2012年6月

4日(月)
 今年の長期予報では、西日本の夏は暑くなるという予報のようですが、取り敢えずは今のところは非常に涼しい日々が続いています。例年、福岡の5月末〜6月頭なんて言えば、半袖じゃないといられない陽気なのですが、今年に限っては半袖では寒すぎるくらいでして、基本的にはまだ長袖で過ごしています。今年で福岡に来てから7年目になりますが、こんなに涼しい4月、5月を送ったのは初めての体験です。

 太陽の黒点の調査から、太陽の活動が弱まる期間だなんていう説もありますけれども、そういう地球規模の変動はなかなか良く分からないのですが、取り敢えずは生活する立場から言えば涼しくて嬉しいですし、日本経済から言えば暑くないと困るだろうなぁっという想像は働きます。ただ今年の場合は、電力会社の発電量の問題もありますから、あまり暑くなり過ぎない方が、結果的には日本経済に好影響かも知れませんし、例年と同じ評価基準は使えないかもしれないですね。

 などと言う事をつらつらと考えつつも、6月に入ったということと、カミさんに尻を叩かれたこともありまして、さすがにエアコンの掃除をして夏を迎える準備をしました。明け方や日中でも部屋の中で十二分に涼しいのですが、夕方に西日が射しこむと少々暑くなりますので、まぁそろそろ良い頃合いでしょう。しかし、昨年までは4月の末にはエアコンを少しづつ動かしはじめていたような気がしまして、今年は家庭の電力使用量が少ないことも助かっています。

11日(月)
 過日、カミさんが1人で筥崎宮を横切っていたときに老夫婦にふと声をかけられ、あじさい苑を初めて訪れたのだが素晴らしかった、見事な大輪のあじさいが咲き乱れていたというお話とともに、二枚あるからこれを差し上げますよと、親切にもカミさんに入場チケットを2枚くださったのでした。何気に、大学の近場でありながら筥崎宮のあじさい苑に行ったことが無かった僕とカミさんは、せっかく老夫婦にチケットを貰ったということもあり、週末に初夏のお花見へと出かけたのでした。

 まずは、筥崎宮の横にある恵光院へと足を向けまして、樹齢200年の満開の菩提樹を堪能しました。菩提樹の花というのは、とても小さくて奥ゆかしい姿なのですが、その香りがとても強く、お釈迦さまもよくこの下で悟りが開けたものだと妙な関心をしてしまいました。菩提樹は見頃が非常に短い花のようでして、そこに立ち会えるのは幸運です。しかしこの菩提樹の花、どこかで見たことがあるなぁっと思っていたのですが、ようやくと思いだしました。中学・高校の通学時に、名古屋の徳川園の中を通っていたために、そこで毎年毎年見かけていたのでした。

 その後、メインであります筥崎宮のあじさい苑に向かいました。そこで老夫婦にいただいた2枚のチケットを見せると、これでは入れませんとのこと。。。頭にクエスチョンマークが湧いていると、受付の女性が、そのチケットはもう使われていますよと。。。どうやら老夫婦は、1回限りの使いきりのチケットを、フリーパス券だと思っていたんだということに気付き、僕とカミさんと受付の女性で、ひとしきり和んだのでした。

 しかし数年間、近場でありながら来る切っ掛けがなかったあじさい苑に来たのは、まさしくその老夫婦のおかげでして、普通に入場券を買って、ご夫妻が大推薦のあじさいを見に入ったのでした。そして確かに見事なあじさいの数々です。品種もかなり多種多様、ブーケを思わせるような大輪のものから可憐なものまで、また色とりどりで、憂鬱な曇り空を忘れさせる素敵な空間でした。どうやら、110品種3500株もあるようですが、当然素人の僕が110種類も見分けることが出来るわけもないので、老夫婦と同じように、見事なあじさいが咲き乱れているから是非とも見に行った方が良いよと勧めることしか出来ないのです。差し上げるチケットはなく入場料は1人300円ですが。

15日(金)
 大学院の頃の某先輩のご実家が農家で、ヤーコンを作っているという話は前に聞いていたのですが、何周回遅れかはよく分かりませんが、僕もついにヤーコンに手を出すことになりました。ヤーコンというのは南米産の不思議な根菜なのですが、その根菜としての姿を見たことはありません。噂によると甘くて果実のようだということらしいですが、生はまだです。僕が手を出しているのは、ヤーコン茶という形で、根菜部分ではなくて葉や茎の部分を飲用しています。

 ヤーコンが注目された理由は、南米でヤーコンを食していた人々が長寿だったというところにあるのですが、根菜部分も葉や茎の部分にも、驚くほどの体質改善成分がたっぷりなようでして、ヤーコン茶として煮だすと整腸作用、糖尿病予防効果、中性脂肪やコレステロールを下げる作用などもあるようです。厳しい暑さと厳しい寒さが苦手で、日本だと春と秋を好むようですが、要するに日本国中どこだってけっこう栽培できるものらしいので、この健康食材は今以上に普及していくことになるのでしょうか。

22日(金)
 前に沖縄に行った時にナーベラ定食っていうのを食べて、これがまた美味しかったのですが、わしたショップに行った際に沖縄から空輸されたナーベラ、つまりはヘチマがありまして、カミさんに味を再現して貰いました。しかし、ヘチマっていうのは成長した後のあの繊維質のものを、小学校時代に皆で栽培したなぁって言う想い出くらいしかないタワシなのですが、食用のヘチマには驚きです。多分同じヘチマなのではとは思うのですが、とっても実が小さいんですね。タワシや化粧水用のヘチマまでは育てずに、ちょっと大きめのキュウリかズッキーニといった大きさのところで収穫、ゴーヤよりも小さめで収穫して、それが食用になるようです。

 あの繊維質が登場する前のヘチマは、確かに沖縄で食べたナーベラの合わせ味噌煮込み炒め的なものでありまして、絶妙な味わいになっていました。ヘチマ、本当に美味しいので、もっと本土の方でも食べるようになれば良いのになぁっと思いますし、そうすると価格も下がって料理に日常的に使える水準になるのではと思うのです。まぁ、そこまでヘチマが食べたければ自分で栽培しろという声も聞こえてきそうですが、そういう家庭菜園的なものもいいですが、市場に流通する食材としてもっと親しまれてもいいと思うんですよね。ゴーヤよりも好き嫌いが無い味なのになぁ。

28日(木)
 ドラゴンクエストの音楽で有名なすぎやまこういちの作曲した〈恋のフーガ〉(1967)をはじめ、〈恋のバカンス〉(1963)、〈ふりむかないで〉(1962)などのザ・ピーナッツの伊藤エリが亡くなりました。〈恋のフーガ〉にしろ〈恋のバカンス〉にしろ〈ふりむかないで〉にしろ、加護ちゃんと辻ちゃんのW、小柳ゆき、高橋真梨子、渡辺美里、Winkなどのカヴァーなどでも有名でして、生れる前の曲なのにこんなにも口ずさめてしまう曲であることに驚きます。〈シャボン玉ホリデー〉は全く知らない世代ですが、〈モスラ〉や〈モスラ対ゴジラ〉はレンタルビデオで大学時代に堪能しました。

 先日は、〈また逢う日まで〉(1971)の尾崎紀世彦も亡くなっていますが、自分が生まれる前の名曲が頭の中でリフレインしているっていうのは不思議だなぁっと思うと共に、昭和を代表する人々が少しずつこの世を去っていくのは寂しい限りです。平均寿命が80歳を超えている中で、60代や70代頭という若さで亡くなってしまうのは、まだまだ活躍の場や役割があっただろうになぁっと惜しまれます。平均ですから、当然のごとく平均より若くして亡くなる方はいるのですが、そのような訃報を聞くと切なくなるばかりです。

 僕は今37歳、数え年で39歳でして、来年のお正月で数えの40歳、つまりは不惑を迎えることとなります。確かに30代半ばまでは色々と迷いも多かったのですが、不惑が近付くにつれて、今までの枠を超えて物事を感じ考えるようになってきているのかなぁっという気はしています。しかし孔子の時代であっても、天命を知る50歳、耳に従う60歳、そして心の欲するところに従っても枠を超えない70歳と続くのですから、現代社会においては80歳にしてようやくと楽隠居が出来るくらいではないでしょうか。などということを90歳になる祖父の姿を思いながら感じるのでした。