2003年11月


6日(木)
 経営史のレジュメ&読上げ原稿作り終了!さらに政治経済学・経済史学会投稿の論文も改訂終了。これで心置きなく京都へ旅立てます。なんか今迄の学会準備の中で、一番あたふたして、一番どう転ぶか分からないままで、一番最後まで結論が書けなかった報告準備でした…。おかげで、表がいまいち見づらいんだよなぁとか、ケーススタディを限定してしまったとか、色々と不満足なところはあるんだが、まぁ致し方ないか…。

 先週京都へ行った友人がいたので聞いたのだが、まだ紅葉には2週間ほど速いといわれてしまった。嵐山か嵯峨野の方へ行けば、若干は色付いているんではという話しなので、ネット検索。どうやらその辺も色付きはじめだなぁって見ていたら、大江山は見頃らしい。大江山、生野の道も遠ければ…遠そうだよなぁやっぱり。。。ってさらに見たら、例年は11月中旬に色付く神護寺のモミジが見頃らしいです。第一候補はここかなぁ。ってことは、高雄方面か。ただ、天気予報が雨だから、そん時は久しぶりに国立博物館とかの方へ行こうかなぁ。

 まぁ、帰りには仕方ないから実家でも寄り道するか。オリビアの顔も見たいしな。

10日(月)
 京都からようやくと帰省なんですが、ちょっと今日は長文になりそうな予感。さてさて、7日金曜日は、研究室で質疑応答の予想質問とコメントを、自動車のAさんに手伝って貰いながら考えていたのですが、満足できる回答も用意できないまま、もうそろそろ一杯一杯になって、不安感に溢れつつ本郷を後にすることになる。家に帰ってシャワーを浴びつつ、前日の酒を抜く。スーツやらレジュメやらをカバンに詰め込み、東京駅へボケボケと向かうために田端までいつものように歩き、京浜に乗る。

 そう言えばダイヤ改正で、品川駅なんて言う物が出来たんだったなぁって思いつつ、のぞみが増えひかりが減少したから、ひかりがくるのを30分も待っている。高いのぞみばっかりで、ひかりが激減しているってどう言う事???なんて思いながら、ボケボケしていたおかげで、何故だかわからず喫煙車に並んでいたらしい。ひかりに乗り込んだ瞬間から、周囲が紫煙に包まれ、煙に揺られながら京都へ向かうことになってしまった。でも、まぁそれも仕方無いかと思いつつ、新規オープンの品川駅を見ようと、車窓を堪能していたのであるが、それも過ぎ去り、読み上げ原稿の最終チェックでもしようかなって鞄をゴソゴソ。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ない。・・・・・・・・・・・・・・本当にない。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・レジュメの間にもどこにもない・・・・・・・・・・。そう、そう言えば、シャワーを浴びる直前に、車内で原稿チェックするのを見越し、原稿だけ除けていたのを思い出すものの、次第に新横浜に接近中。自動車のAさんに連絡をとる。実は話が前後するが、先日在日企業のH女史から、史料調査が急遽入ったので、橘川ゼミの報告日を変わってくれといわれ、経営史の報告でよければ何とかなるけれどって言って変わっていたんですよ。そのおかげで、経営史の読み上げ原稿を、幸か不幸か研究室に置いたままで、本当に偶然にも原稿がわかりやすい場所にあったのです。

 でもでも、これは受信先を探さねばならない。で、日本史時代の友人Jが京都にいて、今回はそこに宿泊予定だったもので、そいつにFAX受信できないかと尋ねるが、壊れてしまったとの事・・・。うぉぉぉ〜って頼んだら、事務が5時までは開いているって言う事で、京大法学部の事務宛に、東大からFAXを送ってもらう事に・・・。夕日に色づく浜名湖を横目に眺めながら、報告者より先に原稿は無事京都に着いたと言う報を受け、文明の利器と、お二人に語り尽くせぬ感謝の念を抱く。
 
 さてさて、京都では、社研のNさんと、鹿大のWさんと、製糸女工のE女史と一緒に飲むって言う話だったのだが、京都駅でE女史以外とはなかなか連絡がとれず、浮浪者に紛れてしばしジベタリアン。まぁ、そうしたら先生2人は先に四条の方だっていうお話で、友人Jが何となく探した店へ行くことになって、烏丸六角で落合う。で、横路を辿りつつ、韓国料理と京料理が融合した不思議な店に案内され、H女史の報告なんかを思い出しながら、美味しい料理と、報告前日なのに何故か酒まで満喫してしまうことになる。さて、12時近くなって、いい頃合に解散することになったので、タクってJの家へ向かうことになるのだが、途中でタクシーを止めて、コンビニで酒を買い込み再度レッツゴー!2時半過ぎまで飲む。

 翌朝、やっぱり7時半には目覚めてしまった。ここ数日、緊張感もあって毎日3〜5時間しか寝られないのだが、やっぱりこの日も目覚ましよりも1時間以上早く目覚める。報告直前て、いくら飲んでもいつも酔えないんですよね(^^;で、軽くシャワーを頂くために、石鹸って言ったら、無いとか言い腐る。。。仕方無いから、体はシャワーだけで済ませるが、ひげが剃れない・・・・。思案の挙句、歯磨き粉でひげは剃る事に。30年弱生きてきて初体験。で、何とか浴室から出たのだが、鏡って言ったら、またまた無いとか言い腐る。。。落ち着けと自分に言い聞かせて見渡すと、テレビが目の前にはある。電源を切って、テレビに薄っすらと映る自分の髪をセットすることに。

 そんな最中、隣ではてるてる日記とか見ながら、あさからカップラーメンなんて言う重い物を食べているが、朝は全く食べ物を受け付けない自分的には、香りを避けるように準備。読み上げ原稿忘れないようにと、5回くらい確認をして、朝早すぎなので、鞍馬口から京大まで、散歩をかねて歩くことにする。同志社の前とか通ったら、オーップンカレッジかなんかなのか、高校生とかたくさんいて、目の保養を兼ねて京都弁を満喫していたのだが、やっぱり、あのスラッとした涼しげな目はゾクゾクする。自分が二重な事もあって、基本的には一重が好きなのであるが、京都の薄い顔ってやっぱりいい。京都弁で更に可愛く見えるよねって隣を歩くJに言うが、こいつ全く道行く子の顔を見ていやしねー。。。。

 第一報告が終わり、ついに自分の報告に。とりあえず報告自体は、不十分ながらも何とか入手した読み上げ原稿を読むだけなのだが、問題は質問タイムである。石井さん、橘川さん、武田さん、中西さんから質問いただけました。会場にいらした方は御存知でしょうが、準備不足で研究史整理とか不十分で、実証部分と若干強引に繋げた部分を武田さんに叩かれる^^;;;京都で入水するなら鴨川かなぁなんて目も虚ろになりつつ、とりあえず不勉強な部分を反省。色んな方からフォローして頂きましたが、確かにデフォルメされた、でもそれが通説っぽくなっている、そんな研究史の一断面を安易に取り上げたのは確かでして、未だに反省中。。。

 そんな中、家電のNさんに誘われて、お昼をご一緒することになる。で、京大の学食行ったんですが、おかしいです。美味しいです。東大のかなり難点がある学食がイメージにある我々的には、顔を見合わせながら、美味しいですよねと確認しあってしまう。なんなんだ〜〜!!!京大生協が、東大に出店してくれる事を2人して祈る。あれのくらいの質ならば、東大ででも学食でお昼しようという気になりますよ。だって、普通に美味しいんですよ。学食なのに。あの、量だけあれば良いって言う学食じゃないんですよ!?驚愕の事実。

 で、話は飛んで飛んで懇親会。これもまた京大生協が用意したメニューだったんですが、無茶苦茶美味しかったです。この前の政治経済学・経済史学会も美味しいって思ったんですが、今回はそれ以上でした。今まで味わった中では一番美味しかったかもしれませんねぇ。特にアマダイの刺身が良かったですし、何が良かったかって、日本酒がこれこれ、松本酒造のひやおろしっていう純米酒でした。日本酒の頁には書いていますが、松本酒造ってなだ万御用達のお店でして、東京で飲もうと思うと、なかなか・・・しかも、それ以外もすごく美味しくて、京大生協恐るべし。。。東大生協潰していいから、東京進出してくださいと頭が下がる。しかもしかもしかも、フロアスタッフが可愛かったのを、東大の院生グループで堪能する(^^)

 さてさて、そんな懇親会だったのですが、D3なのに名詞配りも熱心にせず、実は阪大グループの方々と懇意にさせて頂いていたのです。このサイトも時々見て下さるとかで、恐縮至極。そう言えば、勝手に論文取り上げて、勝手に好き勝手書いていたことを思い出しながら、反省しつつ飲む。実は最後の方は、日本酒やらワインのビンがあるエリアに、東大と阪大の院生がたむろって飲んでいたのだから、ちょっくらタチが悪いなとも思いつつ、美味しい酒だったからまぁ良いかっていう所でしょうか。で、2次会っていう話になって、折角なので阪大グループにご一緒させてもらうことに。

 2次会なのですが、阪大も東大もどちらも普段大人数なので、なかなかご一緒して2次会って言うケースは少ないのですが、今回はそれほど人数も多くなかったこともあり、阪大のS先生やB先生に、うちの谷本さんなんかを先頭に四条河原町へ行く。しかし、飲めば飲むほど、阪大って言うのは濃密な人間関係なんだって感心しつつ、何気なしに、僕が「いや〜、東大ってぜんぜん人間関係薄いんですよ、僕なんて谷本さんの娘さんの名前すら知らないですから」って言ったら、隣から谷本さんが「いや、娘じゃないんだけどね」っていう突っ込みが^^;;;;;;;「うひょぉぉぉ〜〜(宮地心の叫び)」。でも、ホントに人間関係が薄いんだって言う事は、阪大の皆さんにも分かっていただけたみたいで^^;;;別に、2人してネタを仕込んでいた訳じゃないですよ。ホント^^;;;

 そんなこんなで、京都の2次会を楽しみ、四条河原町から再びJの家に向かうためにタクシーに乗る。タクシーの運ちゃんと、京都の経済事情について語りながら、程ほど行っていると、携帯に電話が。でると、阪大のB先生から、カラオケに行こうと思うんだけど、一緒しないかと言うお誘いをいただく。タクシーの運ちゃんに、速攻、元いた場所へと伝え、四条河原町へ…。それから数時間朝まで、濃密なカラオケタイムを過ごす事になる。深くは語るまい。しかし、東大と阪大の違いっていうのを感じた夜でしたね。東大でカラオケ行った事って、院に5年弱いて、台湾のMさんが半年ほど台湾に行く壮行会の時のただ1度だけですから、本当にそんな機会はない。飲み会ですら全体だと、年1回の日経史飲み会だけですからねぇ。そう言う意味で、阪大の経済って、東大の日本史に近いんだって感じながら朝を迎えることに。何となく懐かしい感覚。

 Jの家で次ぎの日の10時過ぎくらいまで寝る。何となく投票に付き合い、西陣あたりまでブラブラして、けっこう評判らしい有機栽培の素材を使った店っていうのへランチ連れて行って貰った。安くて美味しくて、なんだか今回の京都は安くて美味しいものの連発でビビる。その後別れを告げつつ、前日の早朝の方のタクシーで聞いた情報を元に、実は偶然にも秋の一般公開をしていた京都御所へ向かう。中学時代以来の遠足先であった関係で、京都の有名どころは大体回っている自分的にも、何気に京都御所の公開は未体験であった訳でして、ちょっと心躍らせながら向かうことに。

 紫宸殿ですよ。安倍清明でお馴染みですが、あの光景をリアルに体験できます。清涼殿も広がっています。しかもその直近の滝口を見て、滝口の武士っていうのの重要性を認識。ちょっと進むと、小御所に至ります。言わずと知れた幕末の舞台、それから先は、室町以降の天皇の住まいとなっている常御殿なんかもあり、まぁ、当然火事で燃えているので再建であるとは言え、女房の時代から続く色々な名称に感激する。源氏物語と同じ名称がそこにあるのは、やはり不思議な感覚なものです。

 さてさて、その後は錦小路までタクって市場へ行く。べったら漬けに、日野菜、日向かぼちゃ、九条葱、山芋なんかのお漬物を、実家へのお土産に買う。でも漬物ってけっこう重い・・・後は大好物のサバ寿しくらいしか買う元気も無く、錦小路を外れ、四条通りを歩く京都弁の京美人に見とれつつ、地下鉄に向かうことに。しかし、福岡の彫りの深い美形も良かったが、京都のアッサリした美形も良い。これから向かうのが名古屋だと思うと気が重くなるって言うくらい、京都の美しさを満喫する。今年は寒さが足りず、紅葉が不十分だったのを補って余りあるほど、京都も美人が多かった。本当にいいところだ。

 さてさて、名古屋。愛しのオリビアの感激を受けつつ、2人で布団に入る。2日前にお風呂に入ったばかりで、ふわふわの毛並みがいつも以上に可愛らしくて、14歳とは思えない美犬ぶり。二人で選挙の開票速報を見つつ、布団でゴロゴロしてじゃれ合う。しかし、うちの子はどうしてこんなに可愛いんだろう。伸びの仕方から、甘え方から、溜息のつき方から、視線の巧みさまで、ちょっと他にはいないくらい賢くて、チャーミングな子です。でも流石に年だから、毎日心臓病のクスリは飲まなきゃいけないし、ご飯も皮膚病にならないメニューじゃなきゃダメだし、けっこう手のかかる子なんですよ^^;;

 そしてようやくと今日。お土産の漬物をひととおり堪能して、月曜休みの妹と一緒に父の入っている病院へ。まだ過労死には程遠いみたいなので、死んだときは会社に賠償求めてあげるから、心置きなく過労死してくれと伝える。けっこう時間も使ったので急いで名古屋駅に向かい、高島屋のデパ地下へ。なにげにデパ地下大好き人間なんですが、色々とウロチョロして、結局色々とまた買ってしまいました^^;;;名古屋のお土産が届くところもあるでしょう…

11日(火)
 それにしても、今回の総選挙はおかしかった。何がおかしいかって、負けた民主党を延々とマスコミが持ち上げ、勝った自民党を延々とマスコミが叩いていたんだから。出口調査で自民220民主205くらいになっていたため、自民敗北民主勝利の予定稿で番組進行を予定していたんだろうが、根本的に間違っている点として、出口調査に真実は答えないもんだという認識が無い点ではないでしょうか。少なくとも、僕は出口調査聞かれた時は、必ず間違ったデータを答えることを心掛けています。なんと言っても、当確の打ち間違いとかあったりすると面白いですし、今回のように、マスコミが醜態晒して番組進行しているのも面白い。今回の出口調査に基づいた、ひどい議席予測から言って、同じ様にけっこう多くの人が、嘘の答えを書いているようで満足です。

 それにしても選挙報道を見るたびに思うのであるが、電子投票になってしまったら、投開票の際の、時々刻々と進行するあのドキドキ感が失われてしまうかと考えると、市区町村の方々には申し訳ありませんが、いつまでも手作業を続けて貰いたいもんだという気がする。なにげにうちの高校の先輩の海部俊樹や赤松広隆が、いつまでも当確出なかったりすると興味津々で見続けてしまう。しかし、昔は当確打ち間違いを多発させていたNHKが、出口調査でもある程度幅をもたせた議席予想して、結果としてなんとか当ててしまっているし、だんだん学習して面白味が消えてっている・・・。もうちょっと民放見習って醜態を晒して貰いたいのに、敵もさる者、もうちょっと多くの国民が出口調査で嘘を書かないと、なかなかNHKまでは騙せない様で。。。
 
 不様なマスコミはこれくらいにしておいて、今回の選挙は思ったよりも民主党は伸びませんでしたねぇ。やっぱり直前の閣僚予定者の公表で、田中康夫みたいにぬいぐるみ抱しめて歩く気持ち悪い人入れたり、その他の有力な人に逃げられていたり、その辺のミスも大きかったんでしょうね。しかも、結局は高速道路無料化なんて言う、有権者を馬鹿にしたような、税金で負担させる事をまやかす公約なんかも、マイナスに働いたという事でしょう。特に東京・神奈川始め、都市部有権者の自民回帰が見られまして、都市の有権者は高速無料化のスローガンに、ホイホイと喜んでしまうほど民度は低く無いという事でしょうか。

 せっかく年金とかまともな案を出してきていたのだから、政権交代するためには、高速無料化のように国民を小馬鹿にした公約ではなく、もうちょっとまともな公約を並べる必要があったのではないでしょうか。しかも旧民主党と旧自由党の合併直後のために、憲法や外交なんかをどう考えているかも結局明確にせず、せっかく旧自由党の加入で安心感が増したのに、そのメリットを生かす事ができなかった。どちらかと言うと、ただでさえ旧社会党出身者の面々と、旧自民党出身者の面々での意見の乖離が不安要因だったのが、そこよりももっと右派の小沢グループの加入で、より意見がバラバラになった印象も与えてしまった面もあり、そう言うところで一枚岩だとアピール出来なかったのも、政権交代には程遠い結果となってしまった原因ではないでしょうか。左の夢見がちな意見にも右のエキセントリックな意見にも引っ張られず、中心くらいで落し所を見つけられなかったのがミスでしょうねぇ。議席数は増えましたが、その辺を総括しないと、なかなか小泉自民党に勝つのは難しいでしょう。

13日(木)
 ついにテレビを買い換えました。っていうか、九州行き直前に壊れていたのを、漸くと新調したと言うのが正しいのですが。15,000円くらいので良いかと思って秋葉原へ行ったのですが、色々と見ていると人間物欲って言うのは湧くものでして…結局60,000円ほどの液晶テレビを買ってしまいました。14インチで60,000円なら、5年使うと月1,000円だし、D1端子って言う、DVDも奇麗に写るタイプらしいし、安田講堂から飛び降りるつもりで買ってみた。(って言うか、安田講堂なんて登った事無いけど)

 で、友人にペンネーム阿部順っていう高校演劇界の有名人がいるんだが、そいつが脚本書いた〈桜井家の掟〜The Rules of the Sakuraies〉っていう、関東大会で最優秀賞を取った作品(全国大会では惜しくも優秀賞)なんかを見ていました。ちなみに出演は千葉県立薬園台高校の演劇部の皆さんです。恋に夢見がちだが全く恋愛とはほど遠い長女、ヤンキーで家庭の問題児の次女、どこにでもいそうな太った三女、真面目で言葉も辛らつな受験生の四女、この四姉妹を中心に舞台はめぐります。

 優秀賞になっているので、高校演劇の脚本集かなんかででも見られるらしいのですが、高校生だけで演じなきゃいけないという年齢的な制約と、部活だという予算的制約を考慮したら、すごくレベルが高い作品だと思いますよ。本人はラストがいまいち納得いっていないようでして、確かに話しの途中でオチは分かるのですが、家庭を舞台にしているっていうこともあって、僕はこのくらい予定調和的に収斂していく方が好きなんだけどなぁって伝えました。個人的には次女の蘭役をやった子が可愛くて好き、って言ったら、生徒に手を出すなと怒られました…別に手ー出さへんて^^;

 コメディタッチで描いてありますが、けっこうホロホロと泣かされてしまいますし、そこらじゅうに笑いが散りばめられていて、深夜に時々やっている劇団の作品よりか、よっぽど面白いし、部員たちの練習も出来上がっている。ちなみに、去年だかの作品なんですが、佐々木光一役をやった子は、大学に進んで今も演劇続けているとか。何かの機会があったら見に行きたいものですねぇ。

 っとお奨めしておいて何なんですが、どうやったらこの作品が見られるかは知りません。薬園台高校の関係者にでも友人作って、請求してみてください(笑)ただ、苦労して入手して見る価値のある作品だと思いますよ。実はもう1本入っているビデオだから、それもそのうちに見てコメント(笑)

17日(月)
 阿部順脚本の2本目、こちらも関東大会の最優秀賞で、全国大会でもなんかに入賞した〈Leaving School〜振り返ることなく、胸をはって〜〉って言う作品です。舞台は高校でして、校則違反を繰り返して退学になってしまいそうになる女子校生と、それを救おうとする先生がメインの登場人物です。職員会議で、バイク乗車に関する目撃証言の矛盾を明らかにしていくのは、〈12人の怒れる男〉のヘンリー・フォンダを意識しているのでしょうかねぇ。ただ、元々新入生歓迎の舞台での書き下ろしらしいが、退学扱った作品で迎えるのもどうかという気もするが…^^;;;

 作品的には、書き手の生徒に対する愛情溢れる作品だなぁって言う感じでしょうか。普段、生徒に対して厳しい発言しているくせに、こういう作品書いているとはなんか意外だったりする。新たな一面を見たね(笑)で、個人的には前作の〈桜井家の掟〉の方が好きです。多分それは、僕が高校という場から遠ざかって既に10年も経っているし、テーマ自体に対する現実感も僕の高校生活からは出てこないし…多分そんな差だと思う。主役はってた子はなかなか良かったねぇ。石田先生役の子も上手かった。〈桜井家の掟〉で彼氏の父親役で、今回は金井先生だっけ?をやっていた彼は、とっても良い味出していて好きだなぁ。次回作は、チャンスがあったら見に行ってみたいなぁ。

 ところで木枯らしが吹いたという一報を聞きつけ、ついにコタツを出してしまいました。今年も本格的に晩秋から冬に向かいはじめた訳でして、日本酒が美味しい季節ですねぇ。実は石炭のN氏から地元のお酒を頂いてしまいまして、そのうち、それをグビグビやろ〜って楽しみにしています。お酒頂けるというので、4合瓶だと思っていたら、なんとなんと1升瓶でして、この場を借りてお礼申し上げますm(__)m学部時代に何度か飲んだ事はあるお酒ですが、久しぶりなので楽しみです♪

18(火)
 村上龍原作の〈昭和歌謡大全集〉を見てきました。またまたR15指定の映画です^^;出演は松田龍平・安藤政信・池内博之・樋口可南子・岸本加世子・内田春菊・森尾由美・鈴木砂羽、さらには原田芳雄に市川実和子も。なんか面白そうな顔ぶれでしょ?原作が書かれたのは1994年でして、ここを抑えておくのがとっても重要です(今日はネタバレありですので、見に行く予定の方は読まないように)。

 ストーリー的には、少年とおばちゃん達が、とある事件(安藤政信が内田春菊に欲情して、それを断わられたために殺してしまうという事件)をきっかけに、復讐劇をお互いに行うという作品でして、その復讐の仕方が徐々にエスカレートしていく様を描いています。その復讐のエスカレートと、平然と日常生活を送る対比が、不気味さと凄惨さを演出する事となっています。原作のメッセージとしては、イスラエルとパレスチナなどの、復讐が復讐を呼ぶ構図、そういう世界を批判しつつ書いていたのかもしれません。

 しかし、ラストに至る過程は、原作ではナンセンスを散りばめる事で、オチをつけようとしていたのだと思います。埼玉と群馬の県境へ行って、原爆を調達するなんて、1994年ならばナンセンスで終わるストーリーなんですよね。しかし9.11を経験した世界にあっては、ナンセンスと言うよりもブラックになってしまったんですよね。凄惨さをナンセンスでカモフラージュして終わらせるはずだった作品が、より不気味なラストになってしまったのが本映画でして、当然映画製作としてはそれも意識しているでしょうから、面白かったけど悪趣味な作品では有ります。

 個々の役者としては、安藤政信がやはり良かった。正気と狂気の境を一番上手く演じていたのはやはり彼でして、ホント〈サトラレ〉の彼と同一だとは思えない。好青年役も、イッチャッテル役も、どちらも上手くこなすよなぁ。あとは鈴木砂羽がいいかな。それと市川実和子は独特の雰囲気を醸し出す役者さんで、面白いキャラクターですよねぇ。松田龍平はお父さん意識しすぎかな。彼らしさが何時の日か出てくれるのを期待したいって言うところでしょうか。

25日(火)
 さてさて、日本はイラクに派兵するのかしないのか、サッパリ見えて来ない訳ですけれども、一体全体どうなってしまうのでしょうか。石油利権に群がるだけで、全く大義も道義も正当性も存在しない、そんなアメリカの自国中心主義の賜物としての現状ですが、開戦の切っ掛けとなるイラクの大量破壊兵器の証拠まで、実は捏造であったと指摘されている訳でして、開いた口が塞がらないというか、厚顔無恥というか、よくそこまでやるなとある意味感心すると言いますか…

 国民を弾圧し抑圧する、そんなフセイン体制の打倒までは、辛うじてまだ一理あったかもしれないが、その後の何時までもイラクに居座って利権をせしめ様という姿勢が、新たなテロを生み出すという、負の連関に陥っている状況は、第2のベトナムの恐れすらあるのでは無いでしょうか。あの時はゲリラ戦に手を焼いたアメリカですが、今度はテロ攻撃に悩む事になっているわけでして。。。日本の占領が奇跡的に上手くいったアメリカですが、あれ以後、アメリカが駐留して喜ばれた事例などあまり無い訳でして、基本的に当事国を尊重するという姿勢が存在しないのが、アメリカの嫌われる理由でありましょう。

 で、そんなアメリカに日本は協力するべきか否か。僕は元々は、どんなにアメリカに正義が無くても、日米同盟と北朝鮮の状況を考慮したら、不承不承であっても追随せざるを得ないと思っていたのはけっこう前に書きました。しかし、開戦の証拠の捏造と、あまりにも無様な戦後統治の失敗から、アメリカでもイギリスでも、反戦の気運は高まってきている訳でして、今この状況で日本がアメリカに協力しなくても、それ程デメリットは無いのではないかと思うんですよねぇ。日本人の死者を出すに値する、説得的な理由など聞いたことも無いですし。

 勿論、イラクに軍事力の空白を作り出す事は、フセイン政権の残党やアルカイダ組織による虐殺を起こしかねないので、米英中心の多国籍軍から、米英の臭いを薄めた多国籍軍に移行させ、そこへ日本も協力するように持っていくべきでしょうね。フランスやロシアなども、米英中心で無くなれば協力しやすくなるでしょうし、とにかくチェイニー副大統領系企業の利権は一先ず棚上げし、アメリカが一歩引く事が、事態解決のためには必要でしょう。まぁパパブッシュの仇を討っただけで満足して、これ以上の関与は避けるべきだと思います。アメリカは親米政権樹立を画策しているのでしょうが、そもそもシーア派が多数派を占めるイラクにおいて、親米的な政権が民主的に誕生するとは考え難いでしょうしね。

26日(水)
 最近、コンタクトにタンパクが溜まっているよなぁって感じていたのですが、ふと研究室でボーとしている時に思いたち、ひょっこりと上野までチャリって来たんですよ。そうしてコンタクト屋さんとどのメーカーのどの製品にするか話し合い、普通にアシスタントの人と視力とコンタクトの度数を合わして、これでいきますかって言う話になり、最後に眼科医さんの診断がありますので〜と言われ、診察室へ通されたんです。30代半ばくらいの女医さんでして、お、女医だ女医だ、って思いながら席についた訳ですは。

 そうしたら人の目を覗き込むやいなや「相当汚いですね」と言われてしまい、色々と聞かれる事に…
女医「コンタクトの装着時間は一日どれくらい?」
俺「24時間です」
女医「は?」
俺「気が向いた日に外します」
女医「あのねぇ。今時そんな人いないよ」
俺「…」
女医「ちょっとこれ見て」(おもむろに結膜炎のエゲツナイ写真見せられる。)
女医「ここまではまだなっていないけど、時間の問題だよ。薬は欲しい?」
俺「あ、できたら貰えますか?」
女医「態度改めないと、付けても意味無いけどね」
俺「えっ^^;;;」

 ふぅ、怖かったよぉ。やっぱり女医さんって言うのはキツイ生き物なんだと感じた。コンタクト自体は合う度数の在庫が無かったから、明日また行かねばならないが…

29日(土)
 昨日のことになりますが、ジョン・キューザックの〈アイデンティティ〉など見てきました。去年の今頃は〈セレンディピティ〉など見ていたので、2年続けて何故かこの時期ジョン・キューザック。一度書いたことありますが、ジョン・キューザックのラブストーリーはどうもいまいちですが、こういう作品に出演させると良い演技します。ちなみに共演にはトム・クルーズの〈卒業白書〉での娼婦役が鮮烈なレベッカ・デモーネイなどもいますが、基本的にバイプレーヤーによって、脚本だけで描き切ったミステリーです。ストーリーと映像が秀作。ちなみにレベッカ・デモーネイが昔女優していた人という役柄で登場するのは、ちょっとシニカルな気もするが…

 アガサ・クリスティの〈そして誰もいなくなった〉と言う名作がありますが、あれを意識しながら、現代的に克服してみようとした意欲的な作品です。あちらが10体のインディアン人形だったのに対して、こちらはモーテルの10部屋のキーがその役割を果たします。そしてネタバレになるのであまり書きませんが、〈そして誰もいなくなった〉を見ていれば、犯人の予想が大体つく展開になっています。(個人的にはそれはちょっとやり過ぎだろと言うラストなんですけどね。)しかし、そのトリックを見破っても良いように、現代的な筋が付けられている訳でして、二重の意味で流れるトリックを堪能するのがこの作品の醍醐味でしょうか。(ちなみにもう一つのトリックも、囚人が逃げ切れなかった所で分かってしまったのですけどね…)

 しかししかし、二つ目のトリックのために、映像的に様々な手法が用いられています。最初のうちは面白い映像手法だなぁくらいに思っていたのですが、映画を見終わり、あとから思い起こしている時に、あの映像はそう言う効果だったのかぁって言うのを噛み締めさせられる、そんな手の込んだ作りになっていまして、ちょっと嬉しくなってしまいます。例えば、映画の導入部では、時が行ったり来たりしていまして、その因果関係も次第に分かるのですが、最初は不思議な空間に閉じ込められた感覚に襲われます。また、カメラの焦点を非常に絞る事によって、一人だけをクローズアップし、残りの人物は背景のようにボヤケさせてしまう映像なども。いやぁ、とっても手の込んだ作りでして、こんな丁寧な映画って言うのはあまり無いのではないでしょうか。僕はこういう作品好きです。

 さて、話は変わりますが、どうやら妹が彼氏の自動車に乗っていた時に、スリップしてきた車に当たられて入院とか。それを聞き、宝くじを買ってくれるように頼みました。3億円当たってしまったらどうしようなぁ。ワクワク♪

30日(日)
 あ、昨日酔っ払って更新する時に、間違って27日の雑感を消去してしまったらしい。ま、いいか。ところでついにイラクで邦人死者が出てしまいました。バグダットからティグリットへ向かう日本人外交官が襲撃されたらしく、まだテロなのか強盗なのかの判別は出来ていないようですが、まぁ自衛隊派遣予定地のサマワからは遠いとは言え、イラクへ自衛隊を派遣する環境はより遠くなったと言うのは明確でしょうねぇ。小泉首相的には、治安が次第に改善する見通しでの「状況をよく見極めて判断する」という発言だったと思いますが、その予想を裏切って漸次状況は悪化している訳でして、ここは自身の発言に責任を持って自衛隊派遣は無期延期にすべきでしょう。それが政治家の発言の重みだと思います。

 総選挙で国民は小泉政権を信任した訳ですが、どんな情勢になってもイラクへ自衛隊を派兵せよと言って、小泉政権に白紙委任を与えたわけでは決して無いでしょう。あくまでも小泉自民党が掲げたのは、「状況を良く見極めて判断する」と言う事であり、国民が支持したのはその姿勢です。世論調査ではイラク派兵反対は4割、現状では見送るべきが4割、派兵賛成派は2割弱、ここで国民世論を無視してイラク派兵をすれば、来る参議院選で大きなしっぺ返しを喰らう事になるでしょう。それにしても、スンニトライアングルと呼ばれる反米気運が高い地域へ、何故に非武装の外交官だけで行き、しかも路上で防弾車から下車して買物までしようとしているのか・・・常識的に考えれば全く在り得ない状況でして、日本の外務省はいったいどうなっているのやら、平和ボケといわれて久しいが、一番平和ボケしているのは外務省でないんだろうかと言う疑念も湧く。。。

 さてついでにグルジアの話でも。ペレストロイカ・グラスノスチ・新思考外交、これが旧ソ連ゴルバチョフ政権の3枚看板だった訳でして、その新思考外交を進めたのがシェワルナゼ外相でした。あれはもう15年程も前、中学時代の話になるなるんですねぇ。ソ連は崩壊して、ロシアのトップとなったゴルバチョフは失脚、その後の混乱を収めたエリツィンも任期を終わり、今はプーチンの時代になっていると言うのに、未だにグルジアではシェワルナゼが大統領位を続けていたんだと言うのがちょっとしたおどろきです。詳しい無血革命の事情は分かりませんが、シェワルナゼが失脚ですかぁ。なんとなく時代の流れを感じます。

 さて生臭い話が続いたので一服。この前の福岡旅行の時立ち寄った飲み屋で、〈平川地一丁目〉っていうグループが良いよっていう話を聞いていたのですが、昨日のポップジャムで始めてテレビで歌っているシーンを見ました。いやぁ、ホントにすごい迫力でして、中学生が歌っているとは思えないくらいです。お兄ちゃんが作詞作曲で、弟がメインで歌っているのですが、この弟の声がすごく曲の雰囲気と合っていて良くって、ついついダウンロードしてしまいました。(ちゃんと合法的なサイトでお金払ってですよ)。ただ、これ弟が声変わりしちゃったら、果たしてどうなっちゃうんだろうかと言う心配をしないでも無いんですけどね・・・