2024年9月

2日(月)
 沖縄調査から帰ってきたのですが、今回は久しぶりに古本屋で大当たりという体験をしてしまいました。昨今は〈日本の古本屋〉に頼りっきりでして、自分で古本屋の店頭で古書を探すという事もなかなか無かったのですが、美味しい弁当屋があるという事で普段とは違う通りを歩いていたところ、日本の古本屋では見かけたことがない古書店があったため、ふらっと覗いてみたのです。

 マンガ本や小説の類から、生活・健康と何でもあれという感じだったのですが、奥の方に郷土本のコーナーがあってそこを見渡すと過去の論文で使ったような本から、見たこともないものまで色々と並べてある。過去の論文で使った書籍を手に取ると、おー、安い。昨今は〈日本の古本屋〉によってだいたいの相場が出来てしまっていますが、参加をしていない古書店だと相場よりも安いものも高いものもあるわけです。

 そんなこんなで郷土本のコーナーを見て回っていたら、研究しようと思っているテーマにどんぴしゃりの回顧録を書いている役人さんを発見してしまったのです。中間管理職的なポストの人だったため、全く名前も知らなかったところを偶然に郷土本コーナーに並べて置いてあったから開いただけの本でして、著者名と署名だけからならば、絶対に開くことがない本だったことでしょう。こんな感動的な出会いっていうのは久方ぶりです。他は教育者だったり武道家だったりそういう回顧録はそっと閉じるしかないわけですが、経済人、政治家、役人なんかの回顧録は分野的に欠かせないのです。本当に感謝です。

 カード払いできないという事で近くの郵便局に走って現金を下ろし、他の古書もついでにそれなりに購入させてもらったのですが、もうすぐ店を閉めるかもということで、いい機会に買って貰えたとお礼を言われてしまい、一抹の寂しさとともに店を後にしたのでした。

 ところで、自民党の総裁選挙も良いですが、最近もう1つ気になっているのは悠仁親王の進学問題です。東大への推薦入試での進学がまことしやかに囁かれていますが、母親の学歴コンプレックスに引きずられての大学進学とか絶対に止めた方が良いでしょう。夫の兄の嫁の学歴と比べて自分の学歴の低さから教育ママ化してあの手この手で子どもに高学歴を付けさせたがるとか、一般家庭であっても十二分過ぎるほどに問題事例ですが、皇族、しかも皇位継承順位2番目でそれは、将来に禍根を残します。

 それに色んな人が指摘していますが、東大っていうのは警備がしやすい大学ではありません。福島瑞穂とか、鳩山邦夫とか、松島みどりとか、色んな政治家さんとかが一人でフラフラと歩いていたところを見たことがありますが、襲撃しようと思えば簡単に襲撃できる状況でした。特に薄暗い夕方や夜はヤバい。悠仁親王の場合には小学校時代に、机の上に刃物を置かれていたこともある訳でして、多くの人たちが自由に出入りしていても全く目立たない東大は、警備が必要な人たちの進学先としては不向きでしょう。なんていうか、暗殺者さんたちwelcomeっていう状況を作り出してしまいます。

 一般入試で国民と平等に競争してそれでも余裕で入学していくとしても、もっと警備がしやすい大学にしておくべきだと思う状況です。それを国民と平等に競争しないで特例で推薦入学とか、外国勢力や反皇室の人たちだけでなく、過去から将来にわたっての東大受験を失敗した人たちを暗殺者予備軍に作り替えるくらいの愚行でしょう。もう18歳なんだから親の言うこととか唯々諾々と従っちゃダメですよ。

 それよりも、国民を蔑ろにする母親に盾突いた方が、国民からは尊敬の眼差しで見られることでしょう。
 

10日(火)
 マイナンバー保険証への嫌悪感と、年末調整の廃止という新たな不人気政策で、河野太郎候補の失墜がひどいことになっていますね。岸田首相の後継潰しの作戦が上手くいった上に、オウンゴールも相俟って万事休すといったところでしょうか。

 一方で、小泉進次郎候補の政策を見ていて思い出したのが、小泉―竹中改革における労働改革の大失敗です。小泉−竹中改革っていうのは重要なものも多かったのですが、労働改革だけはダメダメでした。竹中平蔵大臣が政治家を退いた後に人材派遣会社に天下ったため、私利私欲のために日本国民を害したという結果にしかなっていません。この小泉―竹中改革の最も悪い部分を踏襲するのだけは避けなければなりません。

 小泉―竹中改革にしろ、小泉進次郎候補の解雇規制の緩和にしろ、意図しているのは衰退企業・産業から成長企業・産業への労働移動を促すことでしょう。この目的自体は良いのです。しかしながら方法がおかしい。これらの政策は、アメリカ型の雇用社会においてのみ上手くいく方法でして、日本の労働市場においてはただ単に大企業が労働者を解雇して美味い汁を吸うだけに終わってしまいます。

 何故かというと、日本の場合には賃金の一部を退職金という形で後々になって受け取るというシステムがあるからです。これは、長期勤続を促すインセンティブとして作られたものでして、労働者が働いた賃金をまだ貰い終えていないままに日々次も働いているところにポイントがあります。働いた分の賃金をすぐ貰えないのです。つまり、解雇規制の緩和は、本来貰えるはずだった賃金(退職金)を労働者から奪うことになってしまうのです。すると、日本経済は縮小へと向かいます。

 この退職金システムに大きく依存する日本において労働移動を促すには、アメリカとも欧州とも異なる新しいシステムを作らなければなりません。アメリカや欧州をまねてはダメです。また、退職金制度の破壊も、今更やったら大混乱になるだけです。

 新しい方法として考えられるのは、例えば企業には、労働者1人1人に対して定年までの残りの賃金(生涯賃金から今まで払った分を差し引いたもの、勿論退職金も含む)の見込み(下位10%・50%・上位10%などで、金融商品とか保険の予測で出しているようなやつです)を毎年出すことを義務化し、新しく雇用する際にも企業は就職希望者に対して同じような定年までの賃金の見込みを出させるように義務付けることです。

 退職金制度によって、日本の労働者は自分の生涯賃金が把握しづらくなっています。そのために、転職先が金銭的に有利なのか不利なのかを判別することが難しいのです。人びとは、よく分からないならば慎重になって行動を止めます。転職しても金銭的に有利になるか、たとえ不利になったとしても住環境やワークライフバランス的に許容できる程度なのか、そういう状況を労働者1人1人が判断しやすくするならば、自ずと人々は労働移動を始めることになるでしょう。

 解雇規制の緩和なんていう無理やりな移動のプッシュを作り出すのではなく、人びとが移動したいと思うようなプルの環境を作ってやることが肝要です。特に、労働人口が減少する(つまりは賃金が上がりやすい)現代社会において、さらにはソフトによって簡単に何年も先の賃金の見込みも計算できるようになった現代社会において、このようなシステム作りは簡単だと思うのですよね。

 衰退企業・産業から成長企業・産業への労働移動は不可欠です。しかしながら小泉−竹中改革で大失敗したような、労働者の権利を奪うだけの政策だけはやって貰いたくないものです。

12日(木)
 もう一方の党首選である立憲民主党の党首選は、野田佳彦元首相と枝野幸男元党首との事実上の一騎打ちみたいな感じになっています。自民党の総裁選が盛り上がっているために、立憲民主党も盛り上がりをと無理やりにプラス2名を出馬させたものの、自民党の国民へのアピールの上手さと立憲民主党の素人さ加減がコントラストになっています。自民党は人材が豊富であり、立憲民主党は人材難、というイメージを作り出してしまいました。

 下馬評では野田佳彦元首相が党首になる可能性が高そうなのですが、そうするとこれまでの左傾化路線からの修正という事になります。東京都知事選挙で蓮舫候補が共産党とタッグを組んで大惨敗してしまった余波ともいえるでしょう。山口二郎氏が〈今の日本でリベラル派は少数〉というとても適切なことをコメントしていましたが、左傾化路線で純粋化すると何が起こるかを東京都知事選挙は教えてくれたわけです。枝野幸男元党首でも国政選挙で中道票を取れませんから、立憲民主党が勝つためには野田佳彦元首相しか選択肢が無いと言えます。

 そうなってくると対比で自民党の総裁選も面白くなってきます。高市早苗候補の出馬は、安倍晋三元首相を彷彿とさせていました。若者も赤ちゃんも21世紀を生きていく、確かにそうですよね。上手だなぁ。そして22世紀を見る子たちも出てくるわけです。小泉進次郎と高市早苗の、それぞれの支持層へのアピール力は図抜けています。ただし、小泉純一郎ほどの熱狂は生み出せないし、安倍晋三ほどの熱狂も難しいでしょうが。

 なにはともあれこうして自民党の総裁選は、小泉純一郎元首相のイメージを踏襲する小泉進次郎候補と、安倍晋三元首相のイメージを踏襲する高市早苗候補、それにドブ板選挙をする野党といった趣きの石破茂候補の3人が上位に残ってきそうです。ここで、小泉進次郎や高市早苗が総理総裁になってしまった場合には、立憲民主党の党首が野田佳彦であったとしてもなかなか立憲民主党へは投票は動かないでしょう。立憲民主党としてはしばらくは敵失を待つしかありません。

 ところが、ドブ板選挙で党員票を掘り起こして野党的な石破茂が総理総裁になると、野田佳彦立憲民主党よりも石破茂自民党の方が左傾化することになります。安倍長期政権を支えた岩盤保守層は確実に石破内閣を嫌いますから、それよりも尖閣国有化を実行した野田内閣を渇望するという構図が出来上がります。立憲民主党にとってのベストの状況は、石破内閣によって自民党から岩盤保守層が離れ、そこが寝ているどころか立憲民主党へと投票してくれることですから、それにむけての国民民主党との提携=再合併への道のりも始まることとなるでしょう。

 そう考えるとマスコミ的に一番オイシイ絵が撮れるのは、自民党総裁選から政権交代へという大イベントが期待される石破茂新総理だと思われます。自民党支持者よりも野党支持者からの支持率が高いというのがポイントです。今どきはテレビの影響力も下がってしまいましたが、そうは言っても、このケースが一番、テレビの視聴率が長い期間にわたって上がることでしょう。

 まぁ、そうならないように小泉進次郎本命、高市早苗対抗、くらいで推移していくのでしょうがね。

24日(火)
 今回の総裁選挙は悲喜こもごもですが、興味深いことの1つは河野太郎大臣の驚くほどの沈没っぷりでしょうかね。ワクチンもマイナンバーカードも基本的にはあまり興味が無いこともあって、河野太郎大臣にここ数年それほど注目していなかったのですが、担当大臣としてかなり世間の批判を受け続けていたようです。特に評判が悪いのがブロックです。

 確かに一般論として、誹謗中傷などはブロックして見ないことが精神衛生上も最良であることは間違いないでしょう。しかしながら河野太郎という人物は政治家であり大臣です。そのような立場の人は、一般人のように他人の意見をブロックすると、いろいろと問題が発生してしまうわけです。なぜならば、精神的に良くないからブロックしたくなる「誹謗中傷」というのは、きわめて主観的な立場からの見方です。しかしながら、政治家・大臣が主観的に「誹謗中傷」だと感じたものが、果たして客観的に「誹謗中傷」に該当するかどうかというの、ケースバイケースでしょう。

 客観的な視点から見当が加えられて誹謗中傷だとなったならば、政治家だって大臣だってブロックすれば良いかと思います。しかしながら河野太郎大臣は、あくまでも主観的な立場からブロックしているのに過ぎません。これは、国民の声を拾っていかなければならない政治家・大臣として不適切だという誹りは受けるでしょう。ワクチンの後遺症に悩む声や、マイナンバーカードを不安に感じる声に対して、河野太郎大臣がブロックしてしまっていたというのは知りませんでした。もっと、〈バカ〉とか〈死ね〉とか〈無能〉とか、そういう誹謗中傷をブロックしているものだとばかり思っていたのですが、実態は全く違っていたようです。

 麻生元首相が河野太郎大臣に対してこれまでの総裁選でまだ早いとか言っていたのは有名ですが、国民の目にはよく見えないところで、こういう態度があったのだろうなぁっと今となっては想像できます。

 しかしこう見ていると、政治家さんのSNS発信というのは、個人だけでやり過ぎるのはかなり問題を抱えているでしょう。だからといって休火山のようなアカウントも困りものですから、積極的に情報発信する必要はあるのでしょうけど、そういう人材を雇う余裕はないのでしょうかね。

 河野太郎大臣がしているように精神的に良くない情報を遮るというのは、政治家さんであっても大切な心の防御方法です。しかしながら、たとえ不快であっても単なる批判や疑義をブロックすることは、一般人は良くても、公人の公式アカウントがしちゃダメでしょう。そういう意味で、チームでのSNSでの情報発信と、そこに本人も適切に参加していく形っていうのが、政治家さん達にとっては、これからは大切になっていくのではないでしょうかね。

 主観的には「誹謗中傷」と感じられるような批判や疑義も、第三者が表現を加工して要約・意見集約するだけで、まったく違った見え方をするようになることでしょう。1人の人間として精神衛生を守りながら、幅広い意見をくみ上げるシステムを、それぞれ構築していって貰いたいものです。たとえパソコン通信時代からの趣味だったとしても、公人が自分ですべて対応するのは、かなり考えものですよ。