2016年5月 |
4日(水)
GW前半は、復興支援も兼ねつつ湯布院の温泉に入りに行って来ました。温泉につかる前にドクターフィッシュに足をつついて貰い始めたところに、一瞬だけ下から突き上げる感じがあって震度3か4かと話していたのですが、後から震度5強を観測していたと云うことで逆の驚きでした。ドクターフィッシュたちも故郷のトルコが地震国なこともあって、平然と僕とカミさんの足をパクパクし続けていたのでした。
おなじ震度5強でも、東日本大震災の時の東京で震度5強を体験していますが、あの大きなグラングランした揺れとは全く違っていました。現在の震度は揺れの最大値を計測して発表していますが、本来的には揺れと時間との積分をする計算式を作らないと、駄目じゃないかと比較対象的に思ったのでした。今回の湯布院の場合には余震でマグニチュードは4.4という小さなものでして、揺れは瞬間で終わってしまったのでした。
そんな体験もしつつ、宿は〈田之倉〉の別館の〈なな川〉さんというところへ泊まってきました。いわゆる湯布院御三家に継ぐクラスの宿でして、金鱗湖の近くにありこんな時でもないとなかなか予約も取れないのですが、さすがの居心地の良さを満喫してきたのです。大浴場の金鱗の湯も良かったですが、各部屋についている露天風呂が最高でして、早朝から夜まで一日に何回入ったんだというくらい温泉に入り続けたのでした。湯布院の泉質はあまり特徴が無いと言いますが、いうなれば硬度700くらいのミネラルウォーターが地熱で温まって湧いている状態でして、なかなかの贅沢です。アラフォーの肌が怖いくらいにスベスベになります。
さらには料理は豊後牛1.5倍コースを頼んだのですが、牛が美味しい。陶板焼、しゃぶしゃぶ、ステーキ、なんで食べても豊後牛が美味しい。カミさんが食べきれないので、カミさんの分もチョッと奪いながら美味しい。関アジも美味しいし、城下カレイも絶品でして、特に城下カレイは実は夫婦揃って初めてだったのですが、少々今までカレイを嘗めていました。平目も美味しいですが、カレイもそれに遜色ないほどに絶品だったのです。
そして普段は止めている日本酒を、折角ですから解禁して〈八鹿 純米大吟醸〉を少々だけ飲んで応援しました。大分県は九重の酒蔵のお酒なのですが、驚いたことに〈久保田 万寿〉に系統が近いお酒でして、九州の日本酒は甘口のお酒が多い中でこの〈八鹿 純米大吟醸〉はちょっと違っています。純米大吟醸以外を飲んでいないので他も同じかは分かりませんが、九州の日本酒らしくない新潟の日本酒に近い味わいだったのでした。チョッと日本酒好きにはおススメです。
湯布院の街はやはり地震に耐性のない外国人のツアー客が激減してしまっていることもありますし、日本人客にも一部キャンセルが出ていまして、GW前に熊本地震が起きちゃったの運の悪さが気の毒になります。ちなみに、熊本県内でも黒川温泉や小国温泉郷や杖立温泉をはじめとして、無事な観光地も沢山あるらしく、そちらもGW中のキャンセルは気の毒な限りです。黒川温泉はまだ未体験ですが、小国にしろ杖立にしろ楽しい思い出ばかりでして、そちらにも応援しに行きたい気持でいっぱいです。
話を戻しまして湯布院では、ステンドグラス美術館やオルゴール屋さんや可愛らしいスポットも散策しましたが、すいていて普段の平日みたいな感じで楽しめました。ただ湯布院中をテクテクと日がな歩き回っていたところ、山側の一部には被害があるようでして、大杵社の大杉などは大丈夫でしたが、龍莪山佛山寺や宇奈岐日女神社などは石垣や燈籠に被害が出てしまっていました。エリアによっては屋根瓦の落ちている民家や宿もあるのでそちらの復旧が優先されるでしょうから、寺社仏閣まで修復が行き届くのには暫くかかるでしょうが、湯布院を代表する散策スポットですし、一日も早い復興を願うばかりです。
17日(火)
三菱自動車の3度目の大不祥事を見ていると、三菱っていうのは何度やらかしても体質が変わらないなぁっと思わされます。発展途上にあった明治の日本で岩崎弥太郎が政商として伸し上がって、財閥へと転身していった時代ならば許されていた様々なことを、また敗戦からの復興や高度成長の時代ならば評価されたことを、経済先進国のトップクラスの企業なのにも関わらず続けている状況は、首を傾げざるを得ません。
小さなモラルハザードの積み重ねでウマミを搾り出し、それの積み重ねで大きな利益としている構図は、日本を代表する企業の体質としては、あまりにも小さい。確かに法整備も不十分で、西欧に追いつけ追い越せだった時代には、そういう手法もあったのかも知れないけれど、企業に公共性や倫理観が求められる現代にあって、そのような稼ぎ方は消費者に嫌悪感を持たれるだけじゃないでしょうかね。
岩崎弥太郎や岩崎弥之助が現代にいたら、明治と現代との時代状況の違いをすぐさま読み取って、公共性が強く求められる現代に合わせたビジネススタイルへと転換すると思います。今の時代の三菱に必要なことは、せこくモラルハザードで身内を儲けさせることではなく、世界のフロントランナーの立ち居振る舞いをする矜持なんじゃないでしょうかね。
25日(水)
熊本の特産品の1つはアサリです。有明海がアサリの良い漁場なので、結構大粒の良いアサリが出回ります。カミさんが熊本支援でアサリを買い込んで、ボンゴレスパゲッティーなのでした。熊本でパスタというと阿蘇のバジルペーストが我が家の定番でして、バジルとアサリのパスタも美味しそうなのですが、バジルパスタは食べたばかりだからという理由でボンゴレとなったのでした。
ボンゴレっていうのは南米からトマトがもたらされる前の、イタリア人の味覚をとっても教えてくれる存在なのですが、魚貝類の出汁を味わうっていう意味では日本人と極めて近いですよね。イタリア人はキノコも食べますし、キノコ出汁、魚貝出汁とくれば、日本人が嫌いなわけはありません。
熊本のアサリも味噌汁になると思っていた訳ではないでしょうが、まさかオリーブオイルでボンゴレにされるとも思っていなかっただろうと、砂出しをされているアサリ達を見ていると思うのです。