2012年7月

10日(火)
 社会経済史学会の九州部会が宮崎大学でありましたので、福岡に来て8年目にして初の宮崎上陸でした。九州新幹線のおかげで熊本・鹿児島との体感距離がぐっと縮まったのに対して、瀬戸内側の宮崎が取り残されてしまった感があったのですが、福岡−宮崎の航空運賃が片道5,000円という破格の値段を出し始めまして、鹿児島よりも安く早く宮崎に行くことが出来るようになったのでした。それを記念してなのかどうかは知りませんが、宮崎で部会が開かれたので勇んで参陣したのでした。

 宮崎というと南国というイメージがありまして、しかも僕の両親の新婚旅行が宮崎だったという土地柄でもあるのですが、街路樹のヤシの木はたくましく、咲きほこる花々は色鮮やかで、期待を裏切らないものでした。九大にもヤシの木が植えられているのですが、大木に育った宮崎のヤシの木と比べると寒々しく感じるほどでして、やはり宮崎くらいの気候でないとヤシの木は映えませんね。同じくソテツの木も九大ではひっそりと植わっていますが、宮崎のソテツの木は葉の付き方も別の植物のようでした。

 宮崎といえばやはりチキン南蛮でして、その発祥の店として知られる〈おぐら本店〉に行ってきました。普通のチキン南蛮とは違う独特の味でして、これが元祖オリジナルのチキン南蛮なのかぁっと感心しまして、カミさんと2人でそれぞれ注文したのですが、これまたけっこうなボリュームのチキン南蛮が出てきたのでした。しかし、僕はともかくとして、カミさんの方も珍しくペロッとその大分量のチキンもライスもを平らげてしまいまして、部活帰りの高校生かよという食欲をもたらしてくれます。後日、宮崎大学出身の人に聞いたところによると、女性ではあんなにたくさん食べられなくてみんな残してしまうという話でした。。。ちなみに、最後の晩餐はチキン南蛮がいいと豪語しながら懇親会でも満足いくまで食したカミさんでしたが、翌日は親子丼を求めて奔走していたのでした。

 さて、残念なところがあるとすると、イメージとしては沖縄の国際通りか牧志市場だったため、街中でカットフルーツが溢れているイメージがあったのですが、カットフルーツを気軽に食べられるのは宮崎空港しかありませんでした。贈答用のマンゴーはたくさん溢れているのに、皆が和気あいあいと食べるフルーツが無いのは本末転倒かと。。。東国原知事のセールスによってマンゴーの価格が上がりすぎ、宮崎の地元の人の口から遠退いてしまっているのだとか。

22日(日)
 今年の梅雨の終わりの大雨は、僕が福岡に来てからも初体験という大雨でして、九州各地にかなり大きな爪痕を残していくこととなりました。1000年に1度というレベルの降雨量になってしまったところもありまして、政府の激甚災害指定もおろされる程の大水害となってしまっています。人的被害に加えて、農地の被害が数十億円規模、さらにはインフラの崩壊という問題もありますし、大分、熊本、福岡の各県はこれから復旧に向けて歩いていかなければなりません。明日23日は死者が3桁を数えた長崎大水害から30年という節目の年でもありますが、やはり九州は集中豪雨の災害を受けやすい地域でありまして、治水っていうのは天下百年の計、千年の計だよなぁっていうのを、改めて思い知らされます。

 ところで、しばらくぶりに腰をひねってしまいまして、少々のた打ち回っていました。いわゆるぎっくり腰というやつですが、楽しみにしていたビアガーデンもキャンセルせざるを得ませんでして、夏の初めから心残り全開です。やはり九州は暑いということと、スペースが結構あることも合わさって、ビアガーデン文化が盛況です。枝豆や唐揚げ、フライドポテトなどをつまみながら、ビールジョッキを傾ける夏は幸せです。

 福岡の珍しいところとしては、なんと福岡空港国内線第2ターミナルの屋上で〈ビアエア〉なるビアガーデンを始めてしまったことです。福岡への出張客が帰ることまで配慮してのビアガーデンなのかはよく分かりませんが、空港の屋上が何故かビアガーデンなのです。まぁ、福岡空港の立地は街の近郊ですからね。ただ福岡にいる人間としては飛行機が飛び立つ大パノラマの中で楽しめるというメリットはありますが、旅行客としての感動を味わえないのが少々残念なところです。あと完全予約制なので、当日の昼までにはビアガーデンに乗り込むことを決めてしまわなければならないのでした。

25日(水)
 先日、農業被害が数十億円などという事を書きましたが、その後に調査が進むにつれて被害の深刻さがより鮮明になってきまして、八女市だけで数十億円規模、北部九州全体だとその10倍だか20倍という被害規模にのぼってしまっているようです。農地に流れ込んだ土砂や瓦礫、さらにはそれ以外にも壊れたインフラの数々と、これから復興に向けて力を合わせていく必要があります。がんばろう九州という精神で、九州にいる皆で力を合わせて被災地の復興へと支援を広げていきたいところです。

 福岡、熊本、大分と瓦礫がひどい事になってしまっていまして、瓦礫の九州広域処理がいろいろと計画されているようです。福岡県内では北九州市などが北部九州の瓦礫処理の受入れに対して真っ先に声を挙げているようでして、さすがに環境先進都市だと感心するばかりです。福岡県の方でも早急に瓦礫運搬のメカニズムを構築し、さらには熊本や大分などとも連携をしながら、豪雨によって生じた瓦礫の処理に邁進して貰いたいものです。

 話は変わりますが、カミさんにポテトサラダを作って貰いました。ところが甘くないのです。大概の料理は甘くない味付けで満足できるのですが、家庭で作るポテトサラダが甘くないというのは、なかなか納得できないところで文句を言ったのでした。ところがカミさんにスイートポテトでも食べていろと言われてしまい、次のポテトサラダの日に向けて交渉の真っ最中です。景気良くドバ―っと砂糖を入れてこそ、ポテトの味も、マヨネーズの味も、引き立つと思うのですが、なかなか理解して貰えないのです。。。

31日(火)
 福岡の7月の終わりは筥崎宮の夏越まつりでして、今年も堪能してまいりました。7月28日・29日がお祭りということで、28日のブランチをお祭で済ませてから、経営史の部会発表に太宰府の方へ行こうと思っていたのですが、残念ながら初日は午後4時からお祭り開始ということで、2日目しかお祭りへ遊びに行けなかったのでした。

 僕がこの夏越まつりにこだわる理由は、なんと鮎の塩焼きが毎年屋台に出ているからであります。福岡に来て衝撃的なことの一つが、みな殆んど鮎を食べないことでして、海の幸ばかりを食べているのです。しかし、岐阜の清流の鮎で育った身としては、定期的に鮎が食べたくなってしまうのですが、福岡では殆んどいい鮎が入手できません。ということで、毎年毎年わざわざ熊本県も人吉市から届けられる鮎を心待ちにしているのです。上品にタデ酢でいただく鮎は長らく堪能できていませんが、それでも単なる塩焼きの鮎を食べられるだけでも大満足です、というかそれこそが原点ですね。