2004年5月 |
6日(木)
まずは訂正から。GWに帰ったことなんて一度も無いなんて先日書きましたが、実家に帰るなりGWに帰ってくるなんて大学1年以来だねぇって言われてしまいました。すっかり忘れていましたが、確かに言われてみれば、大学1年のときに一回GWに帰っていた気がします。
オリビアの病状ですが、心臓の弁がかなり疲労しているようで、血液の3割が逆流しているとのことです。しかも年末年始に気管支炎の話をしていましたが、あれも血管への圧迫が気管支に影響を与えているとのことで、ゲホゲホ咳き込んでいました。毛に覆われているのでパッと見は分かりませんが、抱き包んでやると骨ばって痩せ衰えているのが痛々しい状況。今は抗生物質が比較的効いているので大丈夫ですが、一番強い抗生物質にまで来てしまっていて、あと若干一回あたりの抗生物質を増やすことは可能なようですが、それも限度があると言う事で、病状の進行を少しでも遅くしようとしているみたいです。もうすぐ15歳を迎えますから、人間で言うと70を超えていますし、生まれつきの病弱ながら天寿に近づいていっていると言うところですが、頭では分かっていても割り切れない部分って言うのはたくさんあります。
7日(金)
福田官房長官の辞任ですかぁ。年金未納は官房長官だけの問題じゃなく、国会議員に(っていうか知事や都道府県市区町村議員等、特権的年金を抱えている人々全てに)広く蔓延している問題であって、彼1人の辞任でどうなるもんでもないんですけどねぇ。議員年金は退職金だって言う強弁があるようですが、どうしてもそれが必要だっていうなら退職金にすればいい(必要ないと思うけど)。特権的な年金を自分達だけせしめようと言う心根が腐りきっている。国民年金にしろ厚生年金にしろ、それらは破綻が確実なんだからって言う話は、議員年金の廃止の後じゃなきゃアホらしくて聞く気もおきないでしょう。
で、本題の年金だが、基本的に世代間の扶助と言う思想がそもそも間違っている。人口ピラミッドがピラミッドでなくなって久しいわけであり、将来の自分達が世代間扶助を受けられないことが明白であるにもかかわらず、今の高齢者や10年後20年後の高齢者のためには金を払えって言うのは、訳わかんない。そんな負担を強いられる合理的理由は存在しない。もし我々の世代の女性が、1人あたり4人くらいの子どもを生み続けるならば、現在の年金制度は理念も崇高で、若者が年寄りを支える素晴らしい制度であるが、1人の女性が1.3人しか生まない状況では、もはや開いた口も塞がらないくらい滑稽な制度となっている。逃げられる人は逃げた方が良いし、国民年金の未納率4割、20代だと5割超と言う未納率だから、懸命な人間はだいたい逃げている。しかし、この4月から逃げられない立場になってしまった身としては、国家的ネズミ講に強制的に加入させられてしまった身としては、そうも言っていられない現状も存在する。
やはり、平均余命等を鑑みて、現在の高齢者と、直近の高齢者と、将来の高齢者である我々が、世代間で不平等が存在しないように、払った金額に対するバックの割合が同じ程度になるよう(勿論物価上昇を加味した上で)に、そういう年金制度が構築されない限りアホらしくてやっていられないだろう。何故だかはよく知らないが、社会福祉政策は常に同世代内の格差是正を目的とする一方で、世代間の格差は全く顧みて来なかった。高度成長を続ける社会にあってはそれで多分何の問題も無かったのであろうが、0成長、マイナス成長の社会では、世代内の格差よりも世代間の格差の方が焦点となろう。地域間格差にしろ貧富の格差にしろ、世代内の格差が焦点となった時代は過ぎ去り、今や現在の利益を享受する世代と、将来同じ利益を享受できない世代の格差に焦点が移っている。年金問題は、現在の高齢者と直近の高齢者の既得権益を奪わない限り、決して解決しない問題だと思うのだが、選挙の票が絡むから難しいだろうなぁ。逃げられる人が羨ましい今日この頃。
8日(土)
色々と情勢の変化があるのでまたまたイラク人質問題に関して。人質ビデオの中の日本語が入っていたと言うのは、実はアラビア語の方言だったようで、そのため最初アラビア語でないと誤解されていただけのようです。じゃ日本赤軍とかの関係もないだろうなぁ。
ところで自己責任論についてですが、まず政府側の発言は非常におかしい。人質達が反政府的な思想に基づいている人物であるために、助けるのも馬鹿馬鹿しいって言う様子ですが、国家と国民の関係ってそう言うもんじゃないだろと突っ込みたくなります。現政権に批判的であっても、彼らは歴として日本国民であり、ただその一点のみを以って国家は保護をしなければならない責務が生じる。対象の思想とか信条は関係なく、国家は保護しなきゃいけない。それを閣僚や政府関係者が率先して保護する必要は無かったかのような発言をするのはどうかしているでしょう。それに、市井の民が救出費用が勿体無いと言うのと、為政者が救出費用を徴収すべきだと発言するのは全く意味が違う。ドイツのように救出費用は徴収するって言うルールを作るって言うならともかく、ルールも無いのに事後的に懲罰的な費用徴収をしようなんて、了見が狭いと言うか権力の横暴である。
しかし一方で、人質を擁護する意見にも同意し難い面が多々ある。例えば今回の自己責任論をNGOなどへの圧力だと言う主張がある。だがそれは全く事態が呑み込めていない意見であろう。イラクに展開していた国際的にも評価の高いNGO達は、危険を感じて出国している状況下で起こったのが、今回の高校卒業したばかりの青年や、女性の単身やっていう、そういう経験も乏しいNGOのイラク入国であって、自己責任論はその情勢判断の甘さを指摘しているのである。意図が崇高ならば何をやってもいいと言うのは、小学生の夏休みの活動程度なら看過できようが、いい大人へ対する態度としては失礼でしょう。理念が崇高でも周りが見えていないのはかえって迷惑となることは多々ある。擁護する人々も甘いとしか言いようがない。
それともう一つ。ジャーナリストの活動とかは危険地帯に入ることによって真実を伝える面も当然ある。しかし、現在イラクはアンマンからの空路も開かれており、バグダッドへ向かうのにわざわざ米軍が攻勢をかけているファルージャ近郊を陸路で向かう、しかもスンニトライアングルで盗賊街道と呼ばれていて普段でもどうかと言う道を向かう、そう言う必然性が全く存在しない(多分価格の問題だったろうと推測するが)行動であった。これから契約しようかどうかって言うタクシー運転手に状況聞いて、彼が安全だと言ったから陸路で行ったって…どうしてそんなに情報も集めず、いい加減な情報に踊らされて自分の命を預けてしまうのか。そういう無謀さが非難されているんだと思う。念には念を入れて、安全を最大限考慮をして、それでも被害にあってしまったと言う状況ではないのであり、様々な配慮の上に信念に従って採った行動ではない点が、人質たちに同情できない点である。
右も変だし左も変。それが今回の人質事件で顕わになった日本の状況でしょうか。
12日(水)
Winnyの作成で東大助手が捕まったじゃないですか。別にその事自体は何の感想もないし、Winnyなるソフトには厄介になった事無いのでどうでも良いのですが、彼の紹介のされ方が…30過ぎてまだ独身、給料貰っているのに普段から私服で学生の延長気分、時々秋葉原に出かける所謂オタクだったって^^;;;実は研究室で使うパソコンを、5年物だったので新型に買い換えたこともあり、最近秋葉原にちょくちょく行っていた身としては、なんか自分の事言われているみたいで(苦笑)だいたい助手がカジュアルな服装じゃいかけないのかー!スーツ着ていたら動きつらくて集中できないだろうに。。。とりあえず上の定義でオタク言うなや(><)
13日(木)
今日は東大生のファッションに関して。って言っても僕がそんなにファッションセンスがあるわけもなく、昨日友達と話していたものなんですけどね。それによると、経済とか文学部とかの学生のファッションって、ここ数年でかなり良くなっている、とくに男子学生にそれが顕著だって言うんですよね。確かに男は渋谷や池袋歩いている奴らと大して変わらない気がします。その一方で女子学生のファッションは世間一般と比較してコンサバだとか。なるほどぉ、確かに東大内では、奇抜な服装は男よりも女に少なく、地味な訳じゃないけど冒険していないファッションの女の子が多い気がする今日この頃。まぁ、理系とかになるとまた別の文化だからどうか良くわかんないけど、経済とか文学部とかの文系学部はそんな感じか。
ところで新しく買ったパソコン、って言ったら大学が買ってくれたとか言う誤解があるみたいですが、全部自腹で自費で独力で買っています。研究用に使うんだから大学が買ってくれても良い気もするんだが、まぁいいや。またまたIBMのThinkPadでして、今回はR40e 2684-HAJとかです。税込み12万5000円くらいだったからまぁ良いかって言う感じでして、HDDは30GBありますし、CPUはCeleron/2GHz、CD-R/RWまでついています。10年間くらいのFDに溜めてきたデータを、ここは一気にCDに移し替える事としましょうか。
しかし、僕もなんだかんだでPC用語知るようになったんだなぁなんて思っていたら(未だにビデオの予約もできない機械音痴なのに…)、実家もADSLをひいたらしく、最近は毎日母親からメールが届きます^^;;;ってな訳で何故か親とメル友状態になってしまっているんだが、まぁなんだかんだ言って日本の情報通信っていうのは急速に進化発展しているんだという事を、ひしひしと認識させられます。
16日(日)
深作欣二・深作健太監督の〈バトルロワイヤルU鎮魂歌〉を見ていました。言わずと知れた深作欣二晩年の話題作〈バトルロワイヤル〉の続編でして、親子2代での製作です。さてさて、第1作目のバトルロワイヤルからまず振り返ることとしますが、あの作品が面白かった点と言うのは、平凡な日常を送っていた1クラスが、友人を殺さなければ、最後の1人にならなければ生き残れないと言うときに、個々人がどういう行動に出るのか。誰も殺したくなく自殺してしまう奴もいれば、必死に友人に殺し合いを止めるよう説く奴もいれば、自分だけが生き残るために積極的に殺し合いに参加する奴もいる。そう言う一人一人の個性、しかも極限での個性って言うのが印象的な作品だった。その後にマンガバージョンを読んだのもあって、キャラが際立っているのが素晴らしい作品だったのである。
しかし、今回の作品では個の位置付けが弱い。2人で一組と言うのも良く分からないが、やっぱり友人を殺すのか「テロリスト」と戦うのかでは、殺し合いの意味合いも全く違ってくる。そう言う意味でこれは前作とは全く違った映画になっている。まぁそれはそれで製作者側の意図でもあるのだからいいだろう。そうして今作で持ち上がってきたテーマは、正規軍とテロリスト、そう言うモチーフが好きな人には良いんだろうが、前作のモチーフが好きな人間にはちょっとと言う感じだろうか。でも設定がめちゃめちゃだよなぁ。テロリストいたらBRU法とか作っていないで、とっとと攻めろと言う話になるし…
俳優陣では準主役をはっていた忍成修吾がいい。藤原竜也にしろ前田愛にしろ竹内力にしろ、登場人物の憂いが重要な作品なのであるが、なかでも憂いのある表情は忍成修吾が秀逸。普通にしていてもちょっと物憂げな表情なのだが、今回はそれが際立っている。かえって藤原竜也の方がどうかと思う。前作やマンガのイメージから見て、あの明るく、無邪気なまでに善意を信じていた七原秋也が、あそこまでスレて生き残っているって言うのもどうかと思うし、舞台なんじゃないかと思うくらいの演技自体のオーバーさもちょっと頂けない。
あと前作にあった狂気が無い。柴咲コウ演じる相馬光子の狂気も無ければ、安藤政信演じる桐山和雄の狂気も無い。しかも塚本高史演じる三村信史の知性も無い。そこにあるのはただ単に暴力だけであり、単純なバイオレンスものがイマイチな僕としては、ちょっとどうかって言う感じでしょうか。自衛隊とひたすら殺しあう光景は、まぁ、いいっちゃーいいんだけど、ねぇ。せっかく殺しあうんだから、もっと殺すって言う意味にしろ手段にしろ、深く突き詰めるべきだと思うんだが、前作である程度のものをやってしまっているから無理か。続編って言うのはつくづく難しいって言う事を知らされる一作です。まぁだからこそ、異様に憂いのみに焦点が当てられているんですけどね。誰が一番憂いを演じるかって言う作品。
21日(金)
今日は裁判員制度に関して。何でそんな話をするかというと、単純に昨日弁護士の友達と飲んでいたからで、われながら影響されやすいやつ。って思ったら、今日法案通ってたのか。我ながらグッドタイミング。まぁ、そんな話はいいとして、この裁判員制度、我々も呼ばれる可能性があるらしいっていう事くらいは知っていたが、陪審制度と同じようなもんだと思っていたのは全く違ったらしい。陪審制度といったらヘンリー・フォンダの名作〈12人の怒れる男〉が大好きで、ジャック・レモン主演のリメイク版も見ているし、パロディーである三谷幸喜脚本の〈12人のやさしい日本人〉だって当然見逃していない。しかし、あそこから抱いている陪審制度のイメージは捨ててくれっていわれた。さみしい。
日本に出来ようとしている裁判員制度は、裁判官と国民が一緒になって判決を下すという、訳分からない制度なんだが、裁判官が世間の事情に疎過ぎ、殺人犯や強盗殺人犯の量刑だとか、この前の青色ダイオードの判決額の異常さだとか、そういう一般的な国民から見たら非常識な額や量刑なんかが出ないよう、そう言うのを抑制するためにそもそも設けられようとしている制度だとか。現在は形骸化している国民審査制度くらいしかない司法と国民の関係から進んで、裁判官をチェックするような立場と、そう言う視点から見ると総論としては賛成したくなる制度である。
しかしこの裁判員制度なるもの、徴収令状が発せられたら拒絶できないらしい。一日くらい時間を空けて参加しろよとも思ったのだが、ひとつの裁判で5回だか6回も裁判所に出頭を命じられ、それを拒否する事が出来ないという制度だというのである。そんなに何回も(しかもたぶん平日の日中に)呼び出されて、しかもそれが拒絶できないとなったら、ちょっと待てと思う。せめて陪審制度のように有罪か無罪かの判決を下す重責にあるならばともかく、裁判官の非常識を訂正する程度の役目で、そんな何回も裁判所に出頭するよう義務付けられるのは、ちょっと行き過ぎなんじゃないだろうか。
24日(月)
小泉さんが週末北朝鮮へ再び行き、蓮池家と地村家の子供たちをつれて帰ってきたわけです。参議院選に向けて、年金未納疑惑のカモフラージュに、とにかく内政のピンチを外交でカヴァーしようと言う政略での訪朝でした。ですけど賛否両論あるでしょうが、停滞状況を打破するために一定度の効果があったと、それなりには評価すべきだと僕は思います。忘れ去られる危険性がある拉致問題を、再びクローズアップさせたのも大きいでしょう。しかし勿論、曽我さん家族の帰国もなっていませんし、行方不明者や特定失踪者の情報もままならず、まだまだ道程は長いなぁって言うのが感想でしょうか。10人の再調査を北朝鮮は約束したわけですし、10人の再調査が先延ばしされるようならば、速攻経済制裁を行えるよう、日本国内の法整備を急ぐ必要もあるでしょう。
交渉での妥協点は、北朝鮮が平壌宣言を履行する限りにおいて、日本は経済制裁をしないと言うものですから、核問題、そして平壌宣言の前提となる拉致問題での向こうの態度次第では、柔軟に船舶入港禁止や送金禁止という政策を採れるようにしなければいけません。アメとムチのバランスが大切な訳で、今回1人につき5万トンと言う身代金をちらつかせたので、身代金の受け渡しに際して、ドシドシ次はムチを振りかざしていけば良いんではないでしょうか。
しかし、曽我ひとみさんの「ベッドをくっつけててでも、4人で一緒に寝たい」から「私って何てややこしい人生になってしまったんでしょうね」まで、彼女の言葉一つ一つが心にしみます(ToT)
さて、柊あおいの原作を宮崎駿が企画して、森田宏幸監督で作ったジブリ作品が〈猫の恩返し〉です。主人公のハルの声優に〈ほんまもん〉の池脇千鶴、ハルを助けるバロン役には袴田吉彦、猫王に丹波哲郎、王子のルーンに〈ちゅらさん〉の山田孝之などが参加しています。つじあやのが歌った主題歌〈風になる〉が爽やかでいいね。ジブリ作品は主題歌の選曲がとても素敵だが、この作品も例に漏れずとてもいい。テレビCMとかで流れた部分ではなく、サビの部分は別んとこなんだけど、とっても好きです。
ストーリーは別に大した事無いんですが、〈猫の恩返し〉ってそう言うことかぁって最後の方に可愛いオチがあります。ただこの作品、〈耳をすませば〉を見ていると、やっぱり感慨深い作品になるんですよね。〈カントリーロード〉が印象的だった〈耳をすませば〉の主人公月島雫が、作中で物思いに耽りながら描きあげた小説の、何て言うか完成版がこの作品であるっていうふうに、視聴者は当然思い描きます。っていうっか、思わなければ日本人ではありません。雫があの地球屋で見つけたバロンの人形から、この物語は始まっているんです。そう考えると楽しくなってしまいますよね。子供心をくすぐる、そう言う良質なアニメだと思います。
27日(木)
アイフルっていうサラ金屋があるじゃないですか。そう、清水章吾がチワワのクーちゃんを借金して買っちゃうあのCMのサラ金会社。あの今のバージョンの含意って言うのが何なのか、2説あるらしいんですけど、どっちなんでしょうか。1つは、借金すると鼠算式に増えていきますよ。だから注意してお金は借りてくださいねって言う説。確かにタバコも吸い過ぎに注意と警告しないと罰せられますし、将来のゴタゴタに備えた先手って言う可能性は有り得ます。ご利用は計画的にとも言っていますけど、それだけじゃ足りないんじゃないかとサラ金側が配慮していても不思議ではない。
もう一つ、2つ目の説としてあるのは、飼い主に恩義を感じたクーちゃんが、自分自身でブリーダーとなり、子チワワを大量に飼い主様に謙譲して借金を返してもらおうって言う説。サラ金側としては、何としてでも貸した金は回収したい訳であって、消費に回すだろうと貸した金が、実は事業として大きく成長し、借り手も貸し手も満足行くままに契約を終える事が出来ると言うサクセスストーリーっていうのはかなりの説得力があります。この2つのどちらの説も捨て難いだけに、いったいアイフルがどういう含意なのかが非常に気になるんですよねぇ。最近、寝付けないくらいに気になっています。
ところで〈アメリ〉見ました。昔から話題なのは知っていましたが、いつレンタルビデオ屋行ってもレンタル中になっていて、一度も借りられた事が無かったのを、ようやくとレンタル中の札が外れているのを見付け、ついについにレンタルしました。で、この映画はっきり言って僕は全く駄目です。だってとても乙女チックな映画なんですよ…耳年増な乙女の映画って、ちょっと僕には何処が面白いのか分からないんですよね…どちらかと言うと虫唾が走る部類。
テンポは良いし、アンドレ・デュソリエのナレーションがまたとっても素晴らしく、作品的にはとても良い出来なんですよ。興行的にヒットしたのも納得できる良いつくりなんですが、やっぱりモチーフが生理的に受け付けない。映像は綺麗なんですよ。絵画的な切り取り方しているシーンもあれば、古い映像を繰り込んでつくってたり、もう映像センスは素晴らしいんですよ。マジでマジで。でもね、こういう女の子は苦手です。たぶんそれが生理的に受け付けない一番の理由なんですよね。それに加えて、こういう悪戯って好きじゃないんですよ。プラスに働く悪戯は可愛らしいんですが、八百屋の親父に対する悪意ある悪戯、もうゾゾゾゾゾッー−−−って感じで、キモくてキモくて逃げ出したい感覚。
アメリファンがたくさんいるのは理解しますが、こういうタイプの作品は好き嫌い分かれるだろうなって言う気がします。特に男には苦手な人多いんじゃないでしょか?
31日(月)
社経史で大阪へ行ってきました。29年7ヶ月も生きてきて、初めての大阪体験でした。いろいろ想像して大阪へと旅立ったのですが、新大阪の駅を降りて、大阪への乗り換えの電車に乗ろうとしたら、駅の構内アナウンスが標準語で流れてくる・・・ショック・・・。電車きまっせ〜気を付けなあきまへんで〜とか言っていると思っていたのに・・・ショック。仕方ないので普通に天王寺のホテルへ向かう。電車内ではちらほらは関西弁だったものの、ホテルのフロントがまた標準語を話す・・・ショックでか過ぎ・・・。儲かりまっか?って迎えてくれると思っていたのに・・・ショック。しかししかし、JRやホテルは全国展開されているからなって自分に言い聞かせ、ちょっと観光に出かけることに。
まずはホテルの近くにあった四天王寺へ行く。まぁ、寺自体は何度も焼けて何度も再建されているので、別にこれっていう事は無い。ここはやはり伽藍配置の妙を堪能することとする。四天王寺式って確か中学受験とかで学んでいた気がするが、本当に門から五重塔-金堂-講堂-門が一直線に並んでおり、その左右対称さに感激する。日本的でないその並びがとても不思議で、しばらく見とれていたが、その後散策していたら面白いものを発見。茶臼山古墳から昔の人が石棺の蓋を持ってきて、またぐと安産だといってまたいでいたとか・・・昔の阿倍野人恐るべし。でも宝物殿とかは大したのなかったなぁ。あと、五重塔、せっかく頂上まで登っても、外に出られないっていうのは…
その後は通天閣や新世界の辺りをぶらつく。噂には非常にアングラなエリアだと聞いていたから楽しみして行ったのに、いたって普通。昼に行ったからって言うのもあるからだろうが、上野・日暮里・町屋・千住辺りをぶらついていたら、あんな感じの所はいくらでもあるし、別にこれと言ってアングラっていう気もしない。もっとギラギラして危険な感じを想像していたのに、いたって普通過ぎて拍子抜けしてしまった。大体みんなオーヴァーに話しているっていうのを実感。大阪人が話し大きくしてネタにしているだけみたいですね・・・
次は日本橋へ。ニホンバシではなくニッポンバシって言うらしいが、東京で言うと秋葉原ですね。電気街が広がっていて、秋葉原っぽいなぁって思っていたら、なんとアニメショップやキャラクターショップを多数発見。東西問わず、電気街とオタクショップというのはセットになっているらしい。何故なんだかは良く分からないが、購買層が同じなんだろうか・・・なんとなくファッションも秋葉系だった気がするし、違っているとこというと、ラーメン屋や洋食屋が無いところかなぁ。あ、外人が少ないところも秋葉原とは違っているか。
続いてミナミヘ突入。まずは何をさておき食い倒れ人形へ。噂ではショボイショボイって聞いていたが、やっぱりショボかったです。カニ道楽のカニは、でっかいカニは動いていないで、ちっちゃいカニが動いているんだね・・・次いで戎橋(通称ひっかけ橋)へ。結構たくさんのナンパ人達がいて、ナンパ光景を観光していたが、東京人よりしつこく頑張るもんだねぇ。グリコのおじさんもいました。その後は、普通に心斎橋筋をボーっと歩いていたんですが、結局どこに心斎橋があるのかは分かりませんでした・・・見落としてしまったんかなぁ。
夜はキタヘ。友達とビールを飲みつつ、串揚げとかを頬張る。道すがら見た100円のキャベツ焼き(お好み焼きからキャベツ以外の具を除いた感じ)って言うのもすごいが、まぁ色んな食いもんを考え付くもんだと感心しつつ、昨今は東京でも串揚げ食べれるところが出来ているらしいので、また行ってみようかなぁ。しかし、何で焼かないで揚げるんでしょうね。関西の食べ物って薄味が多いのに、コテコテの串揚げってちょっと意外だなぁ。ソースもしっかりした味なんですよね。何軒かハシゴしていたら終電無くなったのでタクったのだが、キタから天王寺まで深夜1800円だった。だいたい山手線の半分くらいの直径の円を想像するといいのかなぁ。
大阪市立大学では生協でお弁当を買って食べていました。しっかりとしたヴォリュームで、味もそこそこのお弁当が税込み399円ですよ。京都へ行った時は生協のその美味しさに驚きましたが、大阪市立ではその安さに驚愕。っていうか、東大生協って言うのはどうしてあーもどうしようもない味で、コンビニ弁当と同じかより高い金額を設定しているんだろうか…絶対に東大生協は何らかの競争原理を入れないと駄目だと思いますね。あんなに美味しくなく高い値段で、でも平然と営業を続けているって言うのがなぁ。誰も何も言わないんだろうか。。。
帰りは鶴橋へ行って韓国人街に。最初は焼肉系を食べようと思っていたのだが、けっこう気温も上昇してしまったので、ピビン麺とプルコギ海苔巻をいただきました。ピビン麺の方は自家製のコチュジャンを混ぜるとさらに美味しく。しかしそれよりもプルコギ海苔巻が絶品でした。エゴマの香りがフワ〜〜って広がり、それに肉の旨味と、ゴマ油のコクが加わって、日本の海苔巻きとは違った、ちょっと重めの海苔巻きなんですが、これはいけますよ。どこかで見かけたらご賞味くださいませ。
さて、近鉄特急に乗って名古屋へ向かい、オリビアの好物である鬼作堂の鬼まんじゅうを買って帰りました(って書いてて思ったが、鬼まんじゅうって東京で見たことないよなぁ。名古屋限定かな?)。プレーンと黒砂糖と買って帰ったのに、オリビアは黒砂糖はお気に召さないらしい…せっかくたまには違うの見つけたのに、まったく進取の気性に乏しい子で…しかし、GWの時よりさらに体力は落ちているようで、お散歩に一緒に行ったのだが、あまり早く歩く事は出来ず、トボトボって感じでした。でもそれでも良い方で、最近は帰り道は抱っこで帰る事もあるとか。次帰れるのは夏休みだろうから、それまで頑張って欲しいな。
ところでそう言えば、イラクで2人のジャーナリストの方が亡くなったようです。そしてそれに伴って自己責任論を唱える人々がいるとかで、非常に憤りを感じています。ジャーナリズムの存在がなかったら、我々は政府が垂れ流す大本営発表しか手にすることが出来ないわけで、彼等達のおかげではじめて、一般の人々が様々な判断の元になる情報を手に出来ている。そうしてそう言う情報を入手するためには、危険な紛争地域に身を賭して潜入し、戦場ジャーナリストとして活躍している人々がたくさん居るわけです。その中でも橋田さんは歴戦のつわものであり、彼の送る情報によって、日本には多くの戦地の状況が伝わってきていたんですよね。
そういうジャーナリストの死に対して、自己責任なんて追求する人間の気が知れない。先の人質との差も分からないなんて愚か過ぎる。彼の死が我々に伝えた最期のメッセージというのは、以前は安全であったバグダッドより南であっても、もはやイラクの治安は守られていないっていう事でしょう。サマワで取材をし、そのバグダッドまでへの帰路で今回の事件に遭ったという事は、普通に考えたら、中部から南部にかけての情勢の悪化だと思います(まぁナシリアでの事件もありますから、そもそも悪かったとも言えるのですが)。そういう土地で、PKFでもない状況で自衛隊が居座ること、そういういつ戦闘になってもおかしく地域に、米国との関係で居座ることに危機感を抱かざるを得ない。
今日も今日とて、フセインが持っていた銃を、ブッシュが嬉々としてホワイトハウスへの来客に見せているとかいうニュースが流れています。こういう子供じみた独裁者が、超大国の軍事を好き勝手にしている状況(より正確には、誤った情報で国民世論を操作して開戦に持っていったわけですが)っていうのは…しかもCIAによる、組織的な捕虜虐待や虐殺も明らかになってきていますし、アメリカは何がやりたいのか全くわからない。子供に刃物を持たすと、とにかく振り回してみたくなるって言いますが、そういう駄々っ子なガキ大将と如何に付き合っていくかっていうのを突きつけられている世界は、ほとほと迷惑しているんですけどねぇ。全世界がアメリカと同一価値観を持つと本気で思っているんだろうか?