2022年3月 |
4日(金)
ロシアがウクライナへと攻め入りましたね。現在進行形の話なので詳細は事後的にしか検証されないでしょうが、アメリカ等がウクライナに資金援助して対ロシア生物兵器・化学兵器研究所を手がけていたことで、プーチン大統領が積極防衛でウクライナへと進軍していったという話題で盛り上がっています。まぁ、目と鼻の先で生物兵器を作られていれば、日本人は遺憾の意を連発するくらいでしょうが、ロシアだと軍事侵攻になってもおかしくないですね。ただし、これはロシア発の偽情報だというカウンターも出されており、何が真実かの検証には時間がかかることでしょう。
生物兵器・化学兵器は今後の検証課題としても、昨年末の読売新聞ではアメリカが通常兵器をウクライナに提供して、軍事演習でロシアに対して恣意行為をしたというニュースが流れていましたから、まぁ、遺憾の意を連発するだけでは済まない状況へと、アメリカが追い込んでいったという側面は強いです。
戦後日本にいると専守防衛で頭が固まってしまいがちですが、国際的、また日本においても歴史的には積極防衛という対応もある訳でして、その辺の価値観も時代と状況によって変化していく可変的なものなんでしょう。ロシアは核兵器を持っていますから、積極防衛がしやすい立場です。ただし、ロシア兵の戦意の低さも相まってウクライナは国土を破壊されながらもよく戦っています。
しかし軍事施設や行政施設などを破壊するだけでなく、一部ではロシア軍が一般市民を対象にし始めたというニュースも目にします。非武装の民間人を大量殺戮して戦意を削ぐのは、アメリカ軍が最も得意とする攻撃方法でして、そんなアメリカ発のニュースがロシアによる民間人殺戮を非難するのは、なんだかなぁっという印象です。ロシアもアメリカもどっちもどっちですが、どちらにしろ早く停戦してもらいたいものです。それと、核兵器の使用が行われないことを祈るばかりです。
10日(木)
九州大学から教職員や学生に対して、早くもこの春のお花見宴会の自粛の通達が出されています。まぁ、オミクロン株による第6波は落ち着きつつあるといえども、まだ治療薬とかが出来上がっていない中で、新年度前の感染者の大量発生は避けたいところでしょうから、致し方なしですねぇ。家族で桜の下をぶらぶら歩くくらいに留めるだけとし、今年も本格的なお花見はお預けです。
お花見と言えば色々なところでしてきましたが、古い写真を整理していたら子どもの頃の虎渓山でのお花見写真が出てきました。虎渓山と言っても夢窓疎石で有名な永保寺ではなく、その手前の虎渓公園のところが桜の名所でして、そこへ家族でお花見に行っていたんですね。
中目黒の桜、上野の桜、谷中墓地の桜、箱崎公園の桜、福岡城址の桜、与儀公園の桜、どこの桜も癒されますが、去年は転居で久留米の桜を散策する余裕もあまりなく、荷物整理の日々でした。
いや正確にはまだ転居での荷物整理は終わってはいません。福岡市の時に住んでいた家での引っ越しの荷物整理が終わったのが転居から8年後でした。8年間も1部屋6畳をデッドスペースの未整理荷物部屋にするという、無駄な暮らしをしていたのです。今回もいつになったら荷物整理が終わるか分からないまま12畳の未整理荷物部屋ができあがっています。福岡よりも久留米の方が家の広さや部屋数に余裕がありますから、1部屋12畳がデッドスペースになっていても十二分の広さで生活できるため、これを何とかしなければと思いつつも、もはや荷物整理よりも桜の事を考えたい日々です。
福岡から久留米へと転居する際に、新しい家のイメージに合わないような収納用のラックを大量に破棄してしまいました。福岡で8年以上かけて荷物整理のために増やしたラックが、また大きく減ったところからの再出発な訳でして、その分の荷物が溢れてしまっています。ラックを買いに行こうと思いつつも、論文をひらめいたり、授業や雑務に追われたりと、こんな感じで福岡でも未整理状態が続いたのですが、その再現をまたしてしまっています。
さぁ、ブラブラとお花見散歩をするところでも考えましょ。
17日(木)
箱崎宮前駅が最寄り駅だった時に、麦焼酎の〈壱岐っ娘〉の看板が大々的にあったものの、日々目にしている時にはあまり触手は伸びませんでした。ところが久留米に来て〈壱岐っ娘〉の大きな看板を見なくなったところ、何となく〈壱岐っ娘〉を買いたくなり、しかもスーパーマーケットへ行ったらデラックスがそれなりに安くあったので、買ってみたのです。
そうしたら、これが久々のそれなりに安い価格でべらぼうに美味しい絶品でして、深夜にカミさんと二人で大盛り上がりをしてしまったのでした。シェリー樽で寝かせているらしく、そのためかチョコレートリキュールの〈モーツァルト〉のような甘い香りが心地よく、しかも味わいは麦焼酎ですからしつこくもくどくもない。25度を4合瓶で1000円ちょっと、それでこの味わいを提供できるというのは至高です。九州は美味しい酒の宝庫ですから、なかなか驚かなくなってしまいましたが、べらぼうに美味しい酒に出会うと興奮します。
飲み方としては、最初は1:1で割ったのですが、これは飲み始めはとっても美味しいのですが、時間とともに氷が解けると薄くなりすぎてしまう。続いて2:1で割ったのですが、これは氷が解けてくると最高の味わいになりますが、飲み始めがちょっと重い。絶品であるだけに、飲むための加減が難しく、頭を悩ませます。たぶん、氷を使わないように1:1で前割を作っておくのがベストなのでしょうが、それはそれで面倒なんですよね。難しい。
そんな〈壱岐っ娘デラックス〉を飲みながら、僕がこれはマツコ・デラックスだなぁっという話をカミさんにしたのです。そうしたら、そうじゃなくて杉田かおるか橋本環奈だと訂正されてしまいました。しかし、〈壱岐っ娘デラックス〉と名乗っているんだから、マツコ・デラックスを意識していて、それ以上の存在感を発しているように思うんだけどなぁ。カミさんにはデラックスに引きずられ過ぎだと憐れまれています。
24日(木)
戦前日本の中国大陸での戦線拡大と、ヨーロッパ戦線におけるナチスドイツの有利な戦況を踏まえ、アメリカは日本に初発を討たせて開戦させるために石油と屑鉄の禁輸等によって追い込んでいったわけでして、日本はその策略にまんまと嵌って1941年12月8日を迎えるのでした。そしてまずはマレー半島のコタバルを襲撃し、続いてハワイの真珠湾を攻撃していきます。
ところが、アメリカ側が日本にさせたかったのは、あくまでもコタバル襲撃レベルのアジアでの戦争だったことでしょう。石油の禁輸は、蘭領東インド(現インドネシア)への戦線を導くための布石でしょうから、それがハワイへの攻撃という予期せぬ行動を導いてしまったというのが、アメリカがいつになっても真珠湾攻撃を語り継ぐ理由になっているのだと思います。
それと同様に、イラン、イラク、タリバン、アルカイダなどなど、イスラム諸国やイスラム勢力への中東での戦争や締め付けは、中東での戦争だけを想定していながらやっていたところ、9.11が発生します。アメリカとしては中東が戦場であるのは当たり前というスタンスでいたところ、いきなりニューヨークのツインタワーやペンタゴンに飛行機が突っ込んだのです。アメリカが予期していた以上の反撃を食らったという点で、アメリカにとっては真珠湾に並ぶことなのでしょう。
そして今回、ソ連解体後の対ロシア戦略として、東ヨーロッパの国々や旧ソ連の国々を次々と反露国家へと誘導していき、対ロシア戦略のためのNATOへと加盟させていったのも、ロシアの影響力を削いでいくアメリカの戦略だったことでしょう。ロシアがNATOへと加盟したいと要望してもはね付け、NATOは対ロシア軍事同盟だとアピールし続けたのも、まさかロシアが戦争を始めるとは想定しなかったからでしょう。しかも、同じスラブ民族で親族も多いウクライナへまで。
ゼレンスキー大統領がアメリカ議会で行った演説は、彼がアメリカを鼓舞した演技派の名演説でありアメリカ国民は熱狂したのでしょうが、実態は、アメリカが常に敵側勢力がどのように行動するのかを読み間違え、想定以上のひどい被害にあってしまったがために、結果として復讐に燃え上がらざるを得なかったという歴史を描き出しています。そういう意味で、アメリカに援助されていたウクライナはアメリカの代理みたいなものでして、ゼレンスキー大統領の演説は言い得て妙だと思うのでした。
まぁ最終的に総力戦で勝つのがアメリカのやり方ですが、戦争前の自分たちの楽観的な予測が外れる癖は迷惑千万です。相手を軽んじて、怒った側、追い込まれた側が、どのような行動に出るのか分析できないところに、迷惑な大国アメリカの姿があります。
アメリカにとっては極東も中東もはるか遠くの話ですが、ロシアにとってウクライナはまさに喉元。アメリカにとってのキューバの位置にあります。ケネディ大統領がキューバ危機に際して核兵器の使用も検討したといわれていますが、ロシアとウクライナとの関係で、アメリカは自国のキューバ危機での大統領の反応などを忘れてしまったのでしょうか。
しかし、その迷惑な大国アメリカの誘導に乗ってしまうと、報復の大義名分が発生するわけでして、ロシアは完全にその陥穽に嵌ってしまっています。たとえアメリカがロシアを追い込んでいっていたにしろ、口火を切って他国への侵略をしてしまったロシアは、現在の国際世論に受け入れられることはありません。そういう意味で、アメリカは上手く、ロシアは下手です。かつて日本が下手だったように。
ロシアは核兵器を持っているので第3次世界大戦にならないよう、経済制裁レベルで止まるよう各国が奔走中ですが、ウクライナ戦線の状況次第では生物・化学兵器や最悪の場合には核兵器の使用も有り得ます。そうならないよう祈るばかりですが、そうなると、各国も更なる対応を迫られるわけでして、本当に悩ましい限りです。