2025年3月

10日(月)
 子育て世帯への支援のために増税するという、少子化促進政策が行われることには常々あきれ果てているばかりでして、国が私立高校への進学費の多額の補助をするというのも、それはおかしいだろと思うばかりです。国が給食費の無料化をするのにも反対です。

 そもそも私立高校の立地において大きな地域差がある訳です。大阪府レベルの大都市ならば進学校的な私立から公立の滑り止めの私立まで、かなり幅広く揃っています。だからこそ、大阪維新が大阪府で私立高校への進学費の補助をする政策は、まぁ理にかなっていました(公立高校を衰退させるという問題はあるにしろ)。ところがこれを全国レベルで行うと、多様な私立高校のラインナップがそろっている地域と、公立の滑り止め的な私立高校しかない地域で、著しい不平等が発生してしまいます。しかもそれを、増税でやろうというのだから明らかにおかしい。

 同じようなことは給食費でも言えまして、市町村レベルでの給食費の無料化というのは、各自治体の選択として有り得る政策でしょうし、個人的には賛成です。しかしながらこれを全国レベルで行うと、東京とかでかかる給食費と、農業地帯などでかかる給食費は異なる訳でして、都市部の子どもたちは多額の補助が行われるのに、地方の子どもたちへの補助は最小限という、著しい不平等を発生させてしまいます。例えば千代田区の小学校6年生の給食費は1日400円(都の負担で保護者負担は0円)ですが、久留米市では1日260円です。

 このように維新が掲げる政策を全国レベルで行うと、都市の住民へと恩恵があついようにばら撒く政策になりますから、地方振興とは真逆に作用します。大阪維新という政党は橋下徹らがはじめた都市型政党ですから、大都市の住民にはそれでいいのかも知れませんが、全国津々浦々の地方社会を見ていると、維新的な政策を全国画一でやっていくとさらに日本全体では疲弊するだろうなぁっと思うのです。

 給食費補助も、無償化ではなく子ども1人あたり1日250円とか300円とかの定額の補助としておく。こうすると各地の子どもが同じだけの給食費の補助を受けられたという平等性は担保されますが、今度は、地方では給食費無料化が出来るけれども、都市部では給食費の一部を払わなければならなくなるという問題を発生させます。こういう平等性を都市部の有権者が耐え得るのかという新しい問題が出るわけでして、維新の政策はこういう難しさを抱えています。

 私立高校の学費は無償化ではなく定額なのでまだマシですが、それでも地域的な偏在という問題が無視されていましたし、全国を俯瞰できる政策がないと、政策を実現したおかげで多くの国民の怨嗟を買うという、なかなか器用なことになることでしょう。自公や左派系政党でも同じですが、バラマキ政策はバラマキの対象でない有権者たちから非常に大きな反感を買いますし、バラマキ額の多寡でも恨みを買いますから、けっこう諸刃の剣なんですよね。

 そんなことよりも、婚姻数が増えることや、平均結婚年齢が下がるような政策を考えることが重要でしょうね。

21日(金)
 先週末は恩師の谷本雅之先生の最終講義へ出ていたのですが、懐かしい顔ぶれもたくさんあり、昔とほとんど変わっていない人もいれば、昔と驚くほどに変わってしまった人もおり、年月の経過を感じさせられました。まぁ、学会とかでも顔を見ているので小さな変化は分かりませんが、谷本先生は僕が学生だった頃とあまり変化がない風貌でして、見た目だけだと時間の流れはあまり感じさせられません。

 逆に、谷本先生が東大へと着任したころは大学院生の頃と比べてかなり変わったと言われていましたから、人間の外面の年の取り方っていうのは、ある時に一気に老け込むものの、そこからしばらくは大きな変化がなく、またある時を境にしてまた一気に老け込むという変化をしていくのでしょう。

 最終講義の話は、昔聞いていた懐かしい話から、最近の話までのダイジェスト版でしたが、最近の話をあらためて聞いていますと、僕が大学院生の頃などにゼミで谷本先生がいろいろと試行錯誤していたようなテーマなどが、トレースするような形でいくつもの研究へと繋がっていまして、研究上の疑問を長いスパンで追い求めて解決されてきたのだなぁっということを感動しながら聞いていました。

 僕なんかは結構パッパッパと興味関心もテーマも移り変わっていってしまうタイプの研究者なので、1つのことを喰らいついたら長くずっと追い求めるという谷本先生の研究姿勢には教えられるものが沢山あります。そのために、時々思い出したように、昔疑問に思っていて放置していたテーマをおもむろにやってみたりするのですが、ずっと考え続けて追い続ける谷本先生とは迫力が違ってしまうなぁっと反省することも多いですね。

 まぁ何はともあれ、恩師が元気だというのは嬉しいものです。

28日(金)
 ふらっと沖縄へ行っておりましたが、沖縄へ行くとだいたい昼飯は沖縄そばを毎日食べることになります。〈三丁目そば〉、〈丸安そば〉、〈我部祖河そば〉などなど恒例の店を回っていくと、あまり新規開拓をしないで終わってしまいまして、今回も新規開拓をしないままに、どころか行きたいところも食べ終わらないままに本土に戻って来てしまいました。昔だったら沖縄そばくらいならば昼に2軒はしごとかも出来たのですが、昨今は肝臓と相談するまでもなく、胃の許容量的にランチに2杯の沖縄そばば苦しくなってしまいました。つらい。

 ただ今回の収穫の1つは、那覇空港にある〈ケンミン食堂〉の味がグレードアップしていたような気がすることです。具体的には説明しきれませんが、何か手を加えたのか美味しさが増していまして、他と遜色のない名店になっていっています。逆に場所柄もあって沖縄の地元の人は、知らない人も多いんじゃないかな。

 今回は寄っている時間が無かったのですが、育陶園さんがやっている〈nan*ne〉もお薦めです。〈丸安そば〉もそうなのですが、〈照喜名製麺所〉の麺を使っていまして、我が家的にはこの照喜名さんの麺が好きなこともあってついつい行ってしまうのです。自宅でカミさんがつくる沖縄そばもあご出汁にアーサたっぷりで美味しいですが、本場は本場で美味しいのです。

 ちなみに昔は、飛行機に乗る最終日にスーパーマーケットに駆け込み、照喜名そばを買い込んで持ち帰るなんていうこともしていましたが、最近は自宅から注文すると空輸して貰えますもんね。便利になったものです。

 そのために最近は、沖縄そばの生麺を保安検査場を通過させて警備員さんたちの表情を楽しむという事も無くなってしまったのですが、それ以外にも保安検査場では麩だとか、島ニンニクだとか、結構いろんなものを通過させていますので、チェックしている人たちは笑わないように大変だろうなぁっと思うわけです。ちなみに今回は、チラガー1枚をデーンと通過させてきました。

 チラガーはまだ学生の頃から上野の〈わしたショップ〉とかで買っていたのですが、長らくそのままスライスして食べることしか知りませんでした。まぁ、それで十二分に美味しいですしね。ところがある時、屋台村だったかな、そこで晩酌をしたときにチラガーを炙ったものが出てきて、これがえっらい美味しかったんですよね。考えてみれば豚なんだから、火を通しても美味しくて当然なわけでして、しかもこれで大量の脂を落とすことができます。その結果、コラーゲン質ばっかりになるという優れモノなのです。

 逆に炙って脂を落としていないチラガーは、この年になるとなかなかの危険なハイカロリー食材になってしまいますから、チラガーの炙りに出会えて本当にラッキーだったなぁと思いながら、我が家の冷蔵庫にチラガーを深く眠らせることができたのでした。