2008年11月 |
4日(月)
連休中は、日帰りですけど嫁と一緒に佐世保に出かけていまして、駆逐艦の〈ありあけ〉っていうロンドン海軍軍縮条約で話題になった一群の駆逐艦の一つの後継船に乗船してきたり、佐世保バーガーを満喫してきたのでその話でも書こうかと思ったのですが、いきなり小室哲哉の逮捕なんて言うニュースが飛び込んできました。光ゲンジの赤坂が覚せい剤で逮捕された時の衝撃も大きかったのですが、小室が詐欺で逮捕っていうのも我々の世代には感慨無量というか、盛者必衰というか、色々と考えさせられます。
しかも逮捕理由が、5億円の詐欺っていうんですけど、盛時の小室哲哉であれば5億円なんて正しくはした金でしたでしょうに、その水準の金額に汲々として詐欺を働かざるを得なかったのかということに愕然とします。小室が詐欺を働いたことよりも、そこで遣り取りされる金額が僕の中でイメージされる小室の自由になる金額よりも、数段安かったことが衝撃です。たぶん詐欺の被害者の方も、まさか小室がこの程度の金額で詐欺を働く訳がないという、そういう先入観があったのでしょう。
世間的にはtrfに始まる安室、globe、華原の時代が彼の知名度を引き上げているわけですが、我々の世代的には小室はやっぱりTM NETWORKです。〈SelfControl〉の機械音にビックリしましたが、シティハンターの〈Get Wild〉〈STILL LOVE HER〉、宮沢りえが可愛かった〈ぼくらの七日間戦争〉の〈SEVENDAYS WAR〉〈GIRLFRIEND〉なんかも印象的です。その後も1991年位まで、中学生の頃はTMをよく聴いていました。
そして小室といえば渡辺美里への楽曲提供としても有名で、〈セーラー服通り〉の〈My Revolution〉を筆頭にして、〈BELIVE〉〈TeenageWalk〉〈悲しいね〉〈卒業〉などなど名曲がずらりと並びます。アルバムの〈Lovin'you〉はLP盤で持っていまして、今となってはレコードを聴ける環境にないので宝の持ち腐れですが、でも大切な思い出の宝物としてしまってあります。小室哲哉と岡村靖幸によってほぼ提供された曲の数々です。まだ大江千里の提供が始まる前ですね。
しかしそれにしてもまぁ、印税だけでもいったいどれだけ年間入ってくるか分からないのに、金に汲々として詐欺を働かなきゃいけない状況になっているって、もう訳が分からない訳ですが。。。てっちゃんどうしちゃったんだよ…
6日
クリントン政権が1993年〜2001年ですから、それから8年ぶりのアメリカ民主党政権の誕生です。強圧的な対日政策で、日本国内では甚だ不評だったクリントン民主党政権の印象が強いですが、オバマ民主党政権はどのようなスタンスで来るのでしょうか。外交政策は未知数で、本人も経験不足を強く自覚していると言われていますが、対アジア戦略ではクリントン時代の再来なのか、ブッシュJr政権を引き継ぐのか、いまいちよく分からないっていうのが正直なところでしょう。
1993年の第一期クリントン政権の時代と比べて、中国の対米黒字が巨額になりすぎてしまっていますので、クリントンみたいに親中路線をとったら国内の労働組合などが黙っていないでしょうし、かえってアメリカでの現地生産が増えた日本企業に対しての方が、赤字のウェイトが減っていますからね。ただそうは言っても、中国の場合は日本みたいに躊躇することなく、アメリカ国債の保持を政治的に利用するでしょうし、なかなか舵取りとしては難しそうです。ブッシュJr政権下で変動相場制は認めさせましたが、まだまだ日本の時みたいに貿易摩擦に対する非関税障壁とか、自主規制とか、色々と手段はありますからねぇ。サブプライム問題からの回復が遅れれば遅れるほど、国内経済を向いているオバマ政権からは、中国へと色々と要求がなされることでしょう。
外交関係では同盟国である日本は、まぁ同盟関係とは言うものの軍事協力は減じるのではないでしょうか。イラク派兵も、いつまでアメリカ軍自体が居続けるんだろうか、っていう方へ話は移っていくでしょうから、日本がどうするもこうするも、自然と中東からは帰ってくる事になるのではないでしょうか。反対に北朝鮮問題は、なかなか日本としては面白くない展開になりそうですが、まぁ、重油提供の話などは無視をし続けて、トップがとっとと退場するのを待つのがベターではないでしょうか。
オバマが黒人と白人のハーフであって、最初の有色アメリカ大統領である点に関しては、24でデイビット・パーマー政権ができているので、あまりインパクトはないんですよね。いや、現実世界では十二分に影響はあるのですが、いつかは来るであろうと思われていた時が、漸くとまさに起こったというインパクトでして、予想だにしなかった事態が到来したという衝撃とはまた違うんですよね。パウエル前国務長官が、統合参謀本部長なり、国務長官なり、黒人初は色々とやっていますから、さらにはライス国務長官は黒人女性初も色々やっていますし、そういうインパクトで言うと、世間で騒いでいるほど個人的には衝撃は少ないんですけどねぇ。
19日(水)
作業に忙殺されて最近更新が滞っていましたが、なかなかショッキングなニュースが飛び込んできました。元厚生事務次官夫婦が刺殺され、別の元厚生事務次官の妻も刺されて重傷とか。殺された元次官は、年金のエキスパートと呼ばれ、現役時代はノーパンしゃぶしゃぶ屋で接待漬け、次官退官後は天下りを転々とするいわゆる「わたり」で金をガッポガッポ、その妻はその金を使って遊び三昧ということだったようです。生き残った元次官の方も似たりよったり、「わたり」で稼いで数億円というお話も。
基本的に殺人というのは悪い行為なのですが、巷間では「よくやった」「他の奴らも頼んだ」「ざまーみろ」「因果応報」という言葉で溢れています。昨今、殺人事件の被害者に対してここまで罵倒が続き、まだ見ぬ犯人に対して称賛の嵐が渦巻く状況というのを体験したことがなかったので、ちょっと不思議な気分ですが、冷静に考えてみれば起こるべくして起こった事件なのかもしれません。
天下り官僚、暴力的企業や詐欺集団を擁護する政治家、派遣切り企業の経営者、高給を貰って庶民の立場がと騒ぐマスコミ関係者、次は誰がターゲットになってもおかしくないですし、自殺するぐらいならば悪の元凶を一人でも道連れにしてからと考えている、今この時の生活に困っている人々も少なからずいることでしょう。潜在的な不満を持っている人々に対し、今回の事件に対する世論の動向は、それは正義であるというお墨付きを与えることになるのではないでしょうか。
秋葉原の事件でさえ、一部にはそれを肯定する意見があったくらいですから、明らかなターゲットを持って行われた今回の事件は、犯人が捕まったとしても英雄視される可能性が高いでしょう。助命嘆願運動なども起きるかもしれません。特に今回の犯人と推定されている30歳前後っていうのは、もちろん我々の世代も含まれますが就職氷河期世代でして、あと数歳ズレていたらもっと自分の生活は良かったんじゃないか、という実感を抱いている人間が多数ですから、今回の犯人を逮捕しても次に続く人材はいくらでも湧いてくることでしょう。
本来的にはこんな事がなくても、天下りの禁止とか、年金制度の改善とか、しかるべき政策が採られているべきだったのに、それが行われないまま放置されてきた故の事件でしょう。派遣行政の改善は、秋葉原の事件も一つの切っ掛けになっていますが、凶事が起きないと政策が改善されないようなら、今後も次々とテロは続くことになるでしょう。ネット社会によって、過去の経歴も過去の不祥事も、すべて永遠に誰もが容易く入手できる時代になりました。殺された次官が通っていたノーパンしゃぶしゃぶ屋のリストだって、ググれば誰でもすぐに見つけられます。
公職や社会性のある職にあるものは、常に身を律していないと、国民の多くが応援するテロのターゲットになる時代だと思った方がいいのかも知れません。日本人は耐える時は限界まで耐えますが、一線を超えると暴発する国民性ですからね。
何はともあれ、亡くなったご夫婦のご冥福をお祈りします。
24日(月)
元厚生次官殺害犯が自首して逮捕されましたが、事前の報道よりも若干年長でしたね。就職氷河期とは状況は違いますが、大卒正社員を逃して悲惨な境遇になっていったという意味では、ある意味で一歩前を走っていたのかも知れません。これで犯罪は終わるのでしょうか、それとも今回の犯人の動機はさて置き、後に続く者たちが登場するのでしょうか。
話は変わりますが、入籍してから早1年を経過したということで、2人揃ってインフルエンザの予防接種に行ってきました。大学の教員っていうのは不特定多数と顔を突き合わせますから、予防に越したことはありません。罹患した際の症状緩和の効果もありますから、30も中盤に入って来た身としては、用心しておいた方がいいですからねぇ。しかし、注射の跡が痒くて仕方がないのが玉にきずです。大分引いてきましたけどね。
痒いからと言って掻くわけにもいかないし、嫁のT.N.ディッキンソンの〈ウィッチヘーゼル〉をペタペタ塗って痒みを飛ばしています。僕の実家の方ではあまり使ったことがなかったのですが、嫁が愛用していたので奪い取って、このアメリカのお婆ちゃんの知恵袋みたいな不思議な液体を塗りつけると、意外や意外、結構スッキリとします。ハマメリスっていうアメリカのマンサクから取れる液体みたいでして、化粧水としても鎮痛他の薬効成分としても使われるらしく、何だかよくわからないものですが、けっこうお勧めです。
28日(金)
全学的に緊急調査をしているらしく、僕のところにも、院生などでインドへ調査に出かけているような奴はいないかとの問い合わせがありました。まぁ当然のごとく僕のところにはいないのですが、最近はインドの経済的・政治的な位置の上昇に伴って、インドへ行っている研究者や院生も多いでしょうからねぇ。まぁ、この時期だと教員が調査するにはサバティカルでも取っていないと無理目ですが、院生だと結構可能性はあるのかも知れません。
これまで色んなところで騒動が起こっても、こんな問い合わせが来たことはなかったので、やはり日本人ビジネスマンがテロに巻き込まれて亡くなったというのがショッキングだったのでしょう。外交官やジャーナリストなど、意図的に危険地域に潜り込むような人々は別として、一般に暮らし働く日本人ビジネスマンなどがテロに巻き込まれるのは、もしかして911の世界貿易センター以来なのでしょうか。しかも高級ホテルが襲撃されたというのはなかなか困ったものです。
円が強くなってきているので、海外へ出かけて行こうという人たちは、ある程度は増えそうですけど、世界的な不況の中で海外へ行くと、犯罪のターゲットに今まで以上になりやすいのは勿論のこと、多くの国で景気悪化に比例して治安だけでなく政情もも悪化してしまいますからねぇ。海外旅行や調査に行く方々は、くれぐれもお気を付けください。まぁ、僕は出不精なので、福岡か名古屋か東京でボケボケしているだけですが・・・