2021年4月

2日(金)
 〈博多日誌〉から〈筑前・筑後日誌〉へとタイトルを変更しています。この4月からカミさんが久留米大学へと就職しまして、恋女房の職住接近のために、僕は職住がさらに離れることになったためです。久留米市へ引っ越しです。新幹線を使ってもドアtoドアで片道1時間半、もちろん新幹線代は大学から交通費の支給はありませんから、その分を自費で負担しての新幹線通勤です。ついこの3月までは、新幹線日帰り2枚切符というのがあったのですが、新型コロナ下の経営悪化に伴ってこの切符が廃止されたので、まぁそれなりの負担です。しかし、在来線を使うと時間も伸びることながら、体力的な消耗が激しいために、それでも新幹線を使ってしまうのです。

 同じ福岡県とはいうものの、筑前の中心地であった福岡市と、筑後の中心地である久留米市とでは、かなり街の雰囲気も違います。まずゴミの分別が違うのと、ゴミ回収が福岡市は深夜帯だったのですが、久留米市は早朝です。早朝のゴミ出しというのは10年以上経験してこなかったため、この朝のゴミ出し習慣に戻るのに時間がかかりそうです。ある種、福岡市というのは怠惰な都市民でいられたのですが、久留米市は真っ当な市民に戻らなければなりません。

 まだ引っ越したばかりなので右も左も分かりませんが、福岡市が東京都を10分の1に小さくした都市なのに対して、久留米市は多治見市を3倍に大きくしたような都市という印象です。そういう意味で、個人的にはどちらの都市でも対応可能ですが、けっこう両市で違っているのに驚きます。新型コロナ下で、今はリモートワークも多いですが、基本的には久留米市から福岡市へと通勤するわけでして、新幹線でわずか17分とはいえ、ちょっとした旅行気分も味わえてしまう(一番の旅行は伊都ヤマだともいう)のです。まぁ、大半は読書時間になるだけですが。

 軸足を筑後に動かしたために、久留米から意外と色々なところが近いようです。筑後船小屋の温泉が近くなったのはすぐ分かりますが、それ以外にも、日田方面も近くなりましたし、大牟田や柳川もけっこう近い。久留米市内にも温泉が結構あるみたいですし、微妙にですが我が家の水道水もミネラル分が多いのか、温泉でもないのに風呂に入るだけで体がスベスベになります。久留米の水道水、調査をしたら温泉成分が混じっているのではないかと、密かに感じているのですが、単に気分的なものなんでしょうかね。まぁ、何はともあれ、カミさんとの日程調整に追われる新年度です。

5日(月)
 今まで知らなかったのですが、久留米というのは園芸の町とのこと。兵庫県宝塚市、埼玉県川口市と並んで3大産地だとか、愛知県稲沢市を加えて4大産地だとか言われているらしいです。そして確かに、町を歩いていると樹木と花が町にあふれていることに気付きます。よく住民の幸福度指数なんて言うランキングがありますが、その指標の一つが公園の広さでして、久留米は公園の数が多いのに加えてそこの樹木や草花が豊富です。ちょうど季節が良いこともあり、公園や家庭の庭先は花であふれていまして、なかなかの装いです。

 うちは、ガジュマルが2鉢、月桃が1鉢、ストレリチアが1鉢、ゴムの木が1鉢、ドラゴンフルーツが1鉢あるくらいでして、どうも花という意味では彩りがありません。勿論、ちゃんと育てれば月桃もドラゴンフルーツも花は咲くのでしょうが、グリーンがあれば十分という育て方なので、花を咲かしたことは無いのです。家の中に緑をというコンセプトで置いたものばかりなので、あまり花を考えたことはなかったのですが、久留米の街を歩いていると花が咲く植物も良いものだなぁっと思わされます。

 また、久留米まで来ると八女が近くなる関係もあって、けっこういろんなお茶屋さんが町の中にあります。うちはカミさん共々茶道楽でして、けっこう頻繁に色々なお茶を飲んでいるのですが、紅茶やハーブティーを飲んでいた割合が少々減少し、緑茶の割合が増加する傾向があります。お茶は、高いお茶に手を出すとキリが無くなるので、どのくらいのお茶で満足するのかというのが難しいところでして、だいたい毎年、正月にかなりいいお茶を飲んで、それから日常に戻っていく感じでして、4月はもう普通のお茶を飲んでいるシーズンですが、今年は新茶が出回るのが例年以上に楽しみなのです。

14日(水)
 引っ越しにあたって買い換えた家電がいくつかあるのですが、そのうちの洗濯機のお話です。もともと我が家では洗濯係は宮地の方でして、無精者の僕としてはドラム式の洗濯乾燥機を好んで使っています。そして、もともと僕はシャープ愛用者だったために、シャープの洗濯機を好んで使っていたのでした。

 ところが、前回の買い換えのちょっと前に、シャープが国産企業ではなくなったこともあり、カミさんの好きなパナソニックへと洗濯機も買い換えていたのでした。ところが前回のパナソニックの洗濯機は、それまで使っていたシャープの洗濯機と比べて性能が悪い。いや、壊れない耐久性という点ではシャープよりも遥かに優れていたのですが、乾燥の際の周囲への湿気の出し方とか、格段に性能が悪かったために、シャープが無くなってしまった悲しみを噛み締めていたのでした。

 そして今回の引っ越しに伴っての洗濯機の買い換えですが、まぁ半分あきらめながら、パナソニックのドラム式洗濯乾燥機を購入したのです。そしたらビックリ。前回の洗濯機よりも性能が格段にアップしている。シャープの洗濯機と比べてみても、乾燥の際の湿気の出方も全く感じさせず、これならば何の不満もありません。しかも、洗濯から乾燥までの時間が短い。これはもう、大満足です。

 ドラム式洗濯乾燥機はなかなか難しいみたいでして、熱くなって衣類を駄目にしたり、完全には乾かなかったり、すぐにホコリが詰まって壊れたり、前回のパナソニックみたいに湿気がダダ洩れだったり、乾燥に長時間がかかり過ぎたり、といろんな問題有り得ます。その中で、パナソニックのドラム式洗濯機の性能向上は嬉しい話でして、元々パナソニックの家電は耐久性は抜群だと信じていますから、今一番のおすすめ製品じゃないでしょうかね。

 それでもまぁ、ドラム式洗濯乾燥機は数年で買い替えが必要なんですけどね。まぁその分、楽なので、宮地が洗濯係である限りには買ってしまいます。

22日(木)
 大阪や東京が3度目の緊急事態宣言になるということ。福岡県も200人を超える感染者が出ていまして、こちらも第3派なのか第4派なのか分かりませんが、ゴールデンウィークに向かって緊急事態宣言が出る可能性もありそうです。緊急事態宣言も3度目になってくると、気の緩みもありますが、企業なども死活問題になってきていますから、難しい局面です。福岡でも天神にあるロシア料理のツンドラが閉店というニュースも流れてきていますし、いくつも名店が閉鎖していくのは寂しい限りです。

 緊急事態宣言が3度目ともなると、鉄道、航空というような巨大企業へも影響が甚大でして、こちらもどこまで体力が続くかという水準に入ってきています。福岡と久留米との往来は、JR九州と西鉄と2つの鉄道があるのですが、JRの方は減便に加えて日帰り新幹線2枚切符を廃止しましたし、西鉄の方は平日昼間の特急を廃止したために所要時間が伸びていたりします。リモートワークが多い立場からは心苦しい限りですが、両者ともに鉄道の運賃収入の減少は如何ともし難いものがありまして、経営難がサービス低下につながっています。

 インバウンド客が消滅しただけならばもっと何とかなったのでしょうが、一般の日本人客の往来も減少しています。路線バスやタクシーなども、かなりの苦境に陥っています。3度目の緊急事態宣言は、飲食店へ補助金をばらまくだけでなく、こういうコロナ後に残っていて貰わないと困る交通インフラ系企業に対しても、支援をしていって貰いたいと思うばかりです。コロナ後には再び外国人旅行客などを誘致することになるでしょうから、その時に交通インフラが倒産して無くなってしまいましたでは、どうしようもないと思うのです。

28日(水)
 久留米へ引っ越すやいなや、久留米で新型コロナウイルスが多発しているという事態に。まだ久留米の街の様子もよく分かっていないので、どこで感染が広がっているのかもイマイチよく分からないのですが、人口当たりの感染者数では大阪に並ぶ勢いだとかで、かなりの大騒動です。ただ、普通の30万人都市であって、それほど感染が拡大する要素が分からないだけに困りもの。久留米だけでなく、筑後エリア全体に感染者が多いみたいでして、本当によく分かりません。

 ただ感じることは、新幹線に乗っていると静かなのですが、在来線ではペチャクチャと喋っている高校生やらオジちゃんオバちゃんやらがいて、良くも悪くも田舎です。新型コロナは博多か、東京や大阪や、という意識でいたところに、グッと入り込まれたのではないかという印象です。そんな事も加わって、在来線を避けて新幹線で博多へ出るようにしているのですが、疫病は大都市でも地方都市でも田舎でも、何処でも入り込んでくるのが怖いところです。

 前に、沖縄の離島で観光客が持ち込んだウイルスが島民同士で広まってと言う事例がありましたが、疫病とは遠くの話だと思ってしまって気が弛んでしまうんでしょうね。テロとかと違って、大都市部や要所だけを狙ってくれるわけではありませんが、人々の意識がそれに付いていけないのでしょう。田舎ではマスクも外してペチャクチャ話している人も、都市部の枢要な施設だとマスクして沈黙を守ることでしょう。そういう話ではないのですが、まぁテロとかを想定した緊張感の影響を受けてしまいますよね。難しいところです。

 しかしまぁ、最近回数が増えていることもあって、救急車のサイレン音を聞くとちょっと不安が増しますね。