2021年9月

3日(金)
 2回目のワクチンの副反応は頭痛が3日間。カロナールとロキソプロフェンと2つを準備して、1日の許容量を調節しながら痛み止めを飲み続けたのに、それでも痛いという始末。鎮痛剤が効いていないのか、効いたからその程度で済んだのか、シュレディンガーの猫です。2回目は大学病院側も悪化を想定していたようで、接種会場でカロナールを1回分配っている状況でしたが、本当に自宅に着く前に頭痛が始まりまして、自宅には鎮痛剤があっても接種会場に持ってきていなければ、それに頼るしかなかったことでしょう。

 頭痛以外だと、熱は37.1℃で収まったのでホッとしましたが、腕の痛みと腫れは1回目よりも酷かったですね。こちらは3日では収まらず、5日間くらいかけて終息しました。あとは下痢くらいかな。1回目に出た指先の痛みなどは今回は出ませんでしたね。新しいところでは熱や痛みが治まった後、副反応は終わったと思っていたのですが、二日酔いをしやすくなっている。酔うほど飲んでいなくても、次の日の朝に頭痛があり、体調が万全には戻っていないことが実感できるのでした。しかしこれ、3回目も接種だと大変ですね。

 ところで菅政権ですが、オリンピック・パラリンピック開催を決めた時点で、コロナ対策をわきへ置いての首相の思い出作りのオリパラ開催に批判が集まり、政権維持が難しくなるだろうというところまでは分かり切った話でした。バッハ会長らの国民の怒りを煽る行動も想定通りです。ですが、その先の見通しはなかなか難しいですよね。中選挙区制から小選挙区制へと変わっているため、予想がどうも難しい。自公で過半数さえ取れればいいと菅首相のまま自爆総選挙へ行ってしまうのか、中選挙区時代のように自民党内で疑似政権交代が起こるのか、ここがよく分かりません。

 ただ、自公で過半数取れればいいという自爆総選挙の場合、自民党の想定以上に議席を減らして過半数を割るんじゃないかというのが見立てだったのですが、ここで思ってもいなかった動きをしているのが小池百合子都知事です。長年可愛がっていた愛犬が6月に死んでしまっているということで、そこに疲労が重なって、彼女らしい動きが無くなってしまいました。愛犬が死んでしまった後って、しばらくは喪失感が強いですよね。

 そんなこんなで菅政権が自爆総選挙をしても過半数をとる可能性は上がったものの、国民に嫌悪されている菅首相をバッシングした方がテレビの視聴率も上がるでしょうから、これから煽りに煽っていくでしょうし、まだどちらに転ぶかは分かりませんね。でもまぁ常識的に考えれば、自民党内での疑似政権交代をする可能性が一番高いような気がしますが・・・小池百合子ブームの可能性も無くなったことですし、それなら確実に自公政権は続きますからね。でも常識的な推移をするかどうかは不明ですね。オリパラ強行開催して自粛する奴は馬鹿という空気を作ったくらいなんだし。。。

 ところで話はワクチンの話に戻しますが、副反応は酷いですが、それでも接種した方がいいのが現状です。接種をすれば重症化のリスクが下がりますし、変異にもある程度は対応できます。しかしワクチン接種が増えていくと、経済活動も再開するでしょうし、そうなると未接種者の感染リスクが高まっていくことになります。そして重症の感染者が増えていけば、医療崩壊によって他の傷病でも死者や重症者が増えていきます。これをどう考えていくのかが、今後の課題となっていくことでしょう。

 個人的には、ワクチン接種は義務化してしまった方がいいと思っています。まったく違う分野の話ですが、独占禁止法っていう法律があります。これは、独占をする自由を規制する法律です。戦前においては独占は自由な経済活動として認められていたものですが、戦後には独占は他者の自由を侵害するとして禁止されることになりました。ワクチン接種は、ワクチンを接種するか否かが自由という論理ではなく、ワクチンを接種しなければ他人の健康も害するという視点から議論されるべきではないのでしょうかね。

 と、アップロードするや否や、菅首相の辞任ニュースが出ていました。常識的な、自民党内での疑似政権交代となったようです。

14日(火)
 今年の夏の我が家のヒットメニューは、キノコたっぷりの冷や汁でした。宮崎の冷や汁をベースにしつつ、カミさんのかなり我流な冷や汁です。まず最初に様々なキノコを鍋にぶっ込んで煮立たせてキノコ汁を作り、冷めてから味噌をときます。それに、焼き魚のほぐしたのでも良いですし、魚類の缶詰でも良いですし、魚類をぶっ込みます。そしてタッパに移して、冷蔵庫でしばらく冷やします。

 それとは別に、大葉、カイワレ、ミョウガ、ネギなどを微塵切りにしたり、キュウリのスライスを塩もみしたりしながら準備しておきます。そして冷蔵庫でよく冷えたキノコ汁+味噌+魚類と、切り刻み続けた薬味類をドッキングさせ、ゴマをすりながら振りかけて、我が家流の冷や汁の出来上がりなのでした。一度に多めに作っておき、冷蔵庫で冷やし続けておけば、料理の手間も省けるとか。キノコのバリエーションでも面白いですが、個人的にはトロトロっと喉に入っていくナメコあたりがお勧めだったりします。

 ところで、ワクチンを多くの国民にうった国々でも、新型コロナの感染が収まらないというニュースが流れています。症状が軽くなるという効果はありますが、デルタ株へと変異してしまったこともあって感染を抑えるのは限定的なようでして、なかなか難しいものです。重症化のリスクが下がったからと経済方面へとハンドルを切るのか、それでも重症化のリスクはあるからと自粛を続けるのか、判断が迫られている状況です。

 しかし例え経済方面へとハンドルを切ったとしても、いきなり新型コロナ以前へと戻ることは難しそうです。飲食店なども個室があるか否かが店選びの基準になりますし、大規模な宴会などは批判にさらされるでしょう。宴会で新型コロナを拾って家族にうつすとか、離婚案件となってもおかしくありません。また宿泊も団体旅行の復活は難しそうですし、修学旅行とかどうするのでしょうね。子どもが修学旅行で新型コロナを拾ってきて家族が重症化とか、トラウマが残ること必至です。

 そう考えると、令和の時代の娯楽のあり方というか、消費パターンは、これまでとかなり違った状況になるのは必至です。緊急事態宣言が落ち着いたら温泉にでも行きたいとは思っているものの、他のお客さんとの接触が多そうな旅館やホテルとかはやはり候補から落ちてしまいます。バイキング料理とかが一番懸念してしまいますね。新型コロナ以前は、バイキング料理とかお得感満載で良かったのですが、まったく異なった地平を眺めているようです。

23日(木)
 業務用スーパーとかジョイントなどのスーパーで珍しい中華調味料を手に入れ、カミさんにマーボー系を作って貰っていたのですが、麻婆豆腐、麻婆ナス、麻婆春雨はそろそろ飽きてきまして、なにか他に第4の麻婆っていうのは無いのかっていう話になったのです。そしてネットサーフィンをしてみると、けっこう第4の麻婆について考えている人っていうのはいるみたいでして、そのなかから麻婆キノコにチャレンジしてみました。

 美味しいキノコはホクト♪とついつい鼻歌を歌ってしまいますが、福岡県産のホクトのキノコに加えて、長崎の雲仙でもキノコに力を入れていますし、大分もシイタケ以外のキノコもそれなりに作っていたりします。ホクトの歌にあるようにエリンギ、舞茸、ブナシメジが定番ですが、生キクラゲ、エノキなんかも美味しいですね。これらをカミさんが微塵切りにしてくれまして、それをひき肉とショウガと一緒に中華調味料で炒めます。

 豆腐やナスや春雨と比べると、このキノコを微塵切りにする工程にカミさんの苦労がかかりますが、味は絶品。そしてナスや春雨よりもヘルシーですし、キノコは腹の中で膨れるので、けっこう満腹感たっぷりです。ダイエット飯としても良さそうですが、麻婆であるからには食欲がそそるので、秋の新米が進んでしまうのが少々悩ましいところです。

 ところで総裁選挙は4人出馬ということですが、疑似政権交代の効果はなかなかでして自民党の支持率も上昇しているようです。これは誰が総理総裁になっても衆議院選挙はそれほど大きくは動かなそうでして、新しい総理総裁で年越しをしていきそうです。菅首相がもっと権力の座にしがみついていたら、もっとドタバタ劇の状況になっていたのでしょうが、意外と簡単にあきらめてしまったなぁっというのが率直な感想です。もっと執着しそうに見えたのに意外だなぁ。

30日(木)
 岸田文雄新総裁の誕生ですか。これだけ面白い自民党総裁選挙っていうのは、安倍・石破・石原・町村・林の5人が争った2012年以来、その前だと小泉旋風の2001年でして、だいたい10年に1度くらいの見ていて面白い総裁選挙でした。第1回目の投票から岸田文雄が1位を獲得するとは想像もしませんでして、しかも1票差。いやぁ、本当に面白かったなぁ。

 河野陣営は、あきらかに2001年の小泉旋風の再来を期待していまして、あの頃の記憶がよみがえってきます。小泉純一郎−田中真紀子のコンビによって、自民党をぶっ壊すというワンフレーズポリティクスで騒がれていた総裁選挙です。小泉−真紀子のコンビで全国行脚で街頭演説をし、自民党の党員・党友しか投票できないのにもかかわらず、多くの有権者へとアピールをして人気を博し、それに影響されて党員・党友も小泉純一郎へと1票を投じ、その勢いとブームに議員票も引きずられて圧勝となった総裁選挙でした。

 小泉元首相の息子の小泉進次郎と手を結び、石破茂とも手を結んで小石河連合で同じようなブームを作ろうとしたのは明白ですが、今は新型コロナウイルスによる緊急事態宣言下です。当然、全国行脚のブームなど作れるわけもなく、上滑りに上滑っていく感じが痛々しいものがありました。しかも石破茂・小泉進次郎の2名ともが、河野太郎の応援よりも、自分が総理になるためのアピールに奔走したのも、河野票が逃げていった理由の一つでしょうね。小泉純一郎・田中真紀子と、小石河連合ではあまりに役者が違い過ぎました。

 それにしても宏池会の首相というのは、池田勇人・大平正芳・鈴木善幸・宮澤喜一に続いて5人目ですが、宮澤喜一からはかなり間があいています。加藤紘一が加藤の乱で失敗し、谷垣禎一が自転車事故で引退ということがあり、かなりのブランクです。麻生太郎・菅義偉の2名も宏池会系の首相でしたが、政策がそれなりにとかなり宏池会とは違っていますから、本当に久しぶりの宏池会首相っていう感じがします。すでに小泉―竹中改革以来の新自由主義路線の見直しを打ち出していますし、かなり経済政策は変わっていきそうです。

 やはりその辺は野党の影響も大きいのではと思うのですが、長らく新進党にしろ民主党にしろ、改革を第一にアピールしてきました。現状打破のための改革が、野党が長らく表看板に掲げてきた点です。それに合わせて、自民党側も競うように改革を前面に出してきたわけです。ところが、民主党の分裂によって、改革を前面に出す国民民主党側よりも、福祉や弱者をテーマとする立憲民主党側が勢力を拡大させました。もちろん、改革第一の維新はありますが、野党第一党としては社会民主主義的な立憲民主党の方が影響が大きい。となると自民党としても、改革疲れをしている国民相手に、弱者保護のようなセーフティーネットや分配の重視へと、軸足が移らざるを得ないのだと思います。

 しかし令和版所得倍増計画という方向性は分かりましたが、具体的にどのように所得倍増を行っていくのかはまだ見えてきません。この辺が明確になってくると、池田勇人とかと比較しながら経済史学者としては面白いところです。