2024年4月

1日(月)
 今年度は4月1日が月曜日から始まりなんですね。まだ桜は3分咲きくらいでして、いい感じに4月に春を感じさせてくれています。沖縄へ行っている間に桜は散ってしまうものとあきらめていたのが、帰って来てもまだまだ楽しめるのはうれしい限りです。車窓を流れていく桜もどれもこれもこれからまだまだという感じです。ただこれから雨がちですから、夜桜を見ながら一献というにはどうでしょうかね。意外と夜桜を楽しめる期間は短そうでして、今年も悩ましいなぁ。

 そんな沖縄調査の成果の一つとして、社会経済史学会の九州部会で報告します。社会経済史学会の九州部会のホームページは、長らく藤井美男先生が担当されていたのが鷲崎俊太郎先生へと引き継がれまして、藤井バージョンではなく鷲崎バージョンの部会ホームページにアップされています。本部の方のリンクも貼って貰えたようです。内容は壺屋焼のお話です。

 実はもともと沖縄の調査を始めたきっかけというのは壺屋焼を調べようと思ったからなのですが、これがなかなかいいアイデアがわかなかった関係で、沖縄の電力を扱ったり尖閣沖の油田を扱ったりとふらふらしたわけです。しかし10年以上、干支一回りも沖縄に通っていますと、さすがにアイデアもわいてくるものでして、ようやくと研究しようと思っていた壺屋焼の研究になっています。

 壺屋焼といっても上焼とか荒焼とかいう話ですらなく、窯のお話です。登り窯からガス窯へと転換していくという、薪じゃなくガスを使うという、そういう色気のないお話です。本土では薪から石炭でしたが、沖縄は時代的にも社会的にもガスなんですよ。金城次郎ばかりに注目されていますが、高江洲育男の重要性が1つのテーマです。もう1つは島袋常孝のはたした意義なんていうのもお話しする予定です。

 今回ちょっと壺屋のお店をふらついていた時に、妙齢のお客さんが古い大皿や花瓶なんかを見ていたのですが、そういう艶っぽい研究を僕はすることができませんで、どうしてもごてごてした感じになってしまいます。本当は釉や形なんかも意義付けできる、もっと艶っぽい研究をしたいなぁっと思い続けているのですが、年を重ねても艶っぽさっていうのは出せないですよねぇ。壺屋じゃなくてもいいですが、美濃でも有田でもどこでも、何か艶っぽい陶磁器の研究をしてみたいなぁ。

2日(火)
 大変なことに気づいてしまったのですが、紫式部の娘の大弐三位のことですが、藤原道兼の息子と結婚します。ちゅらさんの孫娘が道兼の息子と結婚するという事になるのですが、紫式部の没年が分からないために、ここまで大石静が書き込んでくるのかどうかは分かりません。ただ、時代考証をしている倉本一宏氏の説ではその頃まで存命っぽいので、もしかしたら母娘の対立まであるかも知れません。

 紫式部と比べて大弐三位の方が多情なイメージがありますので、厳格な母と奔放な娘との対比としても面白い。大河ドラマでやらないならば、スピンオフとしてちゅらさん殺害からの因果まで含めて描いて欲しい。宇治十帖は仏教色が強くなっていきますが、ちゅらさん、玉置玲央、吉高、大弐三位、玲央の息子は玲央の二役とかでも良いんじゃないでしょうかね。その方が吉高の衝撃も大きいことでしょう。

 しかし話は変わりますが、岸田派も裏金を作っていたのに、安倍派と二階派のトップを中心に処分をして、岸田派トップの自分は政敵を追い落として得意満面とか、気持ち悪い。生理的に気持ち悪い。


3日(水)
 メールは、予期していたメール以外にも、大切な業務メール、些末な業務メール、友人からのメール、迷惑メールなどなど、色々と届きます。そのため、全てのメールにしっかりと目を通しているわけではありません。見落としてしまうメールがどうしても出てきます。今回、odnのレンタルサーバサービスが終了するというメールを、ずっと些末な連絡メールだと思って見落としてきたようでして、突然に23年間も続けてきたサイトが消えてしまいました。

 ただし、odnの方でも半年間はデータが残っているという事で、急いでサーバ上に残っているデータを取り出し、引き継ぎサーバとして紹介されてた〈さくらのレンタルサーバ〉っていうところへ移管しました。これで従前とおりに見られるようになっているはずです。年度頭の忙しい時期に、大きなトラブルもなく移管できてよかったです。

 しかし23年間かぁ。頻度は昔と比べて減っているとはいえ、我ながらよく書き続けているな。。。

11日(木)
 長年の勘違いというのはあるものでして、カミさんと話していて、成田空港が千葉県にあると判明して驚き。確か、中学生だか高校生だかの頃にはクイズ的な知識として、新東京国際空港が千葉にあるということで、東京ディズニーランドと同じだということで記憶していたのですが、それをすっかりと失念していました。いつからかは全く忘れてしまったのですが、成田空港は茨城県にあるとばっかり思っていまして、カミさんに成田山は千葉県でしょと言われて間違いに気づいたのでした。

 ところで、今年は桜の満開とツツジの咲き始めが重なっていまして、とても美しい春を堪能することができました。散っていく花びらがツツジにかかっているのはそこまで珍しくはないのですが、満開の桜とツツジという景色は、次はいつ出会えるか分からない名場面。インバウンドの観光客の中には、日本のサクラを目当てに入国する人たちも一定数いるようですが、今年は3月に観光に来た人たちは外れてしまった上に、意図せず4月の観光客には桜がプレゼントされたわけでして、悲喜こもごもだったことでしょう。

 インバウンドの観光客といえば、久留米は結構、久留米ラーメンを食べるために訪れる観光客なんかも多かったりします。一番の有名店は言わずと知れた〈大砲ラーメン〉でして、日本人客、外国人客が入り乱れて、本店はいつも行列ができています。そんなわけで、転居後3年にわたって大砲ラーメンは食べないで過ごしてきたのですが、開店直後は並ばず食べられることが分かったために、ついにカミさんと〈大砲ラーメン〉を初体験してきました。

 久留米の豚骨ラーメンは、豚骨スープなのにあっさりなのが特徴でして、〈大砲ラーメン〉はその典型例のようなお手本のような濃厚なのにあっさりした美味しいスープでして、確かに行列ができるのもよくわかります。値段もまだ900円台(学生さんは学割で500円台)で踏みとどまっていまして、僕が高校生や大学生だったら、と思わずにはいられません。最大多数の最大幸福みたいな味でした。

 一方で、自分好みの癖のある味が欲しい人が、他のお店を回るのも分かります。久留米は〈大砲ラーメン〉が一番人気ですが、それ以外にもラーメン店が沢山ありまして、そちらの方がそれぞれの癖が強い感じです。たぶん、〈大砲ラーメン〉を嫌いな人はなかなかいないでしょうが、他のお店だと好き嫌いが分かれるんじゃないかな。

 グルメネタついでに、先日、博多へカミさんと出たついでに、KITTEのところに入っているタイ料理屋〈ガムランディー〉へと行ってきました。タイ政府の公認を受けたお店でして、〈タイ・セレクト〉というサイトで検索ができますが、日本政府も世界各国の日本料理店に対して、このジャパン・セレクトを実施すれば良いのに。そうすると、海外で活躍する日本人料理人への支援にもなりますし、まがいものの日本料理への牽制にもなります。農林水産省の管轄かな、それとも文化庁の管轄かな。

16日(火)
 週末に京都へ行ってきたのですが、岡崎にあります平安神宮の神苑の中に、日本で初の市電の車体が残されていまして、折角の機会ですからそこも見てきました。古い市電というと、まだ子どもの頃に明治村で京都市電は見たことも乗ったこともあるのですが、平安神宮神苑にある京都市電はもう動かなくはなっているものの明治村の車体よりも古いものでして、重要文化財の指定もされています。

 明治村の市電が観光用に綺麗に塗りなおしとかされているのに対しまして、平安神宮神苑のものは使い終わった1960年代初頭のままの状況でして、往時をしのべる姿かたちです。重要文化財に指定されたのだから、雨風を避けられるようにしたら良いのにとは思うのですが、歴史遺産の宝庫の京都ですから、勿体ないくらいにぞんざいな扱いになっています。他の地域ならば観光の目玉の一つだろうになぁっと思いながら見学したのでした。

 しかし、4月第2週の京都ですから、予約した当初は桜が残っているなんて想像だにしなかったのですが、今年の遅咲き、昔ならば平年並みの桜の開花時期であった今年に限っては、いい意味で予想を裏切られました。京都の桜を見る機会があるとは嬉しい喜びでして、そこら中に落下盛んな桜があり、まだ満開の桜もあったりして、驚くほどにぜいたくな時間を過ごしたのでした。

 そんな桜を喜ぶのはインバウンド客も同じでして、外国人旅行客もこれまた驚くほどに大量にいました。京都のインバウンド客は、福岡とか沖縄へ来ているようなインバウンド客と比べて少々違いまして、出身国の多様性が際立ちます。飛び交っている言語が福岡や沖縄だと英語に中韓くらいがほとんどですが、京都はイタリア語、スペイン語、アラビア語、良く分からない言語なども乱舞していまして、言葉の詳細は分かりませんが、桜の美しさなどに興奮している様子は分かります。英語や中韓国語が溢れる福岡や沖縄とかは、京都と比べるまだまだ伸びる余地があるなぁっと思うのでした。

23日(火)
 カミさん道の駅へと行ったところ、驚くほど立派な葉を付けたニンジンがありまして、天婦羅にして欲しいとリクエストをして買ってきました。一緒に、タラの芽、コシアブラなどもあったのですが、さらにシャインマスカットの若葉なんていうのも天婦羅用という事で買ってみたのです。シャインマスカット、ちょっとした甘みと酸味の爽やかさがある若葉でして、なかなか面白い。初めての味でしたが、意外と美味しいのでお勧めです。

 まぁタラの芽とか美味しくて当然なんだけど、やはり今回の大本命はニンジンの葉でして、僕は一番好きな天婦羅はニンジンの葉だなぁ。昔はタラの芽が一番好きな天婦羅でしたが、いつからかニンジンの葉が一番好きな天婦羅になっています。サクサク感が大切でして、カミさんの天婦羅の腕に感謝です。ただし、ニンジンの葉は鮮度が命ですし、なかなか天婦羅にして美味しいニンジンの葉は売っていませんので、それを見つけて、しかもカミさんに天婦羅する余裕があるとラッキーなのでした。自分でやると、油の温度が低すぎて油ベチョベチョになるか、逆に温度が高すぎて焦げてしまうか、難しいんですよね。。。

 ところで、乙武洋匡と聞いて小池百合子は正気なんだろうかと思ったのですが、案の定なかなか支持が伸びていないようです。僕の中でのイメージとしては、乙武洋匡と渡部健がオーバーラップしていまして、どうして小池百合子がそこを擁立したのかは謎です。でももう小池百合子も71歳かぁ。勝負勘は枯れちゃったのでしょうかね。自身が補選に立候補していたとしたら、週刊誌のスキャンダルネタはさて置き、まだまだ国政の波瀾の中心にいられただろうにと残念です。

 そんなわけで東京15区への注目度が下がってしまったので、島根1区に面白さは移っています。細田博之の後継は財務官僚、まさに岸田増税の中核の人物を自民党は擁立していまして、そこと津和野藩のお殿様の末裔との一騎打ちです。ちなみに津和野藩の亀井家は久留米藩のお殿様の末裔である有馬頼寧とも縁戚関係を結んだため、なにげに久留米DNAも参戦している形になっています。

 島根と言えば竹下登に青木幹雄、そして細田博之でして、長らく自民党が衆議院でも参議院でもパーフェクトに議席を押さえてきたのが島根県です。まぁそういう自民党にとって勝てる選挙区だからこそ、このご時世に増税の財務官僚を擁立したのでしょうが、島根県民はどう判断するのでしょうかね。自民党の金城湯地として増税の財務官僚でもOKとなるのか、津和野藩のお殿様の末裔がそれを倒すのか、ここが最後まで楽しめそうな選挙区です。

 世論調査などでは津和野藩の末裔リードと出ていますが、自民党はここから票を固めてくるでしょうし、公明党票が確実に足し算をしていくことになるでしょうから、リードしている津和野藩が逃げ切れるかどうか。それとも財務官僚にまくられるのか。面白いなぁ。

25日 (木)
 少子化対策は結婚数を増加させることが重要だと言われていますが、恋愛結婚の世の中にあって結婚数を増加させるには、恋愛を増やすしかありません。しかしながら、恋愛っていうのはアドレナリンを出しつつ行うのに対して、結婚生活っていうのは最初はともかくとして、その後はオキシトシンで続いていくことになります。この恋愛から結婚へというアドレナリンと、結婚を維持するオキシトシンの交代を、上手くできない夫婦は離婚をしてしまいます。

 というメカニズムは分かっているのですが、それじゃぁどうやってアドレナリンを高めさせて恋愛から結婚をさせ、オキシトシンへと交代させて結婚生活を維持させるのか、というのは難しい問題です。僕も何となくそれを実行しているはずなのですが、それを言語化させるというのはなかなか難しい話ですよね。

 団塊世代が基本的に労働市場から退場して労働力不足の世の中になっています。この傾向はしばらく続くでしょうから、金銭的に結婚できないという層は減っていくことでしょう。ということは、恋愛のアドレナリンを高めさせれば結婚したい人たちは結婚してくはずなのですが、市場でのミスマッチが起きるでしょうから、そこをどうするのかという問題も発生します。

 市場のミスマッチを減らすためには、ヘアスタイルとか洋服とか身だしなみとか、そういうのを整えるのが大切でして、九大生とか見ていると昔よりも小綺麗になっているなぁっとは思うものの、このままだと結婚市場からは見向きもされないよなぁっという学生さんたちもいて、中学生や高校生の頃からの受験ばかりにならないようする必要性を感じます。

 昔、ホリエモンが「女は金についてくる」という方言をしていましたが、金についてくる女性と結婚したいか?と思うのです。九大を出ればそれなりの給料の高い職には就く可能性は高まりますが、そういう金目当ての相手と結婚をすれば不幸が待っています。まぁ、少子化対策としてはそれでも問題はないのですが、個々人のライフヒストリーを考えたときには、もっと幸せのルートを探して欲しいと思うのですよね。

 一方で、短大や女子大が不人気になっているのは、そういう金目当ての結婚を望むような女性への嫌悪感の広がりとも関係しています。女性も自分で稼げよと男側が思い、出産から子どもが成長するにつれての職場復帰や再就職をするような女性しか、結婚相手として選ばれなくなってきています。そういうときに、昔は良き妻、良き母を作り上げてきた短大や女子大っていうのは、社会のニーズが無くなってしまったのでしょうね。

 良き妻、良き母、良妻賢母っていうのは今やノスタルジーに過ぎず、女性も男性も、家でも職場でも活躍する時代になってきているのだと思います。それにカミさんも稼ぎがある方が、男の方も捨てられないように家事とかしっかりやるようになりますよ。

30日(火)
 井浦新という役者さんを知ったのは〈平清盛〉の崇徳上皇でしたが、あれからもう12年も経っているのですね。崇徳上皇の線の細さとそこからの怨念も怖いくらいに魅入られましたが、今回の藤原道隆も最期にきて怒涛の見せ場のラッシュでした。黒段田が健在だったころは、あんなにシュッとした風流人だったのにもかかわらず、権力を握ってからの壊れっぷりっていうのは凄まじかった。浮世離れした権力者から、死期が近づいてからの権力の亡者への変転っぷり。段田安則の時にもちょっと感じたけれど、NHKは岸田批判を入れ込んでいますよね。これ。

 しかし綺麗な道兼は、七日関白で亡くなってしまう事が1000年前から決まってしまっているので、玉置玲央もまたもうすぐ退場となります。井浦新に玉置玲央、段田安則も良かったですが、NHKはちゃんと大河ドラマをキャスティングしようと思えばできるのだという事が分かります。それぞれの役者さんたちが主役を食う姿勢で全力を尽くしていて凄まじいですよね。学芸会と揶揄される年も多いNHK大河ドラマですが、今年は見応えがある役者さんばかりで嬉しい。こういう良い役者さんが揃う大河ドラマっていうのは、視聴率があまりとれない平安時代とかに配置されますが、こういう顔ぶれで戦国大河ドラマをやってくれたらと思わずにはいられません。

 それに若い時代を演じていた頃は違和感があった吉田羊が、ここにきていい味を出し始めています。今回の大河ドラマは藤原詮子黒幕説をとっているようでして、藤原道長をダブル主演として綺麗に描かなければならないためだと思いますが、段田安則の影響を一番受けたのが吉田羊という感じになっていますね。久留米では、吉田羊がハムレットの舞台をするポスターがブルー木挽きのポスターと並んで張られています。西鉄久留米駅もJR久留米駅も、どちらも吉田羊にジャックされている地元久留米なのでした。

 ところで3補選は前評判通りの自民3敗でしたが、負け方が想像していた以上に酷いものでした。島根県といえば竹下登にその大番頭さんの青木幹雄ですが、竹下登の強固な地盤の1つであった雲南市1区をかなりの票差で立憲民主党に奪われてしまっています。奥出雲町や隠岐群島でも自民党は負けたとか。ダブルスコアやトリプルスコアで自民党がとれるはずのエリアでの惨敗は、自民支持層の票が溶けて消えていく様子を象徴しています。

 そもそも竹下登に青木幹雄といえば平成研究会、そして細田博之は清和会でした。そこに、岸田首相が側近の木原誠二にいわれるままに財務官僚を宏池会から擁立というのがセンスがない。しかも、岸田増税で嫌悪されている財務省からの擁立。うーん、やっぱり岸田首相は人を見る目が全くない。人事がセンスがなく下手糞なだけに留まらず、候補者の擁立すらセンスがない。もっと小さな負けで終われたところを、岸田首相が自分から大惨敗にまで持って行ったというところでしょう。

 普通の感覚であればとっとと辞任するのでしょうが、息子ちゃんを秘書に復権させて地元行脚させているくらいには厚顔無恥ですから、まぁ、レームダック状態でダラダラと続けたいのでしょう。というか、半年くらい前にはもう再起は無理な状態だったと思うのですが、厚顔無恥に居座り続ければ居座れてしまうという議院内閣制としては常軌を逸している状態になっているのです。岸田首相と比べれば、二階元幹事長の方がはるかに潔くてマシなレベルになってしまっています。

 しかしここまで岸田自民党が惨敗だと、アンパンマン効果も薄くなるでしょう。岸田首相がだらだらするほどに、次の首相に迷惑をかける事態になるばかりです。