2005年10月

4日(火)
 先日、飲み会している時にふと気付いたのですが、東京では山手線ゲームというわけですが、あれって、名古屋に通っていた頃は古今東西ゲームっていっていたんですよね。山手線が環状線であるということを、名古屋で主張することに意味が無いので、多分、古今東西ゲームになっていたんだと推察しますが。いや、もしかしたら古今東西山手線ゲームだったのかもしれないが、記憶がハッキリしない。シーンは思い出せるのに、名前が思い出せないのは、確実に細胞が破壊されているな、ヤバイ。

 山手線ゲームって言うのは、ウィキペディアの解説によると、「「お題」として一つのテーマを定め、そのお題に沿った解答を参加者が順番に解答していく。「お題」は誰にもいくつか答えが思いつくもので、正誤の判定が容易に可能なもの(「日本の都道府県の名前」「モーニング娘。のメンバーの名前」など)で、答えが全て出つくすと終了となるが、通常は途中で解答を言えなくなったり、解答がテーマに沿っていなかったりした者が敗者となる。敗者に対してはしばしば罰ゲームが行なわれる。」とのことです。モー娘。の名前は難しいのでたぶん無理ですが、だいたいそんな感じです。

 で、問題は何かというと、古今東西ゲームの時は、「古今東西」って言っているんだから、現在過去を問わないのですが、山手線ゲームの時は現在過去を明確にしますよね。例えば、山手線ゲームで東京の区の名前なら、文京区、目黒区、渋谷区etcと23個ですが、古今東西ゲームだと本郷区や下谷区や四谷区や、旧区名も入っちゃいますよね。これって、何気に大問題な気がするのですが、皆さんどうやって宴会しているのでしょうかねぇ。

 ちなみに別に山手線ゲームをやっていたのではなく、東京23区名を言い合っていただけですので^^;その時にちょっと発見してしまったのですが、僕の中で一番思い浮かばなかった区名は、板橋区と練馬区。この池袋から北西の住宅街は確かに行く用事がほぼ無いので、僕の中からはすっかり消え去ってしまっていましたねぇ。中心部は色んなところへ飲みに行く現在の活動エリアですし、南部は昔目黒区に住んでいたし、東部はけっこう下町も好きなので知っていますし、自分が都内で一番行かないエリアを認識できて、なかなか興味深かったです。

7日(金)
 10月7日といえば妹の誕生日、でメールのやり取りしていたんだが、7日の誕生花は赤色のキングプロテアという花らしい。花言葉は〈王者の風格〉とかで、本人はいたって満足していたのだが、ググって画像を出してみたら、ちょっと微妙だね。こいつ。エキゾチックな蓮の花とでも言うのか、清楚とか、侘び寂とかとは遥かかけ離れた世界に存在している花ですねぇ。。。

 ところで10月7日は待ちに待っていたのですが、別に妹の誕生日を待っていたのではなく、経済の教職員の健康診断初日が今日だったんですね。これで、1ヶ月余りにおよぶダイエット生活とも別れが告げられます。調査結果をすぐには教えてくれないのですが、色々とチラ見していたところによると、身長体重血圧等々、大して問題は無さそうなので安心。ただ、ちょっと血中にアルコールが残存しているかもしれないなぁ。それが若干心配だが^^;特に家系的に血圧は高いので注意が必要なんですが、上が131で下が76といたって健康体で満足です。お酒飲んでいると、どうしても血圧は高くなりがちな傾向があるので、おつまみの塩分を控えるとかで、調節していきたいものです。

 ここ1ヶ月ほどは、ご飯とお豆腐中心の食生活で、パン食だった食生活からは一変させてしまっていました。洋食中心から和食中心の食生活に変えるだけで、かなり摂取カロリーは抑えることができます。改めてこの1ヶ月で実感していましたが、食生活の欧米化は絶対に健康には悪いですね。和食の問題点は塩分が多いことだけで、そこをクリアするように気をつければ、健康的にはかなり優れています。あと、羊肉に含まれるカルニチンは、緑茶のカテキンと
結合すると脂肪燃焼効果があるということで、ジンギスカンと緑茶ハイの組合せはお薦めです。お試しあれ。

9日(日)
 男も30を超えてくると、親からそろそろ結婚しないのかと五月蝿く言われ始める訳ですが、痺れを切らしたのか、先日父親から、女の子を紹介するという話が…とっても可愛い子だからと何度も強調するので、取り合えず写真でもって言うことで、写メール貰ったのですが、ちょっとタイプとは違い、上手く断っておいてと拒否ってしまいました。そしたら納得いかないらしく、菊川怜に似ているのに云々とか父に言われ、確かに見方によっては似ているなとは思ったんですが、そもそも菊川怜を嫌いなんですけど…^^;;;

 なんていう話を母親としていて、僕のタイプも知らないのに、よく紹介しようと思ったもんだと、二人して呆れ果てていました。いや、そこまでは良かったのですが、今度は母親の方からプレッシャーが。。。雑談だったはずが、藪蛇状態でした。今度は母親にどんな子がタイプなのかしつこく聞かれる始末で、朝早くに叩き起こして、ネタはそれかよと・・・んで適当に、深津絵里、田中麗奈、小西真奈美、稲森いずみとか答えていたら、小西真奈美って言うのは知らないけど、だいたい目尻が上がっているのが好きなわけねと、一言で要約されちまった。俺の中では、決してそんなことは無いはずなのに、友達なんかからはそういうグルーピングのされ方が多かったんだが、母親にまでそう言われてしまうとかなり複雑。でもそんな事いうならば、菊川怜だって目尻は上がっている系だと思うんだけどなぁ。小沢真珠とか観月ありさも嫌いだし。

10日(月)
 10月10日体育の日といわれると、当然のような不思議なような、そう言う気分でいたのですが、生憎の雨でしたねぇ。もともと東京オリンピックの開催式に備え、過去の傾向と対策から、一番晴れる確率が高いのが10月10日だったらしいのですが、実際に体育の日って晴れることが多かったですからね。それが、ハッピーマンデー法案のおかげで、体育の日が10日からズレ、そのおかげで雨模様になっていたのに不満だったんですが・・・今年は10日だから晴れるなと勝手に思い込んでいたら、雨なんですよね。確率なんてそんなものなのか、地球温暖化の影響か、それは分かりませんが、10月10日体育の日が雨って言うのは切ない。

 そうそう、話は変わりますが、最近になって近くのスーパーでもカードで支払いが出来ることが発覚。ということで、食料品もカードで買うようになったおかげで、来年のポイントアップまであとわずかになってくれました。カードで重要なのは、使用するカードを1社に限定して、効率的にポイントを貯めて行くことですよね。今年の前半から使っていたら、もっと簡単にポイントコースがアップしたのに、最後の駆け込みカード使用を増やして頑張っています(苦笑)古本屋とかでもカード使えるところあるし、結構、目を凝らしていると、たくさん使えるものです。

 カードで思い出した。クレジットじゃなくキャッシュカードの話です。僕のメインバンクはUFJなんですが、カードのスキミングを防止するために、ICカードへの切換を奨励していまして、初回は無料で、5年ごとに手数料約1000円ということで、切り替えてしまいました。まぁ、スキミング被害なんて遭う可能性は低いでしょうが、可能性無くは無いですからねぇ。年間200円で安心が買えるならば、安いものではないでしょうか。初回無料に惹かれたのもありますが。一応銀行の対応として、スキミング被害は全額保証される方向性にあるようですが、実際に被害にあった場合に、すぐに金が戻って来るわけではないでしょうから、被害額は最小限に抑えることが肝要です。

11日(火)
 もうすぐ30歳も終わっちゃいますねぇ。って言うことで、自分に自分でプレゼント。しばらく旅に出ます。探さないでくださいm(__)m

15日(土)
 行って参りました。かな〜りリフレッシュ出来て大満足です。って言うわけで、つらつらと旅行記でも。話は4ヶ月前に遡るのですが、上野をぶらっと歩いている時に、ふと手にした旅行パンフで驚きの発見。どうやら今年は、日露戦争100周年だけではなく、日本旅行が設立されて100周年でもあったようで、100周年記念事業を幾つかやっているんですね。そしてその企画の一つとして、50u以上あるセミスウィートが全国各地軒並み10500円(ただしかなり数や季節は限定)で提供されていて、ちょーびっくり。俺のアパートの倍ほどあるじゃないかと突っ込みつつ、これは利用しない手は無いでしょと決断。こっから旅行は始まったんですね。

 さて、これで旅行はする事が決まったのものの、行き先は悩みどころ。やっぱり交通費とかもかかるしなぁなんて考えていたら、ふと、政治経済学・経済史学会で博多へ飛んだ時の事を思い出し、そういえばバースデー割引なんていう便利なシステムがあるじゃないかとふと思い出す。誕生日前後1週間っていうことで、誕生日後だと今年の学会に近すぎるので、誕生日前、そして、せっかく一律料金なら遠くへ行こうということで北海道行きとなったわけです。ホテルはフェニシャンプラザホテルを選択。到着後に知るのですが、最上階の素晴らしい部屋でした。日本旅行さんに感謝。

 と言うわけでここから旅行が出発。まずはジンギスカン。最近とってもマイブーム的に嵌っているのですが、カルニチンに敬意を表しつつ、ジンギスカンにはサッポロビールが良く似合うと呟きつつ、生ラムを堪能する。東京でも比較的高級で臭みのないと言われている店に行っているつもりなんですが、それと比べてもぜんぜん味が違います。羊独特の香りは消えうせ、どちらかと言うと、ちょっと若い乳臭さの方を感じるくらいクセが無い。道産子的には冷凍された臭みのある方が好きらしいのですが、岐阜出身者的には生ラムの方がお薦めです。また、もやしやキャベツが東京で食べるのとは比べ物にならないくらい大量にあって、とってもヘルシー。ちょっとスーパーを覗いた時に、萌やし1袋28円とかだったので、とっても合点がいったのですが。

 あと紹介しておきたいのは八角。八角料理と最初聞いたときは、香辛料の八角の方を想像してしまって、豚の角煮でもやるんか?と不思議に思ったのですが、八角と言うのは深海魚なんですね。胴体を横に真っ二つに切ってやると、その切り口が八角形らしく、八角と名付けられたらしいので、香辛料と命名理由は同じみたいですが。太刀魚にしてもそうですが、深海魚って言うのはその見た目とは比べ物にならない上品な味わいでして、人も魚も見た目で判断しちゃいけないよなぁって思わされる一品です。姿焼きを頼んでみたのですが、焼かれた姿は小ワニです。とても食べられるとは思えません。ところが一口味わってみると、鯛のような上品さ。もう訳分からなくなります。しかも生で食べるとまた違っていて、ちょっと弾力があって縞アジのよう。ナメロウにして貰ったのですが、これが酒とよく合ってヤバヤバでした。

 さて、それと小樽と言えばニシン。岐阜なんかで生まれると、ニシン=身欠き鰊+数の子という既成概念が出来上がっていたのですが、東京へ出てきて甘露煮や塩焼きに酢漬けまでは食べたことがあったんですよ。しかし今回の旅行ではじめて、にしんの刺身なるものを食しました。不思議です。アジをちょっと大ぶりにして、身も柔らかくした感じでしょうか。青魚系が何よりも大好きな自分としては、にしんにこんな美味しさがあったと知って、ちょっと感動ものです。でもたぶん鮮度の関係で、東京で食べるのは難しいんでしょうねぇ。

 鮮度と言えば烏賊です。烏賊漁と言えば函館港。まぁ、函館は行っていないのですが、札幌で函館からの直送烏賊を食べさせてくれるお店で、烏賊素麺やゲソ天麩羅などを頂いてきました。正直に言って、烏賊ってあまり好きな食べ物ではなかったのですが、ちょっとこれは別物です。ツンツンに張り切った弾力のある身、透き通った美しさ、それに火を通すと信じられないくらい甘くなり、烏賊の魅力をはじめて知りました。東京で焼いたり捌いたりしている烏賊と、単純に鮮度だけであんなに違うんでしょうかねぇ。しかも、捌いたばかりで、ゲソだけ踊るんですよ。スプラッターさながらに、上部の切れたゲソが動き回る図は、ちょっとシュール。酒入ってるから、笑える笑える。

 あと今回の旅行で食べたかったのが厚岸の牡蠣。最近テレビでも散々紹介されまくっているので、是非とも一度は食べておかなければと思っていたのですが、牡蠣はRがつく季節。9月〜4月が旬ですので、食べ始められるいい時期です。生牡蠣も加熱した牡蠣も食べたのですが、これは是非とも生牡蠣の方をお薦めしたい。クリーミーで牡蠣臭さが殆んど無いので、加熱してしまうと若干物足りなくなってしまいます。そう言う意味では、牡蠣臭いのこそが好きという方には、いまいちかもしれませんが、上品な貝類の一つとして食べるには最高です。反面土手鍋とかには駄目でしょうねぇ。

 それと秋と言えば秋刀魚。目黒の秋刀魚もいいですが、釧路の秋刀魚を堪能してきました。刺身、塩焼きの両方で当然食べたのですが、脂が乗っているからどちらで食べても美味い。ただ、どちらも内臓を処理されていて、うまい内臓を食べる機会がなかったのが残念。もっと定職屋系の店で食べないと、内臓まで無造作には出してくれないかと反省。しかし今年の秋刀魚は、大柄な上に脂が乗っていて、しかも大漁らしく、もう消費者的には言うこと無しですね。まだ秋も半ば、まだまだ秋刀魚は楽しめそうです。

 続いてはアワビ。っていうか、アワビを丸ごと一個刺身にして食べたのっていいつ以来なんだろう。それくらい久々のアワビだったのですが、あのコリコリ感は最高です。アワビを食べると、目の白目の部分が綺麗になるといいますが、アレって本当なんでしょうか。そしてアワビと言ったら、当然ツノですねぇ。子どもの頃はちょっと苦いなぁなんて思いながら食べたものですが、今となっては日本酒に格好のアテでして、ツノを口に含み、さらっと北の誉に千歳鶴に男山なんかで流してやるなんていう贅沢な瞬間を楽しめることに感謝。感謝。

 さらには中トロ。北海道というよりも、津軽海峡の向かい側、青森県の大間はマグロの水揚げ漁港として名高いですが、中トロのお刺身が絶品でした。というか、中トロ頼んだんだけど、もしかして大トロが出てきちゃっているのか良く分かりませんが、トロの脂身がとってもよく乗っていて、口の中で溶けるという表現を良くしますが、正しくアレです。噛む必要は全く無く、口の中の体温だけでトロの脂身が溶けて消えていきます。こんなん食べていいんでしょうか。人間贅沢にはキリが無いよなぁなんて考えさせられますねぇ。

 そうそう、小樽では鮨を食べようと思って、観光ガイド本もってウロウロしていたら、胸に北海道観光協会のネームプレートつけたおじさんが寄って来て、あっちは観光客向けで高いから、こちらのお店にしなさいとアドバイスされ、アドバイスされるままに〈西功〉というお店へ。味は確かに絶品。ウニにイクラに生タコにボタン海老にカニにサーモンにetc。うぉぉぉぉ、って叫びたくなるくらい美味しく、何故かオークスや秋の天皇賞を制したエアグルーブのゼッケンを見ながら、北海道だねと、妙な納得をしながら頂きました。しかも値段はちょー破格でして、観光本などのお店よりも3割から5割安。うーむ、じもてぃーな穴場を教えてくれた、観光協会のおじちゃんに感謝。

 あとは、ホタテに、ホッケに、ジャガイモに、アスパラに、カボチャに、つぶ貝に、大アサリに、ブリに、鮭に、思い出すと我ながら無尽蔵に食べ続けたもんだなぁ。ただ、毛ガニやタラバガニは、たくさんの種類を食べようとしたために、結局一杯では味合わなかったんですよね。ちょこっとは頂きましたが、カニカニカニカニ!っていうボリュームでの攻め方はしていません。あ、あと珍しい魚では、おひょう、なんていう奴を食べてしまいました。カレイのように平ぺったい魚のようですが、こいつもまた淡白で上品な上に、新鮮なのにどこか柔和な舌触りをしていまして、北の海の豊かさに完敗です。

 で、せっかく北海道へ出かけたので、東京ではめったに食べないラーメンにも挑戦。札幌ラーメンと言えば味噌ラーメンと、幼心に教えられてから早20年、味噌ラーメンを代表する〈欅〉に食べに行ってみました(横浜のラーメン博物館に支店があるらしいですが、たぶん行くことは無いでしょうし)。太めの縮れ麺で、味噌味のスープとの相性も抜群。チャーシュー麺を頼んだのですが、箸で掴むだけでポロっと崩れ落ちそうになるまで煮込まれた豚肉が、得も言われぬ幸福感を生み出してくれます。しかし意外とアッサリしていて、スープの最後一滴まで幸せなまま飲み干してしまいました。

 いやぁ、本当に満足満腹な日々を楽しんだのですが、この旅行を通じて年収の2%くらいを使ってしまった訳で、あまりの豪遊ぶりにちょっくら反省。でも一応は、ちゃんとそれも計画済みで、自分へのお土産に日高昆布をたんまりと買い込んで来たんですねぇ。これでしばらくは、湯豆腐な日々を送ることになりそうですが、旅行中に幾許かベルトがきつくなっているので、それを戻す意味的にも、湯豆腐生活はベストですかね。家と大学を往復しつつ、慎ましやかに生きましょう。

16日(日)
 旅行記の続きです。札幌旅行するって決めてから、色んな奴に話していたのですが、そのうちの一人が彼氏と一緒に丁度8月に北海道旅行するって言うことで、お薦めスポットの調査を頼んでおいたんですね。そうしたら、小樽の〈LeTAO〉っていう洋菓子店の〈ドゥーブル〉っていうケーキが絶品と言うことで、絶対に食べに行くように何度も念を押されました。と言うことで、人のアドバイスには比較的素直に従う自分的には、バカップルのアドバイスは聞くべしと、オバちゃんや女子高生の群れの中、ちょっと物怖じしながらアフタヌーンティーしてきました。しかし男の客が殆んどいない店だった。。。

 〈ドゥーブル〉というのは、正式には〈ドゥーブル フロマージュ〉。ベイクドチーズケーキと、マスカルポーネのレアチーズケーキの2段構造のチーズケーキでした。これが、ベイクドの方も普通に美味しいのですが、レアチーズの方は言葉になりません。お店に入る直前に、雪印パーラーのソフトクリームも食べていたのですが、そんなのは全く気にならず、幾らでも食べられる感じでした。チーズの濃厚さが舌にフワッと乗りかかるのに、とってもアッサリと消え行く舌触り。冷凍で通販でも買えるようですので、興味がある方はぜひとも挑戦してみてください。レアチーズケーキ好きにはたまらない一品だと思います。

 ちなみに、〈焼きチーズタルト〉もついでに食べましたが、こちらはタルト生地がしっかりしているために、チーズと合わさって重厚さが倍増です。こちらは通販では買えませんが、新千歳空港とかなら入手できるかな。そういえば、宮地は酒飲みなので、甘いものを食べないという誤解がありますが、それは間違っています。酒を飲んでいる時に甘いものを食べない(チョコとブランデーの組合せは何気に好きだから、酒の種類にもよるが)だけで、しらふの時には甘い物も大好きです。と言うわけで、美味しいケーキの店も教えていただければ喜んで出かけます。

 さてさて、それにしてもちょっと東京離れている間に、世間は色々と騒がしいですねぇ。各社の社説などを拾い読みしていますが、ドイツ初の東独出身女性首相やイラクの憲法、郵政民営化法案可決に鳥取での怪しげな条例と、色々とあったようです。ですが興味深いのは、北海道へ行く前に村上ファンドと阪神の話をしていたと思ったのに、いつの間にか楽天とTBSと横浜の話に変わっていたことでしょうか。ライブドアとニッポン放送のときは、時間外取引を利用しての脱法行為だったので、ちょっとアレだったのですが、今回は完全に合法的な手段で行なっていますので、楽天の方を支持したいと思っています。しかしプロ野球の時もそうですけど、ライブドアが最初に胡散臭い行動を行なって非難と称賛を受け、それを他山の石として楽天が各種世論も配慮しつつ動くと言う、その老獪なやり方には敬服するばかりですねぇ。

19日(水)
 小泉首相の靖国参拝があったので、それについて。実は僕もはじめて知ったのですが、いわゆるA級戦犯の分祀問題というのがあります。ところが、この「分祀」という語が意味する事って、一つの場所にいる神を、他の場所に「も」分けて祀ると言うことらしいです。菅原道真は京都の北野天満宮にも、太宰府天満宮にも、湯島の天神様にも分祀されている、というふうに使う用語です。つまり、靖国神社から東條英機や板垣征四郎を分祀して、他の追悼施設を設立しても、靖国神社に「も」東條や板垣は祀られ続けると言うことです。

 で、たぶん多くの分祀論者が意図していることは、そう言うことじゃないはずです。いや、分祀論者に限らず、そうじゃないはずです。それじゃ、靖国神社から別の場所へ移動してもらう事を何と言うかというと、それには「遷座」という語が用いられるようです。「分祀」ではなく「遷座」です。一つ賢くなりました。たぶん、多くの人はこの両者を間違えていると思います。念のためにググって見たところ、「靖国神社 分祀」では約48800件がヒットしますが、「靖国神社 遷座」ではたった198件しかヒットしません。完全に世間的には間違えられてしまっています。物を知らないのは、自分だけじゃないと分かり、ちょっと安心(苦笑)

 しかし、いったい誰が最初に、分祀論なんていう間違った用語を広めてしまったのでしょうか。言いだしっぺにはかなりの責任がありますねぇ。戦犯は誰なんでしょうか。ふふふ我ながら、なんか、今日は上手くオチたな。

21日(金)
 さて久々に映画の話でも。〈ブリジット・ジョーンズの日記〉の続編である〈同 きれそうなわたしの12か月〉です。主演は引続きレニー・ゼルウィガー。共演にも引続き、コリン・ファースやヒュー・グラントたちが名を連ねており、文字通り続編です。個人的には前作より、今作の方が楽しめました。ビヨンセにマドンナにカイリー・ミノーグに等々と、挿入歌の使い方がとってもオシャレです。それにしても、前作以上に太って役作りをした、レニー・ゼルウィガーの女優魂には、ただただ頭が下がるばかりです。間に〈シカゴ〉とかに出演しているかと思うと、クラクラします。こりゃ、アカデミーを受賞した、〈コールド マウンテン〉も、そのうち見ないといけませんねぇ。

 ところで、コリン・ファース演じるマークの気持ちも分かるし、ヒュー・グラント演じるダニエルの気持ちも分かる。たぶん誰しも、マークのように真面目で一途で、ブサ可愛いレニーに惚れ込む部分と、ダニエルのように軽く遊びで、それでも何だかブサ可愛いレニーが気になって仕方ない部分と、両面を持ち合わせているんだと思います。その人間の両面を、マークとダニエルという二人に分節化して、それらをデフォルメして扱っているために、この2人のどちらも憎めなく、共感を抱いてしまう。不器用なマークが時には器用に、器用なダニエルが時には不器用になってしまうために、どちらにも自分を重ね合わせてしまいます。

 まぁ、ストーリー的には非常に予定調和なので、これといって何も無いのですが、レニー・ゼルウィガーのブサ可愛さは今回も満載です。太っているからと、ベッドからシーツに包まって這い出し、シーツを被ったままで着替えているシーンは惚れます。洋服がシックリいかずに、何度も何度も着替えたのに、車に水溜りの水をはねかけられ、見た目よりも中身よねと自分に言い聞かせる姿は、とってもキュートです。仕事中に電話かけて来るウザったさも、たぶんレニーだったら許してしまえそうだな、って言うのがよく伝わってきます。そういうブサ可愛らしさ満載の今作は、前作以上に見ていて幸せな気分になれましたね。ただね、ストーリーは予定調和なんだよなぁ。前作はまだ、マークを選ぶかダニエルを選ぶかの、そういう面白さがあったけど、今作はそれも無くなっちゃったしなぁ。

25日(火)
 学部時代に変な時期に引っ越してしまったために、季節外れですがアパートの契約更新などやってきました。庶務係のほうから、新しい契約書のコピーを提出しないと、住居手当が出せないと怒られたので、大急ぎで不動産屋へ行ってきました。もう8年以上も住んでいるために、僕も大家さんもいい加減で、そう言えば契約切れるかも知れませんねぇなんて、この前の国勢調査で大家さんが来た時に話していたのですが、不動産屋の方は更にボケボケしていて、こんな時期でしたっけと…オイオイ。

 そこで不動産屋の社長が奥の方で、友達と茶啜りながら歓談していたので、それが漏れ伝わってきたのですが、どうやらオール電化の住宅の方が、ガスを引かない分だけ安く施工できるらしく、建てる方には大人気なんだとか。ところが、借り手の学生や若夫婦とかでも、昔ながら使ってきたガスの方が安心できるらしく、ガスを使える住宅を若い人でも選ぶとかで、需要と供給のミスマッチ状態が起きていると言う話です。最近は電気コンロとかの性能も上がって、ガスと殆んど差が無いのに…って、社長が嘆いていました。

 ところで電気コンロと言うと、昔友人の家が電気コンロだったので、酒のつまみに冷蔵庫を漁って色々と料理していたんですが、その時に、コンロの上に料理したやつを置きっぱなしにしていたら、酒飲んでペチャクチャ話している間に、取り残しておいた分が真っ黒焦げに(TT)どうやら電気コンロの余熱って言うのは、ガスとは全く違ってかなり長時間持つらしく、っていうか10年ほど前の電気コンロは持続したみたいで、初めて電気コンロを使う僕にはかなりショッキングだったのを記憶しています。

 ちょっとググッたところ、10年前の友達のうちは、ハロゲンヒーター式かラジアントヒーターっていう奴だったのかな???現在はIHヒーター式(鉄・ステンレス製品用)とラジエントヒーター式(鍋の材質を選ばず)の組合せが多いらしい。IHヒーターは余熱も小さく、かなり使い勝手が良いようでして、上記2つの組合せでガスコンロと遜色が無いって言うことなんでしょうねぇ。

27日(木)
 学会、特に政治経済学・経済史学会へ行く前は、必ず何かが起こるのが常なんだが、今年もやっぱり・・・まずは、大学に入学する時に、実家から持ってきて高校時代から15年くらい使ってきたドライヤーが壊れてしまいました。電熱部分がクラッシュらしく、強弱をいじってみても常に冷風しか出てこない…取り敢えず今はいいとして、早目に新しいドライヤーに買い替えないと、冬場は寒くて仕方ないだろうな。しかし、ドライヤーって壊れるもんなんだねぇ。15年も壊れなかったから、ドライヤーって言うのは壊れることがないんだと勝手に思い込んでいましたよ。えぇ。

 なんて憂鬱な気分で大学にやって来たら、今度は電気ポットが排水不能状態に。。。昔ながらの、押し出す感じのポットではなく、電気の力で水を吸い上げるなんていう、ハイテク機械を買ったのが悪かったんだよな。俺が馬鹿だった。しかし、電化製品って言うのは、壊れる時は立て続けに壊れるよなぁ。マーフィーの法則だねぇ。これ以上は何も壊れない事を心の底から祈りつつ、明日は準備作業を手伝わされるので、ちょっくら早めに新潟入りですね。

 ところで、シャーリーズ・セロンがアカデミー主演女優賞を獲得した〈モンスター〉を見ました。レニー・ゼルウィガーの変身ぶりも凄かったが、こちらも本当にシャーリーズ・セロンなんだろうかと疑いたくなるほどの、見事なまでの役作り。粗野で汚く醜い、しかし弱くて寂しがりやな娼婦。娼婦役はオスカーをとり易いとは言われますが、そういわれ続けている娼婦役でオスカーを獲得するって言うのも、またそれはそれで大変なような気がします。そこまで役作りを完全にやり遂げています。レニーと同じように、こちらも体重を13kgも増やしているとかで、ハリウッド女優は日本のチンタラした女優たちとは向上心も根性も違いますねぇ。

 ちなみに監督はパティ・ジェンキンス、新人かな?共演にクリスティーナ・リッチ。しかしクリスティーナ・リッチって、ホラーやサスペンスに好んで出演していますが、本人の希望なのかプロダクションの意図なのか、まぁ、〈アダムス・ファミリー〉を引きづっちゃって、可哀想って言えば可哀想なんですが、あまり明るい役向きにはチョッとというのも確かですけどねぇ。

 で、この作品は、人生に疲れた娼婦シャーリーズ・セロン(アイリーン)が、残金を使い果たしたら死のうと思って、あるバーに入る。そしたらそこが偶々ゲイ&レズビアンのたむろするバーで、レズビアンのクリスティーナ・リッチ(セルビー)に一目惚れされてしまう。8歳の時に父親の友人からレイプされて以来、男嫌いながらも、生活のためには13歳から娼婦を続けてきたアイリーンにとって、最初はレズビアンのセルビーが気持ち悪かったものの、次第に女性的なセルビーに気持ちが傾いて行くんですね。そうして18歳のセルビーを奪って逃避行に。しかし、セルビーには金が無いし、逃避行に誘われたセルビーにも金が無い。

 こうしてモンスターと呼ばれた、強盗殺人犯が誕生することになります。セルビーを愛するがために、セルビーを守ってやるために、次々と娼婦の延長で強盗殺人を犯すアイリーン。恋愛依存症タイプの人間ってそれなりに存在しますが、ここまで依存症が過度になって、恋愛を守るためには、連続強盗殺人まで出来てしまうって言うのが、人とモンスターとの境界線を越えてしまった悲しい姿なんでしょうか。ちなみに、直截的ではなく僕が勝手に感じ取っただけですが、モンスターには別の意味合いも込められています。っていうことで、ここからネタバレ。って言っても実話なので、ネタバレも何にもあったもんじゃないが。

 キーはクリスティーナ・リッチ演じるセルビーなんですね。彼女はアイリーンを愛して逃避行にもついて行きます。しかし彼女は全てをアイリーンに委ねてしまって、自分で何とかしようという気は全く無い。金が無くなれば、娼婦で金を稼げとせがみ、腹が減ったら腹が減った、遊園地で遊びたければ遊園地に行きたい、心の赴くままに、自分の思い通りに生きたいという、自己満足的な恋愛観でアイリーンを振り回します。アイリーンはセルビーのためにも娼婦を止めようと最初は決意したのですが、働く気の無いセルビーを養うために、学歴も職歴も無い彼女は、娼婦から強盗殺人犯へという道を選択してしまった。

 そうして宴には終わりが来ます。連続殺人が発覚する時が。アイリーンは逮捕されて収監されるのですが、セルビーは知らぬ存ぜぬで警察の取調べにも協力し、アイリーンが連続殺人犯であったことの立証に、法廷にも立つことになります。弁護側の証人としてではなく、検察側の証人として。人とモンスターの境界を越えたアイリーンよりも、人の境界線の中にい続けるセルビーの方が、よっぽど残酷でモンスターなんですよ。で、アイリーンの方がセルビーに罪が及ばないように、最後の最後まで必死に庇う。まだ愛しているから。モンスターと呼ばれたアイリーンの暖かさと、境界線を超えなかったセルビーの冷たさ、そのコントラストによって作品としても非常に良い出来になっています。