2004年7月

1日(木)
 なにやら社会保険庁からお知らせが届いていたので見てみると、4月の国民健康保険料が未納なので払えっていう催促状なんですよね・・・おいおい、共済年金に変わったんじゃないのかよ!って社会保険庁に連絡したら、共済年金への手続き変更が連絡されるのには半年から10ヶ月程かかるので、これから催促状が行っても気にしないでくださいとか・・・おいおい、なんちゅういい加減に名寄せすら滞っているのかよと言う驚きとともに、催促をするのも只じゃないだろうに、いったいいくらの冗費を好き勝手に使い放題なんだろうかとあきれ果てるばかり。東京では社会保険庁が10000円のコストをかけて回収できる保険料が3000円だとか言うし、まったくいったいどういう組織なんだか・・・

 ところで、初ボーナスいただきました。相変わらずいつ何が行われるシステムなのか知らないもので、ボーっと見ていたら給与明細が入っていて、なんで???って開けたらボーナスでした。ネットで確認したら国家公務員の夏のボーナス云々が書かれていて、ほんまもんだと納得。7月の給料と一緒に入ると思っていたので、ちょっくら嬉しい誤算。でも、初任給のボーナスなので30%(6月1日時点で計算されるらしく、4月5月の2か月分しかないんですねぇ。)、つまり少ないんです。見ていてみすぼらしい金額なんですが、大切なのはボーナスを貰ったという事実であって、金額じゃありませんよね。金額じゃ(TT)

 初給料は親と食事に行ったり、洋服を買ってあげたりしたのですが、この中途半端な金額のボーナスはどう使おうか…とりあえず、たかられる予定が数人あるけど、たかられても残りそうだからどうしようなぁ。思い切って夏休みに遠出して調査してみるとか、絶対買いそうになかった高い本を買ってしまうとか、ひたすら飲み続けるとか、素直に貯金するとか、いくつか候補はあるけれど、これって言う決め手になるボーナスの使途はないよなぁ。パソコンはこの前買っちゃったし、テレビも自転車も去年買っているし、あーオーディオかぁ。でも最近パソコンでCD聞く事の方が多いんだよなぁ。。。

3日(土)
 マーロン・ブランドが亡くなりましたか。ハリウッドの異端児と呼ばれつつも、その圧倒的な存在感が魅力だったのですが、やはり代表作は〈ゴッドファーザー〉シリーズでしょうね。エリア・カザンの〈欲望という名の電車〉で鮮烈にヴィヴィアン・リーの相手役を務めた彼も、20年を経て既に過去の人になっていたもんだから、なんと屈辱的にカメラテストを受けさせられてまで出演した映画が〈ゴッドファーザー〉だったとか。今となっては考えられないエピソードですよね。マーロン・ブランドと〈ゴッドファーザー〉がなかったら、僕らはアル・パチーノにもロバート・デ・ニーロにも出会えなかった訳で、はぁ切ないなぁ。享年80歳と言うことですが、まぁ枯れたマーロン・ブランドの演技なんて見たくない気もしますし、いつまでも尊大な彼の姿が魅力的に人々の記憶に残り続けるのは、彼にとっても本望なのかもしれませんね。合掌。

 ところで、期日前投票(今までの不在者投票から何故かネーミングが変わっていた)に行って来ました。典型的な無党派層の自分的には、やっぱり今回も選挙区と比例区で投票先を変えてしまったのですが、あれって微妙な制度ですよねぇ。何ていうか、あいまいな日本の私じゃないですが、決定的な最終決断を回避できる、非常に居心地のいい制度なんですよね。年金制度の無茶苦茶ぶりみている限り与党を支持する気にもならないのですが、だからと言ってくだらないおしゃべり(っていうか越乃寒梅は最近3500円で1升瓶買えたりします。あの異常なブームは何だったんだろう、あ、今は芋焼酎に移っただけか)を長々としたり、牛歩したりと、社会党的体質の野党を支持する気にもならないし、そういう状況でどれかを選ぶのは困難ですからねぇ。はっきり言って、与野党とも55年体制時代に戻ったようで胸糞悪いんですよね。

 でもだからと言って棄権するのは信条に反しますから、どうしても2票もあるって言うのが大きいんですよね。与党も野党もイマイチだから、それぞれ1票づつ痛み分けっていう所でしょうか。ほんと今回はどちらへも投票したくなくお手上げ状態。棄権しようと言う選択肢もかなり頭をよぎったし、白票にしようかという考えも浮かんだのですが、せっかく二十歳から投票続けているので惰性もあって行って、せっかく行ったんだから名前書いて来ました。投票へは行くべきだと言う信条ですが、今回は人に投票行きましょうと勧める気もあんまり起きないですねぇ。でもまぁ、時間があったら散歩がてら投票しましょう。健康にも良いですよ。

6日(火)
 近鉄-オリックス合併問題について。僕は中日ファンなんですが、中日がどこかに合併されるとなったら、多分プロ野球自体に興味を失ってしまうでしょうねぇ。そう言えば、1998年の天皇杯を勝ち抜き、1999年元旦の決勝戦にも勝利して、無敗のままこの世から姿を消した伝説の横浜フリューゲルスというサッカーチームがありましたが、あのフリューゲルスファンがそのままマリノスファンに移行したともなかなか思えない(実際横浜FCができる訳ですし)。そう考えると、近鉄バファローズって言う球団の消滅は、単純にファンの消滅を迎えるだけだと思うんですけどね。

 勿論40億円にも上る年間の赤字を抱えて、近鉄が球団を持ち続ける事が困難なのは分かりますが、それなら身売りが大前提だと思うんですよね(って言うか、なんでわざわざドーム球場作ったりしたんだろ。セだって観客動員数が少ないヤクルト・広島・横浜はドームじゃないのに)。で実際に、ネット関連企業が買収に名乗りを上げているんだから、そこに売ればいい。どうして買い手がいるのに売らないのかが全く理解できない。新聞社みたいなヤクザな会社がオーナーになれるのならば、ネット企業の方がよっぽど社会的にもまともだろうに。

 少なくともネット企業には、玄関のドアを蹴って行くなんていう柄の悪い社員はいないはず。忘れもしない、上京して直後の事だったのだが、何処で引越ししたのを聞きつけたのか知らないが、次から次へと新聞社の勧誘員が来るんですよね。で、一番最初に来たのが朝日新聞だったので、まずそこと契約したんですよ。で、次に来たのが毎日新聞だったので、その次の6ヶ月で良いって言うんでまた契約したんですよね。で、最後にやってきたのが読売新聞だったのですが、さらにその次で良いとか言うんですが、僕はスポーツ覧見たくないので読売は取りませんと言ってドア閉めたら、ガッとドアに蹴り入れて帰っていったんですね。それ位ガラの悪い新聞社がオーナーやっている球団もあるんだから、ネット企業の方がよっぽど紳士的でしょう。

12日(月)
 注目の投票率でしたが、思ったより上がりましたね。天気予報が曇り時々雨のち晴れっていう、まぁいわゆる選挙日和だったのもありますし、期日前投票っていう舌噛みそうな不在者投票のニューバージョン(って言っても袋に入れなくなっただけ)も、過去最高を記録していましたからね。投票先が決まったら、選挙当日でなくても良いので、運動を兼ねてブラブラ散歩しながら投票をする習慣を身に付けましょう。日頃の訓練として、区議都議区長都知事選なんかも精進を怠らないよう習慣付けることが肝要です。

 ところで選挙結果の方ですが、与野党に票を分散させた自分が言うのもなんですが、また見事に与野党に真っ二つに割れましたねぇ。自民党の方は前回の小泉ブームの驚異的な得票は見られないものの、前々回の橋本内閣時の比例票よりも200万票近く得票を増やしていますね。定足数が減少したことも考えると、横ばいでしょうね。一方で民主党も確実に共産・社民票を奪い取って、野党勢力の一元化を着々と進めています。こうやって見ていくと、なんだかんだ言いながら、宮沢内閣不信任案に始まった2大政党化の流れは、実現に近づいていると言うことでしょうか。

 しかし今回の選挙で興味深いのは、自民党のいわゆる橋本派が11、いわゆる亀井派も若干の議席を失っているんですね。で、小泉首相属するいわゆる森派は、自民全体が改選議席に及ばない中で増加している。ほんと小泉純一郎って言う男は、意図的か無自覚なのかは知らないが策略がうまいなぁって感心するばかり。これでますます自民党内の橋本派の影響力は弱まり、森派の影響は強まっていくでしょうね。

 一方でやはり注目すべきは、民主党の小沢一郎の選挙の上手さでしょうか。民主党は共産・社民支持層の奪取を第一とするために、どうしても保守系の支持者が離反しがちなのですが、それを小沢一郎と言う存在によって、一部取りこぼしはあるものの多くを民主党内につなぎとめている。そして、政策を語るのではなく、ひたすら自民を攻めろと言う選挙戦術に出たのも上手かったですねぇ。さすが豪腕小沢の腕の見せ所。また自民党内で影響力を失った旧竹下派の面々が、小沢・藤井・岡田と民主党内で力を持つ構図になっているのも興味深い。

 そうやって考えると、角福戦争と呼ばれたあの対立を、自民・民主と政党をまたにかけて戦っているのが21世紀版角福戦争と言うところでしょうか。第一次の方は角栄の圧勝で幕を閉じたのですが、今回はこのままいくと3年間は大きな選挙ありませんし、福の方の逃げ切り勝ちとなるんでしょうかねぇ。それとも何かまた大きなサプライズがあるのか。しかしまぁ今回限りに関して総括すれば、思ったよりも小泉自民が踏みとどまり、小沢民主が伸び悩んだ選挙でしたねぇ。

 話は全く変わりますが、日曜日は初めてTDSへ行って来ました。TDLの方へ行ったのも8年前とかだから、本当に久しぶりだったんですねぇ。ネズミ関係へ行くの。天気予報が微妙だったのと、日曜だって言うので、けっこう空いていて快適でした。ファストパス使ったのもあるけど、待ち時間とかも30分待ったアトラクションはないですからね。しかしあのファストパスシステムって中々いいですねぇ。イライラしないですむので、子連れとかでいく親御さんとかにも良いんじゃないでしょうか。ただ混んでいる時は、ファストパス自体に並ぶようなので、それはそれで微妙かもしれないけど。

 しかし8年前と比べて変わっていたところ、っていうかLとSで違うのか何なのかよく分からないが、一番印象深かったのは食べ物が美味しくなっていたところでしょうか。値段は相変わらず高いのだがそれは行楽地だから仕方ないとして、前は本当に食いたくない味だったんだけど、そこそこ美味しくなっていたので驚き。あと、Lと違ってSの方はなんかゆったりしていますね。僕はこちらの方が好きかも。しかし、行く所行く所、岩や壁やそういうのの人工的っぽさが面白くって、面白くって、ペタペタペタペタ材質を楽しんでいました。あぁいう空間て、実生活ではあんまりあるもんじゃないですから、珍しくて楽しいですねぇ。

 アトラクションはインディー・ジョーンズがお気に入り。映画で大好きだったので、ワクワクドキドキしながら、出口出た時にはやっぱり男なら考古学者になるべきだったよなぁなんて後悔しつつ楽しんでいました。センター・オブ・ジ・アースが一番メインアトラクションなのかな?あれの雷にはヤラレタね。。。海底2万マイルのいきなり飛び出してくる魚にも。。。声上げちまったじゃねーか^^;;それとあと、ショー関係が充実しているんだけど、なんか劇団四季系なんですよねぇ。あの系統が好きな人には多分楽しめると思います。

16日(金)
 プロ野球に関して。基本的に問題の根本は、パリーグは儲からないっていう一点にある訳で、この点の解消がない限りには、何も解決しないんですよね。そのための問題の一つが、ドラフトの指名とFAを同時に導入した、渡辺某という頑迷固陋の老人。これによって選手の年俸が、球団の収入を遥かに凌駕する水準まで引き上げてしまい、金のある球団へ選手が流れ、金の無い球団は弱体化するという悪循環を作ってしまったことなんですよね。もはや広告費としての許容範囲を大きく逸脱するほどの赤字を抱えることとなり、しかも戦力ダウンで人気上昇もなかなか困難とあっては、現状のオーナーたちが一リーグを望むのは気持ちとしては理解できる。

 しかし、問題の根本が分かっているのだから、まずはそれを解消する方策を考えるべきでしょう。そのためには、テレビ放映料をプロ野球機構の収入として12球団に公平に分配する。これによってある程度の球団運営は保障されるし、スター選手ばかり集めてテレビ視聴率を上げようという愚かな球団も方針転換せざるを得なくなる。その上で、ドラフトを完全ウェーヴァー制とし、FA取得期間を短縮する。こうすれば優秀な若手を各球団に安く均等に配分できると共に、年俸の上がった選手を他球団に売って球団費に充てることが出来る。この2点の改革だけで、2リーグ制の維持は簡単だと思うんですよね。近鉄はライブドアが買った上での話しだけど。

 すべては、ドラフトに指名を採用し、FAもやり始めたのが間違いの根本であって、その一番の愚考を主導したのも渡辺某という老人だった訳で、1960年代70年代ならいざ知らず、いまの某球団のテレビ視聴率がゴールデンタイムなのに10%を切っている現状を見れば、自分が行ってきた間違いに、普通の人間なら気付きそうだとは思うんだけれどねぇ。自称球界の盟主らしいが、結局自球団だけが大切で、球界全体の事なんて一切考えていないから、今回の事態を招いたっていうだけで、もう一度ここ数年来の愚考をチャラにして、そこから考え直すべきでしょう。上記2点をやるのなんて簡単でしょ。自称球界の盟主様なんだから。

21日(水)
 暑い日々が続きますねぇ。最高気温摂氏39.5度もすごいですが、最低気温30.1度というのもすごい。汐留から品川辺りの再開発によって建てられたビル群によって、東京湾からの海風の吹込みが堰き止められ、それが東京の異常な暑さの原因の一つとなっているとか。あの辺の再開発ってまだ途上でして、今後更にビルは増えるはずですから、まだまだ東京は暑くなっていくっていう事なんでしょうか・・・ところがこんなあ暑い東京ですが、皇居とその周辺は温度が若干低いようでして、やはり都市の緑化がヒートアイランド抑制には一番効果的なんですよね。

 昨日高校の先輩でもある木村太郎がいい事言っていましたが、ビルの屋上を緑化することによって、都市の熱を抑えようと言うあの試みってどうなってしまったのでしょうか。昔ニュースステーションと言う番組がありましたが、あのオープニングのどれかのバージョンでも、そんな未来像がアニメ化されて使われていたはずです。別に木を植える必要なんて全くなく、芝生化するだけでいいとしたらどの位のもんなんでしょ?問題となるのはまぁ水なんでしょうが、ビルに1人や2人は関心を持つ人も居るでしょうから、水捌けさえしっかりしとけば、義務付けたら簡単に普及しそうなんですけどねぇ。地上数十メートルで緑の芝生が生い茂っているのって、なかなか素敵だと思うんだけどなぁ。

 ところで、7月の最低湿度も更新したとかで、さらっとした暑さなんですよねぇ。名古屋のジメジメトした高温多湿な夏を過ごして来た身としては、東京の暑さって言うのは、実は温度を言うほどは気にならないんですよね。名古屋以外で暑いと思ったのは、やはり京都でして、数年前にJ下の家に泊めて貰ったあの8月の京都は暑かった。あれと比べても40度近い東京の暑さはそれ程でもないので、やっぱり気温だけでなく湿度も体感的なもんとしては重要なんだなぁっと改めて実感などしています。しかしなんだかんだ言って、ここまで気温が高くなると、ビールが問答無用に美味い。

22日(木)
 そう言えばこの前のTDSで書き忘れた出来事でも。あそこってリゾート型が売りで、夕方から屋外のステージでジャズのコンサートがあって、軽く飲みながら生ジャズ演奏を楽しめるっていうイベント期間だったんですよ。たまたまね。それで、ベンチに座っていい感じに音楽に揺られていたら、斜め前に座っていた子連れの夫婦の夫の方が、ジャズのリズムに乗って子どもを落したんですよね。えぇぇぇーーーっ?って目を見張って見ていたら、けっこうその子は落され慣れているらしく、顔は固まっていましたが、泣かずに耐えていました。子どもってああやって強くなっていくんですねぇ。一方でお父さんの方は、必死に子どもを揺らしながら機嫌を取っているものの、奥さんにトンでもない形相で睨まれていました。どうなったんだろあの後^^;;;

23日(金)
 2007年にはどうやら大学全入時代に突入するようです。15の春を泣かせないなんていうキャッチフレーズもありましたが、18の春も行き先さえ選ばなければ泣かないことになるようです。現実には入試選抜システムによって、特定校への希望の偏りが生じるので、泣く人は確実に出るのですが、まぁ全入時代の意味合いがそれで大して変わる訳でもないから良しとしましょう。前にも書きましたが、個人的な体験としては1年くらい泣いても人生に差ほど大きな影響は与えませんけどね。

 で、そういう事態を踏まえて、就職していった先輩達の話を色々と聞いていると、なかなか大学教育っていうのも大変になっているようです。端的に言ってしまえば、高校と同じ感覚で大学に来ている学生が増えているようで、教える方も学生の意欲を高め、学生の興味をひくように努力し、学生に飽きさせないようにする、そういう所から始めることが肝要なようです。

 自分の駒場時代を振り返ると、東大は試験対策委員会(通称シケ対)というシステムが大学的には非公式に、学生自治会的には公式に機能していましたので、ご多分に漏れず、僕も興味がある科目以外は出席点が欠かせない体育くらいしか出ていなかったんですけどね。それに加えて教官逆評定を行っているサークルがありましたから(予断ですが某外国経済史の先生の娘さんとか某日経史の同輩などを輩出していますが)、そこで得られる情報を元に、極力レポートで評価する科目を選択していたために、興味が無い科目の授業を聴講する意図なんて全く無かった学生ですからねぇ。。。っていうか、午前中にある講義に出席するなんて、不可能な曲芸に近い大技でしたからね^^;;;

 そんな訳で、興味が薄く高校の延長で就学している学生を、どうやったら惹きつけることが出来るかなんて、ちょっとやそっと考えてもあんまりアイデア浮かばないんですよねぇ。自分の好きなことだけ話すのは出来るでしょうが、相手の興味を喚起するっていうのはどうしたら良いんでしょうね。予備校的な盛り上げ方ってやはり大学では禁じ手でしょうし、多くの先輩が使っているスライドとかそういう方向がオーソドックスなんでしょうねぇ。なんかうちらの頃の学生より最近の学生の方が、不況とかの影響もあって真面目なことは真面目だって言う話は聞きますから、持って行き方を勘考すれば、うちらの学生時代を扱うよりは楽そうですけどね。

 しかし経済史って言う分野は、多くの学生にとっては、直接的には社会に出て実用できる技術や知識ではありませんで、一般教養的な分野である訳ですから、知識欲を駆り立てるような時間を提供する必要があるんでしょうね。そのためにはやはり、大きな柱を持ったストーリーを、いかに小ネタで彩りながら講義するかっていうのが重要になってくるんでしょうか。歴史って言うのは、小ネタを掘り始めるとキリが無いくらい散らばっていますし、そういうスパイスを利かせつつ、メインディッシュを味あわせるのが腕前なんでしょうねぇ。まぁ言うは易く行うは難しでしょうけど^^;

26日(月)
 ハーマイオニー演じるエマ・ワトソンがより一層可愛くなった〈ハリーポッターとアズカバンの囚人〉を見て来ました。しかし、皆どいつもこいつも成長が早いなぁ。ドラコ・マルフォイ役のトム・フェルトンなんて、ちっちゃな小憎らしいガキンチョだったのが、今や本当に嫌味ないじめっ子になってますからね。ロン・ウィーズリー役のルバート・グリントも頼りなさげは相変わらずだけど、でかくなったねぇ。なんか3年連続で見ていると、保護者な気分で彼らの成長を楽しむって言う味わい方になっています。でも、次回作はキャスティング変わっちゃうんだっけ???なんだかそれはなぁ。

 さて、作品の方ですが、とにかくストーリーの作りが非常に丁寧でして、著者が如実に小説家としての腕を上げていることが分かります。怖いくらいに伏線の張り方が見事でして、何気なく見ていた部分が、後からになってそういう意味合いだったのかぁって感心させられてしまうこと仕切りです。賢者の石や秘密の部屋と比べて、謎解き的な要素が増えているのもストーリー的に奥深さを増している点でしょうか。映画をシリーズ見終わるまで原作読まないと決めたんだが、なんかだんだん読みたくなってきている自分がいます。

 ところが、監督の方がクリスト・コロンバスからアルフォンソ・キュアロンに変わったからかどうかは知りませんが、作品としてのスピード感が落ちています。世界観を大切に映像化することに注目する余り(そしてそれは確かにある程度成功しているのですが)、ファンタジーとしての高揚感を削いでしまっているような気がします。原作を映画化する際に、当然の如く枝葉は切り捨てざるを得ない訳で、それをスピード感と言う映画独自の味わいで裁いていたクリス・コロンバスに対し、より原作の雰囲気に忠実であろうとしたアルフォンソ・キュアロンの方が、映画としては難点を抱えてしまったと言うところでしょうか。何ていうかストーリーは見事だけど、ドキドキ感が少ないんですよね。。。

 ただ、この作品の最も気に入ったのは、実はエンドロールなんですよ(笑)。〈ロード・オブ・ザ・リング〉なんかを含め、羊皮紙をイメージした場面っていうのはチョコチョコは色んな作品で登場しますが、作品中にも登場した忍びの地図を、上手くイメージングして用いていまして、今まで見てきたエンドロールの中でもかなり印象的で評価できるものです。こういうの弱いんですよねぇ。

 こっからネタバレ。ゲイリー・オールドマン演じるシリウス・ブラックは、デビット・シューマス演じるリーマス・ルーピンは、今後どのような役割が与えられるんでしょうねぇ。ところで、シリウスって言えば大犬座なんですよね。リーマスのイタリア語読みのレムスはローマ建国の狼に育てられた兄弟の名なんですよね。ググっていたら、原作ではハリポタパパの時代のエピソードとかがたくさん散らばっているとか。映画見終わった分だけは原作やっぱ読んでみようかなぁ。

30日(金)
 オリビアが腎臓病を併発しました。心臓病の薬の副作用として腎臓に負担がかかっていたようで、そろそろ別れの時が近づいているようです。正月開けに早ければ3ヶ月と言われた身ですから、半年以上暑い夏まで頑張ってきてくれました。夏休みですし、状況が変化した際にすぐにでも帰省できるのが幸いでしょうか。覚悟は決めているつもりなんですが、その時を迎えたらどういう気持ちに至るんでしょうね。確実に5月に会った時よりも悪化している訳で、一応はお盆前後に資料調査兼ねて帰省するつもりなんですが、どんな顔して会ったら良いんだろうなぁ。両親や妹は毎日顔を合わしているけど、久しぶりに対面するとやつれ具合とか変化は嫌でも目に付きますからねぇ。

 っとしんみりしていても仕方ないので、別の話でも。先日神田藪蕎麦へ行ってきました。有名な店なんですが、東京へ出てきて11年なのに未体験でして、近場だし一度くらいは経験しておこうと思って行ってまいりました。味の方はいたって普通でして、蕎麦食いには物足らないかな。ただ雰囲気が非常に良いお店です。勘定場のおじちゃんの発声がとっても独特でして、伝統芸能として飾っておきたい感じです。あと、万札しかなかったのでそれを出したら、全て新札でおつりをくれました。ふとレジを覗くと、全ておつり用に新札が用意してあるんですねぇ。なんていうか江戸っ子の心意気が嬉しくて、それだけで大満足してしまいました。店内の雰囲気も情緒たっぷりですし、蕎麦を食べるって言うか、神田藪蕎麦というお店そのものを堪能するために、是非とも足を運んでいただきたいお店だと思います。

31日(土)
 くぅわぁぁぁぁぁ!!!!!勝った!勝った!勝った!川口とめた〜〜〜!!!信じらんねー!!!マジ涙でてる。うわぁぁぁ!もう駄目だと思って、ほんとにあきらめていたのに、なに?なに?なに?マジっすか!!!???かっけー、川口すっげーかっけーー!ごぉわぁぁぁぁ!っていうかホント?現実?夢?奇跡?俺らはなんて言うシーンを体験してしまったんだろう。もうもうもうもうもうもうもう、ぜってーありえねー!わぁぁぁぁぁぁぁぁ!はぁ、はぁ、はぁ。。。どぉ、どぉ、どぉ。。。。

 ちょっと興奮冷めやらぬ余韻を引きずっていますが、2004年7月31日は日本サッカー史に残る壮絶な1シーンとして、日本サッカーが存続する限り語り継がれる、劇的な光景を演出してくれました。今回のアジアカップに関してはどこかで書こうと思っていたんですが、そういう諸々のものを全て吹き飛ばしてしまって、信じられない物語を作り上げてくれました。ブラウン管の向こうにいる川口が鬼神のように見え、もう本当に身震いしながらテレビ桟敷にへばり付いていました。ジョホールバルでワールドカップ初出場を決めたあの瞬間よりも、決勝トーナメントに進出した日韓WCのあのチュニジア戦よりも、多分今の僕は興奮しているはず。そのくらい今日のヨルダン戦は壮絶だった。

 まずは90分+30分+PK戦を戦ったヨルダン選手達に敬意を表しましょう。予選リーグ失点0で鉄壁の守りを誇る中東の勇者達に、日本は中村-中澤-鈴木隆行の連携で1点を奪ったものの、最後まで攻めきれずに苦しめられた。今回のWC予選でも注目されているヨルダンチームは恐るべき存在であり、日本も次に対戦するまでにはより深い作戦が必要になるであろうと感じさせられた。そして次になによりも、鬼神川口を始めとして、我々に素晴らしい姿を見せてくれたジーコジャパンには、心の底から溢れんばかりの感謝の念を送りたい。ホスピタビリティのホの字も無い地で、相手チーム選手が倒れてボールを外に出したので、再開した時に相手チームにボールを渡しても拍手が与えられない、そんなサッカー観戦の常識も存在しない地で、国歌斉唱の時にすらブーイングを投げかける非常識の地で、全力を出して戦い抜いた日本選手たちに手がちぎれるまで拍手を贈りたい。

 重慶という地を鑑み、そこの市民たちが様々な思いを抱いていることは当然知っているが、スポーツってそういうもんなのか?礼を重んじるはずの国の民として、アジアカップの主催国として、当然あるべき姿と言うものが存在するはずなのに、そういうもの全てを見失った、偏狭なナショナリズムには辟易した。そういう鬱憤が溜まっていた中で、今回の日本チームの活躍は、爽やかな風が吹き込むようで非常に心地いい。広島や長崎の市民たちが、アメリカのスポーツチームに向かってブーイングを投げかけるシーンを考えれば、その異常さっていうのもよく分かるっていうもんだろう。経済的にも成長してきているんだから、もっと国際的な常識っていうのを身に付けた方がいい。本当にこのまま北京オリンピックをするつもりなのか?っていう疑問も湧く。

 話を戻すけど、川口といえばアトランタオリンピック、あの対ブラジル戦での神がかったシーンが印象的だが、その後なんやかんやあって、イギリスプレミアリーグに行ったのが失敗の始まりで、日本A代表の正キーパーも楢崎に奪われてしまっていたんだよね。それが今回は確実にアトランタオリンピック時代に戻っていた、いや超えていたね。ピッチが荒れていて左利きの中村とサントスが続いて外し、サイドを変えるなんて言う珍しい事態になったにも拘らず、終わったキックはチャラにならないっていう時点で、多分日本人の99%はあきらめたはず。もしかしたら松木安太郎以外は全員あきらめていたかも。それを川口がヨルダン選手のPKを止め始めるんだよなぁ。1-3から3-3に持っていくなんて思わないでしょ普通。それを更に更にサドンデスになった後も止め続けるんだよなぁ。ぜってー川口には何かが宿っていたね。