筑前・筑後 日誌

そこらにいる大学教員の戯言です。
正式なブログにしちゃうと、毎日書き込むのが面倒なのと、
レスを書き込むのが面倒のダブル面倒なために、
好き勝手に日記・雑感・時事評・愚痴などを書き連ねて行きたいと思います。

8日(月)
 今回の日中関係の対立は複数の要素が入り混じっているために色々と複雑になっています。しかし最も大きな要素としては2027年というのが1つのキーワードでして、この年は習近平政権が4期目を狙う年になります。また、中国人民解放軍の建軍100周年にもあたります。このタイミングで台湾併合というメンツが欲しいのが習近平政権です。

 アメリカのシンクタンクなどの分析により、中国による台湾併合を成功させるためには、アメリカと台湾の連携および、アメリカと日本の連携を壊すことが不可欠であるという報告が上がっています。同様の分析は中国国内でもなされていることでしょう。そしてアメリカの議会および政府は、これまで以上に台湾支援をすることを表明していますから、アメリカと台湾の連携が切れることは考えづらい。ということでアメリカと日本との連携が焦点になってくるわけです。

 ちなみに現在最も有力な説は、台湾への直接的な武力攻撃ではなく、台湾の海上封鎖による輸出入の途絶という作戦が行われるというものです。台湾はエネルギーをはじめ多くを輸入に頼っており、その備蓄も十分ではないため、海上封鎖によって降伏させようという作戦が採られるというものです。台湾は防衛力を高め、アメリカの支援を受けながら、この海上封鎖に対応する必要があります。日本はその際のアメリカ軍との協力関係が焦点になります。

 中国としては、石破茂前首相―岩屋毅前外相のラインが2027年まで政権に就いており、いざという時にネバネバネバネバと意味のない堂々巡りをして時間だけが過ぎていく、ということを想定し期待し支援していたのでしょう。ところが石破政権は、昨年の衆議院選挙か今年の参議院選挙かのどちらか一方でも勝てばよかった国政選挙に、共に国民からNOを突き付けられて惨敗してしまったのです。

 中国としては高市早苗政権においても石破‐岩屋路線を期待したいところですが、高市首相による発言によってその期待は打ち砕かれてしまったわけです。これは、駐日大使館・総領事館などの外交官たちの失敗でもあるのでしょう。という流れの中で、総領事による高市首相の首を落としてやるというような発言へと繋がっていったわけです。

 2027年あたりで習近平政権が台湾に触手を伸ばしていることは世界中に周知徹底されてしまっている状況です。そのため、周辺各国も中国の行動に向けて対応が採りやすくなっている状況でもあります。そして習近平政権のメンツ以外には、今の中国が台湾を軍事力を用いながら併合するメリットはあまりありません。中国国内で愛国心の鼓舞は出来るでしょうが、経済的なデメリットの方が大きいことでしょう。台湾への軍事力行使によって、中国の普通の人々の暮らしは圧倒的に苦しくなっていくことが想定されます。

 こういった合理的な判断をするならば、中国はこれまで通り、長期的に平和裏に一つの中国という形になっていくことを待つことが肝要だと思うのですけどね。








 


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