2020年1月 |
6日(月)
あけましておめでとうございます。本年も一年、どうかよろしくお願いいたします。
新年大学に来るや早々、新しい助成金の決定についての連絡が入っておりまして、嬉しい限りの年明けです。まるで、お年玉を貰ってしまったかのような気分です。申請額から比べるとかなり厳しい査定を貰っていますので、もう一度、研究経費の配分とかを考え直さなければなりませんが、助成を受けられるか否かの差の方がはるかに大きいので、予算の組みなおしも楽しい限りです。
ところで、この年末年始は9連休という長大な連休になってしまっていまして、カレンダー通りに休んで大掃除から奮闘した結果、なかなか新年になって思う通りには体が動きません。いや、1ヶ月近くのバカンスをする人達っていうのは、よくバカンス後に体が動くものだと感心してしまうくらい、9連休っていうのは、体の動きが悪くなります。今年はカミさんに頼んで、御節料理はマリネな生活になっていますので、そんなに正月太りもしていないにも関わらず、休んだ体を動かすのが億劫です。
そんなマリネ御節料理ですが、年末に出かけた大丸で佐賀牛やらアグー豚やらを見かけたので、それを買い込んできてのバルサミコやら何やらでのマリネもあったのですが、佐賀牛もアグー豚も美味しい。カミさんの腕がいいのか、素材が凄いのか、肉のマリネっていう発想はなかったので、これは旨い。もちろん野菜のマリネも美味しく、特にカラーピーマンのマリネは、カラーピーマンの一番おいしい食べ方っていうのはこれだったのか、っていうくらいには美味。カラーピーマンは彩も綺麗だから、御節料理としても華やいだ感じで良いですね。
そんな御節料理をつつきつつ、神社の屋台で買い食いなどもしていましたが、今年はカレンダーの並びが良かったために元旦から5日まで連日連夜の人出でして、活気のあるお正月でしたねぇ。多分今日も、仕事始めのお参りの人たちで賑わっているんだろうなぁっと思いつつ、仕事のために神社の屋台を冷かせないのが心残りなのでした。
何はともあれ、本年も一年、よろしくお願いいたします。
15日(水)
カルロス・ゴーンのレバノンへの逃避行を見ていて、脱出エピソードもなかなかの驚愕の事態ですが、それよりも彼の会見内容っていうのが個人的には興味を惹かれます。彼は、日産の立て直しであるとかを強調し、日本経済への貢献を強調するわけです。それと会社の金の私的流用は全く別の話だと日本人的には思うのですが、カルロス・ゴーンの中では別の話ではないみたいなのです。
何か一つで貢献をしているから、別の点での行為が正当化される、そのような認識にあったという事が分かって、彼の記者会見はとっても印象に残りました。彼の場合にはまだ私的流用が犯罪だとは決まっていませんが、国外逃亡は確実に犯罪でして、犯罪を犯す人のメンタリティっていうのはこういうものかと、勉強になった次第です。
何かを満たしていても、それはそれ、これはこれ、っていうのは基本的な物の考え方のように思っていたのですが、実際には何かを満たしたら他でも無理が通ると思っている輩というのが一定数いるんだなぁっと、それに驚くばかりです。日本はレバノンから奪還して、カルロス・ゴーンをちゃんと裁判にかけることができるのでしょうかね。
16日(木)
毎年、お正月やお祭りの前には、準備が着々と進んでいく屋台の設置風景などを見ているのが好きなのですが、昨年大晦日の日も暮れた後に神社の屋台の並びを見ていると、なんとスーパーボールすくいの屋台があるじゃないですか。夏祭りや秋祭りの屋台で水に流れるスーパーボールは定番だとはいえ、お正月の屋台でスーパーボールをとったら、さすがに暖かい福岡だとは言っても風邪をひくだろ、と思っていたのです。
そんなこんなで新年が明けて屋台を散策していたところ、ちょこちょこと道行く子ども達がスーパーボールをすくっているんですよね。それを覗き込んでいると、屋台のおばちゃん曰く、なんと温水。これは、未来が来ているわ。あまりの事態に、目を見開いてカミさんと顔を見合わせてしまう。屋台のスーパーボールが温水の中を流れているなんて、僕が子どもの頃には想像だにしなかった驚愕の事態です。
屋台のおばちゃんがさらに解説するには、本当はもう少し寒いと、温水から湯気が立って、あそこは温かいんだと集客するというメカニズムになっているのだとか。暖かい福岡で、しかも今年の年始は特に暖かかったですから、湯気が出ることもなく、パっと見には寒々しい光景になってしまうという事でしたが、それでも温水のスーパーボールすくいは感動したのでした。
20日(月)
明智光秀の生涯を描いた大河ドラマ〈麒麟がくる〉が、〈軍師官兵衛〉や〈真田丸〉以来の好調な滑り出しをしたということでして、沢尻ショックをものともせず嬉しい限りです。明智光秀の出生地については6つだか、7つだかの説があるらしいですが、今のところ一番有力な可児市説だと、僕の故郷の多治見からほど近いところでして、そうであって欲しいと思うばかりです。
今回は長谷川博己もいいですが、高橋克典、本木雅弘、伊藤英明、佐々木蔵之介、向井理、谷原章介、滝藤賢一、片岡愛之助、吉田鋼太郎といった脂ののったところが次々と登場するという豪華さでして、やっぱり戦国大河は華があります。モックンは、前に徳川慶喜なんていう端役で大河ドラマに出ていましたが、今回は重厚な斎藤道三っていうのがいいですねぇ。いやぁ、ほんといい役者だわ。
伊藤英明は岐阜出身ですから、まだ親殺しに至っていない素朴な兄ちゃんから、蝮を殺すまでの変化をどう演じていくのか、海猿みたいな単調な役柄ではないだけに、難しい役どころです。京都の酒蔵のボンボンの佐々木蔵之介に、真逆の木下藤吉郎をやらせるというのも挑戦していますし、嬉しいなぁ。今一番の興味は、明智光安を演じる西村雅彦が、甥の明智光秀に〈黙れこわっぱ!〉と叫ばないかといったところでしょうか。
しかし、斎藤道三と織田信秀との戦いとか、いやぁ、戦国大河ドラマらしくって血沸き肉が踊ります。カミさん曰く、大河ドラマは火薬の量だっていうことですが、昨今珍しい程に火薬を投入し、吉田鋼太郎演じる松永弾正が古天明平蜘蛛を抱いて爆死するシーンも期待が持てますし、いやぁ、もう今年は凄いな。
22日(水)
僕の出身は岐阜県の多治見市ですが、曽祖父が多治見に来る前は愛知県の清洲の方にいました。さらに昔にさかのぼると、父方は岐阜県でも西濃の方にルーツがありますので、けっこう狭い範囲で行き来していたりします。そういう意味では、福岡にいる僕なんかは、かなり遠くに来ているように見えますが、祖父は満州で商売をしていたところ末期に関東軍にとられてシベリア抑留もされていますので、福岡くらいはまだまだ近いうちでしょうか。
話を戻しますが、そんなこんなで、当時の御先祖さんの出身地からは少々距離がありますが、ここ3代くらいは可児市の隣出身の宮地的には、石川さゆりが明智光秀の母親役をしているところも気になるところです。明智光秀の母親という事は、はりつけになって火あぶりになるエピソードが有名でして、天城越えの声が途切れる感じで、最期の名シーンを見せてくれるのではないかと期待感が膨らみます。昨今の研究成果によると、どうやらそんな話は否定されているらしく、あの声が出るようで出ない最期がカットされるとしたら、恨んでも恨んでも、山が燃えますよ。ほんと。
しかし織田軍、高橋克典が織田信長かと思っていたのですが、どうやら染谷将太なんですね。〈寄生獣〉。うちのカミさんが髪の毛を伸ばしていた頃、ちょうどテレビで〈寄生獣〉を放送した翌日かな。通りすがりの小学生に、何も気付いていないから僕を殺さないでとお願いされたらしいですが、深津絵里も驚きです。それはさておき、染谷将太が織田信長というのはなかなか意外ですね。長谷川博己よりも結構若いですし、どんな信長像をつくってくれるのか未知数です。明智光秀を追い込んでいくはずですから、ぞくぞくする演技をして欲しいものです。
29日(水)
20代の頃に読んだ何かに、年をとるとバーボンが飲めなくなるっていうフレーズがあり、ちょっと印象的に記憶の片隅に残っていました。それが、この前の消費税増税の前に買い集めた酒の中にバーボンもあり、久しぶりにバーボンを飲んでみたんですね。薄い水割りですよ。そしたら・・・ついに僕も、バーボンがあまり美味しく感じない体質へと変わっていたのでした。
ワイルドターキーとかアーリータイムズとか、あんなに好きだったのになぁっと思いつつも、20代の頃に仕入れた知識のままに体質が変わっていて驚きです。そのかわりって言っては何ですが、20代の頃にはそこまで美味しく感じられなかったブランデーが、とっても美味しく感じてしまいます。至福です。そんなこんなをカミさんに話していたところ、膵臓がんで亡くなった御爺さんが全く同じことを言っていたとかで、膵臓癌にならないように注意されたのでした。いや、どうしろと。
ところで、モックンの斎藤道三はどうやら、明智光秀に対して渡した旅費経費と比べて、1丁の鉄砲では満足いかなかったようです。多分、相場とかをよくよく知っていて、3丁か5丁か知りませんが、もっと鉄砲を多く入手できる費用を渡していたんでしょう。そう考えると前回の松永弾正は、明智光秀に感謝だけさせて割高に鉄砲を渡していたんですね。さすが梟雄。
なんかこれ、光栄の〈太閤立志伝〉というゲームがありますが、あれの鉄砲購入に似ている感じがします。木下藤吉郎ならば、もっと大量の鉄砲を仕入れてきたんでしょうけれど、若き日の明智光秀の商才の無さっていうのを描いていたように思います。論語や孫子はそらんじる知識がありながら、鉄砲の相場も知らない、そんな10代らしさを表現しているんでしょう。
ここでカミさんと意見が分かれるのですが、侍大将の首を2つというのは、鉄砲2丁分なのか、鉄砲4丁分なのかという点です。僕は単純に鉄砲2丁分で、合計3丁が期待されていたとみるのですが、カミさんはそれでは侍大将の首を安く見積もり過ぎだから、鉄砲4丁分で、合計5丁が期待されていたとみているようです。どちらなのでしょうかねぇ。
それにしてもモックンの斎藤道三いいなぁ。格好良すぎるほどに格好いい美濃の蝮です。伊藤英明に追いつめられる運命なのが惜しまれる。
31日(金)
新型コロナウイルスによる肺炎ですが、思った以上に拡大していまして怖い限りです。高齢者や、高血圧・糖尿病などの持病がある人たちは、特に死に至るリスクが高いようでして、うちの親なんかも感染したら一発でアウトだなぁ。。。などと思いながらニュースに接しています。
しかもSARSよりも質が悪いことには、発症して患者となる前であっても、ウイルスのキャリアの人たちは飛沫感染をさせてしまうらしく、これは制御しづらい。しかも若い世代などでは、症状がほとんど出ない人までいるとか。無自覚に他人から感染させられ、無自覚に誰かを感染させてしまう、こういうウイルスのようでして、武漢からだんだんとパンデミックしていった理由が分かります。
21世紀になって、人の移動がこれまで以上に広域に頻繁になっていますから、新しい病原菌のパンデミックというのは本当に恐怖ですよね。衛生環境が昔と比べて良くなっているとはいえ、衛生だけでどこまで防御できるかは不明ですし、黒死病にしろ、コレラにしろ、スペイン風邪にしろ、過去のパンデミックを知れば知るほど、現代ならばどんな対応が採れるのだろうかと考えさせられます。
まぁ、しないよりはマシですから、前に買いためてあったマスクをして出かけています。普通のマスクの防御効果なんてたかが知れているしなぁっと思いつつ、それでも罹患確率を下げるために付けてしまうのでした。