客がいたのですが、女性客が10人強しかいない環境。しかもそのうち数人は、亭主と子どもとの家族で来ている家族客。残りは、アキハバラ系のムサイ感じがほとんど。。。いやぁ、大画面で見る迫力はありますが、レンタルビデオ借りてみた方が良いかもしれません。。。

4日(木)
 あまりにも気持良い風に誘われて、上野の西洋美術館まで出かけて来ました。今はスペインのプラド美術館展をしていまして、その辺りをゆっくりと見てきました。時期的にはルネサンスの頃から20世紀初頭まで、美術史の教科書のように、バロック、ロココと特徴的な作品が並んでいました。

 面白かったのは、ルーベンスを始めとして、ブリューゲルなども混じっており、フランドル辺りで活躍した画家の作品がたくさんありまして、あぁ確かにハプスブルグ領だったよなぁと、変なところで感心してしまっていました。絵の題材も、カトリックの保護者としてのスペインの性格がよく出ているラインナップでして、〈神殿から商人を追放するキリスト〉などは、半ば感心しつつ見ていました。

 ルーベンス、ゴヤ、エル・グレコ、ムリリョなど、錚々たる顔ぶれの作品が並んでましたが、中でも大好きなティッツィアーノの作品も、3点飾られていたのが嬉しかったです。〈農園のキリスト〉はかなり荘厳で引き込まれてしまいました。有名な作品としてはゴヤの〈巨人〉でしょうか。

 また今日の読売新聞に出ていましたが、ムリリョの〈無原罪の御宿り〉は、長崎の浦上天主堂で被爆したマリア像の、モデルとなった絵画だということです。絵のほうは白と青のコントラストが、とても美しい作品でした。プラド美術館展は6月16日まで続くようですので、ご興味がお有りの方はどうぞ。

5日(金)
 新M1が、3人ほど日経史にも入って来ました。彼らを交えて、今年度の自主ゼミの運営などを決め、その後チムニーへ突入。やはり酔っ払って自転車乗るの良くないですね。いつも帰りの車上で酔いが回り、記憶がなくなります。。。(汗)腕擦り剥いてるって、俺はいったいどんな帰り方をしたんだろう。。。多分これはチャリから落ちてこけてるな、尾てい骨も何げに痛い。。。

 取り敢えず今年度の自主ゼミは、3グループに分かれてサブゼミ形式でやることになりましたが、一つは中小企業、一つは古典を読む、一つは産業革命期、そんな感じになりました。古典はウェーバー辺りから読み始めるらしいです。中小企業は、どうするんでしょうか、未だ決まってないようです。

 産業革命期は、取り敢えず大石嘉一郎編から読むかっていうことになりましたが、今年は先生たちのゼミで、明治期に触れるものが多そうなので、予習復習もかねそうですが。何せM1が3人とも入ったので、久々に基本に戻るっていう感じでしょうか。そう言えば僕がM1の時には、現助手の荻山さん主催で、産業革命論に関する文献を読み進めましたから、4年ぶりにやるのもまた一興かと。

 それにしてもこの時期、ゼミを何に出るか悩みますが、昨年はほとんど戦後史やっていたのに、今年は明治期を中心とする戦前が多いというように、先生方の間で話し合いや調整はなされていないようです。なかなか困ったものですが、戦前扱うのは全部出るかぁっていう、今のところはそんな心境です。

6日(土)
 友人にゆずのチケット譲っていただきまして(ホントにありがとう!すっげ〜良かった☆)、埼玉スーパーアリーナまでちょっくら行って来ました。田端までひょこっとチャリで出て、京浜東北線と高崎線乗り継ぐと、30分くらいで到着できてしまうんですねぇ。ちょっと驚きました。割合近いと。そう言えば新年明けて帰って来てから、山手線の外側へ向かうのは初めてかもしれない。このワッカ内と近辺で、だいたい研究も遊びも出来ちゃうからなぁ。

 で、ゆずのコンサートは先月出されたニューアルバム主体でして、あんま曲知らないよなぁと心配しつつ行ったのですが、ゆずっぽい曲がいっぱいで、昔とあんまりかわらない感じの良い曲が多く、すぐにコンサートの雰囲気もつかめて、とっても楽しかったです。そういやぁ〈ラジオ体操第一〉はいいですね。2万人近くでするとかなり爽快。

 〈ねこじゃらし〉のイントロが流れると、じ〜んと体に電流が流れた感じ。〈夏色〉・〈少年〉・〈サヨナラバス〉あたりも当然あって、言うこと無しでしたねぇ。今回のアルバムの曲では、〈GO★GO!!サウナ 〉なんかは盛り上がるのに最高ですね。あと、異様な盛り上がり方をしたのは〈恋の歌謡日〉。いやぁ、面白かったですねぇ。

 でも、今回のコンサート、アリーナだったんですよねぇ。俺身長高いから、アリーナ席は後ろの子が可愛そうで。。。高校生ぐらいの女の子集団だったのですが、彼女達来るのにお小遣いやりくりしたり、バイトしたりと、楽しみにしてただろうになぁ。ちゃんと見えたかそれが気になって、ちょっと複雑でもありました。

9日(火)
 今日は政治ネタでも少し。加藤紘一さん議員辞職ですね。でも、何だかんだ言って、加藤紘一って言う政治家、僕は好きだったんですけどね。彼のメッセージは共感するところ多かったし、ネットを使った政策アピールも、色々と読ませていただきました。国家観や10年スパンでの見通し、資金の流用などの事実を突きつけられても、やっぱり惜しい人材という気はするんですよ。
 
 でもやはり、政治は政策だけではないのも事実でしょうからね。彼に命を預けても良いと言うほどの人間は、決して彼の周りには登場しないでしょうね。小泉さん見ていると、飯島秘書官がよく取り上げられますが、彼なんかホントに小泉さんが色々と実現するために、寝食忘れてバックアップしているという感じですもんね。側近にそこまでさせられない人間は、やはり書正論で限界があるのでしょうか。そういう政治のリアリスティックな点は、僕は好きではないんですけどね。

 最近の僕のお気に入りの政治家は、麻生太郎なんですよね。あの麻生家のボンボンで、吉田茂の孫。射撃でオリンピックまで出ている変わり者です。彼は政治家になる前、石炭業の実家をセメント業に作り変えた腕も持っていますし、そんなことを踏まえて、青年会議所の会頭もしてるんですよねぇ。しかも彼の発言のシニカルさは、吉田茂ってあぁだったのかなぁなんて思わせる感じで好きです。この前テレビで、自分は公共工事がしたい亀井静香とは違うと力説していたのが面白かった。

 加藤の乱以後めぼしい人材がいなかったのですが、今僕が最も総理にしたい男はこの人ですね。でも絶対一般受けしないだろうなぁ。マニア向けだよなぁ。あんまり表立っては応援しずらい顔してるし、影ながら応援してよぉ。

11日(木)
 この春は、社経史への投稿が帰って来たので、専らそんなのの手直しばかりをしてきた。4月になってゼミも始まりつつあるが、まだ再手直しに再々手直しの段階。これから色々と時間も拘束されることが多くなるから、手直しばかりに時間もかけていられないし、なかなか頭も痛いもんだ。

 と、愚痴ってみても仕方がないが、まぁ愚痴りたいときも人間ある。こういう時のお酒は得てして美味しくないし、悪い酒になる可能性が大なので飲まないように気をつけている。

 だいたい明治の統計書って、系統によって微妙に数字ずれてるし、時々桁違って信用できない数字紛れ込んでるし、さらに図書館は明日創立記念日で休みだし、はぁぁぁぁ。やだやだ。

13日(土)
 レイトショーで、ようやく〈ロード・オブ・ザ・リング〉の第1部などを見てきました。〈指輪物語〉自体は読んだこと無いのですが、10年以上も前ですが、水野良の〈ロードス島戦記〉などのシリーズにはまっていた時期もあったので、その世界観にはすくっと入っていくことが出来、そういえばエルフとドワーフは仲悪いよなぁとか、こいつはエルフを選択したハーフエルフかぁとか、ある意味懐かしく見てきました。

 この映画のすごいところは、なんと言っても緑でしょう。イギリスの丘陵の美しさ、鮮やかさが、太陽の陰影とともに移り変わる様は、それが最初から強調されるだけに、より一層、映像に引き込んでいってくれます。悪の世界の闇・暗さとのコントラストが、とっても分かりやすく描かれています。その他にも、パブの雰囲気とか、ドワーフの鉱山とか、エルフの森とか、その世界観が好きな人にはたまらない作りになっています。

 主役のイライジャ・ウッドが、すっごく可愛いホビット役をしていたのですが、彼は〈バックトゥーザフューチャー2〉に出ていたらしい。8歳の頃らしいが、どんな役柄だったっけ。。。それにしても、映像処理しているんだろうけど、とても20歳には見えないよなぁ。彼。まぁホビット役だからというのもあるが、15歳くらいにしか見えない。そのくせ表情の演技は、ちょっとオーバーなとこもあるが、なかなかの名演技ぶり。第2部・3部も注目です。

 で、映画館ですから当然の如く暗闇の中で見ていたわけですが、けっこうすすり泣く声が聞こえてきたんですよね。僕の場合涙もろい方で、感動する映画はすぐ泣くのですが、この映画はどうして泣けるのかは僕には理解できませんでした。いや、決してつまらない映画というわけではないのですが、そんな一人ならずそれなりの人が泣ける映画だというのは意外。2人連れが多かったから演技して泣いてる子がたくさんいたのかなぁ。それとも土曜のレイトショーで、飲み会の後ほろ酔い気分の中来て、気持が高ぶっている人が多かったのだろうか。不思議だ。

15日(月)
 世の中、会話していてとても疲れる人というのはいるものである。いっしょにいた友達も疲れるとか言っていたので、まぁみんな疲れるのであろう。別に話している相手に悪気があるわけで無いのは分かる。どちらかと言うと、無理してでも会話しようとしている子だったから、元気がある時は話に付き合うかぁって言う感じなんだが、疲れている時や、話が長くなってくると、そろそろ限界だぁって言う感じになってくる。

 その理由を色々考えていて、いくつかありそうなんだけど、一番の理由は、自分は、という一人称の会話が圧倒的に多いことに起因しているような気がした。まぁ日常会話だったら一人称の発言が多いのは普通だろうが、それにしても、二人称や三人称(第三者ではない!)の会話も、それなりの比率で登場するはずである。そしてその点から派生すると思われるが、一人称の発言が多いと、よほど注意しない限り、会話の流れを中断する事が多い。よっぽど尊敬する人物や、何とかしかして付き合いたいような可愛い子なら兎も角、普通は会話の相手が日々何を考えてるのかなんて、次から次へと一方的に長く聞きつづけるのはつらいものだと思う。

 などと考えていたのだが、こういうことってアドバイスするのは難しいですよね。まぁほっとくかぁ。別に親しい友達でもないし。

 そう言えば、初等・中等教育の課程で、他者との会話の仕方というのを教わった記憶は無いが、忘れただけなのか、本当にしていないのだろうか。まぁ、家庭で身につけるスキルのような気もするが、日本の国語教育は大丈夫なのかという気にもさせられる。

16日(火)
 今日は中日×阪神戦であった。山田龍対星野虎の公式戦初試合、とても複雑な気分だ。最近星野虎が好調だったこともあり、ひとえにタイガースの応援をしてきたのだが、ドラゴンズが対戦相手だとかなり戸惑う。

 今年は阪神の優勝に賭けてる(言葉のあやでっせ、多分)ので、阪神の応援をしているのだが、魂まで売ってしまったつもりはない。しかし、阪神の応援慣れをしてきたせいか、今年は阪神の事情の方が、中日の事情よりもよく分かる。そんな訳で、両者激突なのに、タイガースの勝敗を気にしている自分がいて、かなり自己矛盾を感じてしまった。。。

 決して僕は転向してしまったわけじゃないと言い聞かせ、山田龍の勝利を、今、美酒で喜んでいるのだが、でもやはり複雑な気分。星野さんの負けた顔を見るのは切ない。あぁ、どうしてこんな事になってしまったんだろう。井端は首位打者だし、野口が帰って来れば、優勝争いだって無理じゃないはずだけど、今岡や赤星の方が活躍しているような錯覚に陥る。う〜む気分はまるでハムレットか。

19日(金)
 大学に通う時に僕はチャリで通っているが、本郷通りを真っ直ぐ来た後、正門で構内に入ることにしている。そして、すぐ右に曲がり、赤門横の経済学部まで行くのが、普段の道順である。この道、この季節になると、ツツジが素晴らしい鮮やかさで咲き乱れている。法学部から図書館をへて、史料編纂所から経済の先まで、本郷通りと平行に、ほぼ同じ色のツツジが続くさまは、なかなか乙なもんです。

 この路に続くツツジは、有り触れた濃い目のピンクばかりですが、赤門横の一画だけ、何故か薄紅色の、花の量も他と比べて豊富な種が咲いています。少し調和を乱している感じですかね。

 ツツジっていつ咲くのか、明確に意識したことなんて無かったんですけど、桜と一緒に咲いているって言うイメージは無いので、多分こちらも少し早咲きなのかもしれませんねぇ。ツツジと言えば、根津神社のツツジがこの近辺では有名ですが、あれは例年GW中にピークを迎えていたような気がしますからねぇ。こちらのツツジは、本当に千差万別、色々な種類のツツジが咲き誇りますから、一見の価値ありですよ。

25日(木)
 個人情報保護法案なるものが巷間で話題になっている。もともとは犯罪被害者や、犯罪加害者の家族などを、どのように保護するのかという点から出てきた法案である。それがいつのまにやら、メディア規制法案などとマスコミが呼ぶようになり、何が論点か見えにくくなってきた。

 法案自体の問題点としては、法務官僚や政治家が、何が過剰取材かというのを判断するという点であろう。マスコミ側が指摘するように、警察・検察・裁判官・入管・刑務所・法務省官僚及び政治家が、何か不正を行ったときに、法務官僚が中立にそんな判断をする事はありえないであろう。泥棒に裁判をさせるとは良く言ったものだが、アルカイダにラディンの捜索を依頼すると言った方が適当かもしれない。

 だが、そんな話はそこら中でされているので、たいした興味はない。それよりも気になるのは、マスコミ側の反省の無さの方である。例えば現在の永田町のネタとして、山崎幹事長のスキャンダルが報じられている。しかし、別に愛人作ろうが、愛人と愛人の母親と自分の3人で寝ようが、そんなことは政治的な能力とも資質とも全く関係がない(愛人が本当にどこかのスパイなら関係あるが)。まぁ、外務省のように公金から愛人に貢ぐ慣習があるというのなら、それは愛人がいること自体問題にすべきだが、勝手に愛人を作っているのは、個々人と家族の問題であろう。そんなゴシップばかりを書き続けるならば、マスコミはある程度の取材規制を受ける必要はあるのではないか。

 そもそも芸能人のゴシップも、今みたいに大量に流す必要があるのであろうか。誰が結婚しようが、誰が子ども出来ようが、誰が別れようが、誰が不倫していようが、(誰が死んだかくらいは知りたいが)、不必要な情報であろう。芸能人はある意味、私生活も売り払っている面があるから仕方ないであろうが、その延長で政治家や、更には民間人までも扱うのは極めて間違った行動であろう。また芸能人の子どもが犯罪をし、親が謝るという構図が三田佳子・大空真弓・石田純一と続いたが、はっきり言って成人した子どもの犯罪なんて、どうして親が謝る必要があるのか。より有名な人種に謝罪させたがるマスコミは、いわば病的な存在であろう。子どもが犯罪をおこそうが、わざわざ親の名を公表する必要もあるまい。

 要するに、政治家・公務員(及びその近親)の金を含めた犯罪は例外(昔、子どもが薬に手を出して辞職した代議士がいたが、それも言ってみれば大きなお世話な報道であった)として、また犯罪加害者の個人情報は例外(犯罪加害者の家族もまもる必要があるのかは疑問であるが、一先ずまもることとしておこう)として、それ以外の個人情報が保護されるように、第3者機関による判断をさせるのが適当ではないか。

26日(金)
 今日は研究室の数人で、根津の〈マヌビッシュ〉というビストロまでランチに行って来ました。前に何度か行っていて、東京での僕のお気に入りのお店ナンバーワンだったのですが、ちょっと前にランチ休んでいる期間があって、久々だったのです。口コ ミでかなり広まったお店で、〈マヌビッシュ〉は裏道にあるくせに、けっこう有名な店なんですよね。

 で、そのお陰なんでしょうか。今回行って、かなり落胆させられました。まず値段が 少し上がったのですが、それはまぁ仕方ないとしましょう。(値段が上がった時点で、どこにでもある少し高くてそれなりに美味しい店になってしまったのですが)。しかし、値段上げたくせに食後のコーヒーも無くなってて、え?もうこれで帰れって言うの?って言う感じでした。フロアの店員が変わっていた為でしょか、サービスの方もかなり質が低下していまして、グラスの水無くなっていても気が付かないし、パンが無くなっていてもほったらかしだし。

 そもそもまず入る前に、5人で行ったのでなかなか席が無く、待っていたのですが、 そのとき後から2人連れが来て、店員がうちらに一言も断らずに、その客を入れたところで、前とは違うなっていう嫌な感じはしていたのですがね。しかも、入った後もオーダーとりに来るのが、店に入った順番と無茶苦茶だし、メニューは5人いるのに1つしか渡さないし、これでもかって言うくらいヒドイ扱いされてしまいました。 前は、小さな店で、人手も足りない中で、出来るだけもてなしをしたいって言う感じが溢れていたんですけどね。

 感じが良くてお気に入りだった店が、評判になって、二度と行きたく無くなる店へと 変貌していくのは悲しいものです。前にいろんなところで紹介して回ってましたが、今行って僕に文句つけるのやめてくださいよ。ほんとに残念。。。あ、味は前とかわらず美味しいので、サービスなんて全く気にせず、値段もいくらでも払うよっていう人は、十分楽しめると思います。

30日(火)
 今日はレンタビデオで見た〈デッドマン・ウォーキング〉の話でも。この主演女優はスーザン・サランドン。愛しのジュリア・ロバーツと共演した〈グッドナイト ムーン〉が印象に残ってますが、実は彼女はこちらの作品でオスカーを貰っているんですね。あぁ、そう言えば、彼女を知った最初の作品は、これの前年の作品〈依頼人〉だったんですよねぇ。そちらはタイムリーに見ましたが、こちらは初見です。どの作品にも共通するのですが、決して美しくは無いけれども、芯の強い女性、それが彼女の役柄でしょうか。

 扱っているテーマは、アカデミーが好きそうなテーマですが、死刑制度についてです。犯罪加害者の側と犯罪被害者の側から、決してどちらかに偏ることなく、かなり中立的に死刑というものを見つめています。ネタバレになるので詳しくは書きませんが、犯罪者の人間としての尊厳にこだわり続けるシスター(S・サランドン)が、また一人の人間として色々と悩む姿、それを彼女が熱演している訳です。

 で、この作品は、死刑制度を論じる際に取り上げられることが間々在りますが、それはちょっと問題があるでしょう。何故ならば、ここで犯罪者の役をしたのがショーン・ベンという役者なのですが、彼の演技がまた素晴らしいんです。悪ぶって心を開かないとき、家族との絡み、シスターにも心を開いてくる様子、死刑への恐怖、そういう点を見事に演じていまして、ストーリーとは関係無しに、彼の演技に惹かれて犯罪者に対して同情を誘われてしまいます。(役者の演技も込みでストーリだとするならば死刑反対映画ですが、最初のストーリー自体は中立的な作品だと思います)

 しかし、現実ってそんなに人間的な犯罪者ばかりなのでしょうか。アメリカのようなケースですと、貧富によって雇える弁護士が異なり、犯罪と量刑が不平等だという側面もあるでしょう。しかし、現在の日本において、アメリカのケースをもとに、短絡的に死刑制度を論じる事は危険でしょう。まぁ、無期と死刑の差が激しすぎますから、日本においても終身刑は導入すべきだと思いますが、それと死刑廃止とは別問題ではないでしょうか。