2016年4月 |
2日(土)
海軍の御徳炭鉱についての論文をカミさんと一緒に執筆したこともありまして、海軍の唐津炭鉱についての論文を執筆した東定先生たちと一緒に福岡城址の桜祭りに行ってきました。年々とお城の桜祭りは豪華になっていく一方でして、人出も多く賑わっていますので、楽しさも毎年毎年更新されていっています。お城で桜をしばらく堪能した後、大濠公園駅の近くの〈薩摩焼酎 地鶏のお店 とーごー〉って言うところへ行ってきました。
薩摩・大隅の芋焼酎と奄美諸島の黒糖焼酎が120種類以上もあるという品揃えの良さと、黒薩摩鶏っていう地鶏が美味しいということでチョイスしたのでした。しかしながら行って見てびっくり。御徳炭鉱をめぐっての東郷平八郎の奮闘についての論文を書いていたのですが、〈とーごー〉って東郷平八郎の東郷でした。店主さんが東郷平八郎の縁戚ということでして、うちのカミさん曰く風貌も東郷平八郎と店主さんは似ているとか。僕が分かっていて店を選んだと皆が思ったらしいですが、天然で選んでしまっていたのでした。
120種類もあると本当に珍しい焼酎も大量にありまして、ズラッと並んでいる銘柄の1升瓶や5合瓶を眺めているだけでも圧巻です。しかも、鶏がどれもこれも鮮度が良くて美味しい。東定先生とカミさんが海軍にまつわる議論を白熱させる横で、酒と鶏を楽しんだのでした。鶏と焼酎とよく合うんですね。酒飲みには是非ともお勧めの名店でした。
6日(水)
職場の話なのですが、旧石炭研究資料センター時代から使われていた建物が、隣接する旧応力研の解体に伴って水道が止まってしまうことで、電気も、ネットも使えるのですが、水道が無いとトイレ事情等に困りまして、4月1日より箱崎キャンパス内でミニ移転をしています。50周年記念講堂横の旧工学部3号館2階に日常業務は移転し、旧館のほうも閉館のまま使用を続けていますので、色々と皆さんには御迷惑をおかけする事となりますが、よろしくお願いいたします。
スケジュール通りに行くならば、平成30年度の後半に、記録資料館は伊都へと移転する事になりますので、それまでの間は箱崎キャンパス内で2ヶ所居場所が出来ていることとなります。授業や会議で伊都へ行くこともありますので、実質的に3ヵ所に股さき状態でして、ちょっと混乱を来たしてしまっている状態です。宮地が3ヵ所の何処にいるのか分かりづらくなってしまいますが、お許しください。
話は変わって先日に続きまして東郷平八郎関係の話なのですが、御徳炭鉱の研究で東郷平八郎を取り上げたこともありまして、カミさんともども藤井先生に案内をしていただきまして東郷神社へと行って参りました。東郷神社は桜が美しいことでも知る人ぞ知る場所のようでして、満開を過ぎてひらひらと舞う桜の花びらが、まるで淡く雪が降っているようで見惚れてしまいました。満開の桜も良し、散っていく桜も良し、そしてこれからやって来る葉桜も良し、今年も桜を心いくまで堪能するのでした。
13日(水)
ネットサーフィンをしていたら面白い統計を見つけてしまったのですが、ここ5年間の福岡市とその近隣の酒類販売量の統計です。昨今、福岡市は人口増加も相俟って景気の良い状態が続いてきたのですが、酒類販売量の総量は横這いなんですね。福岡の人達が景気が良くなっているのに酒の消費が横這いって言うのも変な話なので、もうチョッとよくよく統計データを観察したのです。
そうしたところ、焼酎、発泡酒、合成清酒の消費量が減少していまして、変わりに日本酒、ビール、ワイン、ウイスキーやブランデーといったところの販売量が増加していたのでした。特に、ワインとウイスキーやブランデーといったところの販売量が激増しておりまして、単価の安い酒から単価の高い酒へと移行したことが明白です。5年前と比べて、焼酎は4%減少していますが、ワインは1.4倍、ウイスキー・ブランデーは1.3倍へと増加しています。
僕は個人的に、味の好みと、次の日の酒の残らなさがあって乙類焼酎党なのですが、一部の人達が焼酎からワインやウイスキー・ブランデーへと転換したんだなぁっと感慨深いのです。ワインもウイスキーもブランデーも20代の頃とかは色々と探検して味わってみましたけど、結局は料理との相性だと日本酒か焼酎が幅広く何にでも合いますし、二日酔いのリスクの少なさだと焼酎になってしまうのですよね。
15日(金)
今日から鹿児島へ調査出張の予定だったのですが、昨日の最大震度7という大地震によって回送中だった九州新幹線が脱線してしまっているようでして、復旧の見込みも立たないので新幹線・ホテル・大学の出張手続と色々なキャンセルをようやくと終えることが出来ました。災害時のキャンセルは何処も手馴れたものでして、どこでも粛々と手続きが進むので大助かりです。
益城町で震度7、熊本市内でも震度6弱ということで、直下型地震のかなりの揺れを引き起こしています。新幹線の脱線だけではなく、在来線への崖崩れ、高速道路の亀裂、道路の寸断、停電などなど、さすがに震度7の地震は大変な被害をもたらしています。人的な被害も大変ですが、死傷者数で受ける印象以上のインフラの被害が大きいのが特徴です。まだ発生直後ですので全容はよく分かりませんが、これから何年かは熊本復興のために九州を、そして日本を挙げていかなければならないでしょう。
鉄道、高速、一般道というインフラの復旧は、県で出来る規模を超えていますから、国がいかに迅速に対応出来るのかという、安倍政権の実行力を計るいい指標にもなるでしょう。今回のような災害などの危機が起きた時に、その対処方法を見れば、だいたいの政権の実力っていうのは分かります。熊本は、営業部長のクマモンの旗振りもあって経済指標が上向きでしたから、その熊本を復興できるか否かはアベノミクスの成否にも大きく影響を及ぼすかと思います。
国がやる部分は国がやるとして、我々国民も熊本復興のために1人1人何が出来るのかを考えなければいけません。熊本復興のためには、インフラを整備する資金も多額に必要になります。被災者への県や市町村レベルでの支援もあるでしょう。そういうのを支えるのは、やっぱり資金的な援助です。義捐金もいいでしょうが、それに加えて大切なのは、熊本産品を一つでも多く買うことです。国民1人1人が熊本のことを思い、熊本の産品を購入することが、一日も早い熊本の復興に繋がっていきます。この1年、2年くらいは、熊本の復興応援のために、熊本産品を集中的に買って応援していきましょう。
17日(日)
木曜日夜の震度7の地震に続いて、16日にはマグニチュード7.3の本震ということで、木曜日のは前震だったのかと知った次第です。阪神・淡路大震災クラスの大地震にとなったことにより、被害は更に拡大しているようです。死者数も増加していまして心が痛むばかりです。負傷者もかなりの数にのぼっていますし、次の大きな余震が来ないことを、今はただただ祈るばかりです。
高速道路が閉鎖されてしまっていますので、福岡市内への熊本物品の流入は少なくなっていますが、スーパーで熊本産のデコポン・アイコトマトなどを購入して堪能しております。元々好きでよく買う2品ですが、やっぱり美味しいです。また、普段は芋焼酎を飲むことが多いのですが、熊本産の米焼酎として繊月酒造の〈川辺〉を買ってきて、これまた熊本産のアサリをカミさんに炒めてもらって肴にしながら晩酌でした。繊月酒造は人吉の方なので大丈夫のようですが、他の酒造メーカーの状況が気になるところです。
熊本各地で大きな被害が出ていますが、象徴的なのが熊本城の破損です。細川藩の時に作られて重要文化財になっていた東十八間櫓と北十八間櫓が壊れてしまいました。また、戦後の再建とはいえ天守閣の屋根瓦が落ち、シャチホコまでが消失してしまったのは衝撃的です。熊本城に始めて訪れたのは高校の修学旅行の時でしたが、それ以来、なんど熊本を訪れても勇ましく聳え立つ熊本の象徴でして、地震の被害の酷さもまた象徴しているようです。
そんな中で驚くべきは、加藤清正が建てた部分で西南戦争も太平洋戦争も耐え抜いて現存している宇土櫓については、嬉しいことに今のところ無事に残っているようです。驚きます。加藤清正は名古屋中村で生まれた名将でして、城作りの名人でもありますから、その真骨頂といったところでしょうか。日本を代表する城郭の全てが残っていないのは惜しまれますが、熊本の街々の復興の中で、熊本城の再建を終えるまで応援していきたいものです。
20日(水)
スーパーで買い物をしていたところ、サラダ用のベビーリーフをふと見たら、熊本県の益城町の〈果実堂〉という会社名が書いてあって驚き。しかもどう見ても新鮮なベビーリーフでして、地震前に出荷していたとも見えない鮮度です。もし地震前の在庫でこの鮮度を保っていたとしたら驚きですし、震度7の地震の後に出荷したとしたらそれは更に驚きですし、もう何がなんだか分からない状況で購入してきました。
ところで、熊本地震によって熊本の各地に大きな被害が出ていますが、それとは逆に震度の割りには小さな被害で済んだのが大分県です。震度6弱を記録した割りには、揺れた個所が人口の少ないエリアだったこともあって、インフラは各所で崩れたりしていますが、死者・行方不明者も出ていません。ところが、熊本の被害の大きさに連鎖してしまって、大分県も、熊本に類して地震の被害が大きいかのようなイメージが一部で出来てしまっているようです。
ちょうどゴールデン・ウィークの直前ということもありまして、別府、湯布院、日田、中津といった大分県内の名立たる温泉地や観光地へもキャンセルが相次いでしまっているとか。農作業小屋が倒壊しているのを、旅館が倒壊しているようなイメージで騒いでいる画像などもあり、なかなか気の毒な限りです。そのため、結構有名な旅館やホテルなんかも、逆にゴールデン・ウィークに空きが出来ているような状態でして、大分県の場合には、2週間後、3週間後の旅行を今すぐに取り止めるほどではないのになぁっと思って見ています。
大分県だけではなく、佐賀の武雄温泉の方とか、長崎の雲仙温泉の方とか、熊本地震とは関係ないようなエリアにまで海外からの観光客をはじめキャンセルが出ているようでして、局所的に被害が甚大となる直下型地震と、広範囲に被害が広がってしまう海溝型地震は違うのですが、なかなかそこが分かりづらいのでしょう。特に地震のあまりない海外の人達には、尚更分かりづらいところでしょうし、日本人のように地震の知識を豊富に持てというのも難しいでしょう。海外からのお客さんが減っている期間は我々で支えていきたいところです。
23日(土)
被災地の熊本で大量のオニギリなどが破棄されていたことがニュースになって問題視されていましたが、そもそも熊本は農業県ですし、近隣各県も農業県ですし豊かな水源ですので、震災直後を除いては食料や水は熊本と近隣各県でどれだけでも調達できます。被災直後の2-3日間だけ必要とされていた支援を、それ以後もダラダラと続けるとかえって被災地の迷惑になるだけということが、今回の地震では良く分かりました。
やはり今回の熊本の地震では、人的な被害も死者・行方不明者が数十人と痛ましいことになっていますが、それに輪をかけてインフラがズタズタになってしまっていまして、その復旧をどうするのかというのが大きな課題です。現在は、通行できる道を使って迂回しながらの交通や物流となっています。しかし、福岡から鹿児島への南北の大きな経済活動を、熊本という中心部で横にぶった切ってしまっている状況でして、熊本のインフラの疲弊は九州経済全体の疲弊に繋がってきます。
前にも書きましたが、アベノミクスにおける経済成長を支える一つの幹である九州経済が、インフラの寸断によって伸び悩んだりしてしまいますと、日本全体の経済成長にも大きな影響を及ぼし始めるでしょう。自動車部品工場などは、他の工場での代替なども始まっているとは言え、コスト的な面でも熊本の復旧は急がれます。また、外国からの観光客誘致もアベノミクスの大きな柱ですが、その面でも九州のインフラ寸断は大きなビハインドとなってしまいます。
それにしても、福岡から鹿児島へ行くのに飛行機で行くのが一番という事態になるとは、熊本地震の前には思っても見ませんでしたから、時代が何年か逆戻りしてしまったようです。
26日(火)
先日、スーパーでベビーリーフを売っていたという話を書いた益城町の果実堂さんですが、どうやら工場は100%ではないながらも稼働しているようでして、僕が食べたベビーリーフは熊本地震後に出荷されたものだったようです。震度7の揺れを2回も観測し、しかも従業員の方々には自宅が被災した人達や怪我を負った人たちもいる中、いち早く工場の復旧に邁進されている姿には心を打たれます。たまたま身近でみかけたのが果実堂さんのベビーリーフだったのですが、それ以外にも早急に復旧が急がれている状況には驚きます。
回送列車の脱線が伝えられていた九州新幹線もGW前の全線復旧が見込まれていますし、九州自動車道も4月中での全線通行可能が見込まれています。被害の大きさと比べて、鉄道にしろ、道路にしろ、幹線の復旧がとても迅速に進んでいっていまして、GWを控えていたということもありますが、対応の早さは見事です。水道や電気などの復旧も早いです。国と県との連携の悪さとかがニュースになっていますが、総体で見れば被災と混乱の後にかなり上手く推移している方ではないでしょうか。
この後は、幹線ではない部分の復旧をどうして行くのかという問題と、地震で疲弊してしまった経済活動をどう復旧するのかという、2つの方面での復旧へと話題は移っていくことでしょう。まだ寸断されたまま残されているインフラの細部や、被災した人達の住宅や工場の復旧支援という前者の点は勿論として、今後は後者の経済活動の建て直しも焦点となります。GW前の幹線の復旧が終わるとはいえ、GW中の観光客の減少を取り戻すのも大変でしょう。熊本はそもそも阿蘇や熊本城やと観光地そのものが、工場などと共に被災から復旧するのにまだまだ時間がかかります。
また、熊本のような被害を受けなかった他県の観光地も、鉄道や道路が復旧していくとはいえ、キャンセルされてしまった観光客を取り戻すのは大変なようです。九州各県のホテルや旅館とか、鉄道やバスの予約状況なんかをネットサーフィンしていますと、GW中にも結構空きが出てしまっています。そんなこともあり、今年のGWは研究室に籠もる予定でしたが、予定変更でキャンセルが出ているような観光地へ少々旅行へ出かけようかとカミさんと相談して計画です。