日本酒 |
・まつもと 純米大吟醸(松本酒造・伏見)☆☆☆☆
JTに勤める友人の披露宴で、料理はなだ萬だった。最初シャンパンとビールしかなかったので、ホールスタッフに日本酒がないかと尋ねたら、これが出てきた。ラベルには「なだ萬 大吟醸」とあったので、家に帰り、ネットで確認したところ、「まつもと 純米大吟醸」というのが、720ml、2000円であるので、これであろうか。酒造会社を確認して帰って来て良かった。日本酒だけで飲むと、少し物足りない。切れが良すぎる。しかし、美味しい日本料理とあわせると、魚介類の味が特に引き立つ。刺身や西京焼きにあわせると特に良い。揚げ物とはあわない。
・女城主 特別純米酒 濃州生一本(岩村醸造・岐阜県岩村)☆☆
実家から送ってくるお酒。日本酒っぽいお酒である。とは言うものの、精米具合が60%以下と吟醸に近いためか、若干フルーティーな感じもする。特別純米と言うほどは芳醇ではない。酒くさい酒が飲みたい時よりも、吟醸香を感じたい時に飲むのがお勧めかな?何となく中途半端だけど、日本酒っぽいお酒への入門としては、この位がちょうど良いのかもしれない。ちなみにネットで検索しても、このお酒は出てこない(汗)もしかすると地元で、季節にしか入手できないかもしれないので、岐阜の岩村方面へ行く事があったら、どうぞご購入ください。ちなみに多治見のうちの実家でも入手できます!
と書きつつ飲んでいたら、次第に味が濃くなって来ました。このお酒、あんまり冷やして飲むと、いけないんですね。冷蔵庫から出して、1時間くらいたった時飲むと、それなりに香り高く芳醇です。温度何度くらいなんだろう。10〜12度くらいが飲み頃かな。多分これ以上温かくなってしまうと、くどすぎるような感じがする。
・草津よいとこ 大吟醸(金星酒造・群馬県吾妻)
この前の草津旅行の時に、地酒屋さん入って買って来ました第1弾酒。はっきり言ってまずいです。観光客用のバッタモン買わされてしまった。。。醸造アルコール添加しすぎ。あまりにもまずいので、これは料理酒にしましょう。。。500mlで2100円もしたのに、高い料理酒や。こんなあこぎな商売していると、草津の評判落としますよ。全く。詐欺にあった気分で、かなり感じ悪し。2本目も同じ酒造会社の買っている。。。凹みまくり。。。
・大正時代の酒 山廃(金星酒造・群馬県吾妻)☆☆★
草津旅行の酒第2弾。ひとつ上の詐欺酒の会社だったので、ほとんど期待せずに飲みましたが、意外といけましたこれ。山廃とは言うものの、醸造アルコール添加をしているので、それほど山廃臭くはないです。そんなことより、滅茶苦茶辛いんですこのお酒。僕が今まで飲んだ中で、一番の辛口酒かもしれません。あまりにも辛いので、草津で買ってきた漬物つまみにして飲んでます。720mlで1000円、この値段でこれだけ真っ当な酒が作れるのなら、なぜ上の観光客用のセコイ詐欺酒を作ったのでしょう。とても悔やまれます。杜氏が異なるのか、販売責任者が異なるのか分かりませんが、これだけのお酒が作れるのなら、下手な小細工しなくても売れると思いますよ。もっと自分の商売に誇りを持って欲しいものです。
・雨後の月 純米吟醸(相原酒造・広島県呉)☆☆☆
近くの酒屋へ行って、別の酒を買おうとしたら、同じ値段ならこれを飲みなさいと説得されて、買わされてしまったお酒です。一応初心者でも飲めるお酒ということで、頼んだのですが、これはフルーティーなお酒で、でもそれほどくどく無いという意味で、初心者じゃなくても飲みやすいお酒です。720mlで1650円はかなりお買い得かもしれません。近くで見つけたら、是非とも入手すべきでしょう。フル−ティーって言うと、上善みたいな気持悪いお酒を思い出しますが、これはホントに美味しいです。やはり酒屋さんと仲良くなっておくと、お勧めのお酒が入手できます。大切なことですねぇ。
・浦霞 大吟醸(佐浦・宮城県塩釜)☆★
浦霞の大吟醸なので、もう少し期待していたのですが、ちょっと醸造アルコール臭くていまいちでした。これで720mlで3400円はちょっと高いかもしれません。限定販売品と書いてあるので、酒屋の棚で見つけてかなり期待していて、しかも値段が書いてないので、恐る恐る酒屋のお兄さんに聞いて、ほっとして喜んで買ったのに、それほど美味しくなかったのは残念。。。値段の割りには美味しくなかったなぁ。
・千古の岩 純米吟醸(千古乃岩酒造・岐阜県土岐市駄知)☆★
純米っぽいお酒で、吟醸香はあまりしない。ちょっとくどい感じなので、四合を一晩で飲むのはちょっときついかも知れない。日本酒が好きな友達数人と、何本か飲むお酒の一つとして揃えるならば、アクセントとしては面白い。でも、こんなに普通に純米酒っぽくて、特徴の無い純米酒も珍しいが、今晩3本目のお酒なので、そろそろ味が分からなくなっている可能性もあり、後日もうちょっと微妙な味も堪能したい。
・三千盛 純米(三千盛・岐阜県笠原)☆☆☆★
2002年はこの酒から始まりました。言わずと知れた、うちの隣町の酒で、中学時代から嗜んでる酒なので、ちょっと慣れて贔屓目入ってます。って言うか、この酒飲むと、なんか故郷戻ったんだぁって言う、そんなホッとした安心感に包まれ幸せ度アップした表情になります。僕がこのお酒(まぁ居酒屋では本醸造が多いけど)呑みながら日本酒のうんちく語りだしたら、けっこう幸せなときなので、そっと聞いてやってくださいm(_
_)m。ただ最近この会社の酒、東京でも良く見かけますが、ある居酒屋で〈さんぜんもり〉などと呼ばれ、不機嫌になったこと有りますのでご注意を。ちょっと冷えすぎくらいにして、のどごしを楽しむも良し、人肌くらいで香りを楽しむも良し。一人でちびちび漬物でもつまみに飲むも良し、しゃれた小料理つまみながら口をサッパリさせるのに使うも良し、中学生が始めて飲む時に入門酒にするも良し、まぁどんな飲み方も出来るいい酒です。
・北の誉 純米吟醸 生酒(北の誉酒造・北海道札幌)☆☆★
新年会で道庁の友達がいたので、ちなんで北海道の酒を飲んだ。これ驚いたことに、札幌市内で作られているお酒らしいです。味の方はスッキリしていて、いくらでも飲めてしまえる危険なお酒です。純米吟醸って言う割りには、薫りはそれほど高くなかったのが意外でした。最近は〈魚民〉なんかでも、こんな酒置いているのに驚きましたが、値段が300mlの小瓶で、居酒屋価格700円台って言うのも、安くて驚きでした。
・国士無双 純米吟醸 生(高砂酒造・北海道旭川)☆☆★
北の誉の次に何飲もうかと言って、頼んだのはこのお酒で、こちらの方が北の誉よりも芳醇で、若干フルーティーな仕上がりになっている。名前は国士無双と勇ましいのですが、どちらかというと女性向きな味でしょうか。ネットで調べたら、この種類がカタログ内に見つからなかったので、モンテローザグループの独占なんでしょうか。北海道って意外と酒造米の良いのが出来るらしく、美味しいお酒が多いことに感動です。
・三千盛 朋醸(三千盛 岐阜県笠原)☆☆☆★
三千盛の純米限定酒である。味は普通の純米よりも、ちょっと濃いぐらいの感じでそれほど変わらない。720mlで200円くらいしか変わらないから、どちらでも良いんであるが、俺はどちらかと言えば普通の純米をお勧めする。言ってしまえば割高であるが、限定とか、そう言うフレーズに弱い人は、せっかく毎年出ているんだから、買って見るのも一興である。純米+アルファを要求しなければ、十分楽しめる良い酒である。
・三千盛 しぼりたて生酒(三千盛 岐阜県笠原)☆☆★
三千盛シリーズ第3弾は生酒ですが、生酒ってわずか1〜2度アルコール度数が高いだけなんだけど、とても高く感じるのは何故なのでしょうか。残念ながらこれって本醸なので、それなりにアルコール臭がします。味は普通の三千盛よりも、若干酸味がきつい気がしますし、人それぞれでしょうけど、僕にとってはいまいちです。ちなみに出荷10日くらいで飲んでいるので、ベストな味なはずです。全般的に生酒苦手なので、生酒好きな人は、僕の意見参考にしないでくださいね。え?じゃ何で飲んでるのかって?それは実家から送ってきたからです。(20020210)
・三千盛 しぼりたて純米(三千盛 岐阜県笠原)☆☆☆
三千盛シリーズ第4弾。出荷が1月23日なので、すでに3週間くらい経ってしまってます。でもまぁ味はそれほど変わってはいないでしょう。普通の純米に比べて、少し舌に刺すような感覚がありまして、僕の好みの感覚ではありません。刺すって言っても、酸味があるという刺し方ではなく、まだまろやかさが出る前の、とげとげした感じなんですが、伝わりますかねぇ。これで。ただ味の方は、三千盛っぽい辛口で、飲み飽きないので、全然いけます。ただ、わざわざしぼりたて買う必要はないでしょうねぇ。(20020213)
・美少年 吟醸(美少年酒造 熊本県城南町)☆☆★
僕が学部の頃は、やっぱそれなりに店探さなければ、美少年吟醸なんて飲めなかったのに、最近はセブンイレブンでも売っているから感心だ。まぁ淡麗な味わいで、鮒寿司みたいな強烈な肴にも負けず、頑張っていましたが、少し工業用アルコール臭さは感じます。まぁその分吟醸香は引き立っているのでしょうが、もうちょっと改良の余地ありって言うところでしょうか。美少年は吟醸より本醸造の方が、お買い得感は高いかもしれませんねぇ。そう言えば昔、下北の凧(ハタ)って言うお店にも、美少年置いていたんですよね。時々飲んでたよなぁ。本醸造でしたけどね。(20020611)
・腰古井 生貯蔵酒(吉野酒造 千葉県勝浦市)☆☆★
関東の地酒ということで有名らしく、勧められて飲んでみました。あまり癖が無くスッキリと、どちらかというと初心者向けの、水みたいな感じのお酒といったら良いでしょうか。バカみたいにゴクゴク飲めてしまうので、気を付けた方が良いかもしれません。香りは殆ど有りませんし、あまり日本酒っぽくないお酒だと思います。この酒造会社、大吟醸や吟醸も出しているようですし、純米が特に高い評価を得ているようなので、次は純米を探して飲んでみることにしましょう。(20020828)
・雨後の月 純米吟醸 無濾過生原酒(相原酒造 広島県呉市)☆☆☆
生酒ですので若干アルコール度数も高く、先述した普通の純米吟醸と比べるとキツイ感じがしますので、初心者向きとは言えない味になっています。ただ、日本酒好きの方で、フルーティーなお酒も好きっていう方には、是非是非一度飲んでもらいたいお酒であることに変わりはありません。香りも吟醸香が素晴らしく、ワイン感覚で頂いても満足できるお酒だと思います。ところでこの酒造会社、自社ブランド名が<雨後の月>なので、山田錦も八反錦も広島雄町も、酒造米に関係無く同じブランド名付けるのは止めた方が良いのではないかと思う。ちなみにこれは広島雄町使用。(20021222)
・南部美人 純米吟醸 生(南部美人 岩手県二戸市)☆☆☆
一番最初の松本大吟醸で話したJTの友人に、女の子が誕生したとの報に接し、先日の鍋で0.5合程残っていた南部美人で祝杯をあげる。なかなか粋な祝杯っしょ。南部杜氏を生み出す酒つくりの重要な地域ですから、その地元の酒が美味しくない訳は無いのですが、ちょっと心配なのは、南部美人という名にもかかわらず、けっこう芯がしっかりした気の強そうなお酒なんですよね^^;ちなみに美山錦を50%まで精米した丁寧なお酒です。吟醸香はあるが辛口の味わいで、三陸沖の海産物などをいただきながら、食中酒に用いるとベストなのかもしれません。あぁ。ホヤが食いたい。ホヤが。(20021226)
・加賀鳶 純米吟醸(福光屋 石川県金沢市)☆☆☆★
久々に日本酒を何種類か飲んだのですが、その中でも一番印象的で、一番お勧めしておきたいのがこれです。定番の山田錦6割に加え、金紋錦を4割使っているんですねぇ。このお米、病気には弱いは、機械使うと米が砕けちゃうはで、すごく手がかかり、今ではあまり生産されていないのですが、酒造米としてはかなり図抜けている品質です。何て言うか、とっても吟醸っぽい吟醸酒でして、口に含んだ瞬間に、ふぁぁ〜〜っとフルーティーな吟醸香が広がり、鼻の頭までスーっっと抜けていきます。これで4合1400円は安すぎだと思いますので、もう少し値上げした方が良いです。いやぁ、ホント21世紀を生きる日本人で良かったぁって思わせてくれる、そんな感動的な瞬間を作り上げてくれる素晴らしいお酒です。(20030404)
・黒龍 龍大吟醸(黒龍酒造 福井県吉田郡)☆☆☆☆
何度も酒店の店頭では見ているのですが、実際に口にしたのはこれが初めてでした。山田錦を40%まで精米し、九頭竜川の伏流水を使用、杜氏は新谷修氏。強すぎない吟醸香に、若干甘めだけれどもあとを引かない爽やかな口さわり、もっぱらおつまみの焼魚とあわせながら頂いていましたが、何て言いますか、このレベルを飲んでこそ日本酒の醍醐味が分かるって言うそんなお酒であります。昨今日本酒には弱くなっているのですが、これだったらまだまだ1升以上楽に飲めそうな、そんな誘惑を醸し出している魅惑的なお酒でもあります。社研の中村さんがとある筋から入手したという事で、ご一緒させていただきました。メチャクチャ感謝です☆(20030714)
・呉春 本丸本醸造(呉春 大阪府池田市)☆☆★
8年からちょっと前の日本酒ブームの時、主に飲まれたのは新潟や東北の辛口スッキリした味わいの物が多かったですが、これはそれらとはうって変わって、今時珍しい甘口のお酒です。昔ながらの日本酒の味と言いましょうか、却って今ではこういう味を飲む機会の方が少ないですよね。ちなみに本醸造とは、味を少し薄めるために醸造用アルコールを添加したお酒でして、甘口の日本酒ですから、少し甘さを抑える効果を果たしています。近世来の酒の産地の池田ですが、今でも酒を作っているのはここだけとか。近世期には今と違って甘口の酒が好かれていましたから、本当に昔ながらの清酒の味に近いんでしょうねぇ。酒米も飲みなれた山田錦や五百万石で無く、八反錦。ちなみに石炭のN氏に頂いたお酒でして、東京ではなかなか入手できないお酒を感謝です(って、人に頂いた酒まで評価してしまう悪い奴…)。(20031119)
・飯櫃(ぼんき)純米(丹山酒造 京都府亀岡市)☆☆☆
これも頂き物です。ありがとうございますm(__)m酸度が5〜6っていうとても酸味が利いたお酒でして、しかも日本酒度は-70〜-80っていう甘めのお酒でもあります。日本酒を飲んでいると言う感覚は忘れて、果実酒を飲んでいると思うと適切なのですが、さくらんぼの甘さとスモモの酸っぱさが合わさったような、そんなフルーティーなお酒です。ただ、そんな味わいですので、普段日本酒飲むときに頂くような肴は微妙に合いませんで、クリームチーズとか生ハム何かがお奨めでしょうか。ドイツの白ワイン系のイメージで飲むと良いかも。あとこのお酒、瓶が薄紅色の艶っぽい装丁をしていまして、女性にピッタリのお酒だと思います。味も見た目も繊細な一品です。(20040126)
・越の誉 純米酒(原酒造 新潟県柏崎市)☆☆★
久々に新潟のお酒を飲んでいるのですが、7-11で越の誉が入手出来るんだから、まったく便利な世の中になったものだと感心しています。いわゆる辛口淡麗と言われる部類のお酒でして、肴をツマミつつ飲む時にはこのタイプのお酒が一番美味しい。吟醸酒だと少し香り高くなり過ぎてしまうし、本醸造だと肴の味と酒の味にアルコールのキツサが高まる。しかも、少し濃い目の肴と相性が良いのが新潟の純米酒でして、スーパーで国産砂肝が安かったので生姜をひとかけ入れ、蕎麦ツユで30分ほど煮込んだのを頂きながら味わっています。少し残る後味のツマミに、口の中をサラッと流すような日本酒の感覚が何とも言えぬ。(20040209)
・亀泉 無濾過純米吟醸生酒(亀泉酒造 高知県土佐市)☆☆★
山田錦を50%以下にまで磨いた、酒飲みの産地高知の吟醸です。喉にカッカ来る感じが生酒っポイですが、表示の割にはちょっと甘口ですねぇ。あと吟醸香が素晴らしく、あれが大好きな人にはたまらないお酒だと思います。ひと舐めしても甘く、舌の上で転がしても甘く、喉越しもちょっと糖分を感じるとろみがあって、カクテルとかが好きな女性(別に女性に限り必要は無く、甘いカクテルが好きな人へね)にはお勧めなんじゃないでしょうか。そいえばこのお酒赤坂のエクセル東急だと1杯1050円もするんだけど、普通に4合1700円くらいで酒屋で買えます。なんて言う事やっていると、次第に外で飲まずにうちで色んな味わいを堪能する事になるんだよなぁ。(20040507)
・杉錦 純米吟醸(杉井酒造 静岡県藤枝市)☆☆☆
とても舌当たりが柔らかで、すんなりといただける吟醸酒です。ちなみに山田錦を50%まで磨いています。吟醸酒にしてはそれほどフルーティーな甘さもくどくなく、酒飲みでも美味しくいただける吟醸酒です。しかも吟醸香があまりしないので、ほんと清流の清水を飲んでいるような感覚に陥ります。飲み飽きない感じでして、僕のとっても好きなタイプのお酒なんですが、しかししかし残念な事に少々の難点があります。ほんのりとですが、アルコール臭がするんです。こういうのって気に仕出すと気になるんですよね^^;;;それさえ解消されれば、もっともっと高い評価が与えられるいい酒になると思います。(20041130)
・金泉 酒百薬長 純米吟醸 無濾過生原酒(相原酒造 広島県呉市)☆☆☆★
相原酒造といえば銘酒〈雨後の月〉の蔵元さんなんですが、杜氏の堀本氏が前に自分の酒蔵で作っていた酒を復活させたもののようです。吟醸香がとても強いのですが、一口舌の上に乗せると、これがかなり意表をつく超辛口。喉越しは刺激があるくらいの辛い辛い酒です。このアンバランスが不思議な感覚です。17年3月だから瓶詰めされたばかりの新酒だな。こういう掘出物を発見すると嬉しいやぁねぇ。酒米は八反錦で、度数は生原酒だから16〜7と若干高めです。しかし、飲んだ後の口の中がこれはスッキリしていて、まったく甘ったるさと言うか、日本酒の糖分を感じさせないのが特徴かも。(20050331)
・尾瀬の雪どけ 純米吟醸 びん囲い本生(龍神酒造 群馬県館林市)☆☆★
吟醸香がぱっと広がった後に、かぁぁっと言う辛さが襲ってくる、喉越し爽やかなお酒です。口に含んだ瞬間は、もっと甘ったるい感じがしたのですが、意外や意外、とってもあっさりした味わいでした。ただ若干の難点としては、吟醸香の中に少し酸味が残っている点でしょうか。後味には酸味は残らないんですけどね。ちなみに山田錦を50%に磨いていて、さらに無濾過無加水までこだわっています。無濾過まではよく見かけるんですが、味を調えるための加水さえも行わないと言う徹底振りです。あと、尾瀬の雪どけと言うイメージを壊さないように、ビンが爽やかな中にも少し物悲しげさが残る、ちょっぴりくぐもった薄青色をしているのがお洒落ですね。(20050512)
・天領盃 大吟醸YK35(佐渡銘醸 新潟県佐渡市)☆☆☆★
政治経済学・経済史学会(旧土地制度史学会)で新潟行った時に、フラフラと自分用に買ってきたお酒です。YK35って精米歩合が35%、つまり65%も捨ててしまうって言うことを意味しています。贅沢です。純米ではないので吟醸香が程々に抑えられていまして、くど過ぎずに飲み易い仕上がりになっています。しかし、35%まで磨いてしまうと、本当にクセが無いというか何というか、日本酒を飲んでいるという感覚が薄らぎます。ついでに新潟で買ってきた味噌漬けの生姜と一緒に頂きましたが、地の物と地の物の相性って言うのはさすがに抜群ですねぇ。新潟の味噌は少々辛めなんですが、その辛さをスッキリと洗い流してくれる。ただし勿体無いので、一日に少しづつしか飲みませんが。(20051110)
・賀茂鶴 寒造り純米酒(賀茂鶴酒造 広島県東広島市)☆☆☆
賀茂って言っても賀茂川で京都のお酒ではなく、広島に賀茂山系なんていうのがあるんですね。しかも広島県のお酒は甘口のお酒が多いのですが、これは純米酒ながらに辛口でして、まったく広島のお酒らしくないです。とっても酒飲みには飲みやすいお酒。日本海のチョッと脂っこいくらいのブリ大根を食べたので、それをすっきり流し込む感じで、ノドが焼けるように楽しめます。ところで、原材料等を見ていたら、精米歩合が69%になっているのだが、昨今の日本酒としてはかなり精米歩合が高いほう(あまり磨いていない)なので、こういうとっても辛口になっているのだろうか。ところで最近日本酒に弱くなっているのだが、これはロックで飲んでも美味しかったりします。未だロックで美味しく飲めるお酒は限られますが、これはいけるので挑戦してみては如何でしょうか。(20051224)
・春夏秋雪越前 純米吟醸(越の磯 福井県福井市)☆☆☆★
福岡へやって来て、最初に紹介する酒が福井の日本酒というのも何なんですが、久々にとっても美味しい酒を見つけてしまったのでご容赦を。ちなみにワンカップで売ってたので買いました。チョッと喉越しが辛過ぎるくらいでして、とっても気持ちいいですね。タコの塩辛を肴に、ワンカップをチビチビと飲んでいるのですが、塩辛に負けないほどの力強さがあります。五百万石を55%まで磨いた吟醸ですが、意外と吟醸香はしませんそのおかげであまりクドクなく、飲みやすい出来上がりになっています。最近は各地の酒造会社がワンカップに凝り始めていまして、お手ごろ価格なところも嬉しいですよね。(20060512)
・黒松白鹿 白いバンビ 純米吟醸(辰馬本家酒造 兵庫県西宮市)☆
舌触りや喉越しは辛いんですが、甘さが鼻に抜けて行くチョッと変な感覚です。大手でも頑張って純米吟醸を作っているのを評価して、試しに買ってみたのですが、やっぱりこれはいただけませんねぇ。しかしどうして、純米酒なのに三増酒っぽい甘ったるさがあるんだろうか。よく分からないなぁ。まぁ、此の種の味わいが好きな人たちも一定数は存在するから、純米吟醸でも変わらぬ甘さを追求しているのかも知れないけど、純米吟醸好きには看板倒れのお酒になってしまっています。山田錦を使っているようですが、純米っぽい米の味わいがあまりしません。もうチョッと努力が必要なようです。(20060611)
・土佐鶴 酔って候 純米酒(土佐鶴酒造 高知県安田町)☆☆★
高知県東部を走る清流安田川へと流れ込む地下水から作られた日本酒です。酒米は松山三井というチョッと変わった米をベースとしたブレンドで、68%まで磨いたお酒です。土佐の男の力強さが荒々しく感じられる、辛くて喉がカッカとしてくるお酒でして、かなり濃い味付けの肴と相性がいいです。松山三井というのは愛媛県で広く栽培される、晩生の酒造米でして、四国一帯では広く使用されているようですねぇ。吟醸まで磨いてやるとリンゴのようなフレッシュな生娘のような味わいになるようですが、68%ではそうはならず、男っぽい味わいをしています。。(20060613)
・一乃谷 純米酒 山廃仕込(宇野酒造場 福井県大野市)☆☆☆★
創業1620年という、とっても古い酒蔵です。五百万石を55%まで磨いてやっているようです。そして、どうやらぬる燗で飲んで欲しいようなので、ちょっと部屋の温度を下げつつ、人肌くらいまで温めてやる。山廃独特の酸味が口の中に広がり、そのままスッキリと鼻の先へ抜けて行く感覚がします。飲み終わった後も、何やら清々しさが口の中に広がり、次の一口へとサラっと手が伸びてしまう、そういうタイプのお酒ですねぇ。酸味のキツサから、山廃って実はあまり好きじゃなかったのですが、燗につけてやる事によってこんなにもマイルドに成るんですね。ちょっと新しい驚きです。それともここの山廃が特に美味しいのか・・・他の山廃との飲み比べが必要なようですね。(20060615)
・寒山水 純米酒(喜多屋 福岡県八女市)☆☆☆
福岡へやって来て初めての福岡のお酒の紹介です。山田錦割と麗峰4割の割合で混ぜた酒米を55%まで磨いています。麗峰ってあまり目にしませんが、山田錦ほどは高級じゃない酒米でして、特に筑後平野でよく栽培されているお米なんですね。だから九州北部では結構使用されているようです。味わいは、全くクセが無い日本酒です。いい意味でも悪い意味でもクセが無く、色も香りも喉越しも、驚くほどに普通です。ですから、珍しいお酒を色々と飲み比べようという時にはお薦めできませんが、これと言う一品に決めてしまい、長く飲み続けていこうと言うにはいいお酒だと思われます。お酒の薀蓄に興味が無い人とかに、さりげなく飲んで貰うのとかにもいいかも。(20060616)
・純天山 特別純米酒(天山酒造 佐賀県小城市)☆☆☆
佐賀県のお酒でして、西海134号というこれまた変わった酒造好適米を60%まで磨いたお酒です。どうやらこのお米は、各種の病気や冷害・風害にも強いらしいです。味わいの方は、チョッと重くてくどい感じでして、最近好まれる日本酒の傾向からは、思いっきり外れています。で、これが熱燗お薦めらしいので、チョッと燗つけて飲んでみたのですが、するとなかなかいけるんですねぇ。今が7月だって言うのがとっても残念なんですが、実は熱燗に合う酒と、冷酒で美味しい酒って言うのが、結構分かれている事を最近にしてようやく思い知らされています。(20060703)
・喜多屋 純米酒 生貯蔵酒(喜多屋 福岡県八女市)☆☆☆
上に書いた寒山水と同じ会社です。こちらは麗峰を6割まで磨いた純米酒でして、ちょっとアッサリ目の新潟っぽい味わいのお酒です。香りが意外とフルーティーでして、吟醸ではありませんが若干の吟醸香が漂います。そういう意味では吟醸酒好きの人には、御得感のあるお酒かも知れません。これを新潟のどこかの吟醸酒だって言われて出されても、気付かない人も多いんじゃないでしょうか。八女っていうのは久留米よりも更に南なんですね。東京にいる頃は緑茶でしか知らなかった土地ですが、この他にも色々と美味しい日本酒を作っているようでして、要注意の地域ですね。(20060725)
・美少年 純米吟醸生 神力(美少年酒造 熊本県下益城郡)☆☆
この美少年も懐かしいお酒でして、大学に入ったばかりの頃によく通った居酒屋で時々飲んだ日本酒です(20020611を参照のこと)。熊本のお酒なので、てっきり美少年とは天草四郎だとばかり思っていたのですが、どうやら全く違うようです。会社の案内によると、詩聖杜甫の「飲中八仙歌」と言う詩に、催宗之という美少年の愛酒家がいたらしく、そこからネーミングされたようです。10数年を経てはじめて正しい情報に接しました(苦笑)中でもこの純米吟醸は、神力という珍しいお米を使っているようです。しかしこのお酒、チョッと甘すぎですねぇ。。美少年ならばもっと爽やかなキレがあっても良さそうですが、口の中に残るしつこさがあります。(20060819)
・窓乃梅 純吟生(窓乃梅酒造 佐賀県久保田町)☆☆
こちらの酒造会社は、なんと元禄元(1688)年創業という伝統のある酒蔵です。西海134号という酒米を55%まで精米した純米吟醸酒の生酒です。琥珀色をしていて一瞬古酒みたいに見えますが、生酒っぽいう酸味が味わえます。最初の口当たりは甘くて糖度が高いのですが、喉越しはチョッと辛めで、何だか不思議な感じです。しかしやっぱり、九州のお酒って甘いですよねぇ。吟醸酒なのになんでこんなに舌と喉にまとわり付いて来るんだろう。吟醸香は余り強くは無いのですが、口に含んでやった時に、ふわっ〜〜っと広がっていき、こちらは丁度いい加減です。(20061005)
・杉能舎 特別純米(浜地酒造 福岡市西区)☆☆☆
福岡市内に酒造会社があるっていうのに驚かされますが、九大の新キャンパスの方面にあって、〈九州大吟醸〉なる九大ブランドの日本酒を造るために提携している酒造会社でもあります(そちらは、まだ飲んだ事はありませんが)。純米酒らしく山田錦の典型的な米の味わいがしっかりしています。九州のお酒にしては甘すぎず、舌触りもスルっとしていまして、和食との相性が抜群です。ちなみに杉と言いましても杉樽とかを使っているのではなく、明治3年創業時の創業者が桧舞台じゃなく杉舞台で能を嗜んだのが語源とか。さらに何と4代目の現当主は、地ビールや梅酒や甘酒までやっていて、なかなか進取の気性に富んだメーカーですね。(20061012)
・基峰鶴 特別純米酒 背振湧水(基山商店 佐賀県基山町)☆☆☆
会社名は基山商店なのに、酒蔵名は基峰鶴酒造らしい。酒を搾る工程で、全く圧力をかけずに雫落ちるだけで搾っているのが売りだとか。山田錦100%の特別純米なのに、上の杉能舎とは違ってこちらは純米っていう米の強い味わいが無く、より淡く繊細な出来上がりになっています。ただ若干アルコール度数が高めに感じるのは何だろうか、舌を転がした後の飲み口に少し刺すような感覚が残ってしまうのが惜しいところです。まぁ、もっと美味しい酒が飲みたければ、もっと高い酒を買ってくれと言うことかもしれませんが、この会社のサイトでは、商品の全ラインナップが分からないのが大きな欠点です。今飲んでいる自分の目の前の酒が、酒造会社としてどのくらいの位置付けか分からないというのはストレスが溜まります。味わいよりも、サイトの不親切さが不満なお酒です(20061019)
・天山 遊花(天山酒造 佐賀県小城市)☆☆
去年のクリスマスイブも日本酒を紹介したから、今年も同じく日本酒で(苦笑)佐賀県産の山田錦2割と、同じく佐賀県産の麗峰8割を、55%まで磨いてやった純米吟醸の生酒です。香りは吟醸らしいフルーティーさなんですが、生酒だけあって舌を刺すような強さがあります。そのおかげで味わいは辛口になっているのですが、苦味が少し混じっていてこういう辛口さはあんまり僕は好きではないかも。でも、佐賀平野で採れる佐賀のお米と、天山水系の清流を使って作るお酒っていうのはなかなか贅沢でして、佐賀県は原産地呼称管理制度っていうのを作っていて、それにちゃんと則っているようです。味は改良の余地ありだと思いますが、佐賀県を挙げてのこういう取組は応援したいところです。(20061224)
・松浦一 純米吟醸(松浦一酒造 佐賀県伊万里市)☆☆☆★
佐賀県産の山田錦を50%まで磨いた純米吟醸酒です。このお酒で強調しておきたいのは、有田町泉山と言う、近世からの有田の陶磁器原料産地の水を使っているという、ちょっと面白いお酒だっていうことです。ちなみにこの松浦一酒造は創業正徳6(1716)年、つまりは新井白石の頃から酒造りをやっているって言うことですね。九州の酒蔵は、かなり古いところが多いのが北陸東北と違うところでしょうか。味わいは吟醸香が口の中に広がった後に、心地よい辛さが広がるいい辛口の吟醸酒です。九州で久々にいい日本酒に出会えました。「松浦一」これは美味しいので是非とも覚えておいてください。(20070106)
・米と水だけで作った純米吟醸生原酒(老松酒造 大分県日田市)☆☆★
麦焼酎の閻魔で名高い老松酒造ですが、そこの日本酒です。最近は日本酒よりも焼酎がメインのようでして、会社のサイトへ行っても何の解説もありません(苦笑)味わいは、口の中に入れた途端に刺すような辛口でして、九州では珍しい。しかも原酒で18%以上もアルコール度数もあるので、なかなか喉越しも強いです。酒米の表示が無いので良く分からないけど、山田錦って言うほど米っぽくないので、多分五百万石じゃないだろうか。あと、日田といえば天領水も有名ですが、水の綺麗なところとしてサッポロビールも工場を持っていたり、いいちこも蒸留所を持っていたりする酒どころです。(20070205)
・一ノ蔵 あ、不思議なお酒(一ノ蔵 宮城県大崎市)☆☆☆☆
一ノ蔵といえば宮城県を代表する名酒。僕の人生でもかなり長い付き合いになる酒蔵さんなのですが、そこがだした度数8%の低アルコール日本酒です。酒米はササニシキから作られたトヨニシキでして、食用としてよりも最近は酒米として普及しているお米です。さて、その味の方なんですが、これは貴腐ワイン系のデザートワインです。しかも、普通の日本酒や貴腐ワインなんかと比べて、舌触りとしての糖分が少ないので、甘口なのにべた付かない。さらに純米なのに、日本酒の概念を根底から覆してくれるくらい自然な甘さでして、かなり凄い。って言うか、何が何だか分からないまま飲んでいます。日本酒として、このページに載せるお酒なのかどうかも分からない。値段が720mlで1250円ですが、貴腐ワインを買うつもりで買えば、ぜんぜん高くない値段です。やっぱり一ノ蔵は名酒蔵だわ。見つけたら、問答無用に買ってください。ただし、日本酒を飲もうと思っては買わないように。あくまでもデザートワインとしての評価です。(20070307)
・越後純米 伝衛門(越後伝衛門 新潟県新潟市)☆☆☆
西の方の日本酒が続いていたので、久しぶりに新潟のお酒を。しかし新潟のお酒にしては、若干甘口の部類に入るお酒です。五百万石を60%程度まで磨いたお酒ですが、吟醸酒っぽい薫り高さがあります。ところで酒造米として高名な五百万石ですが、これは新潟県で開発されたお米でして、新潟のお酒は五百万石を使っているケースが多いようです。この酒造会社さん、東京にいた頃はほとんど目にしたことも耳にしたことも無かったのですが、福岡では時々見かけるのはなぜなんでしょうか。偶然なのか、そういうマーケット戦略なのかは良く分かりません。(20070507)