2004年8月 |
1日(日)
ついでなので昨今の中国に関しての話題でも考えてみましょう。「白い猫も黒い猫も、ネズミをとるのが良い猫だ」というケ小平の名台詞引っさげて、中国が資本主義経済を取り入れてから既にかなりの時を経過しましたが、それに伴って中国国内での経済格差・南北格差というものがかなり深刻な事態になっているようです。共産主義による平等いう幻想が消え去っていく中で、江沢民が中国12億人を束ねるために用いた1つが反日政策だったわけですが、市場経済の拡大によってシンセン・上海・広州・大連などの太平洋側の諸都市では、日本経済とのつながりによって一部にそういう思想が普及していただけなんですね。
ところが先日の西安での留学生のパフォーマンスが、噂に尾ひれ背びれがついて拡大していったように、珠海での売春婦相手の売春が過度にクローズアップされたように、そして今回の重慶でのサッカー観戦態度に見るように、江沢民下での政策は経済的な弱者の絶好の捌け口として定着してしまっているようです。江沢民時代の行き過ぎた反日煽動を軌道修正したい胡錦濤らの世代と、未だ厳然と影響力を持ち続ける江沢民世代で、今まさに綱引きが行われている最中のようでして、中国政府の姿勢がどちらに落ち着くのかはもう少し待ってみないと分かりません。
しかし、明らかに既に煽動されてしまった人々って言うのは存在している訳でして、特にネットなどでの反日行動が目立つようです。しかもまたそれに呼応するかのように、日本側にもネットにおける過度なナショナリズムは見られる訳ですし、両国におけるこの動向には危惧を抱かざるを得ない。国際関係の基本は、自国の意見を最大限に押し通すにしても、それでも相手への敬意って言うのが欠如してはいけない。民族の違い、宗教の違い、経済的格差、歴史的な経緯等々によって、往々にして相手への敬意を忘れがちになってしまうのであるが、両国と両国民(一方だけでは意味が無い)がふと立ち止まって相手を尊重する姿勢を見せると、もっと事態は変わると思うんだけどなぁ。(なんて書いているとまた友人に、空想的な曲学阿世の徒だとからかわれそうだが…)
3日(火)
昨日今日と東大がオープンキャンパスなんぞをやっていたようです。昨日が大学の今日が学生の主体でやっていたようでして、方々に高校生が転がっていました。僕らの頃にオープンキャンパスなんていう概念はなく、確か中学とかでも見たこと無かったので、多分最近の傾向なんでしょうが、受験する前にどんな学校かわかるって言うのは、コストはかかりますが良いことでしょう。東大の文系の場合、5教科成績の上中位が主に文T、5教科成績の中下位が主に文U、成績とかはあまり関係なくオタク・マニア・変人・酒飲みが文Vっていう傾向がありますが、これも自身の適性とかあまり考えずに進学しているからなんでしょうね。
我が文Vは今まで通りで良いと思いますが、文Tと文Uっていうのは、もうちょっと何とかした方が良いでしょうね。経済官庁ですら、経済職の国1キャリアよりも、行政職の国1キャリアが好まれ優遇されるという傾向から、官僚養成学校を出自とする東大的には、現状ではどうしてもそういう偏りは出てきてしまっている。しかし、旧来型の官僚システムなんて、今の受験生が退職する30年後40年後まで変わらないなんてあり得ないでしょうし、目先が利く優秀な受験生が先陣を切って文Uにも流れ、実質的に国のシステムを変わらざるをえなくなれば良いんではと思っています。もちろん大学が単なるランク付けの機関ではなく、何を学んだかという場に変わるよう、大学にいる人間の方も考えないといけないでしょうけどね。
しかしオープンキャンパスがあったら、自分はどこを受験していたんだろうなぁ。官僚やるつもりもなかったし、法曹関係者やるつもりもなかったし、金融・保険や商社・メーカーもちょっと違った気がするし、民間なら流通とかサービスは考えたかもなぁ。でもやっぱりオープンキャンパスあっても、オタク・マニア・変人・酒飲みコースのままかな(苦笑)あっ、注…お酒は二十歳になってから^^;
5日(木)
帰省直前になると、必ず母親から何が食べたいか質問があるのですが、そんなの毎回同じもんなんだから、いちいち聞かなくてもと思いつつ、メール導入してからは初めてなので羅列してみたりしていました。まずは何と言ってもヒジキ。これです。うちのヒジキは大豆に昆布に竹輪に人参に蒟蒻に油揚げに蓮根を入れた物でして、けっこう具沢山なんですよね。これが問答無用に美味い。お袋の味として筆頭に上げるとしたら、やっぱりヒジキでしょうねぇ。甘辛くてご飯にもお酒にもピッタリでして、先日妹が韓国旅行して変な酒を土産に買ったらしいので、ヒジキをつまみにチビチビやりましょう。
あとは金平牛蒡とか豆腐の白和えなんかのオーソドックスなものが並ぶんだけど、変わった所ではジャージャー麺。赤味噌文化圏の人間としましては、八丁味噌とミンチ肉で甘辛く作ったあのたれを、冷たい麺にかけていただくのは夏の欠かせない味わいです。小学校時代夏休みのプールから帰ってくると、よく昼ごはんがジャージャー麺だったものです。後は白滝のタラコ炒めも変わっているかも。白滝を水分かなり飛ばすまで炒め、それに刻みネギとタラコを加えて、塩コショウで味付けしただけのシンプルなものなんですが、タラコスパゲッティーの和風版みたいな感じでして、あっさりしていて美味しいんですよ。病み付きになります。
それと豚の角煮に、それを食べ終わった後の残り汁で煮込んだメンマ。これがまた美味しい。豚さんのエキスを目一杯吸収した竹の繊維が、ホンと最高でして、メンマを頬張りながらビールかっくらうと、ビールが麦茶のように消費されていきます。それと肉料理でもう一つ挙げるならば、鶏を酢で煮込んだサッパリ煮ですね。昔は鶏をそういう料理の仕方していなかったんだが、いつからかそんな料理が出てくるようになってます。夏場にはあまりソテーとか煮込み系で肉を食べる気しませんが、このサッパリ煮だけはいけますね。
7日(土)
アジアカップ優勝に乾杯!しかし試合後の日本人外交官が、中国人に囲まれてゴミやペットボトルを投げつけられて立ち往生とか若干壊されたとか(情報が乱れていて、選手の乗ったバスが取り囲まれたと言う情報もある)。さらにスタジアム周辺の暴動のおかげで、今まさに選手もサポーターも外に出られない状態が続いているとか。日本に着くまでが海外遠征ですので、どうか無事に日本に帰ってきてくれる事を祈るばかりです。また日本人サポーター達も無事に戻ってきてくれる事を祈っています。
さて、いかりや長介の実質的な遺作ともなった〈踊る大捜査線 レインボーブリッジを封鎖せよ〉を見ていました。頸部リンパ節癌だったということでその治療で滑舌も悪く、それが残念なところではありました。ただ、神山繁演じる警視副総監との、自分たちの世代は何も残してやれなかったと缶コーヒー片手に語り合うシーンと、それを後ろでじっと見つめる柳葉室井。これはやっぱりシリーズを見続けている人間だけが理解できる名シーンであって、映画としては反則技って言っちゃー反則技だよな。でもシリーズ見続けている人たちは、空地署と呼ばれていた湾岸署が観光客でごった返していたり、さらには地図に無い道路やビルが次々と誕生している様子、そういう一つ一つがとっても感慨深い作りになっています。前作もそうですが、この映画は基礎知識を持たないで見ると楽しさ半減でしょうね。
さて、このシリーズの特徴なんですが、常に単線的に物語りは進まず、一度に複数の事件を抱える構図になっています。多分それが現実世界の警察の仕事であって、〈西部警察〉とか〈太陽に吠えろ〉とか〈はぐれ刑事〉とか、ああいう単発事件ものに慣れ親しんだ我々の刑事観を覆すことが目的の一つでして、今回もそれが非常に完成されたストーリーになっています。そして、それが映画としての動きの大きさにもなっていて、ドンパチシーンは殆ど無いのに、とても躍動的に仕上がっている。また、テレビでの知識を前提としているので、数多くの脇役陣が、それぞれ個別の細かい動きをして、それを当然観客も見逃さず、だからこそ躍動感が高まっており、テレビシリーズの映画化って言う点でのメリットを最大限生かしきっていますね。
(ネタバレ)ただ、1本目の映画で織田青島に使ったのと同じ手法(襲撃受けて血を流す、そこで音を消してスローモーションから、一気に現実に戻って騒然とする)を、2本目で深津恩田に使うのは感心しないなぁ。っていうか、ドラマ版でユースケ真下に使っていたから、実質的には3度目の使い回しであって、水戸黄門じゃないんだから、もうちょっと頭を使って貰いたいかも。さすがに展開読めてしまうんだよね…あとは敵役のキャリア警察官を真野みきが演じているんだけど、柳葉・筧と違って女性キャリアって言うことで功を勇んでいる、力んでいるって言う設定なんだが、ちょっとなぁ。キャリア官僚があそこまで直截にノンキャリ馬鹿にする発言はしないだろ。広報用のテレビカメラも回っているのに、ちょっとやり過ぎ感が漂っていたかも。
11日(水)
しかし、立浪と古田が首位打者争いをしているって言う構図は、ちょっとレトロですねぇ。ちなみに第3位の広島の嶋は、今年初めて知ったのですが28歳10年目にして始めて芽が出た苦労人。2000本安打の立浪に、あと50本強で2000本安打に到達する古田、そして苦労人嶋が、このままいくと首位打者の可能性のあるっていうところでしょうか。しかし、立浪35歳に古田39歳、クロマティがいるから最高齢首位打者にはならないだろうけど、日本人最高齢首位打者にはなれるんじゃないか?っていうか、今年なんであんなに立浪は安打量産しているんだろうか…。そいえば、今年は落合婦人が球場に5回足を運んで完勝だとか。う〜ん、う〜ん、しょ、しょうりのめがみ……やだな。。。
ところでニコール・キッドマン&ユアン・マクレガー主演のミュージカル映画〈ムーラン・ルージュ〉を見ました。監督はディカプリオの〈ロミオとジュリエット〉のバズ・ラーマン。ミュージカルの映像美はいけてまして、大勢の人の流れが曲に合わさるところは、マスゲーム的な統一感と世紀末的な薄暗さが加わって、とっても不思議な世界でしたね。ニコール・キッドマンの妖艶な美しさも良かったし、ユアン・マクレガーの歌唱力も素晴らしかった。
ただね、この映画ってストーリーが痛々しかったんですが。。。いや、確かに歌って踊ってって言う点で、ミュージカル映画はストーリーに無理がきくっていう側面があるのは事実だが、いったいなんなんだ?ムーラン・ルージュのトップスターが一脚本家に惚れこむ、その流れが全く存在しないし、仕事にありつきに来た脚本家が、トップスターに惚れこんで行く様って言うのも表現し切れていない。そんな始まり方をするラブストーリーには、あまり感情移入って言うのはし難い訳でして、どうしても歌と踊りだけを楽しむってことになってしまう。なんかもっとグイグイグイってのめり込むような、そういう何かが欠けているんだよね。
あと、サウンド・オブ・ミュージックにマドンナやらエルトン・ジョンやらクイーンやら、色んなもんをゴチャゴチャに混ぜ込んでいるんだけど、個人的にそう言うのは好きではない。1899年の1900年のパリっていう世界を表現するんだから、そういう時代性を作中で作り上げてほしい。観客に聞き慣れた曲を見せ付けて、それで惹き込むっていうのは、明らかに手を抜きすぎた邪道な手法だと感じる。その手の曲が登場するたびに、現実世界に引き戻されて興ざめします。
さて、お盆ですし、しばらく調査を兼ねて帰省します。皆様よい休暇を。
20日(金)
史料調査が順調に終わって、ご機嫌で東京へ戻ってきました。しかし、遠隔地に調査へ行ってコピーを大量にとって来ると、まだ読み込んでもいないのに作業した気分になってしまうのは悪い癖です。これからシコシコと地味に崩し字解読しましょうね。。。
ところで、アノリオシアホールって言えば、今回のアテネで大量に日本のメダルを量産している柔道場のあるところですが、最初テレビで見ていた時に、「アノ」が指示代名詞の「あの」だと錯覚していて、何でこの解説者、この柔道場に思い入れがあるんだ?有名な観光地か?なんて思っていたものです。しかし、このメダル量産はいったい何なんでしょうねぇ。しかもどのメダリストにもドラマがある。田村でも金、谷でも金、の谷亮子。3大会連続金メダルの野村忠宏。そこの裏の中学校出身の北島康介。オリンピックでは何故か初戦敗退が続いた阿武教子。お家芸復活男子体操団体。シドニー五輪に出場できず、息子の一言で蘇った中年の星、山本博。あの涙の千葉すずの旦那、山本貴司。安城出身の谷本歩美。父母に妹までも柔道一家上野雅美。天才野村のいる60キロ級から階級を上げた内柴正人。もぉ、なみだ、なみだ、なみだで、寝不足です。
しかし、今回のアテネを見ていて思うのは、やっぱり優勢な時も攻めろ、勝ちが確定するまでは気を抜くなっていうっていうことですね。メダルラッシュの柔道を見ていて特にそうなんですが、銀メダルに終わりましたが横沢由貴が準決勝ラスト1秒でキューバの選手に対し、逆転の投技で一本勝ちをしたように、最後の最後まであきらめない姿勢を焼き付けてくれました。昔お家芸だった柔道・体操・水泳でのメダルラッシュって、やっぱりワクワクドキドキと見入ってしまいますが、特に柔道って1日で勝負がつくので分かりやすくていいですねぇ。日本は反対していましたが、青の柔道着を取り入れたのも良かったと思います。
そんなこんなで現時点でですが、日本のメダルランキングはアメリカ・中国につづいて3位なんかにいるわけでして、非常に居心地が悪いです。まぁ実はロシア・ウクライナ・ベラルーシ・グルジア等を足すと軽く日本を越えてくるので、旧ソ連崩壊の影響もあるのですが、それにしても居心地の悪い場所にいます。過去最高は東京オリンピックの金メダル16個らしく、さすがにそこまで行くのは難しいでしょうけど、まだ野球もありますし、シンクロもありますし、男子ハンマー投げもありますし、男子体操の個人競技もありますし、女子レスリングもありますし、けっこういい成績を残してくれそうですねぇ。
って書いている最中に、塚田真希が投技を掛けられて技ありを取られてからの奇跡的な押さえ込み、これで金メダル。最重量での女子の金メダルなんて、絶対何かとり憑いているような日本勢の勢いです。これでついに金メダル10個、二桁に乗せてしまいました。ってかいていたら、鈴木桂治が投げた!!!うゎゎ、いったい何が起こっているんだろう。金10個のロサンゼルス(2回目)を抜き、金11個のメキシコオリンピックに並び、目指すは金13個のミュンヘンオリンピック。もはや僕も生まれていない世界に爆進中です。まだまだ眠れない夜は続くのでしょうか。
21日(土)
24時まで柔道見て、それから風呂入ったりなんかで、25時半から水泳見るっていうのが最近の行動パターンだったのですが、さすがに昨日の水泳はメダル取れないだろうっていうのと、東京戻ってきた疲れも相俟って、塚田と鈴木の試合と表彰式を堪能した後、爆酔、いや爆睡してしまったんですよね。それが柴田亜衣の800メートル自由形の金ですか。中村礼子が200メートルバタフライで銅ですか。寝るんじゃなかったと後悔しきりです。。。柔道は昨日で終わりましたし、競泳も今日が最終ですが、後半戦は毎日レスリングですしシンクロもソフトも待ってるんですよね。っていうか、日本の女性は強くなったもんだと恐怖。
しかしその裏で、ジャイアンツ戦がファイティング原田の裏番組だった4.9%に続く、5.0%(関西では2.2%)を記録したとか。ジャイアンツ戦の放映権料を争うセパの見苦しい姿を嘲笑っているようです。工藤が200勝を達成した試合ですら視聴率9.6%でしたし、地上波テレビソフトとしてのプロ野球は、その役割を終えようとしているようです。プロ野球中継を地上波テレビで観戦する層って言うのは7割程度が50代以上の男性のようでして、テレビCMで消費行動が変化する訳でもないですし、日テレ系列以外は来年どうするんでしょうねぇ。
某大学投手への金銭授受で引責辞任した形になった、某オーナーですが、てっきり熱烈なジャイアンツファンな余り、金に物言わせて各球団のスター選手を買い漁っていると思っていました。ところがそうではなく、60代になるまで野球なんて全く知らない御仁だったとか。単にジャイアンツが強ければ(って野球の強さをある意味勘違いはしているのだが)新聞が売れると思い込んだ、迷惑な老人だったようでして、スポーツって言うのは戦力と人気がある程度均衡しているからこそ面白いっていうことが全く理解できない人らしい。そう言う意味では、こんな老人に好き勝手されたプロ野球(大相撲もか)は悲劇としか言い様がない気もしますし、早い段階でこれを追い払ったサッカーはしてやったりでしょうねぇ。
まぁ確かに昔は、地上波テレビしか存在せず、それを通じて日本国中に圧倒的なファン層を形成するって言う手法が成功した時代もありました。ですけど現在、21世紀にもなって、消費者の消費行動の多様化なんていう散々言い尽くされた点を強調するまでもなく、テレビの宣伝だけで国民的なブームが作れる訳でもないですからね。まぁそう言ってしまうと、国民的なブームなんて今回のアテネとか、この前のワールドカップとか、その位しか見当たりませんけど。特定層のブームは作り出せても、国民挙げてのブームっていうのが難しい時代に、プロ野球はあまりにも何がしたいかわらかない状況に陥ってしまいましたねぇ。
前にも書きましたが、@ドラフトは完全ウェヴァー制にする。ただしその代りにFA(現状とは違い年俸が上がらない形で)を利用しやすくする。A選手の年俸を観客動員に応じた水準にする。Bテレビ放映権料は全球団分を一括して均等に割る。Cセパ交流は積極的に取り入れる。最早アメリカに流出する人材は仕方がないでしょうし、これがプロ野球存続のためにベストだと思うんですけどねぇ。なんだかんだ言って結局は、野球も知らない老人(野球協約はよく御存知のようですが)によってもたらされた選手の年俸高騰が一番の原因なんだから、それ以前に戻すのが改革の始まりでしょ。
22日(日)
今年の夏の甲子園は駒大苫小牧が優勝しました。仙台育英などの強豪ですら越せなかった白河の関だったのですが、一気に津軽海峡まで渡ってしまいまして、今年の夏はすごい結末を迎えたわけです。シーソーゲームっていう表現がぴったりな壮絶な決勝戦でして、今日の試合を見に行っていた客は面白かったでしょうねぇ。北海道初優勝か済美の春夏連覇かって言う対決でして、道産子の皆さんには申し訳ないんですが、試合前は8:2で済美の連覇だと思っていました。しかし打撃戦は駒大苫小牧の得意とするところでして、そこへ持ち込めたのが勝因でしょうか。決勝戦までの打率を記録更新したようでして、まさしく打の華やかなチームだった事が分かります。
一方でアテネですけど、昨日はついに金メダルラッシュは止まりましたが、ボートで銅に自転車で銀でしたね。先日のアーチェリー始め、普段はあまりルールもよく知らない競技が、オリンピックで触れられるって言うのも楽しみの1つでしょうか。しかし、お家芸だけではなく、色んな種目のレベルが向上しているんですねぇ。楽しくなってしまいますねぇ。女子レスリングも順調に勝ち上がっているようですし、ソフトも銅以上が確定、野球は予選1位通過、さてさて今晩の女子マラソンとソフトは見るとして、ハンマー投げの3時過ぎはちょっとさすがに起きてられないなぁ。って思ったが、マラソンだから2時間以上走っているんだよな。どうなるか…
ところで、アテネに甲子園にと感動が続く裏で、今年も日テレの感動の押売りをやっていましたねぇ。あぁ言う偽善の塊って生理的に受け付けず、とっても虫唾が走るのですけれど、本当に慈善事業したいならば、出演者がギャラを受け取らずに寄付するのが一番良い。徳光はじめ出演者達は高額の出演料を貰っている訳でして、根本的に欧米なんかの慈善事業とは雲泥の差なんですよね(余談ですけどアメリカ出身の小錦は出演料を昔寄付したとか)。しかもなんで走っているのかよく分からない「マラソン」。24時間で100キロって言う事は、1時間辺り4キロ強という一般人の徒歩スピードでして、要するに24時間歩き続けるっていうだけという、あれで感動の押売りしようって言う方が無理がある。確かに24時間歩き続けるのは大変だろうが、それが何なんだ?全く理解できない。リモコンいじっているとついつい押してしまう時もありまして、非常に不快な感覚が残るんですよね。
23日(月)
金メダルを取れなかったら、やっぱり高橋尚子を出すべきだったと言われることが確実な女子マラソンでの野口みずきのメダル。プレッシャーに耐えて彼女はよく頑張ったと思います。でもでもでも、やっぱり高橋尚子が出ていたら、野口よりも前にいたのでは?金銀フィニッシュだったのでは?っていう疑念は当然持ってしまう訳でして、日本陸連の毎回コロコロと変わる代表選考過程のおかげで、せっかくの金メダルもしっくりいかないものがあるんですよね。。。水泳は今回から選考を明確化させましたし、マラソンの選考も北京では国民が納得できるものにして貰いたい。
とにかく北京に向けて、代表選考ははっきりさせるべきですね。だいたい代表選手枠が3つしかないのに、代表選考レースが4つもあるって、明らかに訳分からんっしょ。マラソンみたいな競技で、別レースのタイムで比較するのも意味が無いし、3つのレースでのトップ3人にするか、1つのレースでの上位3人にするか、もっと分かりやすいルールに変えるべき。日本陸連や某衆議院議長とか政治家の好き勝手がまかり通るような現状は、国民の不信を招くだけですね。千葉すずのゴタゴタを踏まえて水連は本当にキレイになった。陸連のほうもとっとと体質を変えないとねぇ。
有森裕子の過去の選出過程見ていたら、高橋尚子が無理しなかったのは当然ですし、今回から選考を変えるということが事前に知らされていた訳でもありませんし、日本陸連の醜態がすべての元凶でしょうねぇ。松野明美の時も、有森は銀だが松野なら金だったのでは?っていうモヤモヤ感が残ってましたしね。オリンピックの金メダルって世界最高に与えられる称号であるはずなんですが、どうも納得できないものが残っている。1年くらいのうちに、高橋尚子と野口みずきが走りあって、どこかでこのモヤモヤをすっきりさせて貰いたいものです。
さてさて、女子レスリングに注目しましょう。
26日(木)
活躍が続く日本選手たちを見つつ、オリンピックの魔物にとりつかれてしまった人たちについてちょっくら考えていました。まずは井上康生。オーバートレーニング症候群と言うらしいのですが、オリンピック前における過度のトレーニング、疲れが抜ける前に新しいトレーニングをするという、いわゆる頑張りすぎの状態です。練習をすればするほど強くなると思い込み、精神的な昇華を本人は目指していたのでしょうが、やっぱり真実はゆっくり休む余裕も精神的な強さの一つと言うことなのでしょう。シドニー金メダリストの練習しすぎを、周りは誰も止めてやれなかったんでしょうか。宣誓式でもプレッシャーの大きさでセリフ忘れていたりしましたからねぇ。もっとメンタルトレーニングも取り入れるべきですね。さて、宮地は休みすぎだと言う声が聞こえてきそうなので次へ。
やっぱり最も問題なのは野球でしょう。長嶋さんが倒れた時点で、監督は星野なり森なり野村なり、ちゃんと采配のふれる人材にバトンタッチすべきだった。短期決戦なのに不調の選手を使い続ける、ピッチャーを変えるタイミングもおかしい、普段バントをし慣れない奴らにバントをさせる、イタリア戦で上原を使う、決勝トーナメント進出決定後に総力戦を展開する、もう無茶苦茶。ただの馬鹿。しかも、相手チームの情報収集をすることもなく、飯島愛とかとアテネ観光をしていた馬鹿畑。いったい誰がこんな3流芸能人を指揮官にしたんだろうか。ロス五輪を超えるメダル数なのに、全く喜びが湧かない、っていうか怒りの湧いてくる状況です。低迷・迷走するプロ野球人気回復の起爆剤にするはずだったんじゃないのか???
ジャイアンツ戦視聴率5.0%と先日書きましたが、日を置かずして4.2%まで低下したらしいです。裏の旅番組が8%超えている状況を見ると、もはや哀愁が漂っていますね。イチロー・野茂・佐々木なんかの活躍で、日本のプロ野球の実力を錯覚していましたが、3A・2Aクラスのオーストラリアに連敗する事を考えると、3Aもしくはそれ以下が日本のプロ野球の水準なんでしょう。中日優勝をいい思い出にプロ野球見るの止めようかなぁ。
あぁ、怒りのあまり話がづれちまった。次はシンクロ。ロシアのペアの方が明らかに上手だったので、銀メダル取れて良かったとは思うんだけど、日本を体現したとか言うあの演技って良かったのか?個人的にはあまり美しく感じなかったし、日本的を勘違いしているとしか思えず、これもコーチの考え方が疑問だった。歌舞伎とかカラクリ人形がベースのようだけど、日本舞踊に剣術・空手等々色々な日本的な様式美がある中で、なんでよりによって最もデフォルメの大きな歌舞伎やカラクリ人形なんだろうか。水中で生身の人間が水着だけで演じる時に、生々し過ぎて歌舞伎や人形の様式美は明らかに不適当でしょう。誰か注意してやる人間は周りにいなかったんだろうか。
29日(日)
日本の史上タイ記録、東京オリンピックと並ぶ16個目の金メダルが確定しました。しかし、ハンガリー選手の円盤投げ・重量挙げに続く、ハンマー投げでのドーピングによっての繰上げ金メダル。表彰式も1週間も過ぎてしまって、室伏選手には気の毒な気もしますね。室伏父も言っていましたが、血液検査によるドーピング検査を導入しないと駄目でしょう。ロス五輪以前はドーピング検査はランダムで、メダリストへの検査が義務化されていませんでしたから、有り得ない記録がバコバコ生まれています。特に共産主義の優位性を示すために東欧共産諸国のドーピングが凄かった様でして、ハンガリーはその延長線上で今回もドーピングしてしまったんでしょう。可能性が高いといわれている他人の尿を提出する手法って言うのは、多分ソウル以後によく使っうようになっていたんでしょうね。でもハンガリーの場合は使い古されたドーピング手法だっただけで、尿検査に反応しない薬物を用いるドーピング法を使っている国もあるという指摘もありますし、まさしくイタチゴッコですねぇ。
そう言えば、ドーピングと言って真っ先に思い出すのはベン・ジョンソン。そしてフローレンス・ジョイナー。ベン・ジョンソンは陸上界から抹殺されてしまっただけで未だ生きていますが、ジョイナーの方は30代の若さで亡くなっているんですよね。旧東欧諸国のメダリスト達も早くして亡くなっている人が多いといいますし、東西双方ともまさに命と引き換えにした栄誉だった訳です。確かに国によっては、金メダルによって自分と家族の生活が保証されたりしますから、分かっていても未だにその誘惑は強いんでしょうねぇ。日本の場合は、バレた場合の自分と家族の将来と、金メダルによって得る栄誉と金銭を比較した時に、それほど割のいい行為ではありませんが、一か八かっていう賭けに出たくなる国情の国ですと、誘惑との戦いもアスリートとしての条件になるのでしょうか。
ところで、幸いにしてハンマー投げの選手としての肉体的なピークは30代らしいので、室伏選手には北京でこそ金メダリストとして表彰台の上に立って欲しいですね。その時には2大会分の拍手と栄誉を浴びて欲しいものです。