| 2026年1月 |
6日(火)
あけましておめでとうございます、本年もよろしくお願いいたします。
さて、年明け早々のベネズエラの大統領をアメリカが逮捕してしまったというニュースには驚きました。ベネズエラといえば、僕が子どもの頃は豊かな産油国というイメージだったのですが、チャベス前大統領―マドゥロ大統領による社会主義政権によってすっかりと貧しい国に落ちぶれてしまっていました。しかも典型的な独裁者による人権抑圧国家として、知識人や中上流層を中心に迫害が行われ、国民の2割以上、25%くらいにあたる800万人以上が国外へ逃亡し難民化している国です。国外脱出に失敗し、殺されてしまった人々も多くいるとのこと。
2024年の大統領選挙では、野党候補が7割ほどの得票をした選挙結果を、マドゥロ大統領側の選挙管理委員会が不正な数字で大統領続投の選挙結果へと書き換えたと言われており、選挙に負けたという意味でも民主主義的な正当性がない状態になっていました。そのため、アメリカ軍による大統領逮捕によって、国外に逃亡中の人びとからは歓喜の声が上がりますし、国内の人びとの多くもアメリカとトランプ大統領への感謝の声が渦巻くという状況になっています。
しかしながら、これは国際法違反なわけです。現在の国際法では、不正選挙によって民主主義を無視し、自由に自国民を弾圧し迫害をするような政権の国があったとしても、他国がそれに干渉する国際法はありません。何万人、何十万人が虐殺されても、気の毒だわぁっと眺めて見ているだけなのが現在の国際法です。ようするに自国内でのクーデターや革命を期待するしかないのですが、トランプ大統領はそのような旧秩序を無視してしまったわけです。
今回の事態で面白いのは、2025年のノーベル平和賞を受賞したのがマリア・マチャドというベネズエラの反独裁を掲げた亡命政治家だったことです。トランプ大統領は自身にノーベル平和賞をとパフォーマンスをしていましたが、あれは半分はカモフラージュでベネズエラの独裁政権にスポットライトをあてて、今回への布石を敷いていたのでしょうね。世界中の多くの人々が、マドゥロ大統領による人権弾圧をよくよく知った状況が作り出されていました。
そして今回のアメリカの作戦ですが、基本的には対習近平戦でしょう。2027年の台湾を見ています。マドゥロ大統領がアメリカ軍に捕まる前に接見していたのが中国特使でして、中国に対する大きなアピールです。そして今回、アメリカ上院の外交委員会も無視しての行動でしたから、同じことは他の国に対しても行い得るし、他国によるアメリカ議会や議員へのロビー活動が意味をなさないというアピールでもあります。
また、社会主義経済に大失敗したベネズエラは、中国からの資金を大量に受け入れており、中国による南米戦略の拠点でもありました。もともと保守派が強くて親米的だったコロンビアに、左翼革命ゲリラ出身の大統領が誕生したのにも関係しているでしょう。アメリカにとって中南米の安定は重要なテーマですから、やり過ぎた中国への恫喝というように見えます。コロンビアも家族が麻薬マネーに手を出していて、麻薬マネーで勝ち取った政権と言われている大統領ですから、民主主義の敵としてトランプが何をするか分かりません。
かつて、トランプ大統領は習近平の中国が台湾へと武力を行使したならば、北京を爆撃するというジョークを飛ばしたわけですが、北京爆撃か習近平確保か、何をするか分からない空気を作り出したと言えるでしょう。一方の中国は、台湾を海上封鎖する軍事演習をしているわけでして、2027年にむけて色々とキナ臭くなってきました。与那国島、石垣島、西表島、小浜島、波照間島、竹富島、鳩間島、それに尖閣諸島と、巻き込まれそうな島嶼部を抱えている日本としては、緊張感が高まる局面が続いていきますね。
14日(水)
突然の解散風。国民民主党が支持母体の連合の方針によって自維連立政権への政権入りができず、自維国連立政権となれなかったのが一番大きな理由でしょうね。1年ちょっと前に石破内閣が解散総選挙をして、大敗をしながら政権に居座ったのが異常事態でしたが、基本的には解散総選挙で高市内閣を支持するのか否かというボールが国民へと投げられます。
高市内閣に続いてい欲しかったら自民か維新へ、高市内閣を終わらせたかったら野党各党へと国民が投票し、首相は潔くその選挙結果に従うというのが筋です。勝った時には良いですが、負けたとしても、間違っても石破茂前首相みたいな見苦しい状況は止めて貰いたいですね。選挙結果こそが国民の声です。
今回の争点の一番は高市内閣を信任するのか否かでしょうが、国民民主党が掲げるような現役世代の手取りをどうするのかという問題、参政党が掲げるような外国人政策をどうするのかという問題、維新が掲げるような社会保障費の見直しをどうするのかという問題、立憲民主党が求めるような台湾政策をめぐってアメリカ軍を支援しないのかという問題、色々と争点はあるでしょう。
ただどちらにしろ、早く決着がついて、速やかに来年度の予算案の審議に移って貰いたいものです。
20日(火)
今回の総選挙は読めませんね。高市内閣の支持率は高いですが、参政党や国民民主党の支持者からの支持がかなりあるために、小選挙区で参政党や国民民主党が擁立しているところは、自民と参政・国民とでどう票が投じられるか見えません。また、これまでの公明票が自民の小選挙区から失われますので、それが100%消えるのか、70%消えるのか、50%消えるのか、またその数はどのくらいだったのか全く不明です。高市総理が思っているほどには、自民党は勝てないのでは…という気はしますが。
一方で、立憲民主党と公明党の合併となりました。それぞれ別個に選挙戦をしていたら、共に大敗していたでしょうから、合流自体は合理的な選択だと思います。しかしながら合流の仕方が、公明党側の政策をほぼほぼ立憲民主党側が丸呑みするということで、合流によって1+1がいくつになるのか読めないのです。立憲民主党内のリベラル勢力からしてみたら、公明党の政策を丸呑みするというのは自民党とほぼほぼ一緒になると言う事を意味します。野田佳彦代表や岡田克也顧問はそれで良いでしょうが、どこまで支持者がついてこられるのでしょうか。
また、中道改革連合という党名もかなり悪手です。今回の選挙用であって、この名前が続くとは誰も思わない党名です。そして、「立憲民主党」・「立憲」・「立民」・「公明党」・「公明」という名前は、比例区に投じられたとしたら無効票になってしまいます。合併に賛成しない両党の支持者たちにより、大量にこの無効票が出るのでは・・・と思うのです。そして、これまで立憲民主党が国民民主党と按分していた「民主党」票は、国民民主党の総取りになります。自民党から政権奪取をした民主党という党名に愛着がある人たちもいますから、この「民主党」票が失われるのも影響があるでしょう。
また、両党の合併の中核を担ったのが岡田克也顧問ということで、言わずと知れた台湾有事についての火付け役で、中国に出店攻勢をかけるイオングループの一員です。そして公明党はもともと中国共産党とのパイプが強いことが売りでした。その結果、中道改革連合は政策の大半については自民党と変わらず、外交については親中政党という色合いが強くなります。これが、高市内閣との差別化において果たして有権者に受け入れられるか否かという問題があります。中道というネーミングも、中国への道とすでに揶揄されてしまっています。
そんなわけで、今回の総選挙で確実に得をするのは国民民主党と参政党でしょうね。有権者の手取りをアップする国民民主党、日本人ファーストの参政党、この2党は選挙のイメージ戦略がとても上手です。あとは立憲民主党内のリベラル票がどう動くかで、れいわが伸びるか、共産・社民の比例票が増えるか、ちょっとそこはよく分かりませんが、どこかは伸びそうです。
しかし何はともあれ、有権者の貴重な一票を大切に投じましょう。
29日(木)
衆議院選挙の序盤情勢が出ていますが、想定していた以上に高市自民党が強く、参政党や国民民主党が伸び悩んでいます。その結果もあって、参政党や国民民主党が自民党の票を削るために漁夫の利を得るとみられていた中道改革連合もまた、想定よりも低い感じになっていますね。ただ今回の序盤情勢を受けて、高市自民党がから流れ出る票もあるでしょうし、もともと公明党支持者は世論調査への回答をあまりしないという傾向もありますから、もう少し自民が減らし他党が増やすことにはなるんだと思いますが、それにしても驚きです。
高市自民党の強さの理由は色々とあるでしょうが、1つは人事が上手いことでしょう。象徴的なのが、二度の総裁選の負けで死に体になっていた小泉進次郎防衛大臣でして、完全に復活しています。祖父の小泉純也が防衛庁長官でしたが、地元が横須賀と言う事もあって、もともとは防衛族だったんですね。知りませんでした。というか、小泉純一郎イメージが強く、たぶん小泉進次郎陣営もその延長で色々とやっていたのでしょうが、高市首相は小泉進次郎の一番の強みというか本質は防衛族にあると見ていたのでしょう。
政調会長に置いた小林鷹之、財務大臣に置いた片山さつき、広報委員長において鈴木貴子をはじめとして、適材適所で人が動いています。お友達人事の論功行賞に終始した石破前首相や、側近の木原誠二議員のアドバイスでだだすべった岸田元首相とは、雲泥の差になっています。特に若手中堅の議員の使い方が上手いところも、若い世代の支持につながっているのだと思います。ただ、どうかという人事もありますから、将来的には分かりませんが、現状はこれがとても上手くいっている。
もう一つは台湾有事をめぐる発言での対中関係の悪化でしょう。これは、中国の対応次第では高市内閣にとってダメージになったのでしょうが、中国が日本への渡航制限へと乗り出したのが大きい。日本はインバウンド疲れによって、外国人旅行客の傍若無人な行動に辟易としていたのですが、その傍若無人な観光客を中国が減らしてくれています。とくに春節のこの時期に、中国人の団体観光客が減っている状況は、明かに高市内閣の功績になっています。中国政府のおかげで高市自民党の票が増えるという、奇怪な状況が生み出されたと言えるでしょう。
一方で、参政党と国民民主党ですが、参政党の伸び悩みは、高市首相を支持するならば参政党へ投票をという、訳の分からない事を言い始めてしまったことが原因でしょうか。高市首相を支持するならば、自民党へ投票するでしょう。特に、小選挙区の案山子戦略があまり評判がよろしくありません。中選挙区制の参議院選挙と、小選挙区制の衆議院選挙は違いまして、参政党に当選の可能性が低い選挙区への案山子は、高市自民党への妨害と移ってしまったのでしょう。
石破内閣だったら保守系の第3極としてムーブが起きたでしょうが、支持率の高い高市政権では効果はかなり限定的になっています。もっと象徴的な選挙区に限定するなりした方が、比例区の積み増しができたのかも知れません。支持層が若い世代や現役世代ということで、支持層と案山子戦略の相性の悪さもありそうです。ただこの方向性は、高市政権の政策の失敗や、高市後など将来的な状況によっては、ムーブメントが起きる可能性があるのですけどね。今回はハズした感じです。
今回に関しては、参政党も国民民主党も、高市内閣ではまだまだ足りないと国民が感じている部分を、いかにしてリードし、高市内閣に修正を迫るかという方向性に行くならば、比例票ももっと伸びるだろうにという感じがしています。
そして中道改革連合ですが、参政党と国民民主党の伸び悩みによって漁夫の利があまり狙えなくなっているのに加えて、1+1が、2よりも1に近い感じになっています。これはなかなかに衝撃的です。野田佳彦代表の統一教会との関係とかもありますが、そんなことの影響は軽微でしょう。それよりも、公明党と立憲民主党リベラルとの相性が悪いことが根本原因だと思います。中道改革連合をつくるにあたって、政策は公明党側を丸呑みし、比例区も公明党へと全面割譲する形になりました。
これによってすでに公明党側は改選議席を上回る28議席をほぼ獲得しました。斉藤哲夫代表の作戦勝ちでして、すでに公明党側は万歳三唱の嵐でしょう。ほぼ選挙戦は終わって、すでにウィニングランをしている状態です。一方で立憲民主党側は、リベラル支持層を繋ぎ止めていた政策を軒並み放棄してしまった上に、比例での復活当選の可能性もぐっと少なくなってしまいました。逃げる支持層もあるでしょうし、公明党側の比例優遇への不満も高まるばかりでしょう。
なんていうか、民主党政権を終わらせた野田佳彦元首相は、立憲民主党も終わらせようとしているように見えます。野田佳彦という政治家は興味深い人物でして、自分の選挙戦はどぶ板で鉄板ですから、どんなに逆風が吹いても負けません。だからではないでしょうが、野田佳彦代表は自分の党に逆風を吹かせてしまう癖があります。たぶん、選挙のための風をあまり意識しないで良いために、そういうことに無頓着なのでしょうね。
参政党などへの風は弱まっているとはいえ、外国人労働者の問題というのは今回の総選挙でも隠れた大きなテーマです。そこに中道改革連合は、無制限での外国人労働者の流入と移民化、そして外国人参政権を政策として掲げています。これはポリコレ的には大きな方向性なのでしょうが、現在の日本でこのようなポリコレ政策が受け入れられるかというとかなり微妙でしょう。高市自民党は、参政党が求める水準ではないものの、それなりに外国人労働者の規制へと舵を切り始めています。そことの対比で中道改革連合は、わざわざ国民の不人気政策を看板に掲げた感じになっています。
また、辺野古移設の問題と、台湾有事などの対応についても、あやふやです。辺野古移設について野田代表は選挙後に結論を出すと言っていますが、普通は選挙にあたって有権者に訴えるものでしょう。また、台湾有事は先島諸島を抱える沖縄有事でもあるわけですが、安保法制については反対を撤回してリベラル層を離反させるとともに、台湾有事ではアメリカ軍に協力しないと保守層を呆気にとらせています。支離滅裂です。どちらの問題も、中道改革連合は沖縄のことを真面目に考えてこなかったという表明にしかなっていません。
そんなこんなが総合的になって、序盤での高市自民党圧勝報道に繋がっているのでしょう。ただ、この圧勝報道は、有権者の投票行動にも影響を与えますから、まだまだどうなるか分かりません。投票所の整理券ですが、久留米市も2月2日〜4日にしか届かないということですし、全国的に不在者投票の不調による投票率の低下が懸念されています。寒さや雪が影響する地域もあるでしょうが、有権者の貴重な1票を、皆さん無駄にしないようにしましょうね。