2022年5月

10日(火)
 ゴールデンウィークは取り立てて大きな移動をすることもなく、あまり人混みに行かない状況で過ごしていましたが、ニュースなどを見ていると例年並みとはいかないまでもそれなりの人出があったようです。コロナ以前とコロナ中との折衷のような状況が、今後は求められていくことになるでしょうから、なかなか難しいところです。

 インバウンドを目的とした外国人観光客の入国緩和の話も出てきていますが、これも難しい話です。何が難しいかというと、外国人観光客にマスクをつけ静かにして貰うことが最も難しい。そもそも風邪をひいたらマスクという文化が最初にあった日本とは異なり、多くの他の国ではコロナ対応のためだけにマスクが登場し、マスクは自由の侵害であるなどという議論まであります。そんな国からくる人たちに、日本人がストレスなく接することができるのか、という問題が突き付けられます。

 菅義偉政権は、オリンピック委員会のバッハ会長の言動や、一部オリンピック選手たちの宴会騒動などによって、国民の怨嗟の声を受けて退陣せざるを得なくなっていきました。子どもたちの学校での運動会が中止されて出来ないのに、大人の世界運動会をするなんてほんと国民を敵に回す行動でした。

 今回のインバウンド客の誘致も全くこの構図に乗っており、外国人観光客がマスクをしないで日本中を跋扈していき、それとコロナ再流行が軌を一にすれば、岸田内閣への批判が高まっていくことになるでしょう。マスコミとしても視聴率と政権交代へのいいネタでしょうしね。つまり、岸田政権は外国人観光客にマスクを付けさせ、静かに観光させることができるか否かに、政権の命運がかかってしまいます。

 菅義偉政権の時もそうでしたが、ゴールデンウィークシーズンは窓を開けて過ごせる清々しい季節なのに対して、梅雨から夏場にかけては冷房のために部屋を閉め切り換気が悪くなります。この換気の状況とコロナ流行は因果関係がありますから、夏場と冬場がコロナ流行の危険シーズンです。そういう点からも、梅雨時から夏休みにかけてのインバウンド客という話は、日本人にはマナーと同調圧力でなんとかしてもらっている点を、異文化の人たちにどうして貰うのかという問題を突き付けているわけです。果たしてその名案は出てくるのでしょうか。

12日(木)
 久留米は田主丸がワインの産地ですし、大分県へ行くと安心院のワインが有名です。最初、安心院と書いて〈あじむ〉と読むことが分からず、あんしんいん、あんしんいん、と言っていましたが、明かに湯布院からの連想ゲーム的にあんしんいんだと思っていました。そんな九州のワイン事情ですが、宮崎は五ケ瀬でワインを作っているとのこと。熊本の阿蘇方面との県境でして、たしかにあの内陸だと宮崎県でもワインが作れるのでしょう。

 先日、試飲でだされていた五ケ瀬ワイナリーのシャルドネの白ワインを飲んでみたのですが、驚くほどにクセが無くてすっきり。いくらでも飲めてしまう危険なワインでして、昼間だったので試飲2杯で止めておきましたが、他にもナイアガラ種やデラウェア種などもあるらしく、機会があったらそちらも飲みたいものです。

 田主丸、安心院、都農、五ケ瀬と飲んでみてくると、九州のワイン力が日々上がっているのを実感します。熊本ワインファームは名前だけ知っていてまだ飲んだことが無いですが、調べてみると九州はほかにも五島と雲海酒造にもワイナリーがあるとか。前田正名がワインを日本に定着させようとしていたのが100年以上前ですが、それが暖かい九州でもこんなにワイン作りがされていると知ったらさぞ驚くことでしょうね。

17日(火)
 細田衆議院議長の100万円の月収を軽んじる発言によって騒動が起きていますが、世襲3世の国会議員の感覚が分かって興味深い事案です。100万円の価値とともに、国会議員には秘書の給与や旧文書交通費、場合によっては政党助成金も絡んできますから、額面ででてくる給与以上の税金が使われています。東大法学部を出た優秀な御仁ですから、無自覚なのではなく意図的でしょうが、それらの点を誤魔化しつつの発言でして悪質性の高さを感じます。

 そもそも論として、1票の格差が発生するのは地方における過疎化と、東京への一極集中という問題でして、それはある面から言えば政治家たちによる失政の結果なのですから、過疎地の議席が減らされるのは自業自得です。議席が減らされるのが嫌ならば、自分の選挙区が栄え賑わい人口が増えるようにするのが先でしょう。政権与党として要職についてきた人たちの地元が人口減少なんだから、まずは自分たちの失政を反省し、一極集中の緩和や自分たちの地元の人口が増える政策を考えるべきでしょう。

 国会議長は立法府のトップとして、戦後には内閣総理大臣や最高裁判所長官よりも厚遇されています。三権の長の中でも上位、しかも衆議院は参議院に優越していますから、衆議院議長という役職は、歴代の議長たちも中立であるように品位を汚さないように尽力してきたポストです。それが今回は党内の不満を抑えるという党利党略だけでして、中立性という観点から言っても胡散臭い。しかも発言のレベルも低い。そういう色んな角度から眺めていくと、細田議長は史上最も下品な衆議院議長と言って良いでしょうね。

24日(火)
 ちょっと北野天満宮まで行ってきました。と言っても京都の北野天満宮ではなく、久留米は北野町にある北野天満宮です。近場の太宰府天満宮ではなく、京都の北野天満宮から分祀されたという不思議な神社です。市町村合併で今は久留米市になっていますが、もともとは北野町だったところでして、久留米の新鮮な野菜が供給されるエリアの一つです。創建は1054年って言いますから平安時代、藤原頼通の時代ですからかなり古い創建ですが、残念ながら何度か焼けてしまっています。

 久留米市の中心部から北野町へと向かって行くときに宮の陣っていうところを通っていくのですが、この宮の陣の地名の由来は、南北朝時代に征西将軍だった懐良親王の陣が置かれたところという立地でして、そのころに焼かれてしまったらしいですね。詳しく調べたわけじゃないので、どういう理由で焼かれたかまでは知りませんが、残念です。そんな関係もあって、北野天満宮の最古の古文書類は足利義満の頃のものになるのだとか。 

 社殿などは17世期半ばくらいのもので400年弱くらいですが、実はこの北野天満宮は社殿などよりも樹齢1000年くらいある天然記念物の大楠が有名です。大楠を中心にして何本かの大きなクスノキがそびえ立っていまして、陣屋川の方から神社を見るとまるでトトロが出てきそうな趣があります。そんな話をカミさんとしながら周囲をぶらぶらと歩いていたら、なんとグーチョキパン屋さんを発見。高台ではなく平面に立地していますが、パン屋さんのちょっとした遊び心に嬉しくなったのでした。ちなみにキーマの焼カレーパンが美味しかったのです。

26日(木)
 文春砲の細田衆議院議長への続報が出ていますね。文春の傾向からして、より詳細な情報を抱えつつのジャブのようなスクープの出だしだろうなぁっと推測していたのですが、やはり女性へのセクハラの宝庫であることが続報でも書かれているようです。しかも一人じゃなく不特定多数の複数の女性へのセクハラ大王のようでして、どうして抗議文を文春に送ったんだろうと思うレベルです。しかも相手は女性のジャーナリストたちも多いとか。衆議院議長という上がりポストの今こそ、被害にあったジャーナリストたちもネタの出しどころでしょう。

 30年前のバブルの余波がある頃ならばならいざ知らず、21世紀にもなって、令和にもなって、まだこういうスキャンダルを隠して逃げられると思っているとしたら、あまりの意識の低さに愕然とします。さすが史上もっとも下品な衆議院議長ですね。ど田舎村の村民総会の議長でも、もっとマシな倫理観の人材は沢山いるレベルです。

 話は変わりますが、カミさんと寿司屋さんへ行ってきました。筑後久留米は実は寿司屋さんのレベルが高いのでも知られるエリア。玄界灘のある福岡市側や、柳川や大牟田や大川といった有明海側からは少しばかり距離があり、美味しいお魚を食べるために寿司屋が昔から盛んだったエリアのようです。久留米大学医学部がある関係で、久留米市は全国屈指の医者や看護師さんたちが多いエリアでもあり、それもあって美味しい寿司屋がひしめき合っているのでしょう。

 しかもカウンターに座るや否や目に付いたのがエツ。この初夏の時期だけ解禁されているお魚さん。南蛮では食べたことがあったのですが、刺身でも寿司でもいけるとか。イワシの仲間だと聞いていましたし、南蛮を食べている時にはそうかなぁっと思っていたのですが、刺身で食べてみるとまったくイワシではありません。ハモのようにかなり骨が多く、骨切りの腕前が美味しさに直結する魚です。そしてイワシのような脂は感じず、サヨリとかの方が近いかも。とにかく食べたことが無かった種類のお魚です。淡く美味しくて、わざわざエツを食べに遠方からくる人がいるのが分かります。

 しかもかなり足が早いらしく、福岡市の方まで運ばれていくことすらあまりないので、まさに筑後かお隣の佐賀県側くらいでしか食べられない名産です。板さんに聞いたところによると、川エツと海エツがいるらしく、筑後川下流域から有明海の汽水エリアくらいに広がっているのでしょうかね。食べたのは川エツだったのですが、海エツは味が違うのか?まだまだ謎は尽きません。

31日(火)
 久留米も気温30度を超えてきまして、5月にして早くも暑い季節へと向かって行っています。久留米へと移住してから、久留米は暑くて大変でしょうという声をかけられることが間々あるのですが、多治見出身者としては久留米は大して暑くありません。といっても普段生活しているエリアは久留米市の中心部だけなので、それ以外の事はまだよく知りませんし、カミさん曰く久留米大学御井キャンパスがある方とかは中心部よりは暑いらしいですが。

 久留米市の中心部は筑後川があるからなのか風がよく流れています。街の中心部の川というと、土岐川のある多治見のイメージだと湿度を上げて過ごしにくくしそうですが、筑後川くらいまで川幅が広くなってしまいますと、土岐川とはかなり違うみたいです。また、福岡市に住んでいた時は海からの風で湿度が上がって暑苦しかったのですが、風も海風ほどの湿度はありません。というわけで、久留米の人たちに心配されるほどには暑さも湿度も感じず、とても快適です。

 これで大雨の水害の危険性さえなければ、久留米はとても過ごしやすい土地ですが、うちのあるエリアは5年連続6回の水害でも大丈夫なエリアだとはいえ、しばらく先に行くと水没エリアがあったりしますから、まぁ心配です。どんな強豪校だという頻度で市内各地で水害が起きています。遊水地を増やしたり排水ポンプを増設したり、色々な対策は進んでいるようでして、今年、6年連続の7回目・8回目の水害が無いことを祈るばかりです。
 
 夏は水分補給が多くなるのですが、買い溜めをしておいたさんぴん茶のストックがついに底をついてしまいまして、冷やした緑茶・紅茶・コーヒー・ハーブティなどを飲んでいますが、やっぱりさんぴん茶が無いと夏を感じられません。と言っても夏前に沖縄に行く計画はありませんので、通販に手を出そうかとも思うのですが、そうすると高いよなぁっっていうだけじゃなく、まちぐぁーの人たちの顔の見えないさんぴん茶なので寂しく、どうしようかと思案中です。

 コロナ下で禁断症状が出ているなぁっと思うのは、〇〇本部とか書いてある文字を見ると、もとぶ牛が食べたくなることです。入試本部とか大学本部とか、全部もとぶ牛の直売所か焼肉屋さんにしか見えなくなっています。カミさんに聞いたところ、カミさんも同じ症状を発症していました。困ったなぁ。