2021年1月

4日(月)
 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 それにしてもコロナ下の御正月は、初詣に出かけることもなく、カミさんが作ったお節をつつきながらの引き籠り御正月でして、普段ならお節と並べていた屋台のお好み焼きや唐揚げもなく、少々寂しい感じはあります。毎年、初詣の屋台から十日恵比寿の屋台へと、1月上旬は神社に屋台にと賑わっている空間を楽しんでいたんだなぁっと、改めて感じさせられた御正月でした。

 昨年の御守や破魔矢を返して、新しい御守や破魔矢を貰うって言うのは、実は幸先詣をしていた関係から12月末に終わらせてしまっています。まぁ、雰囲気は出ないですし、人出も少なかったですが、今年は致し方ないですよね。なんとか今年前半くらいで落ち着いて、来年の御正月には例年通りに戻って欲しいと思うのですが、正月から来年の話では鬼が笑うっていうもんですね。

 お正月ということで箱根駅伝のニュースを見たのですが、沿道には18万人の人出とか。自粛を呼びかけられていても従わない観客が18万人ということで、この調子ではオリンピックなんて無理な事でしょう。ウイルスの変異により感染力が拡大しているみたいでして、だいたいこれもスペイン風邪と同じような感じです。こんな状況下で、海外からオリンピック選手や関係者を国内に入れて、問題が起こらないと思う方がどうかしています。

 オリンピックみたいな遊び事に使う追加経費があるならば、その分を、苦境にあえぐ飲食店とか、失業してしまった人へと回すべきでして、オリンピックの話が出るたびに人心を逆撫でし続けているような気がします。庶民の苦しみを横目に見ながら、オリンピック話に浮かれるメンタリティって言うのは、いったいどうなっているのだろうか純粋に疑問です。平行世界に生きているのだろうかと思うレベル。

 遊ぶ事は、新型コロナウイルスが落ち着いてから、余裕をもってゆっくりとやればいい話であって、人々が生活苦や経営難にある中にする話じゃない。遊びや余暇、レクリエーションというのは非常に大切な事ですが、それも時と場合によりけりです。遊びを優先して仕事や生活が破綻とか、本末転倒だと思うのですよね。

 なにはともあれ、今年は少しでも早く新型コロナウイルスが終息してくれるのを祈るばかりです。

6日(水)
 2度目の緊急事態宣言へと向かって行っているような感じですね。感染防止と経済維持という、非常に難しい局面に立たされています。菅政権も立たされていますが、日本自体が立たされています。今回ある程度は感染を防止したところで、楽観的に見ても1年、悲観的に見れば数年は、ちょこちょこと感染者が発生してしまうことでしょう。そうすると、再び感染防止策を強めざるを得なくなるわけでして、それは経済の悪化に直結してしまいます。

 目下のところ、金額ベースで見ると航空会社や鉄道会社だとか、旅行会社とかへの影響が大きいですが、労働人口的にみたときに影響が大きいのが飲食店でしょう。感染源にもなっていますし、経営難にもなっています。ここが非常に難しいところです。この全国にある飲食店が倒産ラッシュとなると大問題でして、緊急事態宣言と飲食店の下支えは何とか両立させてもらいたいものです。

 この新型コロナウイルス下で、テイクアウトに力を入れている飲食店は沢山あります。そのようなテイクアウト店を支援する仕組みとかを充実させるのも良いでしょう。また、個室を完備している飲食店は沢山あります。広い店舗面積があって、個室もあるような飲食店には、緊急事態宣言下でも家族や恋人という特定少数での利用は、ドシドシして貰った方が良いんじゃないでしょうかね。

 友人関係や仕事関係での利用とかは論外でしょうけど、家族4人とか恋人2人きりという特定少数ならば、店員さんとの接触のみを気を付ければ良い訳ですから、経済振興のためにドシドシと消費をして貰った方がいいはずです。小規模店舗はテイクアウト、大規模店舗は個室の確保&家族や恋人での利用と、ある程度のラインを決めて営業して貰うような誘導をした方がいいと思うんですよね。美味しいものを食べるのが大好きな人間としては、全国の名店や名物店に何とかして生き残って貰いたいと思うのです。

12日(火)
 久しぶりに〈麒麟がくる〉の話ですが、松永弾正久秀の最期、良かったですねぇ。うちのカミさんも大喜びの信貴山城炎上でして、我が家ではこれほど見事に死に演じた松永久秀は初めてなんじゃないだろうかという高評価でした。吉田鋼太郎の怪演ぶりを、思う存分に堪能したのでした。

 しかしながら、古天明平蜘蛛に火薬を詰めて爆死していないのは、少々物足りないところ。その方が火薬の量が多くなったのにもかかわらず、勿体ない限りです。というよりも、明智光秀の性格はかなり美濃人っぽく描かれてきたのですが、ここへきて一気に、美濃人らしさが消滅してしまいました。あそこで、松永久秀に何と言われようと、美濃人ならば織田信長へとちゃんと報告をすることでしょう。まぁ、美濃人らしい生き様の延長に本能寺の変を持ってくるのは、なかなか難しいので、何らかの転調が必要なのはドラマの筋的には分かりますが、リアリティが欠けてしまったのが残念なところです。

 それよりもコロナや代役で出番が限られていた濃姫ですが、ついに退場です。いや、もしかしたらまた最後くらいに出てくるかも知れませんが、雰囲気的には退場でした。斎藤道三、斎藤義龍、濃姫と、美濃の見せ場がまた一つ減ってしまったのが惜しまれまして、あとは石川さゆり演じる御母堂ですね。悪役然とした稲葉一鉄は、最後に絡んでくるのかな。御母堂からの本能寺へという流れが楽しみでして、美濃から美濃へという美濃漬けの大河ドラマも終わりに近づいています。いやぁ、やっぱり大河ドラマで地元が出るのはいいものですので、終わりが近づくのは寂しいな。

14日(木)
 福岡も2度目の緊急事態宣言エリアに含まれまして、なかなかに憂鬱です。この間の小康期にそれなりの買い溜めはしてありますので、食料にしろ日用品にしろ、慌てて買わなければならないものはありませんが、街自体が沈鬱な状況になるのが嫌なところです。前回の緊急事態宣言の間に、お気に入りのお店の閉店とかあったために、今回もそれが加速するのではという心配もあります。協力金1日6万円とからしいですが、家賃や人件費だけで焼け石に水的なところがありますし、街が寂れるのは嫌だなぁ。

 それにしても、本当に1か月間の緊急事態の要請で、それなりにコロナ感染者数が沈静化するか否かというのは分かりません。中途半端なところで宣言を解除すると、すぐに元の黙阿弥なってしまって第4派がやってくる可能性があります。だからといっていつまでも緊急事態宣言を出し続けていたら経済に大打撃です。ほんと、進むも地獄、退くも地獄の、難しい状況ですね。何か活路はあるのでしょうか。

 しかしこうなってくると、冬は魚の脂がのって美味しい季節ですので、ナメロウが美味しくなる一方です。ナメロウの叩きをするのはかなりの重労働だとカミさんに言われますが、しかし美味い。これが美味い。本当に美味い。緊急事態宣言で飲食店に魚がまわらないと、自然とスーパーマーケットへと高品質の魚がまわって来まして、これを堪能しない手はありません。僕は今年度、人生で最もよく魚を食べているんじゃないかというくらい、刺身にナメロウに、アラ炊きに焼き魚にと、がッついている状況です。

 ナメロウの味噌も、わざわざ実家に頼んで岐阜から取り寄せている状況でして、赤味噌も混ぜ合わせてあるナメロウは本当に美味しい。緊急事態宣言で憂鬱になりますが、そんな感じで小さな幸せを探し歩いているのです。

25日(月)
 濃姫、まだ退場じゃなかったのかと嬉しい限りですが、石川さゆりがもしかして出てこないとか無いですよね。麒麟。最近の通説では母親が丹波で磔にされていない説の方が強いですが、ドラマとしては石川さゆりが見たい。織田信長も羽柴秀吉も尾張人ぽく無くなってきましたし、明智光秀も美濃人ぽく無くなってきましたけど、まぁドラマとしてはその方が面白いですけどね。だから史実なんて無視し石川さゆりの磔されるときの顔が見たい。

 ところで大河ドラマと言えば、ふと思い出したことがあります。朝倉家の重臣である山崎吉家を榎木孝明が演じていましたが、榎木孝明といえば〈真田丸〉で穴山梅雪を演じていたことが思い出されます。その時は、見流してしまっていたのですが、榎木孝明に穴山梅雪。なるほどと謎が解けたのでした。

 榎木孝明といえば代表作は言わずと知れた浅見光彦シリーズでして、その作者は内田康夫です。この〈日光殺人事件〉のエピソードは明智光秀が天海僧正だったという仮説が取り上げられています。浅見光彦は、この明智光秀=天海説を取材しに行って殺人事件に遭遇するのです。推理小説の謎解きを書いてしまうなんていう野暮なことはしませんので、ミステリーの犯人はさて置くとしまして、その作品中で浅見光彦は明智光秀=天海説を書いて出版するよう勧められます。

 そして現実世界では、内田康夫が〈地の日 天の海〉という歴史小説を書いています。ミステリーかと思って買ったら歴史小説で、それもあまり良い出来とは言い難く、すっかり忘れていたのですが、そんな本があります。明智光秀=天海説ではなく、天海が若き頃に明智光秀とも懇意であったという小説でして、完全なるリンクではなく微妙なリンクだったこともあり、すっかり忘れていたわけです。内容はさて置き、この〈地の日 天の海〉の中で、穴山梅雪がかなり魅力的に描かれています。

 穴山梅雪について色々と描かれた歴史小説っていうのもそれ程多くなく、そんなこともあって、内田康夫の穴山梅雪はちょっと珍しくもあります。そして、浅見光彦を演じた榎木孝明が穴山梅雪を演じたことに、たぶん〈真田丸〉の時にクスっと楽しまなければならなかったのでしょう。すっかり気付きませんでした。それを今更になって気付くボケボケ加減です。。。

 ところで、なめろう続きでカミさんに申し訳ない限りですが、カミさん曰く、料理はストレス発散に最高だと言ってくれまして、嬉しい限りです。この時期には、ヒラス(ヒラマサ)のナメロウも美味しいですし、スズキなんかも美味しいですね。包丁の刃の部分で切り刻んだ後に、包丁の背の部分で叩きまくったやるのがコツらしく、切り刻み、ぶっ叩きを繰り返していくと、すっきりしていくらしいのです。短冊で買ってきたヒラスやスズキが、切り刻まれ叩かれてナメロウへと出来上がっていく様子は、なかなか見ていても楽しいものですよ。

29日(金)
 緊急事態宣言も延長されそうな感じでして、なかなか第3派は終息してきませんね。クリスマスから年末年始に自粛要請を出さなかったために、そこからダラダラと推移しているような状況です。こういう蛇の生殺しみたいな状況が、一番厄介です。今年も人が集まるようなところでの花見は駄目そうでして、近所の桜をチラッと眺めるくらいになりそうですね。従前の生活が懐かしいですが、如何ともし難いところです。

 そんな緊急事態宣言とかと、オリンピックが関係あるかのような発言を間々目にしますが、それって関係ないだろと思うのです。それどころか、政府のコロナ対策とオリンピックも、関係するかどうか微妙なところです。疫病が日本国内だけならば、政府の対応が上手いか下手かでオリンピックの開催が左右されるのでしょうが、世界的な疫病ですから、日本国内だけでそれを封じ込めてもオリンピックとは直接的には関係がない。

 北半球、南半球問わず、世界各国で感染爆発が起きている限り、選手、スタッフ、報道陣など、関係者の往来を自由にさせるなんて無理筋です。オリンピック選手なんて各国での英雄的な人々もいます。そこが、別の国のスタッフや報道陣から新型コロナを移されたなんてなったら、大騒動です。スタッフの中には過去のメダリストなどもたくさんおり、まさに祖国の英雄たちだったりします。彼らは中高年ですから、亡くなったりしたら、いったいどうなる事やら。

 などなどを考えると、無観客であったとしても、オリンピックの開催は最早あり得ないでしょう。そんなことより、24年パリオリンピックや、28年ロサンゼルスオリンピックを含めて、4年づつずらすとか、パリとロサンゼルスの後の2032年のオリンピックに入れてもらうとか、別の選択肢に代わってきているような気がします。