2020年11月 |
2日(月)
最初にショーン・コネリーをよくよく見たのは、ハリソン・フォード扮するインディ・ジョーンズの父親としてだったでしょうか。僕が中学生の頃にはもうお爺ちゃんですね。そのコミカルな老教授役に魅入ったものですが、大学に入ってからはレンタルビデオ漬けになっている時にもっと若い時代も知ることになり、007シリーズの初代ジェームス・ボンド役だったり、オードリー・ヘップバーンとの共演作である〈ロビンとマリアン〉だったり、モロッコの族長を演じた〈風とライオン〉だったり、とにかく格好いい俳優でした。
主役だけでなく脇役でも輝き、アガサクリスティーの名作〈オリエント急行殺人事件〉ではイギリス人大佐役を演じていましたね。アルバート・フィニーだけでなく、イングリッド・バーグマンやウェンディ・ヒラー、ヴァネッサ・レッドグレイブまで出ている豪華なバージョンです。そしてアカデミー助演男優賞を獲得した〈アンタッチャブル〉。ロバート・デ・ニーロ演じるアル・カポネを逮捕すべく、ケビン・コスナー演じる主人公に奮い立たされるベテラン刑事役も思い出されます。アンディ・ガルシアも参加し、こちらも今思い出しても豪華な映画ですね。あぁ、どれもこれも淀川長治に番組紹介をして貰いたい。
ショーン・コネリーと言えばもう一つ、スコットランドの出身ということでイギリスからのスコットランド独立運動の重要人物としても有名でした。住民投票で独立反対票が多数を占めたのはまだ記憶に新しいところですが、嫌味で知られるイングランド人とはまた違う、スコットランド人の存在を世界に知らしめる広報官でもありましたね。
晩年は役者稼業をリタイアして家族や友人たちと楽しく暮らしていたらしく、90歳、大往生ですね。生き様まで格好いい役者さんでした。最期は認知症だったということで、周囲は大変な面もあったでしょうけど、世間には格好良さだけを残して去っていきましたよね。またショーン・コネリーの作品を久しぶりに見たくなってしまったのでした。
6日(金)
アメリカ大統領選挙は、民主党のバイデン候補有利のまま膠着状態ですね。裁判での郵便票の判断という事態になれば、ブッシュ(子)vsゴアの大統領選挙が思い起こされますが、まぁなかなか動きませんね。あの時は、民主党のゴアの方が総得票数で多いものの、共和党のブッシュ(子)が選挙人数では多くなることになり、機械が判読した票の読みなおしを人海戦術でしていたような記憶があります。今回は、新型コロナウイルスの騒動もあり、郵便で投票された票に、不正があったかなかったかという、これまた難しい話ですね。
ところで、今回も世論調査に基づく事前予想では、民主党側の圧勝という話だったわけです。僕もさすがに前回の事前予想ミスを踏まえて調査結果の読み方が改善されているだろうと思っていたので、今回こそはバイデンが圧勝なんじゃないかとは思っていました。ところがふたを開けてみると、またしても事前予想は大外しで大接戦。たとえバイデンが勝ったとしても、アメリカの各社の調査能力の無さは目を覆うばかりです。
もともとアメリカのメディアは中立である必要がなく、応援する候補が有利になるように、世論誘導も大前提の応援報道をするわけです。だからこそ、民主党応援の調査には民主党支持者などが正しく答え、共和党応援の調査には共和党支持者などが正しく答えます。そして、対立する陣営の調査には、回答を拒否したり、虚偽の解答をするのが当たり前になってきます。勿論これに、調査を混乱させる愉快犯も加わります。
ところが調査する側でも、回答拒否や虚偽の解答があることを大前提にして、それを織り込んで調査結果を読み取ることになるわけですが、2回続けてこの読み取りを大失敗しています。当然、前回の失敗を踏まえて、データの読み取り方に修正が加えられているはずですから、今回は前回以上に回答拒否や虚偽回答が増えたということを意味するのでしょう。もうこれ、サイコロを転がした方が早いんじゃないかっていうくらい、データが意味をなしていないように見えますよね。
11日(水)
だんだんと涼しくなって秋めいてきましたが、今年の我が家のヒットは、おでんに蓮根を入れることです。福岡は筑前煮、こちらではがめ煮とと呼ばれていますが、この筑前煮の関係で蓮根が驚くほどたくさんスーパーマーケットに並んでいます。この蓮根を、おでんに入れてみたら美味しいんじゃないかというのが、今期の我が家の閃きとなったのでした。
おでん用の蓮根の大きさというのは、筑前煮やキンピラ蓮根や酢蓮根の大きさとは違って、けっこう大きめに切り取ってやります。大根と同じくらいのボリューム感を出すくらい、大きめがお勧めです。この大きな蓮根を主役にしながら、定番のおでん種を入れてやって、カミさんが土鍋をグツグツと過熱し続けます。蓮根は、けっこう保存がきく食材ですが、やはり採れたてが柔らかくて美味しいですし、すぐに火が通るというメリットがありますから、そういうのを買ってくるとバッチリです。
蓮根は滋養強壮にも効くと言いますし、流行り病への抵抗力を増すためには蓮根かな、などと言いながら1週間ほどもおでん三昧を続けたのでした。そのくらい継ぎ足し継ぎ足しで煮込み続けると、牛スジ肉が煮込み甲斐があっていいですよね。国産牛のスジ肉が断然美味しいですが、輸入牛の安いスジ肉であっても、長時間煮込み続けてもらうとかなり美味しくなりますよ。ほぼほぼガス代で食べる食べ物です。
13日(金)
今月は13日の金曜日ですか。そんなジェイソンチックな話題はありませんで、NovemberというRの付く季節ということで、牡蠣のお話です。スーパーマーケットでボケボケ買い物をしていたら、蒸し牡蠣、ただし調理用の要加熱の蒸し牡蠣を見付けまして、そのラッピングのところに、あまり縮まない旨の説明書きがあったのです。これはもしかして、と思って買っちゃいましたね。
実は我が家では牡蠣は夫婦の大喧嘩を発生させたことのある曰く付きの食べ物でして、まだ結婚したばかりの頃に、牡蠣をめぐって大喧嘩をし、それ以来、調理用の牡蠣を買うことはまずないという代物でした。僕もカミさんも牡蠣自体は嫌いじゃないですし、カミさんの方はどちらかと言えば牡蠣は好きな方なので、牡蠣フライみたいに調理されている総菜を買ったり、出先で牡蠣を食べたりということはあります。しかし暗黙裡に、調理用の牡蠣については話題にも上らないアンタッチャブルな存在になっていたのです。
そもそも牡蠣は、過熱をするとかなり小さく縮む食材でして、元々のお得感があまりない食べ物です。ところがスーパーマーケットで見付けた半調理された蒸し牡蠣は、あまり縮まないと書いてあるじゃないですか。そこで、我が家で暗黙裡にアンタッチャブルになってしまった調理が必要な牡蠣を、実験的にですが買って帰ったのです。
牡蠣と舞茸のアヒージョ。我が家には、速水もこみちの影響でちょっといいオリーブオイルが備えてありまして、それを贅沢に使っての牡蠣と舞茸のアヒージョです。シェリー酒はさすがに備えていないので、白ワインでの代用でしたが、カミさんがアンタッチャブルだった牡蠣料理を解禁して、舞茸のうま味成分との相性最高でした。そして、本当にあんまり縮まない最高の牡蠣だったのです。これで13年、干支一回り以上の禁忌が解けました。
まぁそれでも生牡蠣を買いたいとは思いませんが、蒸した牡蠣の身を見かけたら、またアヒージョをおねだりしたいところです。
24日(火)
新型コロナウイルスの第3次の流行ということで、GOTOキャンペーンの見直しが議論されています。GOTOトラベルは人混みを避けての宿泊先なんて言うのも可能ですが、GOTOイートはあまりにも無策でしたね。個室や半個室に限定するなり、人数制限をするなり、最初からもっと考えてから行っていれば、こんな酷い状態にはなっていなかったのでしょうけどね。
大人数での大宴会にまでGOTOイートで補助金が出るとか、忘年会シーズンに向かって狂気の沙汰です。人数制限は絶対に不可欠でしょうに、あまりにも経済振興に偏り過ぎた政策は、かえって新型コロナウイルスを大流行させて経済を壊していくことになります。感染予防と経済振興のバランスをとることが大切でして、そのバランスが崩れてしまったGOTOイートは特に酷い。今からでも、個室や半個室、持ち帰りなどを優遇する政策へと転換すべきでしょうし、人数も無制限とか止めるべきですよ。
今のところ福岡は第3次の流行はまだ酷くありませんが、日本シリーズが福岡でも行われる関係で、アウェーを見に行ったファンが新型コロナウイルスを福岡へと持ち帰ることと、ホームゲームの際に地域外から感染者が流入することの、双方が懸念されています。酷い事態にならなければ良いのですが・・・
25日(水)
桜を見る会の前夜祭ですが、やはりホテルニューオータニは5000円では宴会を開いてくれないようでして、安倍首相(当時)の国会答弁は嘘八百だったという流れになっています。しかしこれ多分、公職選挙法ではなく政治資金規正法の方で秘書が罰せられ、それで落着という流れになっていくのでしょうね。下手したら、秘書すら罰せられなく、訂正で終わりかも知れませんが。
公職選挙法には連座制がありますが、政治資金規正法には連座制がありませんので、秘書等がやったということは秘書等だけの責任ということで終わらせられます。小渕優子議員の時にも話題になっていましたが、政治資金規正法違反ということにすれば、政治家が罰せられることなく有権者に恒常的な金を配り放題でして、明かに法整備の不備という問題です。悪法もまた法ですから、現状では致し方ありません。(まぁそれでも、この政治資金規正法違反で、小渕優子議員は将来的に総理大臣になれる可能性をグッと小さくしてしまいましたが)
与党野党関係なく、政治資金規正法は連座制にしておかない方が美味しいために、法改正されないまま放置されたままになっているのでしょう。与野党関係なく、国会議員だけでは自浄能力が働きませんから、マスコミとかは、こういう政治資金規正法には連座制が適用されない点なんかを追求していくべきなんじゃないかと思うのでした。