2007年2月 |
2日(金)
暖冬だ、暖冬だと騒いでいましたが、2月になった途端に寒くなってきましたねぇ。福岡も見事な雪です。研究室の窓からボーっと外を眺めていると、なんだかワクワクしてきてしまいます。寒いのは勘弁して貰いたいけれど、雪が降るのは嬉しいですから、暖かい研究室の窓越しに雪というのは、なかなか乙なもんです。これで雪見酒でも始めれば最高なんですが、残念ならが未だ若干の自制心が働いているので、研究室で飲むことは未体験です。しかし本当に、雪見酒をしたいくらいに雪が降っている。
東京は快晴という天気予報を見るにつけても、あぁ日本海側にいるんだなぁって実感が沸いてきます。例年ですと、福岡ももうチョッと雪が多いようなのですが、兼六園ですら雪が降らなかった1月に、福岡で雪が降るわけが無いですよね。でも、こういう雪の日に限って、研究室から外に出なければいけない用事が多いというのは、まさしくマーフィーの法則だなぁっと思いつつ、先日マーフィーの法則の話をしたら院生が知らなかった…世代間ギャップを感じてチョッと凹んだのを思い出してしまった。今から12年も前のブームのようで、20代前半だと知らなくても致し方ないのか。
ところで、国会の審議拒否は昔の社会党を思い出させますから、やめた方がいいと思いますよ…その戦術で政権が転がってくるなら、とっくに社会党が単独政権を作っていたでしょ。柳沢発言に関してはまた後日。
3日(土)
柳沢大臣の件ですが、女性を「産む機械」に例えるなんて、なんて政治的なセンスが無いんだろうかと思いますが、71歳ですし、まぁその世代の一定数はそんな感覚なんでしょうね。言った直後に失言だと自己認識している分、もしかしたら同世代の中では先進的かも知れない(苦笑)しかし大蔵キャリア官僚出身みたいだけど、品格は無いし、美しくも無いよなぁ。
だからと言って、それが大臣を辞任するほどの話かとなると、それもちょっとクエスチョンマークです。裏金貰っていたり、愛人を公務員宿舎に住ませたり、そういうのは辞任で良いと思うのですが、失言なんかで一々大臣を辞任させようなんて馬鹿馬鹿しい。ましてや、辞任要求のために、国会審議拒否して街頭でシュプレヒコールを上げたり、愛知県知事選や北九州市長選の応援に向っているとなっては、開いた口も塞がらないくらいです。
もし追及するにしても、先日来話題になっていたホワイトカラーエグゼンプションなんかと絡めて、「女性は子を産む機械と考える厚生行政なのか、男性は血反吐を吐くまで働く機械と考える労働行政なのか、柳沢大臣および安倍首相は、男も女も国民を機械としてしか見ていないのではないか、もっと国民を人間として扱う政治をしろ」、とでも主張しておけば共感が持てたのですけどねぇ。旧社会党をイメージさせる、国会審議拒否戦略なんて云う、15年は遅れたストーリーを書いたのはいったい誰なんでしょ?明らかに攻め方を間違えているな。
8日(木)
法科大学院が新司法試験を受験した際の合格率が、第1回目の48%から第2回目は35%程度まで下がるそうです。しかも、第1回目に合格した司法修習生たちが、もうすぐ娑婆に出てくるわけですが、彼ら彼女らのうち最悪400〜500人が、所属する弁護士事務所がないという事態になるようです。分っていたこととは言え、いざ近づいて来てみると、全くどうするつもりなんでしょうかと、他人事ながら気になります。第1回目に司法修習生を多く受け入れた弁護士事務所も、来年、再来年と今年並みの雇用を確保できるとも思えませんし、オーバー司法修習生が乱造されることでしょう。
そもそもこれも、アメリカの制度を真似るところから間違いは始まっているのですが、基本的に裁判所を利用するような人間=悪い奴という「常識」が存在している日本で、無闇やたらに法曹関係者を増やしてみたところで、ニーズが発生する訳もなし。そう言えばスーザン・サランドンの〈依頼人〉を思い出しますが、弁護士が原告探して営業活動に精を出さないと、成り立たないようなシステムでも作るつもりなのでしょうか。たぶん、相談料が30分2000円になっても、劇的に利用者が増えるとも思えませんよ。30分2000円でも、弁護士じゃなく占い師に行くんじゃないだろうか。
司法制度といえば、裁判員制度で何やらかんやらやっていますが、あれもかなり評判が悪いようです。基本的に、子どもが病気でも出て来いとか、二親等が死んでも拒否するなとかいう、とんでもないルールを掲げているようでして、カフカの〈審判〉のようにある日突然連行されそうで確かに納得がいきませんね。「とても重要な仕事があり,あなた自身が処理しなければ,著しい損害が生じると裁判所が認めた場合のみ,辞退が認められます。」と裁判所では宣伝しているが、犯罪者の量刑も決められない裁判所が、他人の仕事の重要性なんて分かるんかいな。。。
13日(月)
博多駅の井筒屋が閉店セールを大々的に宣伝しているので、今まで一度も入ったことが無かったんだけど、ためしに行って来ました。元々、昨年の大石さんのお通夜の時に、5年くらい履いていた喪服にも合う黒の革靴を潰してしまい、そろそろ買わないとと思いつつも放置していたので、主目的はそれを買いに。不幸って突然訪れるから、ついつい準備を忘れがちですよね。喪服用にあんまり良すぎる靴を買うのも変だし、その辺のバランスって難しいですよねぇ。
それにしても店内ぶらついてみると、基本的にメンズのエリアの対象年齢が高い高い。ちょっと30代が立ち寄る雰囲気ではないので、ヤングの階へ。。。最近はだいたいどのデパートでも、メンズエリアだったのに(苦笑)結局ヤングの階でテナントで入っているABCマートも安売りしていたので、そこでイタリア製だけど有り触れた革靴を買ってしまったのですが、メンズの井筒屋直営店のラインナップはチョッとあれだったなぁ。
普段はデパートなら天神の岩田屋か大丸か三越へ行くので、博多駅の井筒屋っていうのを横目に見つつも覗いたことが無かったのですが、あれでは限界があるな。博多駅の再開発後は阪急が入るようですが、名古屋−東京で生活して来た人間としては、あんまり関西系列のデパートっていうのも良く分からないんだよなぁ。関西人の先輩とかは阪急大好きなので、まぁ悪くは無いとは思うけど。ただ、店舗面積が限られていて、高島屋に逃げられた後に阪急が入ることになったとかなので、どんなになるのかよく分かりませんが。
21日(水)
一年間ゼミをやってみて思うんだけど、やっぱり大学時代に色んなタイプのゼミに出ておいたのが、けっこう役に立っています。昨今の大学事情としては、学生のニーズに合わせるのは必須ですからね。まぁ色んなタイプのゼミに参加するっていうのは、興味関心を広げる事に加えて、ゼミのバリエーションも教員毎に千差万別なので、色んなゼミの運営の仕方も身に付くっていう、そういうメリットもあります。1つのゼミ運営しか知らなかったらと思うと、今頃大変な事になっていたことでしょう。ゼミの内容だけでなく、知らず知らずのうちにスタイルとかも学んでいたんだなぁと、今更になって気付いたりしています。
あと勿論、自分がやりたい分野のやりたい論文・資料をとは、なかなか出来ません。ちょうどD1の頃だったと思いますが、北大へ赴任した内藤さんが、@図書館にある資料類は、院生のうちにコピーをしまくっておけ。A自分の専門から遠い本を読んでおけ。っていう2点をアドバイスしてくれまして、それも今になって生きています。東京から遥か離れた身としては、まさに内藤さんのアドバイスの@とAが両方ともピッタリ当てはまっていまして、同じく今院生やっている人たちには、この2つをアドバイスしたいなぁっていう心境です。
22日(木)
某大先輩がリクルート活動で福岡へ来ていたので、ご馳走になりながら色々と話を聞いていたのですが、耐震設備が面白かったのでここで少し。耐震のためにゴムを使う場合(って、これで関係者にはもう誰が福岡に来たか分かりますね(笑))、土台にゴムを埋め込む方法と、壁にゴムを埋め込む方法の2通りがあるらしいです。まぁゴムを使うということは、当然地震による揺れを吸収するために使用しています。
ところが、この2種類のゴムの使用法が、まったく目的も値段も違うとのこと。まず値段の方でいうと、土台にゴムを使う方法は、壁にゴムを使う方法の4〜5倍とか。普通の戸建てで、土台が数百万円、壁が100万円くらいとのことです。しかし目的が違っていまして、土台のゴムは直下型の大地震(震度6とか震度7)から家の倒壊を防いでくれる。一方で壁のゴムは横揺れ(震度5くらい)による家財の横転を防いでくれる。つまりは、土台のゴムは家財の横転は防いでくれないし、壁のゴムは直下型地震による家の倒壊は防いでくれないとのことです。
コストとリスクの関係から、消費者としてはなかなか難しい問題を抱えているようですが、土台のゴムを入れるくらいなら、ついでに壁のゴムまで追加した方がお勧めというところでしょうか。一方で、直下型の可能性が低いエリアならば、わざわざ土台のゴムを入れる必要は無し。また直下型の危険性が高いエリアだと、壁のゴムだけ入れてもあまり意味は無い。っていうことにもなりますねぇ。などと真剣に話を聞いた後に、別に戸建てを立てる予定も無いことにはたと気付く。
あぁ、あと誰か九大のいい学生を送り込んでくれと頼まれたのですが、僕にそんな手持ちの学生は無いからなぁ。。。
26日(月)
1月のスーパー売上高が減少、食料品も0.2%減少って言うことでニュースを見ていたのですが、キャベツなどの葉物が安くなっているのは、確かに白菜じゃなく今年はキャベツを良く食べているなぁって実感。更に、ノロウィルスの風評被害で牡蠣が昨年比5割減とか。そうそうそうそう、例年なら200円くらいしている牡蠣のパックが、100円とかで売っているもので、普段ならほぼスーパーで買うことの無い牡蠣を、今冬は生牡蠣でも、鍋物でも、しょっちゅう食べているような気がします。
牡蠣にしろ地鶏にしろ、風評被害で安くなっているのを、普段よりも格段に安く入手するのは快感です。いや、生産者が大変なのは重々承知だけど、風評被害で安くなっているのを買うのは、破棄されるよりもよっぽど良いことですよね。何せ、破格の値段であってもスーパーで売れ残っているものでして、意外と皆、繊細なんだなぁってそちらの方が驚きます。狂牛病を食べるのは愚か者ですし、地鶏も鶏インフルエンザは十二分に加熱すれば大丈夫と言われても心配なのは分かりますが、ノロウィルスの牡蠣は無関係ですからね。それでも、多くの人が敬遠するっていうのは、風評被害は恐ろしい。
こんな安値で、美味しい牡蠣を堪能できるシーズンは、そうそう有るものではないですし、値上がるまでは楽しみたいと思っています。