2015年3月

6日(金)
 カミさんと散歩をしていたところ、とあるホテルのメニュー表に写真付きの〈ビスク〉なる謎スープを発見してしまいまして、どういう物かは良く分らないけれども再現?してみようって言うことになったのです。情報としては、オマール海老を使っているっていうことと、牛乳スープの一種だということだけです。

 しかしオマール海老なんて簡単に入手できるわけもないので、インドネシア産のバナメイ海老にするかアルゼンチン産の赤海老にするかで後者を調達しまして、それに、セロリやらタマネギやらブナシメジやらを揃えたのでした。僕もちゃんとカゴを持つという貢献を果たしたのです。野菜やキノコをニンニクオリーブオイルに塩コショウで炒めた上に、赤海老を殻ごと叩き潰す感じ、カミさん曰く嫌いな奴の頭を叩き潰す感じで殻も身も叩き潰した海老を加えて炒めつけ、ワインも加えて炒めつけます。この辺で、僕のところまでとても良い香りが届き始めます。

 ちなみに我が家には秘伝のニンニクオリーブオイルがありまして、3年ほど前の沖縄調査の際に、頑張った自分へのお土産に大量の島ニンニクを調達してそれをオリーブオイルに漬けておいたのです。3年も経ってきますと、ニンニクのエキスがオリーブオイルに良い感じに溶け出していまして、このニンニクオリーブオイルもニンニクも絶品なのです。3年前に苦労して大量の島ニンニクの皮を剥き続けたのが良い思い出です。しばらく指先からニンニク臭がとれなかったのも良い?思い出です。

 話を戻しまして、ある程度炒めてきたところで水とビタバレーっていう麦を入れて煮込み始めます。ブイヨンと塩コショウとハーブ類を入れるだけで、あとは赤海老からいい出汁が出ているのでOKです。水がある程度蒸発したら、いつもの牛乳スープのように牛乳を入れて煮込みます。赤海老の赤さが出た牛乳スープになってきます。しかし、見かけた写真と比べて赤さが足りないということで、トマトケチャップを投入していました。

 赤海老の出汁がよくでていて、とっても美味しい牛乳スープの新バージョンが誕生したのですが、如何せん〈ビスク〉なるものを食べたことが無いので、食べたものが〈ビスク〉っていうスープに近いのか近くないのかは謎なままです。しかし牛乳入りのブイヤベース風で美味しく、冬には体も温まってにんまーりっていう笑顔になるのです。残った分は、卵をといて白いご飯にぶっ掛けて丼にして堪能しきったのです。

11日(水)
 この季節は、学生の入学試験から合格発表へということで、受験生や浪人生が友達や親とかと一緒にキャンパス内をよく歩いているのですが、自分はそれを横目に見ながら、4月以降の授業の講義内容を考えながらブラブラしているのは、何だか不思議な気がしてきます。この中の何人かには4月にレクチャーするのかと思うと、自分の横を通り過ぎている面々はそんなことを考えてもいないだろうなと、ついついほくそ笑んでしまうのです。

 ところで先日のことですが、京都へ行った帰りに途中下車して、〈いかなごの釘煮〉っていうのをカミさんに勧められて買ってきました。神戸の伍魚福っていうところの釘煮を買ったのですが、まさに白米のお供として絶品です。いかなごと言えば、別名は小女子でして、インターネット上での「小女子を焼いて食べるっていう」のが有罪になってしまってから、あまり文字は見かけなくなってしまいましたが、そんな話はさて置くくらい、いかなごの釘煮は絶品です。この季節はちょうどシーズンで新物なんですね。

 京都といえば、この季節は八つ橋もさくら色の八つ橋が売られていたり、メロンパンにも桜の塩漬けがトッピングされていたり、桜のシーズンには少々早いですが、街は春の訪れを感じさせていました。一度、桜の京都っていうのを体験してみたいのですが、なかなかそんなチャンスは訪れないんですよね。。。

13日(金)
 受験シーズンだと言うこともあって、母校の東海高校の進学実績などをつらつらと眺めていたのですが、僕が高校生だった頃と傾向が異なっていて驚きです。東海ですから、相変わらず医学部進学が圧倒的な人気で全国トップであるのは脇へ置いておくとしまして、京都大学と大阪大学への進学が多くなってきているのが驚きです。

 確か、僕が高校生だった頃には京都大学へは10人台、大阪大学への進学は1桁だったはずなのですが、昨年度の数値で京都大学が34人(うち医学部5人)、大阪大学が14人(うち医学部2人)となっています。これが今年のランキングですと、前期試験が終わった段階で京都大学が40人となっており、昨年よりもさらに京大志向を強めたみたいです。大阪大学への合格者数は今の所不明です。

 だからといって東京大学への合格者数が減っているかと言うと、こちらは横這いになっていまして、医学部横這い、東大横這い、京都大学だけ(大阪大学もか?)が急増しているという謎な事態になっています。単純に後輩達は僕らの世代よりも優秀になったのか、それとも別の要因があるのか、なんだかよく分かりませんが面白い傾向です。

 ちなみに、九州大学まで来る東海高校生はあまりいないようです。北海道大学は結構いるんだけどなぁ。。。

23日(月)
 暖かい日が続いていたために桜のつぼみも膨らみ、ついに九大のキャンパスのソメイヨシノは本日開花したようです。土曜、日曜とお散歩日和でブラブラしていたのですが、春めいた陽気が気持いい限りです。特に昨日は、香椎宮へとブラブラと散歩に出かけていきまして、いい汗をかいたのでした。

 話は変わりますが、3月20日はオウム真理教による地下鉄サリン事件から20年という節目の日であったのに加え、福岡県の西方沖地震から10年という節目の日でありました。地下鉄サリン事件の時には伊豆半島へ行っていた関係で難は逃れたのですが、それ以後もしばらくは電車の類に乗ると不安を感じていましたし、なかなかショッキングな思い出です。一方で、福岡県西方沖地震の方は、僕が九大へと赴任する1年前の話でして、直接体験したわけではありません。しかし、西方沖地震によって箱崎キャンパスの各所の建物の耐震強度が下がってしまいまして、閉鎖され、箱崎内で移動したり、新キャンパスへの移転を急いだりと、色々と僕の赴任後にも影響が出ていました。

 もともと記録資料館の資料類は、記録資料館の本体の前の建物に入っていたのですが、そこの耐震強度が低くなりすぎてしまったために閉鎖され、箱崎キャンパス内の別場所へと移転せざるを得ませんでした。そういう訳で、福岡県西方沖地震っていうのの間接的な被害は喰らっているのでした。地下鉄サリンから20年、福岡西方沖地震から10年の今年は、何も無い3月20日でホッとしましたね。