2020年10月

2日(金)
 今年の冬の長期予報が出ていまして、久しぶりに例年並みの寒い冬になるという話です。昨年度はついにコートを着ることなく終わった暖冬でしたが、今年から来年にかけての冬は冬物を多用することになるのでしょうか。セーターですらたいして着ることもない冬っていうのは、さすがに気持ちが悪いですから、冬は冬なりの寒さになって貰いたいものです。

 そんな長期予報で冬が寒くなるからかどうかは知りませんが、今年はゴキブリが大量発生をしています。いつも我が家に出ているゴキブリたちよりも、明らかに大きさも大きく、数も多い。完全に今年はゴキブリの大発生の年でして、多分、外から家の中に侵入していると思われます。カミさんが、ゴキブリ退治グッズやら、エアコンの排水口などからもゴキブリの侵入を防ぐグッズだとか、色々と買い込んで対策をとっています。

 ゴキブリ退治用のトラップエサなどを食べたからなのか、ふらっふらに出歩いているゴキブリなので、僕でもかなりの確率で潰せます。逃げられるのと潰すので、半々よりも確率は高く、7割ぐらいは潰しています。もう今年は何匹のゴキブリを死地に赴かせたのかと思うと、少々憂鬱にもなります。まぁだからと言って、ゴキブリと我が家で仲睦まじく暮らすわけにもいきませんから、見つけると潰すしかなく、我が家に寄り付かなくなってくれないかなぁっと思うばかりなのです。

9日(金)
 Skype for businessの制限人数が250人で、Teamsの制限人数が300人ですが、後期の授業の1つで受講制限をかけなかったところ350名を超える学生が授業登録をしたようでして、当然、Skypeから追い出されて見えないという事態になってしまいました。授業中に学生に聞いたら、Youtubeと連動させて生配信をすればいいじゃないかというアドバイスを貰う。デジタルネイティブ世代は凄いなぁっと感動したのですが、いきなりそんなことをする度胸は40代にはありません。

 ということで、録画機能を利用して、事後的に大学のmoodleにアップロードするようにアドバイスを貰い、そのように対応することとなりました。ところが、授業が終わってみると、容量が大きすぎてアップロードできない。ということで焦る。TAさんに相談すると、ファイルを圧縮すれば大丈夫というアドバイスを貰うのですが、圧縮できない。またまた焦る。いろいろと挑戦してみたところ、音声と共有画面だけ残して、映像画面を消してしまうと、なんとか容量制限内にまで圧縮できることが判明して、問題が解決したのでした。

 ところで、今年は寒くなるのが早いこともあり、カミさんが例年よりも早く鍋の準備にとりかかりました。去年はおでんが鍋初めだったような気がするのですが、今年はなんとアスパラ菜をメインの鍋に。アスパラ菜っていう野菜、いつくらいから出始めたのかよく分かりませんが、けっこう美味しいですよね。

 アスパラ菜などという名前をしているものの、アスパラガスとは何の関係もないとか。中国野菜の〈菜心〉と〈紅菜苔〉という品種を掛け合わせて作り出された品種ということで、新しい野菜なのですね。しかし、癖がなくて美味しい。日本は中国に比べて野菜の種類が乏しいということはよく言われますが、中国の品種をいろいろと探索していくと、日本人好みの野菜ってもっとたくさんあるのではと思いますよね。空心菜を最初食べた時も感動しましたけど、中国野菜っていうのも奥が深いですね。

 このアスパラ菜をメイン食材に、小松菜にエノキ、ブラウンエノキ、舞茸、豆腐に豚肉だけのあっさりとした鍋でして、これで寒くなるという今年の冬に、我が家のレパートリーが一つ増えたのでした。

12日(月)
 ゴキブリ退治の話の続報です。カミさんが買ってきた金鳥のスプレーをプシューッとかけたり、毒エサを家の各所に置いたりしていました。それで、かなりゴキブリは弱っていくものの、完全退治という訳にはいかず、ネットサーフィンなどしながら更なるゴキブリ退治方法などを模索しておりました。すると、ゴキブリには嫌いな臭いがあるとか。

 ハッカ、クミン、ナツメグ、レモン、シナモン、クローブなどなど、けっこう色々な香辛料やハーブ類が嫌いだとか。白檀の香りも嫌いということで、カミさんがお香をたけば良いと思い立ち、安いインド香を大量に引っ張り出してきて、モクモクとインド香を部屋に充満させていく。白檀のインド名はチャンダンです。するとこれも効果があって、ゴキブリが減少したり弱っていくのですが、それでもゴキブリの完全退治という訳にはいかない。

 これは何なんだという感じだったのですが、ネットサーフィンを続けていくと、見解が分かれているものを発見してしまいました。ユーカリです。とあるサイト群ではユーカリはゴキブリが嫌いな香りと紹介されているのですが、別のサイト群ではユーカリはゴキブリが好きな香りとして紹介されています。

 そして実は、我が家にはこのユーカリの香りが溢れているのです。ユーカリの香りは蚊が嫌いな香りとして有名でして、蚊の対策としてユーカリの香りを夏の間に用いていました。このユーカリの香りをゴキブリが嫌ってくれていれば良いのですが、もしユーカリの香りをゴキブリが好きだったとすると、このユーカリの香りがゴキブリを屋外から集めていたことになります。取り敢えず、ユーカリ関係の物をジップロックで密閉です。これでどの程度の効果があるかは分かりませんが、ユーカリの香りは結構な盲点ですよね。

14日(水)
 僕も学者の1人なんだと思いますが、日本学術会議という組織について、これまで考えたことも意識したこともありませんでした。そんな組織についてニュースを賑わしているのは、いささか不思議な感覚です。別に日本学術会議があるからと言って、僕の研究活動に何か影響を与えそうにも見えませんし、日本学術会議が無くなったからと言って、僕の研究活動に何か影響を与えそうにも見えません。そういう意味からいうと、いったいどうして騒ぎになっているのか、全く理解できないのです。

 逆に僕としては学者であると同時に、1人の納税者です。納税者の立場から言うと、この何の役に立っているのか全く学者にすら理解できない組織に、約50名の官僚が割り当てられ、年間10億円を超える財政支出が行われていることに驚きます。そんなにスタッフと予算が割かれているのならば、僕みたいな末端の学者にも何か影響があっても良さそうなものなのに、何にも影響も関係もない。それどころか、どんな組織なのかもほぼほぼ知りませんでした。これは驚きです。

 簡単にペラっと調べてみたところ、1983年までは学者による公選でメンバーが選出されていたようです。選挙権がどの範囲にあったのかまでは調べていませんが、公選で〈学者の国会〉をしていたのならば、僕みたいな末端の学者にも影響も関係もあったことでしょう。そういう意味では、日本学術会議は公選制に戻すか、廃止するかの、二者択一くらいの方が良いかと思います。

 少なくとも現状のように、末端の学者が存在をほぼほぼ意識することもないのに、大量のスタッフと多額の税金が使われている学術組織とか、よくこれまで議論の俎上に上らなかったなぁっと驚きます。中曽根政権で日本共産党の影響力排除を目的とした公選制のストップが行われたようですが、それ以後は非自民政権も、橋本行革も、小泉改革も、民主党政権も、どこも手を付けずに残っていたわけです。今回のように世間の注目を集めたということは、良いか悪いかの価値判断は別として、一気に改革対象になっていきそうです。

 小泉政権時代に着目されていたら、抵抗勢力をぶっ壊すというフレーズの、良いターゲットにされていたように思うのです。

19日(月)
 落花生、ピーナッツという食べ物は、別に嫌いな訳でもないので、目の前にあって気が向けば食べますが、だからと言って積極的に自分から食べるという食品ではありません。それをカミさんが落花生をわざわざ買ってきたので、普段はカミさんも落花生なんてあまり食べないのに、珍しい気分になったものだと思っていました。

 ところが、この落花生、僕の誕生日プレゼントだと言って、どんとテーブルに出されたのです。頭の中はクエスチョンマーク。カミさん曰く、これは単なる落花生ではなく、生落花生の塩茹でだから、だまされたと思って食べてみろと。まぁ、折角だから断るのもあれだし、別に落花生が嫌いな訳でもないので、断る理由もない。カミさんが食べるのに付き合いで仕方が無いかと、僕も1つ食べてみたのです。

 すると、いや、これは落花生ではありません。僕の知っている落花生、ピーナッツ、あれとは全く全然すごくとても非常に別物なのです。なんというか、大豆と枝豆っていうのが全く別の味わいなように、落花生と生落花生というのは全く別の食べ物です。いや、知らなかった。ほんと知らなかった。ごめんなさい。

 生落花生、言うならば味わい的には栗とかのグループです。茹でたての状態から少し冷めてきたところが一番美味しいということですが、上手い表現方法が見つかりません。〈ほくほくした〉というよりもうちょっと冷めた感じだし、〈こりこり〉というよりも柔らかいし、〈さくさく〉というよりも瑞々しくてしっとりしているし、なんて言うか絶妙に美味しいのです。カミさんが自分は昔よく食べたから1個だけでいいと言うので、1個だけ渡して、あとはザル一杯を僕が全部食べてしまいました。

 大豆と枝豆って言うのは、そもそも色も違うし、名前も違うし、別の食感や味だと了解し易い。しかしながら落花生と生落花生って、見た目は同じだし、特段の名前がある訳でもないので、全く別の食感であり別の味だとは思わないでしょ。いやこれ、人生を損してきた。生落花生は季節が限られているらしく、しかもあまりスーパーマーケットなどに並ぶこともなく、農家が勝手に楽しんでいるだけっぽいですね。今回たまたまカミさんがスーパーマーケットで入手したのですが、ほんと幸運でした。

 一年を通して食べられるようになった落花生というのは、食料保存の点からは優れているのでしょうけどね。でもそのおかげで、生落花生を旬の季節に食べるという、その醍醐味を知らずに来たことに、人生の難しさを感じた誕生日でした。

21日(水)
 僕が初めて新幹線に乗ったのは1985年の〈つくば万博〉に家族旅行で行った時でして、東海道新幹線として走っていたのは今で言う0系新幹線でした。そのために、新幹線と言えば0系新幹線の車体をイメージすることが多く、最近の700系新幹線などは、カモノハシみたいな顔をしていて、どうも新幹線らしくないと思ってしまいます。一方でカミさんは、新幹線と言えばイメージするのは500系新幹線ということでして、こちらはまだ現役で山陽新幹線では〈こだま〉として走っていますから、引退してしまった0系新幹線とは違います。〈機関車トーマス〉にそんな0系新幹線が登場するということで、やっぱり新幹線と言えば0系だよなと、1人納得をしたのでした。

 ところで実家の母親と新幹線の話をしていたところ、僕が子どもの頃は、まだ健在だった父方の祖父にわざわざ多治見駅まで連れて行って貰って電車をよく見ていた子だったとか。祖父に連れて行ってもらってよく見ていたのは、近所の消防車だったという話はしばしば色んな人から聞いていたのですが、駅まで電車も見に連れて行ってもらっていたとは初耳でした。電車への興味なんて、その後に全く皆無となってしまいましたから、自分が電車を見に連れていかれていたことに驚きです。

 消防車の方は、出初式とか見に行くのも好きで、小学生とかになっても楽しんでみていた記憶があるのですが、電車って言うのは本当に記憶の彼方へと消え去ってしまっています。ちょっと調べたところ、多くの子どもが4歳くらいまでは電車とかに興味を持つものらしく、僕もその1人だったようですね。今でも消防車は見ると格好いいなぁっと思いますが、電車には大して感想もないので、いやぁ子どもの頃の話っていうのは覚えていないものですね。

28日(水)
 誕生日の生落花生の話を書きましたが、それがあまりにも美味しかったので、カミさんへまた食べたいというリクエストをしたのです。するとこの生落花生の塩茹で、けっこう手間がかかるということで、誕生日でもないから手伝いをさせられたのでした。ポイントの1つは、殻を少し割ってから茹でること。そういうことで、これがかなりの手間でして、僕は美味しい生落花生の塩茹でを食べるために、ちまちまと殻に傷を入れ続けたのでした。

 それとともにもう1つのポイントが、塩を入れるタイミングが複数回あるということでして、2回だか3回に分けてカミさんが塩を投入していまして、これもなかなかの手間です。しかも40分間も茹で続けるという面倒さでして、カミさんが今まで作らなった理由も良く分かりました。でも味を知ってしまいますと、ちょっと手間でも手伝うから作ってくれよという気持ちになりまして、まぁスローフードですね。

 それじゃ殻を完全に割ってしまえば良いじゃないかと思うのですが、そうすると水浸しで美味しくないとか。水に触れる加減が難しいみたいでして、そちらの加減に塩加減の塩梅にと、なかなか繊細な調理法です。生落花生を茹でるだけなのに繊細とは、難しいですね。でもこれ、ビールにも合うし、焼酎にも合うし、日本酒にも合うし、酒の肴としては最高なんですよ。