2012年4月

5日(木)
 新年度は満開直前の桜の花で迎えたと思っていたら、先日の暴風によってかなりの花びらが散ってしまうという惨状になっています。台風並みという話でしたが、雨があまり降らずに本当に暴風ばかりの春の嵐でして、あれほどのものは初めての体験だったかもしれません。しかし驚くべきことは、満開直前だったこともありまして、桜の花びらがかなりの程度散ってしまったとはいえども、まだまだ根性を据えて残っているのも多いんですよね。枝がしなる暴風の中で、それで散らない花びらというのに少々感動を覚えています。

 しかもこれがまた不思議なものでして、暴風が去ったのちに、暖かさの中で少しづつ花びらが散りはじめているのがあることです。風速20mだという暴風が何時間も続いた中では散らなかったのに、その1日2日後には、自然とハラハラと舞い散っていくわけです。これは見事です。我々はこの舞い散る桜の花びらを当然だと思っていたのですが、暴風では散らないのに暖かさで自然と散るという、まぁなんて言うんですかね。桜を見る目も少々変わってしまいました。

 ミカンの季節はそろそろ終わりを迎えまして、今は甘夏やハッサクを堪能しています。ハッサクはだいたい良いのですが、甘夏はほろ苦さの関係でアタリハズレの大きい果物でして、1つ食べるごとにアタったハズレたと叫んでいます。なんとかアタリの甘夏を確実にひく方法はないのかと思案しているのですが、これが全く分からない。アタリを引いた時の満足感が大きいだけに、敬遠するという選択肢もなかなかとりづらく、ギャンブルに邁進してしまうのです。。。

16日(月)
 話は少々さかのぼりますが、昨年の新年には僕とカミさんの実家を、新年のあいさつ回りということで転々としていたところ、移動の最中にカミさんがインフルエンザを拾ってしまった関係から、帰省は時期をづらしてもいいじゃないかということになり、今年の新年は帰省を避けて福岡でじっとしていたのでした。そんな話を昨年末あたりに色々としていたら、ご近所さんから、それじゃうちのお正月にいらっしゃいという事で御呼ばれしてしまいまして、少々お邪魔したのでした。博多雑煮に、栗の箸にと、初体験に感激でした。

 そんな最中、いつもご迷惑をおかけしてばかりでは恐縮だということで、今年のお花見の場所取り係を僕とカミさんで受け持つことになりまして、ご近所の飲み屋さんに集う20人ほどのお花見の場所取り役をやることになったのです。福岡に来てからどころか、東京にいる頃の最後の方も、さすがに場所取り役からは遠ざかっていまして、久々にビニールテープを張ったり、ブルーシートをひいたりとなかなか楽しめました。そのお花見は、それぞれ何か持ち寄って、皆でワイワイガヤガヤやろうとなりまして、この何を持ち寄るかがわが家では大テーマになったのです。

 カミさんの味付けは雪国ということもあって塩味が強いので、ちょっとそれでは福岡の人達の味覚と違うなぁって言うことで、それならば、福岡の味付けに近い僕の実家の方の味付けでっていう話になりました。うちの母の得意料理に豚角煮がありまして、普段はこれもカミさんがつくると違う味になるのですが、実家の母の味を再現すれば福岡の人達にも喜ばれるだろうっていうことで、3日くらいかかって準備したのでした。僕も手伝いで活躍する場面があるのですが、豚の角煮は煮込んだのが冷えた後に脂をとって、また煮込んで、冷やして、脂をとってと、これをけっこう繰り返す料理でして、僕の役割はこの白く固まった脂取りなのです。自分の腹も煮込むとこんなになるのかなぁっと思いながら豚脂を取り除く作業はなかなか至福なのでお勧めです。

23日(月)
 昨日は雨上がりの陽気に誘われまして、カミさんと一緒にふらっと柳川へと遊びに行って参りました。実は柳川は初体験だったのですが、行ってみたら、水郷と言われる所以がまさに迫ってきまして、いたるところの水路、水路、水路という光景に圧倒されたのでした。日本の道百選に選ばれている小道に始まり、水辺の散歩道がどこもきれいに整備されていまして、見事としか言いようがない快適さだったのです。四月末の陽気はまさにお散歩日和でして、カミさんに貰った万歩計の歩数を稼ぐべくっていう目的も忘れ、ただただ長閑な水郷を堪能したのでした。

 本当は、藤の大棚があるっていうことでそれを見に行こうと話していたのですが、地理に不案内なために立花家の〈御花〉の方へと行ってしまったのでした。御花の前の藤は見事だったのですが、大棚の方はまだ咲き始めっていうことで、まぁ結果オーライというところでしょうか。大棚に行きたいならば、西鉄柳川ではなく、九州新幹線の新しく出来た筑後船小屋駅から行かなきゃいけなかったみたいで、これはまた来年以降への課題でしょうかねぇ。

 御花では柳川物産がたくさん売っていたのですが、空豆のアイスクリームが絶品でした。枝豆のずんだとかよりも軽くて上品な感じで、さらには、乳脂肪分が少ないためにシャーベットに近い感じでして、是非とも味わって貰いたい一品です。あと、イチゴのあまおう味とお米味っていうのもあったのですが、そちらは未体験なので、また次に行った時にでも挑戦したいところです。

27日(金)
 春もそろそろ終わりかけていますが、わが家の食卓はまだまだ春爛漫です。なぜならば、2月や3月頃に、八百屋さんにフキノトウが出ていたのを見つけまして、カミさんにねだってフキ味噌を作って貰ったからなのです。九州でどこがフキノトウの産地なのかはよく分かりませんが、取り敢えずは大分産のフキノトウと、福岡糸島産のフキノトウを使って、2度もフキ味噌を作り溜めたのでした。

 このフキ味噌が、御飯にだけじゃなく御豆腐に良く合うんですよね。あまり知られていませんが、福岡県はフクユタカという品種の大豆の産地でして、暖かい地方でも作ることができる優良な大豆です。この、フクユタカを使ったお豆腐が福岡にはあふれていまして、国産大豆のお豆腐なんて贅沢だなぁっと思いながら、豆腐好きとしては色々な福岡のお豆腐を食べ比べたりしているのです。そして、お豆腐にフキ味噌を付けて食べるのが格別です。同じ大豆製品なこともあって豆腐と味噌の相性は抜群ですが、そこにフキノトウの春らしいほろ苦さが加わりますと、GWも近いですがまだまだ春爛漫といったところです。