2007年7月

1日(日)
 日曜日の夜っていうのは比較的家にいる事が多いので、ドラマとかもボーっと見てしまうのですが、TBSがちょうどこの時間帯にドラマをやっているんですよね。で、前回の織田裕司と大竹しのぶの〈冗談じゃない!〉がかなり期待外れになったのとくらべて、今回の〈パパとムスメの7日間〉はなかなか面白そうです。だいたい、織田裕二と大竹しのぶが昔恋愛関係にあったという設定が、あまりにもリアリティが無さすぎでかなり白けていましたからねぇ。でも、実は織田裕二が40歳なのに対して、大竹しのぶは50歳(設定は45歳)なので、本当はあってもおかしくは無いはずなのですが、何だかイマイチでした。

 それに比べて今回は、父親役の舘ひろしと娘役の新垣結衣が、体を入れ替わると言う、まぁある意味最近は定番化した体入替の話しです。古くは小林聡美がヒロインを演じた大林宣彦〈転校生〉や、観月ありさといしだ壱成の〈放課後〉など、同年代での入れ替わりが多かったのですが、それを父娘という設定でやろうと言うのが今回の新しいところでしょうか。で、舘ひろしが演じる娘役が気持ち悪くて気持ち悪くて笑えます。こんなに気持ち悪い舘ひろしを見られるなんて貴重です。個人的には舘ひろしって、2枚目役よりも3枚目役(もしくは2.5枚目役)のほうが合っていると思うのですが、あれは〈あぶない刑事〉シリーズによりインプリンティングなんでしょうか。

 それはさて置き、新垣結衣といえばORANGE RANGE〈DANCE2〉に乗って踊るポッキーのCMがとっても気に入っていたので、ちょっと楽しみです。なにげにD-51〈Forever Friends〉のメロディに乗った長澤まさみのカルピスと並んでお気に入りのCMだったりします。

4日(水)
 橋野本の研究会が終わりました。もうちょっと論争的に組み立てた方がいいのではと個人的には思ったのですが、喧嘩をしないタイプの人柄がよく出ていました。産地の議論と生産組織の議論と、軸が二つになっているのですが、この両者の関係がいまいち絡まっていないような気がしたのは気のせいでしょうか。次回は廣田誠『近代日本の日用品小売市場』清文堂出版を取り上げる予定です。

 ところで、九大の比文というのは面白いところでして、色んな分野を学び研究したい院生が集まっているのですが、なぜか今僕の所に来ている院生は戦後から現代志望者と、中近世期志望者にほぼ二極分化しています。というわけで、高度成長期と近世の2つのゼミをやっているおかげで、時々自分が近代史研究者だったことを忘れてしまいがちになりますが、こうやって研究会を開いていると時代勘が戻るので、どうしても欠かせない場になっています。

 研究会の後は、みなで焼き肉屋さんへ。九州は魚が美味しいだけではなく、肉も美味しい土地柄でして、たまに来る観光客的には魚でしょうが、いつも九州で暮らしている身としては肉の美味しさも嬉しいところです。何件か焼き肉屋さんも行ってみたのですが、そこの中でも美味しいかったのが清川にある〈スタミナ亭〉という焼き肉屋さんで、今回は旗振り役で焼き肉でした。名前のセンスの無さがいまいちアレなのですが、味は保証付きに美味しいです。製造番号が付いた国産牛だけを扱っているのですが、今回は鹿児島牛と伊万里牛を食べさせて貰いました。

 前に書いた、〈七半〉っていう美味しい洋食屋さんの、ちょうど斜め前にあるのが〈スタミナ亭〉でして、柳橋連合市場からも近いからでしょうか、エリア的にも美味しいお店が他にも色々ありそうです。薬院駅からはまぁ近いんだけど、基本的にあまり家と大学の往復には入らないエリアなので、ちょっとぶらつく気分の時ぐらいしかなかなか行かない場所ではありますけどね。

10日(火)
 6月中は空梅雨だ空梅雨だと騒いでいて、平年の16%しか降水量が無かったので夏はどうするんだなんていう話をしていたのですが、7月に入ったらそれまでが嘘のような雨続きでして、牽牛も織女も会えずじまいによく降るものです。といっても、福岡市はまぁ程々に降っている程度なので、今のところはどちらかといえば水不足のためのいい雨なのですが、熊本のほうが集中的にやられているようでして、いかんともし難いようです。

 僕の場合は鹿児島本線を使って箱崎まで着ているのですが、JR九州の鹿児島線は鹿児島線って言うだけあって、鹿児島まで続いています。勿論、普段の通勤電車は鹿児島から来ている訳ではないのですが、それでも荒尾駅という熊本県から来ている列車もある関係で、また当然特急などはもっと南から来ている関係もあって、かなり頻繁にダイヤが無茶苦茶に狂いまくっています。多治見から名古屋へ通っていた頃は、こんなにダイヤが乱れまくっていた記憶は無いので、JR九州とJR東海の差なのか、九州と東海の地理的な差なのか、それとも温暖化が進んだからか、色々と考えさせられます。

 でも大雨に限らず、濃霧とかでも踏切事故なんかによるダイヤの乱れも、JR東海に比べてJR九州の方が多いような気がします。まぁ、JR東日本の中央線みたいに自殺のメッカ化しているわけでも無いので、そういう気持ち悪さは無いですが、ダイヤが乱れるのは困りものです。特にダイヤが乱れた時の復旧ではまず特急が、続いて快速が優先されるようでして、普通電車しか止まらない駅のユーザーとしては、駅で途方に暮れるしかないですからねぇ。台風で学校閉鎖が決まった中学からの帰り道、神領駅で中央線が上下線ストップして復旧の見込み無しといわれた時の途方の暮れ方ほどではないですが。。。

 さぁ今度は台風まで向かってきてますか。いったいどうなってしまうやら。

15日(日)
 台風4号接近でどうなることやらと思っていたのですが、意外と福岡県は大きな影響を受けること無く、静かに静かに過ぎ去って行きました。秀村さんの学士院賞・恩賜賞の受賞パーティーで4次会までひたすら14時間くらい飲み続けていたので、あまり台風に気付く時間が無かったというのもあって、具体的にどうなっているのかまでは実は良く分からなかったのですが…

 僕と経済の北澤さんと、福大の本村さんあたりが最年少集団だったので、当日は受付係やらを一緒に拝命していたのですが、福岡へ来てから1年ちょっとでまだまだ文字でしか見たことの無かった方々の顔ぶれを、色々と見られたのは楽しかったです。そういう意味で受付するのって嫌いじゃないんですよね。あと、ホテル日航福岡が会場だったのですが、さすが料理が美味しい美味しい。懇親会をはじめとして立食パーティーは色々と出席していますが、あれだけ豪勢な上に味も良い立食パーティーは始めてっていうくらいに美味でした。生演奏の弦楽四重奏が流れる中で、贅沢な時間でした。

 立食パーティーでは鮨を握って貰えるコーナーがあったのですが、ん???〈河庄〉???ちょっと、ちょっと、ちょっと、マジですか?って言うくらい驚いたのですが、なんとホテル日航福岡に〈河庄〉の支店が入っていたんですね。普通に食べに行ったら、1人2万円近くするよぁっと思いながら、
烏賊、穴子、トロ、タイ、赤身、鯖等々を頂いてきました。有名な烏賊は丁寧な仕事をしていましたし、穴子はちょっと思っていたよりもツメが辛口でした。こんなのを自腹で食べられるような身分になりたいものですと思いつつも御満悦。

 ローストビーフのタレとホースラディッシュとの相性も良かったですし、カルボナーラのクリームソースもとっても濃厚でしたし、胡桃のタルトも頬っぺた落ちそうでしたし、朝食を抜いて頑張って食べた甲斐があるっていうもんです。あぁ石鯛のポワレかなの付け合せにあった、蓮根もまた食べたい。。。

 そういえば福岡へ来るまで知らなかったのですが、福岡って言うのは何だかんだと言ってパーティーを開催するのが大好きな土地柄だとか。今回みたいな大規模な話しでは無くっても、東京や名古屋では考えられない頻度で、色々パーティしているみたいで、なかなか楽しげです。そのせいか、来賓の方々の挨拶なんかも、かなり手馴れていまして、パーティーとは斯くありたいというスマートで盛況ななお祝い会になっていました。最後は秀村さんも踊り始めてましたし、色んな方々が同窓会的に楽しんでいる姿を見るのもいいもんですねぇ。

17日(火)
 棚田で美しい旧山古志村が甚大な被害を蒙ってから、まだ3年くらいしか経っていないというのに、また中越地方での大地震ですか。既に死者は9人を数えていますが、避難生活での間接的な被害発生も予期されますから、前回を教訓にしてエコノミー症候群とか、プライバシーの問題とか、当面の飲食料や、ライフラインの復旧やと、日々刻々と変化する被災者のニーズに対応していって貰いたいものです。

 しかし、自衛隊による救助が送れて被害が拡大した阪神淡路大震災から、すでに15年ですか。この15年で災害復旧への対応も、ハードの面からソフトの面へと、次第に拡充されていっているのを感じます。ただ、どういう順番にどういう救援を行なうのか、イマイチ明示的ではないと思われます。どういう順番で何日目くらいから何をしてくれるのか分かれば、被災者のメンタルケアとしてより好ましいのではないでしょうか。うちの実家も、東海大地震や東南海大地震では、まさに危険なエリアに入りますからねぇ。と言うよりも、火山列島に安全なところなど無いと言った方が適切なのでしょうが、明日は我が身からも知れ無い問題です。

22日(日)
 秀村さんのパーティーの帰りに内祝いで頂いたお返しの話でも。虎屋のモナカを頂き美味しゅうございました。いやそっちの話ではなく、多田茂治『母への遺書』弦書房を頂いたので、それをつらつらと読んでいました。林市造の母への手紙といえば、〈きけわだつみのこえ〉などにも載っている有名な文なのですが、それを著者が関係者に様々な取材を重ねて、伝記としてまとめた書です。学士院賞・恩賜賞の時に勧めたところ、帰り際に美智子皇后が態々寄ってきて、是非とも読みたいという話があったようで、宮内庁へも送ったようです。

 それで何故この本を秀村さんが勧めているかといえば、林市造と秀村さんは共に同じクリスチャンで、しかも福岡高校−京都帝大経済学部−第14期海軍航空予備学生−土浦航空隊までずっと同じ道を歩いている。ところが、秀村さんは土浦で肺結核を発病して航空隊から外される一方、林市造は小柄ながらも屈強であったため特攻隊員として訓練を積み、与論島沖で亡くなっているわけです。それまで似通った人生を歩んでいたのが、運命のいたずらで大きく違っていった二人の人生を考えた時に、晴れやかな舞台に立ちつつも、いや立つからこそ更に、色々なことが頭を過ぎられたのでしょう。

 そんな運命のいたずらに翻弄されることなく、ただただ平和に研究していられる現在っていうのが、実はどれだけ恵まれていることなのかっていうのを、強く考えさせられる一冊でした。

23日(月)
 北部九州がようやくと梅雨明けしました。例年よりも数日遅いだけだったようですが、なにやらとっても長い梅雨だったような気がします。本来なら先週空けていても良さそうなお天気が続いたのですが、また梅雨空がぶり返してしまいましたからね。空梅雨かと騒いでいた6月からは想像もできない、長い梅雨になってしまいました。そんなこんなで、夏物の野菜類の値上がりが大変なことになっていますねぇ。

 不作のときの野菜っていうのは、値段が高いだけならず、品質的にもチョッと見劣りのした物が増えてしまいますので、なおさら買いたいという意欲を削ぐんですよね。こんな時は、工場生産のモヤシやキノコ類ばかりになってしまいます。早く夏の日差しを燦々と浴びた、トマト・キュウリ・ピーマン・ゴーヤ・ナス・オクラなどなどなど夏野菜をたっぷり食べたいなぁっという気分です。あと1週間もすると、値段も品質も落ち着いてくれるかな。夏野菜のカレーとかいいですよね。

 それにしても参議院選も終盤だというのに、福岡は全く盛り上がっていません。当然といえば当然ですが、2大政党化の傾向の中で、議席数が2の選挙区というのは、誰も応援演説に来ないどころか、どの陣営も無理しては何も訴えていないので、テレビや新聞やネットの中では選挙をしているようですが、身体感覚としてはそんな事は全く感じられません。まぁ亥年現象とはよく言われますが、皆さん疲れているので、無風区で何かするわけ無いですよね。。。混沌としたお祭り騒ぎの東京選挙区や、愛知選挙区が羨ましいなぁ。

26日(木)
 経験上2度目なんですが、カードが割れてしまいました。前回に引き続いて郵便局のカードが割れてしまったのですが、使用頻度が高いから割れるのか、素材的に銀行のカードと比べて弱いのか、その点はよく分かりません。でもまぁ、大学入ってから14年だかで2枚割れているくらいのペースなので、こんなもんなんでしょうか。しかし、カードが割れるというのはけっこう困りものでして、しばらくは通帳でしかお金を下ろせなくなってしまいます。つまり、緊急の時にお金を引き出す手段が無いんですよね。

 銀行のカードは、大学時代のアルバイト代の受取のために、本郷三丁目の三和証券で作って以来、ずっとそのままでいつの間にか三菱東京UFJでして、福岡には天神に2ヶ所と博多駅に1ヶ所、それぞれATMやら支店やらがあるだけです。しかも、博多と天神の1ヶ所は旧東京三菱ATMでして、旧UFJのATM機能を使いこなせるのは福岡市内で1ヶ所だけという笑える状況なのですが、それでも銀行を変えていないので、銀行カードでお金を引き出すのもけっこうイマイチな状況です。

 とは言いましても、最近はコンビニのATMが各社のカードに対応している関係上、手数料は高いですが、本当に困れば何とかなってしまうのが、時代の変化を感じさせます。けど、銀行カードは本当にチョッピリとしかお金を入れていないので、郵便局のカードが使えないのは致命的なんだよなぁ。。。再発行に2週間もかかると言われてしまいまして、チョッと凹んでいます。

29日(日)
 事前のマスコミ予測通りの民主圧勝、自公惨敗になりましたね。小泉政権で動いた票が、ガッと反動で今回は民主に流れたという構図でしょうか。しかし、我が福岡県では20時には全国に先駆けて民主党と自民党で2議席仲良く分けるという、もうドッチラケな選挙だったわけですけど、全国的には色々と面白かったです。特に、息子がNHK職員をやっていてNHK擁護の発言を繰り返していた参議院自民党の大物片山虎之助なんかまで落選しているのは笑いどころでしょうか。NHKで片山落選報道が流れた時は、ほくそ笑んでしまいました。

 前回の郵政選挙で自民党が圧勝した関係から、自民党の国会運営があまりにも乱雑になっていたので、当然といえば当然といえるお灸ですが、ここまでドラスティックな結果になったのは官邸の失策続きの影響でしょう。佐田行革大臣や本間税調会長が辞任したときにも書きましたが、小泉時代と違って安倍総理はあまりにも人事が無茶苦茶なんですよね。論功行賞をするにしても、傷を持っている人間に対する調査能力が欠如しているようで、赤城農相なんかが典型的ですけど、どうして瑕疵のある人間を要職に就けるのか…小泉総理が上手かったのは、なんだかんだ言ってスキャンダルが出なかったことでして、飯島秘書官などが徹底的に調査をして問題人物を排除していたようですが、安倍官邸にはそれが全くできていない。これが敗因の大きな理由でしょうね。

 翻って大勝利の民主党ですが、やはり小沢一郎は選挙に強かったですね。小泉改革によって切り捨てられた地方を徹底的にターゲットにした。民主党の勝因は2つだと思いますが、都市部では政治と金などを焦点に小泉改革に乗った無党派を勝ち取ったのと、切り捨てられた地方を古き良き自民党時代のノスタルジーでひき付けたのと、この2つでしょうね。但し本質的にはこの都市部の有権者と地方の有権者の要望は対立しますので、政権に近付けば近付くほど民主党はどうするのでしょうか。最終的には小泉前首相みたいに地方切捨てで行くのか、古い自民党みたいに都市部軽視で行くのか、なかなか難しいところでしょう。

 でもまぁ、衆参の意見は必ず対立する構図になりますから、自公による暴走は出来ませんし、議会運営は改善されると期待しています。しかし、結局政策なんて何にも関係無くて、政治と金だけで選挙結果が動くのはどうなんでしょうね。安倍内閣が人事能力が欠如していてあまり支持に値しないのはそれはそれとして、スキャンダルの無い内閣なら長く続き、スキャンダルのある内閣は短命という、そういう基準で良いのかなぁというのは常に頭を横切る疑問なんですよね。。。