2004年2月 |
3日(火)
年賀状の5等は置いておくとして、4等にレターセットなる景品があるじゃないですか。とある先生からの年賀状で、あれが当たったんですよ。で、郵便局へ交換に行ったら、今在庫切らしているので後日郵送しますとなって、それが今日届いたんですね。それはいいんですよ。ちゃんと届きましたさ。でも、でも、でも、ありゃナンダ?あんな物を欲しいって言う消費者が、いったいこの国に何人いるのか悉皆調査して貰いたい位なんだが、その位どうしようもないゴミなんですけど。。。日本郵政公社になるから、(っていうかなったのか?)経費削減しようという意気込みは分かるんだが、年賀状の景品で経費削減と言うのは、チョイ違ってるんではないだろうか。
誰がアイデア出したか知らんが、くだらなさ過ぎる。来年からはこんな物配るくらいならば、4等無くした方が良いんじゃないだろうか。まだ5等の方が130円分の実用性があるし、貰って嬉しいと言うものなんだが、貰って頭に来る景品を配る意図が全然分からない。洗剤かティッシュでも配ったらどうだ?消費者を馬鹿にするのも程がある。これだからお役所仕事だと後ろ指指され、白い目で見られる事になるって言うのが分からないのだろうか。全く。
4日(水)
落合流のキャンプが注目されていますね。ベテラン勢はキャンプの練習内容を自分で決めろという事で、立浪がベテランにカテゴライズされているのが妙に寂しくありますがそれは置いておくとして、福留がベテランとは年齢じゃないとカテゴライズされているのはちょっと嬉しいですがそれも置いておくとして、やっぱり基礎トレーニングを重視しなきゃいけない若手と、実績もあり、引退の文字も頭をよぎりつつ、必死に自分の体と相談しながらトレーニングをするベテラン、それらが同一に今までやって来ていた方が、やはりおかしかった様な気もします。
要するに星野さんまでのやり方っていうのは、日本的な体育会系のトレーニングなんでしょうねぇ。勿論ベテランが見本を見せる事によって、若手がそれを見習い、技を盗み、如何に乗り越えようとするかと言う環境と、追い上げられる恐怖感の中でトレーニングするベテラン、そういう環境がプラスに働いてきた側面は当然あります。っていうか優勝もします。
ただ、それって下手をすると怪我人の多さにも繋がりかねない。怪我人の少ないラッキーな年は優勝争いをするけれども、怪我人が多い年は下位グループに甘んじると言う、そう言う構造から、怪我人を如何に少なくしていくかという視点への転換として、落合流のやり方っていうのは個人的には合理的だと思います。ただ、それを全選手に課すのではなく、自己流の調整が出来そうなメンバーにだけ課しているって言うのも、けっこう繊細な配慮だと思うんですよねぇ。今年こそは頑張って欲しいものです。
9日(月)
自衛隊は本当にイラクまで行っちゃったんですねぇ。ところで、アメリカ及びイギリスで、大量破壊兵器である生物兵器や化学兵器が見つからないじゃないかと、ブッシュ大統領やブレア首相が窮しているとか。アメリカ人やイギリス人は、自分達の国の親分が、石油利権を漁りに行くために、名目的に大量破壊兵器とか言っていたのを、てっきり合点しているもんだと思っていたのですが、どうやらお気楽に大統領や首相が真実を言っていたと思っていたようで非常に驚きです。その点、アメリカに追随する事が目的であって、大量破壊兵器の有無なんて関係無いと思っていた日本人達が、大量破壊兵器が無いという報道で全く世論が動かないのと対照的でしょうか。
イラクの復興とかそういう問題ではなく、アメリカに来いと言われたから出かけて行くだけの日本的には、戦争の大義とかはあまり意味の無い議論でしょう。そして、国民もそれが分かっているからこそ、アメリカに追随する事が目的だと正直に言わない小泉首相に対して、説明不十分だと感じ続けているのではないでしょうか。明かに過去の政府答弁と比べても、自衛隊をイラクに派遣する事は憲法違反でありましょうし、前にも何度か書きましたが、解釈改憲に踏み出してしまった現状には強い危機意識を抱かざるを得ません。憲法って言うのは9条だけではなく、多くの国民の権利を守る条文も存在する訳で、9条が解釈改憲され続けて行くように、他の条項まで解釈改憲するような前提を作る、今回のような状況は決して許されるべきではないでしょう。
さて以前、雲海酒造っていう蕎麦焼酎の話を酒の頁に書いた(経営史で京都に行っていた時にJ下んちで飲んでた酒ですね)のですが、その会社のサイトでプレゼントを申し込んだら、〈那由多の刻〉のミニチュアボトルが当たりました。感謝感謝!皆さん、お店で見かけたら、〈雲海〉〈那由多の刻〉〈大河の一滴〉等の雲海酒造の製品を、是非ともお楽しみくださいませm(__)m
13日(金)
最初に断わっておきますが、僕は中島みゆきマニアでも何でも無いです。失恋した時用に中島みゆきの歌は何曲か持ち歌で有りますが、大したファンでもないのでお間違えなく。単にベストアルバムの〈大吟醸〉を、ネーミングセンスが良いねぇなんて言いながら買った時に、唯一シングルからではなくアルバムの中の一曲から選曲されていたのがこの曲〈狼になりたい〉なんですね。だから知っているのであって、それ以上でもそれ以下でもありません。
で、本題。その歌詞なんですが、
夜明け間際の吉野家では 化粧のはげかけたシティ・ガールと
ベイビィ・フェイスの狼たち 肘をついて眠る
なんとかしようと思ってたのに こんな日に限って朝が早い
兄ィ、俺の分はやく作れよ そいつよりこっちのが先だぜ
(中略)
向かいの席のおやじ見苦しいね ひとりぼっちで見苦しいね
ビールをくださいビールをください 胸がやける
(後略)
ってな訳で、これって早朝の吉野家を舞台とした歌なんですね。彼女が吉野家大好きだっていうのは有名な話でもあります(って、だからベストに入れたのかどうかは不明だが)が、この曲は本当に隠れた名曲でして、ベストアルバムの中、〈わかれうた〉〈悪女〉〈あした〉〈浅い眠り〉〈空と君とのあいだに〉〈時代〉〈慟哭〉等々の名曲の中に並べても何の違和感も遜色も無い曲です。でも、こんな光景も暫く見られなくなってしまうんだなぁって思って、ちょっと感傷的になりながらアルバムを聞いています。
アメリカも食の安全だけでなく、食の安心に注目して、全頭管理と全頭検査をして貰いたいものです。別に日本人だけでなく、アメリカ人にとってもメリットの多いシステムだと思うんですけどねぇ。安全も安心も、単に短期的なコストだけで考えていると、長期的な利益を逃す事になると思うんですけどね。
14日(土)
政治経済学・経済史学会(旧土地制度史学会)に投稿していた論文が、いわゆるB判定からいわゆるA判定になって、掲載号数も決まったようなので、プロフィールを更新しておきました。ところで経営史学用の論文手直しに迷走中。しかもD大のWさんのバイト(実はW大のCOEの下請)がなかなか大変で、さらに迷走気味な毎日。う〜〜む憂鬱。にしてもCOEのおかげでそこら中にお金が溢れてますよね。院生の時間を削って溢れているお金。良いんだろうか・・・^^;;;
16日(月)
歴史と経済(旧土地制度史学)の掲載は、どうやら大会特集号の余白らしい。まぁいいかぁ。でも目立たない論文になりそうで、なかなか不憫な・・・メインの史料は、学部3年の時に野島さんに連れられて憲政資料室へ行った時に、ふと目を付けた史料だから、彼此7年ほど醗酵させていた史料な訳だが、これで卒論にも一先ずケリを付けれたと言うところでしょうか。。。
17日(火)
火曜の早朝から映画なんて見てしまっていた訳ですが、久々の名作に出会えました。監督・脚本は〈ノッティングヒルの恋人〉〈ブリジットジョーンズの日記〉〈ミスター・ビーン〉の脚本家リチャード・カーティス、彼が珠玉のラブストーリーを描いた〈ラブアクチュアリー〉です。〈19人が織り成すそれぞれの愛のカタチ〉っていう紹介に有るように、英国首相、往年のロックスター、小説家、裸体のスタント女優、小学生、精神病の弟を持つ女性、友人の妻に片思いの男、亭主の浮気に気付いた妻etc、クリスマスも近づいたイギリスで様々なストーリーが同時並行的に進んでいきます。
なんて紹介をしてしまうと、いくつもいくつものストーリーが錯綜的に絡みあっていくかと思いがちですが、そこは監督の腕の見せ所でして、ほんとうに観客も混乱する事無く、気持ち良いくらいに何も考えなくてもストーリーが明確に進んでいきます。場面場面で全く違ったストーリへ画面が移るのに、それが全く嫌じゃない。っていうかそれがすごく心地良い移行をするんです。1つには音楽の使い方が上手だって言うのが有るんですが、違う登場人物のストーリーに移っても、テレビやラジオから流れる音楽だったり、なんやりで同じ音楽が流れる(だからと言って、シーンが代わった事は鮮明に分かる)ために、複層的なストーリーがその複層性を残したまま、ひとつのストーリーに仕上がっていく、それがすごく心地良い。
で、舞台も主にロンドンでして、登場人物もほとんどイギリス人な訳で、監督もオックスフォードですし、正しくイギリス人の映画って言う感じなんですが、粗暴なイメージ(あくまでもイメージですので)のアメリカ人と違ってイギリスは良いですねぇ。ヒュー・グラントが英国宰相をやる年齢なのかとショックを受けるものの、合衆国大統領にたてついて国民的な人気を博しちゃう辺り(っていうか全編アメリカを小馬鹿にし腐った映画で楽しいんですが)大好きです。真面目なコリン・ファースが黒い髪黒い瞳のポルトガル女性ルシア・モニスにヨロメいちゃう(最初冴えなかった彼女がすごく綺麗になるんですから)のもリアルだし、リーアム・ニーソンが「自分のそれは終わったんだよ」と子どもに語っちゃう枯れた振りも素敵です。
エマ・トンプソンは夫のアラン・リックマンが金のネックレスをポケットに忍ばせているのを見付け、それを期待いっぱいに子どもよりも早くプレゼントの包みを開けたんだけどCDが入っていて、毎年スカーフだったのに結婚して初めてだってすっごく嬉しそうにしていたのに、なのになのになのに、夫が浮気をしているのに気付いてしまって自室で涙する姿。そしてすぐに皆の前で気丈に普段通り振舞う様子。アンドリュー・リンカーンが隠すビデオの中に映っていたキーラ・ナイトレイは驚くくらい綺麗な笑顔を見せていたし、パンクに生きるビル・ナイはたくさん笑わせてくれました。そして何て言っても良かったのがトーマス・サンダグラーム君。メチャクチャ可愛くって、アイフルのCMのクーちゃんいるじゃないですか。つぶらな瞳を見るたびにクーちゃんっぽくて可愛くて可愛くて、人選の妙と言いますか幸せな笑顔をしてくれます。
音楽もいいですねぇ。リーアム・ニーソンの奥さんの葬儀で流れたBayCityRollersの〈Bye
Bye Baby〉とかもうウルウルで聞いていました。浅野温子が「ハンパだったら乗らないよ!」ってCMしてたので〈SaturdayNight〉の入ったアルバム買った時だから、中学の終わりか高校の頭くらいに毎晩のようにかけていた曲でして、それだけで感激。それ以外にも琴線と涙腺を刺激する曲のオンパレードでして、この映画見ているだけで何回泣いたんだって言うくらい泣いています。予告編で使われた〈All
you need is LOVE〉もとっても粋な使われ方していますしねぇ。予告編の曲って本編で物足りない時が多いんですが、これは想像以上に楽しませてくれています。
で、ストーリーの方、こっから先は更にネタバレアリなんですが、最初はクリスマスに収斂していく映画だと思って見ていたんですよ。そりゃそうでしょ。そして緑色の蛸と一緒にヒュー・グラントと秘書のマルティン・マカッチョンがオレンジの海老を連れたエマ・トンプソンとニアミスして、そろそろここがクライマックスかと思いつつ、コリン・ファースは数十人を引き連れてポルトガルの石畳を大名行列よろしくレストランまで告白に向かっているし、中途半端なラストだよなとか思っていた訳ですよ。さらにさらに続いてトーマス・サンダグラーム君が空港でローワン・アトキンソンの助けを借り、金属探知機も飛び越えて告白に走れば、そこがラストだと思うじゃないですか。
でもでもでもでもでもでも、そうですよねぇ。伏線は一番最初に置いてあったんですね。こんな単純なストーリーでって思っていたら、最後になるほどぉって感心させてくれて、こんな笑って涙して嬉しくなって幸せになって切なくなって、最後にそう言う落し方してくれたとは。(単純に幸せに浸ってボーっと見ていただろと言う突っ込みは無しで^^;)本当に良い映画です。ほんと久々の名作でしょうか。この系統の映画大好きなんですよ。シリアスな映画も大好きなんですが、こういう幸せにしてくれる映画も大好きです。まだ見ていない方は絶対に見てくださいね。
20日(金)
今日は生命保険会社の人と、どうしたもんかと話していたんだが、取りあえず死亡保険金って今の自分には必要では無いために、医療保険の事だけ聞いていたんですよねぇ。でも、相手の話しの持って行こうとする方向性から、あぁ、死亡保険の方を勧めたいんだろうなってちょっと申し訳なくなりながら、いりません、今は必要ありませんと、医療保険に話を微修正微修正しつつ、自分に適した保険コースを考えていました。基本は入院だとして、特約オプションで色々付くんだけど、うちの家系は父方も母方も、癌で死んだ人間って言うのが知っている限り存在しない(って後から聞いたら、母の母方の祖母、だから僕から見ると女系の曾祖母が一人だけ癌だった)もので、癌特約は頑なに拒否る。でも、祖父は脳溢血だし、父は心筋梗塞をしているし、成人病特約(癌・心疾患・脳血管系・高血圧・糖尿病)だけは欠かせないなとか思いつつ、結局、入院と成人病特約だけの超超シンプルプランを提示して貰って来ました。
今自分は29歳な訳でして、これが30歳になると掛け金上がってしまうので、同世代の皆さんも独身であっても20代のうちに保険に入った方が良いと思うのですが、色々こねくり回した結果、終身保険で、70歳までに払い終わるのと、50歳までに払い終わるのでは、前者の方が総払込金額は40万ほど高いんだけど、月々にすると払い金が倍額になってしまう訳で、まぁ総額40万しか変わらないなら、70歳までボチボチと小額を払いつづけるかと言うところ。短命で死ぬなら70歳まで、長生きするつもりならできるだけ早く払い終えようかと思っていましたが、総額40万しか変わらない(自分のプランでは)んですね…チョト意外。
で、いくつかの保険会社と比べようかと思っていたのだが、1社の営業マンと2時間も話し合ったら、だんだん比較する気力が無くなって来てしまった…^^;しかも今日話した保険会社は、保険の掛け替えって言うのは基本的にしないで、上積みしていく方式の会社なので、20代で入っておくと断然お得でして、最初に想定したプランと大体同じだし、多分この保険会社にしてしまうんではないかという気分です。今日話し聞いたばかりなので、もう1回冷静にプランを検討しなおしてから最終決定しようと思ってはいますけどね。まぁ、こんなに特約を拒否る客では、儲け少ないだろうけど…
でも今後、インフレとか生じた時は根本的に見直さなければいけない訳でして、終身も良し悪しだよなっても思っているのですが、上積み方式ならば限りなく無意味に近くなっても、全くの無駄になってしまう訳でもない(そんなハイパーインフレになったら、そもそも今からの保険なんて無意味ですから)し、まぁそのくらいの社会変動のリスクは致し方無しかぁって言う所でしょうか。ソルベンシーマージン比率は1000%超えているし、ムーディーズの格付けもA2、S&Pの格付けもAなので、まぁ短期的には信頼できる事は確実ですし、保険契約継続率が92%と言うのも気に入った理由(あくまで会社発表の数字ですが)です。生命保険って、ほんと何を基準に契約したら良いか良く分からないのですが、皆さんどうしているのでしょうか…
24日(火)
おすぎが「私のアカデミー賞」なんて言っているので、〈ミスティックリバー〉を見てきました。どちらの話からしようかと思いますが、とにかくショーン・ペンが素晴らしい映画です。スーザン・サランドンと共演した〈デッド・マン・ウォーキング〉の時も凄かったが、今回はもぉなんて言ったら良いのやら。一緒にアカデミー主演男優賞にノミネートされているのが、ジョニー・デップでしょ?もう格が違うどころの騒ぎじゃない訳でして、ショーン・ペンに始まりショーン・ペンに終わる映画、彼の演技に震えます。彼の演技に涙します。彼の演技に怒り慄きます。そう言う作品です。共演のティム・ロビンス、日本では渡辺謙の前に立ちはだかる大きな存在という感じですが、言うほどでは無いです。ただまぁ、渡辺謙自体も真田広之に比べればあんまりだなぁって思うので、ドッコイドッコイというとこでしょうか。どちらかと言うとケビン・ベーコンの方が良いと思うのですが、普通の役をやると評価されないのがアカデミー賞ですからねぇ。。。
で、ショーン・ペンの何が良かったかって、そりゃもうすべてな訳ですが、娘の遺体の所へ駆けつけていく、そして叫ぶ、これが最初の見せ場。遺体安置所で怒る、憤る、そこが中盤の見せ場。〈犯人〉を追い詰めていき、そこで真実を吐かそうと脅す、時に冷静に、時に激情的に、そこが終盤の見せ場。いやぁ、ショーン・ペンと〈イル・ポスティーノ〉のマッシモ・トロイージが共に賞を逃したおかしい年だったんだけど、彼が未だに無冠なのがそもそもおかしい。4回もノミネートされてずっと無冠だと言うのがそもそもおかしい。今年これでショーン・ペンが主演男優賞を逃したら、農民一揆だって起こるぞって言うくらいおかしい。
だけどね、だけどね、だけどね、、、この作品、脚本がとっても陳腐です。ハッキリ言って、ミステリーバージンかよっぽどの阿呆でも無い限り、トリックはすっごく簡単に気付きます。犯人はちょっと分かりづらいんだけど、トリックは超古典的なミステリーの手法でして、悲しくなってしまうくらい単純なものです。しかも25年ぶりに深く付き合う関係になった3人の、25年間が埋められていくに従って、どういうラストが用意されているかも気付いてしまいます。何一つとして観客の裏を書く事も無く、ただひたすら出演者陣の演技力だけでストーリーが展開していく訳でして、何でもっとマトモな脚本家に筆を入れて貰わなかったのかと、ただただひたすらそれが残念な映画です。登場人物の設定とか、そう言うのすごく良いんだから、もっとミステリーの部分の能力のある脚本家に手を入れて貰っていたら、本当に名作だったと思うだけに残念。何でも自分だけでやりゃ良いってもんでも無いという事を知らしめる教訓的な作品ですね。
27日(金)
オウムの第一審がようやくと出たんですねぇ。あれは僕が大学1年の3月ですから、彼此9年も前の話になってしまう訳ですが、サークルの春総括が伊東でありまして、その宿に到着した頃に第一報を聞いたんでしたっけ。本郷三丁目をはじめとして、地下鉄での史上初めての大規模テロだった訳でして、先輩のお姉さんが一本前の電車に乗っていて、間一髪被害を免れただとか、そう言う時間と空間があの年だったんですね。しかも阪神大震災もあの年ですから、今から振り返って見るととんでもない年だったんですけどねぇ。しかし、判決まで7年以上ですか。もっと何とかならないもんなんですか、この国の裁判制度は…
さらに、欧米各国もオウムのテロ事件を参考に、都市型テロへの対応策を練っているみたいなのですが、未だにとうの日本でのテロ対策が不十分なんですから、まったくもっていったいこの国は…。先日も市ヶ谷の防衛庁へのテロ攻撃があった(余談ですが、この前の深夜酔っ払ってキャンプだホイを歌いながら市ヶ谷歩いていたら、警官に職務質問されてしまいました…僕も間接的なテロ被害者ですね、ってジョークは流石に不謹慎かな^^;今もサリン後遺症に悩む被害者の方もいるようでして、早い回復をお祈りします)訳ですし、安全じゃない日本を生きているっていう認識はもっと必要では無いでしょうか。オウムもまた活動を活発化させているみたいですし、過激派テロ組織もまだ逮捕されていない人間が多いですし、まったく嫌な世の中です。
ところで網野善彦氏が亡くなられたとの事。日本史に携わる人間にとって、やはり1つの大きな名前ではないでしょうか。律令制から荘園制を経て封建制へ、そういう米作農業を基調とした歴史観に対して、非農業民の重要性って言うのを打ち出した訳でして、それが、中世期のさかんな東アジア貿易の展開の研究だとか、近世期における都市史や多様な産業史の発達等にも繋がり、近代史にも影響を与えている。蝦夷地研究や琉球の研究なども、米作中心史観からでは重視されなかった事でしょう。米作農業の相対化によって歴史に厚みが増した訳で、勿論そのウェイトの問題とか色々考えなければいけない論点は多いのだろうが、やはり歴史像として時代像として、網野善彦氏が投げかけたものの重要性っていうのは失われる事が無いと思われる。ご冥福をお祈りします。