2011年5月

6日(金)
 お知らせの方を更新させておきましたが、6月4日に経営史の西日本部会で猪苗代水力電気の設立近辺のことに関して報告いたします。福岡県にいながら福島県のことを報告するというなかなかなんですが、猪苗代水力電気の碍子研究をしていたついでに、会社創立時のトピックも色々と面白かったので、一つまとめてしまったのであります。元々は碍子の話をするための周縁部の小さな話だったはずなんですが、結果的には会社自体の話もけっこう深めてしまうことになってしまいました。両者別々の論文となりましたので、そのうちまた詳細をご連絡できることでしょう。

 ところで、『企業家研究』の方の掲載許可をもらったペーパーを掲載してもらうために、色々とスケジュールが逼迫している状況でして、他にも色々と〆切が過ぎていたり迫っていたりして大変な原稿を脇へ置いておいて、まずは『企業家研究』の方の最終手直しに全力を注いでいる状況です。こういう仕事をしていますと、最初に予定を立てた執筆順序を超えて、色々無理をせざるを得ない順番っていうのが発生してくるものでして、色々な人の顔を思い浮かべながら申し訳ないなぁっとは思うものの、取り敢えずは学術雑誌関係の〆切は最優先の範疇なのでした。

 ちなみに『企業家研究』のペーパーは、なんと10年以上前の修士論文で取り扱っていながらも、色々と放置したままに博士論文にも入れず、書籍にも入れず、というような状況だったのを、大森一宏先生や山田雄久先生と一緒に行ったプロジェクトを機に引っ張り出してきて、新資料を加えたり色んなアドバイスを受けたりしながら、何とか一つの形へと辿りつけることができました。そういう意味では、宿題をようやくと終えることができたような気がしまして、これで修士論文はすべて使い終わることができたのでした。

9日(月)
 GW明けの福岡の気温はグングンと鰻登りになりまして、なんと5月上旬なのにもかかわらず30℃を超えるという事態になっております。箱崎の商店街でも、カキ氷が売られ始めておりまして、街の風景が5月上旬とは思えません。九大内にはまだツツジが咲いているのに気温がこの状況でして驚きです。ただし、研究室では半袖になって扇風機をそよ風に設定してという感じでした。僕の研究室がある建物は、古い建物で石造りなために、外気温が30℃であっても室内は比較的涼しく済んでしまい、意外とエコに過ごすことができます。建物の別の部屋では、外気温が30℃あってもまだ肌寒いとか。しかし、さすがに夜も暑い真夏になってきますと、建物全体が24時間温め続けられてしまうので、エアコンを使わないと苦しいのですが。。。

 そんな福岡に電力供給する九州電力では、プルサーマルに参加している玄海原子力発電所を始めとして、原子力発電への依存度がそれなりにありまして、今年の夏がどのような状況になるのかは不明です。関東で起きた計画停電のような事態になるのならば、それへとどうやって対応するのかも考えなければなりませんし、なかなか厄介です。原子力発電っていうのは、コストの先送りをしていただけということが福島の件で分かりまして、将来的には廃止へと向かって行くんであろうと漠然と思っております。

16日(月)
 大震災直後から、政府や東京電力は福島第一原子力発電所について正しい情報を国民に伝えていないと指摘されていましたが、ようやくと少しづつ情報が公開され始めるようになってきました。3月11日の午後7時50分には燃料棒が融けはじめ、翌3月12日の午前6時50分には早くもメルトダウンしていたとの事です。驚くべきは、菅首相がパフォーマンスのために福島第一原子力発電所後に降り立ったのが3月12日の午前7時11分でして、首相自らメルトダウンの真横を何も知らず歩いていたという事態です。いったい日本の危機管理はどうなってしまっているんでしょ。

 今回の発表で、菅首相が東京電力に怒鳴り込んで行ったり、挙動不審な状況になったりという、3月中旬から末にかけての状況がよく理解できたところです。まだベントもされていない状況だったので、福島第一原子力発電所の敷地内でもそれほど放射能濃度は高くなかったとは推測しますが、それでも、一国の首相が何も知らされないままメルトダウン中の原子力発電所に突入していったというのは、前代未聞というか奇々怪々というか、あまりにもあんまりな状況で驚愕するばかりです。たぶん他にも色々な情報を隠していて、今後も色々と小出しにされるのでしょう。

23日(月)
 福岡市の室見にあります愛宕神社は、どうやら三大愛宕神社と呼ばれているらしいです。おおもとの京都の愛宕神社や東京の愛宕神社と比べまして、かなり手前味噌なキャッチフレーズだという気もしますが、カミさんに誘われてつらつらとお散歩してきました。小高い山の上にありまして、ひーこら言いながら神社まで登ったのでした。さすがに絶景でして、博多湾を見下ろせるなぁっと眺めていたら眼下にはマリノアシティなども広がっていまして、けっこう壮観でした。

 色々な祈願を書き込んだ蝋燭があってそれに火を灯すっていうのがあって、取り敢えずは一本家内安全は選ばなきゃっていうことで選んで、もうひとつ研究もと欲張ったのですが、こういう時って仕事柄、商売繁盛にすべきなのか学業成就にすべきなのか、それとも他の何か適切なのがあるのかといつも悩むのです。

 その愛宕神社へお参りを終わり下って行く途中に、伏見稲荷もあったのでそちらにお参りしようとしたところ、持っていたミネラルウォーターのペットボトルがボトッと落ちてしまいました。カミさんがお稲荷さんが水を欲しがっているっていうので、その水をお供えしたところ、飲みかけをお供えするんじゃないとカミさんに回収されてしまいました。そして、近くに自動販売機があったのでそこでカミさんがミネラルウォーターを買おうとボタンを押したところ、なんとウーロン茶のペットボトルが出てきたのです。確かにエビアンのボタンを押したよなぁっと二人でいぶかしみながら、お稲荷さんは水じゃなくウーロン茶が飲みたかったんだねぇ、などと話しながらそれをお供えして神社を後にしたのでした。